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更新日:2021年6月14日
近年、想定を超える浸水被害が発生している状況を踏まえ、平成27年5月に水防法が改正され、ハード対策では守れないような最大規模の高潮に対して水防活動・避難行動などのソフト対策を推進するために、兵庫県より新たに“想定し得る最大規模の高潮浸水想定区域”が作成・公表されました。
芦屋市では平成30年9月に台風第21号の高潮・高波による大きな被害がありました。このことからも浸水の可能性を知り、高潮や台風等に対する日常的な備えや避難に役立てていただくよう令和元年12月に芦屋市高潮防災情報マップを作成・配布いたしました。
分かりにくい点などは、補足事項として以下のQ&Aも参考に“いざという時”に命を守る準備をお願いいたします。
A.現在の海岸堤防等の整備水準を超えるような発生確率の低い超大型台風が発生する可能性は否定できず、それによる被害は大きいと考えられます。そのような万が一の災害に対して水害リスクを広く住民に周知し、命を守るための避難行動をとっていただくために公表をしました。
A.高潮浸水想定区域図は、想定し得る最大規模の高潮による氾濫が発生した場合に、浸水が想定される区域、浸水の深さを示すものです。
A.台風の規模として、中心気圧を我が国既往最大規模の室戸台風級(1934年、上陸時911.6hPa)、台風の移動速度と半径は伊勢湾台風級(1959年、移動速度:73km/h、最大旋衡風速半径75km)を想定し、この台風により発生する高潮を予測したものです。
最大旋衡(せんこう)風速半径:台風中心から風速が最大となる半径
A.今回の検討で想定している台風の中心気圧は、我が国既往最大規模である室戸台風級の910hPaで、大阪湾周辺を通過する確率は500年から4000年に1回程度(経路を考慮しない中心気圧の確率評価)と想定されます。
A.海岸線からの浸水に加え、宮川や堀切川といった高潮による影響を受ける河川から溢れることにより浸水する想定となっています。
A.データ処理上、着色されない箇所です。通常、高潮の危険性が高い状況では、風雨も非常に激しい状況と考えられ、川沿いや海沿いは増水しており大変危険です。絶対に近づかないようにしてください。
A.警戒レベル及び避難情報を発令するのは、自治体(芦屋市)となっており、その参考情報として気象庁が発信する情報です。あくまでも参考情報のため、例えば、警戒レベル3相当情報にあたる警報が発表されたとしても、必ずしも自治体が警戒レベル3の発令をするとは限りません。
A.施設の整備状況、建築物の立地状況の変化等により、浸水想定区域及び浸水深が変化することが想定されるため、高潮浸水の挙動に影響を与えるような状況の変化があった場合には、兵庫県において高潮浸水想定区域の見直しの検討を行ないます。
A.兵庫県より高潮浸水想定区域図の見直しが行われた場合や浸水継続時間が公表された場合、避難行動に関する新たな知見が得られた場合等は、随時更新を行なう予定ですが、「令和元年度芦屋市防災情報マップ」のように毎年の配布は予定しておりません。
A.高潮防災情報マップを見ながら、以下の手順で、避難の方法を確認してください。
※市が発令する避難情報については、令和3年5月より「警戒レベル3高齢者等避難」、「警戒レベル4避難指示」、「警戒レベル5緊急安全確保」に変更されています。詳しくは、市が発令する避難情報のページをご参照ください。
A.「自宅から出る」避難方法です。立ち退き避難をしなければいけない状況では、お住まいに浸水の恐れがあるため、別の場所へ避難しないと命の危険があります。
A.雨風が防げること、浸水しない居住エリアがあること、生活に必要な物資が確保されていること、ライフライン(電気やガスなど)が途絶したときも対応できること、等が挙げられます。
A.命を守るためにご利用いただけます。ただし、津波一時避難施設を利用する状況というのは、高潮の危険が間近に差し迫っている状況ですので、できる限り早めの避難行動を心がけてください。
A.津波一時避難施設の他にも「お住いのマンションの上階」や「近隣の津波一時避難施設以外の建物の上階」を想定しています。
A.お住いの階が2階以下であれば、立ち退き避難の必要があります。なお、シミュレーションは不確実性を含んだ結果であるため、3階以上であっても避難情報を確認するなど注意が必要です。
A.現状では明確な基準はありませんが、接近している台風が室戸台風級の910hPa(今回想定している台風の中心気圧)と同程度で芦屋市に近づく場合は、想定最大規模に匹敵する可能性がございます。気象庁から発表される気象情報に注意して、事前の避難行動を取るよう心掛けてください。
A.現在宮川や南芦屋浜にて施工中の工事は、平成30年の台風第21号規模程度の高潮・高波被害を防ぐための工事であり、想定最大規模の高潮被害を防ぐものではありません。
A.最大規模の高潮浸水想定は危機管理・避難警戒態勢(ソフト対策)の充実を図るものであり、ハード対策については、兵庫県が平成30年の台風第21号等を踏まえた高波条件の見直しを行ない、必要堤防高さを設定し、計画的に対策に取り組んでいきます。
A.この高潮浸水想定区域図をもとに、水防法の規定に基づき、兵庫県は水位周知海岸の指定や高潮特別警戒水位の設定など、想定し得る最大規模の高潮への取るべき避難行動等のソフト対策の具体化に向け、取り組んでいく予定です。また、浸水の想定される範囲が広範に広がっているため、広域避難対策などの避難計画等については今後の検討課題と認識しており、関係機関が連携して対応していきたいと考えています。