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更新日:2014年11月28日

被害の概要

 

被害の特徴

阪神・淡路大震災は、我が国における社会経済的な諸機能が集積する都市を直撃した初めての直下地震である。被害状況については別項に詳しく示しているが、全体で死者は6,400人以上(いわゆる関連死を含む)、負傷者は43,700人以上に及ぶなど関東大震災以来の国内最悪の甚大な災害となっている。

本市においては平成14年12月26日現在で死者444人(関連死を含む。)、負傷者は判明しているだけでも3千人以上、市内の建物の半数以上となる8,700棟余りが全半壊と判定されるなど、まさに壊滅肘な被害を受けた。

本市におけるこの震災の被害の特徴としては、次のようなことがあげられる。

  • 地震発生直後、一瞬のうちに老朽木造家屋を中心に多くの建物が倒壊した。鉄骨造、鉄筋コンクリート造等の建物も一部倒壊するなど大きな被害が発生した。
  • 早朝の発災であったため、就寝中の市民が倒壊した建物や家具等の下敷きとなるなど、多数の死傷者が発生した。
  • 地震発生直後に同時多発火災が発生し、さらに3日目まで地震が原因と考えられる火災が引き続き発生した。
  • 発災後の各種の応急活動を展開すべき市庁舎等の中枢機能が自ら被災した。 
  • 応急・復旧活動に必要不可欠な道路や交通機関等のインフラ施設が損壊した。
  • 水道、下水道、通信、電気、ガス等のライフライン施設が損壊し、発災後の生活や応急活動の機能が著しく低下した。
  • 芦屋浜の埋立地区を中心に広い範囲で地盤の液状化が発生した。
  • 住宅の被害が全市的に甚大であったため、多くの市民が長期にわたり避難所で生活し、避難所解消後は応急仮設住宅等での不自由な生活を余儀なくされた。

これ程の大きな被害を受けながら、市民は冷静な判断で行動し、この種の災害で起こりがちなパ二ック状態に陥ることなく、大きな社会的混乱が発生することはなかった。

しかし、地震発生時の条件が異なっていれば、状況はさらに悪化していたことも考えられる。

地震発生時の風が弱かった(約2m/s)ため延焼が最小限にとどまったことや、地震発生が3連休の明けた早朝であったため、まもなく夜が明けて明るくなったこと、自宅に家族が揃っていたこと、交通機関がまだ一部しか稼働していなかったこと、火気の使用率が低かったであろうことなど、被害の拡大や混乱を最小限にしうるいくつかの条件があったと思われる。

 

これまでに判明している被害は、おおむね次のとおりである。 

被害状況一覧表

区分

被害

備考

人的被害

死者

444

平成14年12月26日現在

行方不明

0

負傷者

3,175

 

避難者

20,960

ピーク時(1月19日)

建物被害

全壊

4,722

平成8年5月31日現在

半壊

4,062

一部損壊

4,786

地震火災

13

発災後3日間の発生件数

公共土木施設等被害害

道路

m

47,410

市道・国庫補助対象分

橋梁

箇所

12

河川

箇所

2

平成8年度に復旧完了

海岸施設

箇所

8

平成8年度に復旧完了

公園

箇所

33

国庫補助対象分

ライフライン等被害

水道

直後に全域で停止

2月28日に給水率96%

下水道管渠

箇所

277

(H7.3.31現在の応急復旧箇所)

下水処理場

直後に処理機能停止

1月31日から下水処理開始

電話

回線

9,200

1月31日までに復旧完了

電気

直後に全域で停電

1月22日に応急復旧完了

ガス

直後に全域で停止

4月10日に復旧率99.8%

鉄道不通

直後に広域的に不通

JR:4月1日, 阪急:6月12日, 阪神:6月26日に全線開通

 

 火災の発生状況

地震の発生した1月17日から19日までの3日間で13件の火災が市内で発生した。これは世帯数当たりの出火率でみると、被災地の中でも最も高い率の市区の一つとなる(神戸市長田区と同等)。そのうち8件が地震発生直後に同時多発した。

これに対して、消火栓が断水で利用できなかったこと、膨大な数の救助等の要請が殺到していたこと、倒壊家屋や道路の損壊による通行不能など、厳しい条件の中で、すべての火災を焼損面積1,000平方メートル未満にくい止めることができた。

 液状化の発生状況

本市南部の芦屋浜地区は、昭和44年11月から50年3月にかけて兵庫県企業庁により埋立造成された土地である。ここに兵庫県、兵庫県住宅供給公社、住宅・都市整備公団、民間(アステム等)による住宅、公共公益施設等が建設されている。当時としては画期的な超高層住宅棟群が林立し、周辺には戸建て住宅等が配置された。

この地区が、阪神・淡路大震災により大規模な地盤の液状化による被害に見舞われた。道路の陥没などは発災直後から確認されていたが、発災直後の市や日本建築学会等の調査では、この地区の建物には大きな被害がないとされていた。ところが、その後の調査で地盤の液状化に伴う建物基礎部分の不同沈下により、多くの家屋が傾くなどの被害が発生していたことが判明した。

また、護岸の堤体ブロックの側方流動、沈下・傾斜と埋立地全体の地盤の不同沈下がみられた。芦屋浜地区のさらに南側で造成が行われていた南芦屋浜地区においても、液状化による噴砂等が発生した。

このほか旧海岸線以北においても、臨海部や河川沿い等において、地盤の液状化に伴うと考えられる被害が発生した。

液状化

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