(5) 広報あしや 平成30年(2018年)5月1日号 No.1227 まちと公園のありかた  近年、少子高齢化や人口減少など社会情勢や土地利用の変化・価値観やニーズの多様化の中で、都市公園等に求められる役割が変わってきています。  市民の公園利用に対するニーズの多様化により、利用される年齢層によって「公園に期待していること」はさまざまであり、地域やエリアによっても異なります。貴重なオープンスペースである公園を皆さんが気持ちよく利用するには、お互いの譲り合いや利用マナーも必要です。  大きな公園では地域交流のイベント会場として、身近で小規模な公園では地域の活動団体の活動フィールドとして、地域のコミュニティづくりや地域活性化の取り組みの場として、公園が活用されていくよう進めていきます。 宮塚公園周辺の取り組み  今年度は、宮塚公園の利活用促進のほかに、旧宮塚町住宅を女性活躍や情報発信の場としての旧宮塚町住宅の改修、市民活動の拠点としての市民活動センターの改修、旧山邑家住宅(ヨドコウ迎賓館)のリニューアルオープンなどの取り組みを予定しており、これらを一つのエリアと捉え(ブランディングエリア)、JR芦屋駅南地区の市街地再開発事業にあわせ、更なる賑わいなどの新たな価値の創出を図ろうとしています。このブランディングエリアは、JR芦屋駅から阪神芦屋駅にかけて商業施設が緩やかに集まる地区と当該地区から旧山邑家住宅に至る芦屋川沿岸沿いを対象としており、都市計画マスタープランで「都市回遊ゾーン」などにも位置付けられています。特に、旧宮塚町住宅は、市営住宅としては珍しい石造りで、旧山邑家住宅で使用した大谷石と同種の凝灰岩である日華石を使用した独特の趣がある建物であることから、昨年度に国登録有形文化財に指定された旧芦屋郵便局電話事務所(芦屋モノリス)や芦屋仏教会館とともに新たな文化的スポットとなることも期待されており、来年春のリニューアルオープンに向けて、ワークショップなどの各種イベントを予定しています。 問い合わせ 政策推進課 ☎38-2127 「みんなで使える、ぼくらの公園に。」  公園は、みなさんにとってどんな場所でしょうか?  「小さな子どもが駆け回る場所」「小学生たちが集まってゲームしている場所」「地域のシニア達が体操をしている場所」「ママ友たちがおしゃべりしている場所」… みなさんの公園に対する思いは、千差万別。色々な思いがある場所だろうと思います。その中で共通している思いは、“みんなの場所”だということではないでしょうか。  一方で、2017年には都市公園法も改正され公園を取り巻く環境は大きく変化しています。都市の緑地を量的に確保する時代から、質的に向上させる時代に転換しようとしています。  そこでポイントとなるのが、公園は“みんなの場所”という考え方です。公園を量的に確保しようとしてきた今までの時代は、“みんなの場所”だから勝手なことはしちゃいけない、行政によりしっかりと管理された場所だから自由に使ってはいけないと禁止する管理が行われてきました。たくさんの公園を一括で行政が管理するために、近隣に暮らす市民の方にご迷惑をかけないように、公園には禁止看板が並び、自由に使うことができない“誰かのためのみんなの場所”になってしまっていたのです。  では、公園を質的に向上させる時代とはどのようなものでしょうか。市民一人ひとりがゆっくりとくつろぎ、楽しく遊び、時には集まりイベントを行うこともできる、たくさんの使い方が生まれ、“みんなが使える場所”になることが、公園の質的な向上の一つの大きな要素です。禁止により管理された場所ではなく、多様な利用が適切に運営される場所に変わっていくことが公園に必要な変化なのです。そして、その多様な利用は市民一人ひとりの、『〇〇したい』という思いから生まれるのです。  お住まいの近くの公園にもう一度目を向けてみてください。公園は地域にお住まいのみなさん、一人ひとりのための公共空間です。公園は自分たちのための公共空間なのです。地域のみんなで使い、地域のみんなで気持ちよく暮らすための場所なのです。“誰も使えない、みんなの場所”から、“みんなが使える、ぼくらの場所”へ、市民のみなさんと地域の行政が一緒になって育てることで、あなたにとっても楽しい場所に公園を変える第一歩となるのです。まずは、自分が出来る小さなことから公園を使ってみて、公園について少し考え始めてみませんか。 ■5月は赤十字運動月間です 赤十字の活動にご理解をいただき、活動資金へのご協力・ご支援をお願いします。 [問い合わせ]日赤芦屋市地区事務局 ☎38-2153(地域福祉課内)