02-03 特 集 障がいのある人もない人も お互いが認め合って共に暮らすまちへ 障がいのある人が、日常や社会の中で感じる生活のしづらさや不安。これらは、社会によってつくり出されたものが多く、周りの人の理解やサポートで、不便さや困難さは解消されることがあります。 障がいの有無で分け隔てられることなく、お互いの人格と個性を尊重し、みんなで一緒に暮らせる社会を実現するためには、「障がい」・「障がいのある人」に対する理解や考えを深めていくことが大切です。 問い合わせ 障がい福祉課 ☎38-2043 /[ファクス]38-2160 今回表紙に登場していただいた七村千里男さんに、自身の視覚障がいのこと、日々の生活のこと、伝えたいことをお伺いしました。 全盲という視覚障がい 市内に住む七村千里男さんは45歳の時に視力の低下を感じ始め、病院を受診すると「網膜色素変性症」と診断されました。この病気は、視力がだんだんと下がっていき、ハチの巣状に視野が欠損していくもので、医師からいずれは失明すると伝えられたそうです。それまでは建設会社で設計の仕事をしており、車の運転もしていたのですが、症状が進むにつれ、視界にモヤがかかったような状態になり、50代後半で全盲になりました。 現在は、内装や外壁の塗装をする会社を興して仕事をしながら、市や県の身体障害者福祉協会などで精力的に活動されています。 毎日工夫をしながら生活 毎日の生活で困っていることはないと話す七村さん。「自分で食べるので少々まずくても大丈夫」と食事も自身で作るそうです。料理していることを人に話すと「包丁で手を切らないの?」と聞かれることが多いそうですが、「包丁の下に手を置くから切れる。その辺は感覚でわかるので手を切ることはない。」と自信たっぷりに教えてくれました。裁縫はセルフ針(簡単に糸を通せる針)を使うことで自分でできるし、お金の支払いも、硬貨を種類ごとに財布に入れているので困らないと、さまざまな工夫をしながら楽しんで生活を送っている様子が伝わってきます。 会議でも議事録を作ることが多いそうで、どのように作成しているのかを伺ったところ、「こうやるんですよ」と携帯電話の音声読み上げ機能を使いながら素早く作成するところを見せてくれました。他にも「これからはみんなスマホを使う時代」と無線通信で接続できる身体障がい者用のキーボードを使って凹凸のないスマートフォンを使用していることや、写真に撮った画像を読み上げてくれるアプリを駆使して服を選んでいること、映像を説明してくれるアプリを使って映画を楽しんでいることを教えてくれました。「昔と違って今はいろんな技術が生まれて便利になった。そのおかげで幸せに暮らせています。」 芦屋市への想い 七村さんに、芦屋市が今後どんな街になればいいか聞いてみたところ、「音声信号機と誘導タイルがもっと設置されて視覚障がい者が外出しやすい街になってほしい。あと、白杖を持っている人を見かけたら、肩をポンと叩いて『お手伝いしましょうか』と声掛けをしてくれる人が増えると嬉しい」とのこと。 今はまだ、白杖を持っている人が目の不自由な人と知らない人が多く、白杖をついて歩いていても足の不自由な人と勘違いされることが多いそうです。「白杖を知らない人にも視覚障がいがあるとわかってもらえるようにバッジをつけていますが、まだまだ浸透していません。」 こんな現状を変えようと七村さんは、幼稚園や小中学校で福祉授業を行っています。そこでは、声掛けをしてほしいということ、道のデコボコや段差など危ないと思う場所があれば、先生や親、市役所に伝えてほしいということを子どもたちに伝えています。授業を受けた後には子どもたちがたくさん声をかけてくれるようになったそうです。 「子どもたちが声をかけて助けてくれた時は、学校に感謝を伝えるようにしています。そうすればお互いに嬉しいでしょう。」と笑顔で話してくれました。 つながることの大切さ さまざまな福祉団体での活動の他にも、魚釣り・ボウリング・サウンドテーブルテニスと多趣味な七村さんは忙しい毎日を過ごしています。「いろいろな形でいろいろな人と繋がることで、たくさんのことを教えてもらっています。おかげで楽しい毎日が過ごせています。」と謙虚に語る七村さんの姿から、「人とのつながり」「社会とのつながり」が人生の豊かさにつながり、共生社会の実現につながるのだと実感しました。 七村千里男さん 50代後半で視力を失ったが、明るく前向きな人柄は、いつもまわりを楽しい気持ちに包みこんでくれます。 合理的配慮提供支援助成事業 市内に事業所をおく民間事業者の方が、障がいのある人に必要な合理的配慮の提供を行った場合、その費用の一部を助成する合理的配慮提供支援助成事業を実施しています。 視覚障がいのある人のための音声コードを用いたチラシの作成、車椅子に乗っている人がスムーズに入店できるよう、入店時の段差解消のための簡易スロープの設置など、市内に利用しやすい店舗等が増えていくことで、障がいのある人もない人も誰もが暮らしやすい共生のまちづくりを推進しています。 ■問い合わせ 障がい福祉課 ☎38-2043 /[ファクス]38-2160 ■対象  芦屋市内において飲食・物販・医療など不特定多数の人が利用し、  障がいのある人の利用が見込まれる事業を行う民間事業者 ■助成金額  助成区分(助成の一例)       助成限度額  ◆コミュニケーションツールの助成  5万円   点字メニュー   音声チラシ  ◆物品の購入            10万円   筆談ボード   折り畳み式スロープ  ◆改修工事の施工          20万円   手すりの設置   多機能トイレの設置  ※助成限度額に達するまで申請することが出来ます(同一年度内の複数回の申請可能) 第15回芦屋市障がい児・者作品展  キックオフ 未来のアーティストたち~絶対に見逃せないアートがここにある~ ■日時 12月7日~13日・午前9時30分~午後5時 ■会場 保健福祉センター1階エントラン  スホール・木口記念会館1階〈月曜休館〉 ■問い合わせ 芦屋市障がい者基幹相談  支援センター☎31-0739/[ファクス]32-7529 芦屋の障がい福祉が『まるっと』わかる展示イベント「まるっと説明会」 ■日時 令和5年2月18日(土)午前10時~午後4時  ※パネル展示:2月14日・正午~19日・午後5時 ■会場 木口記念会館 ■内容 パネル展示・手作り動画・事業所職員、相談員等  による相談・高校生の福祉研究発表ブース・特別講座など  【特別講座〈要予約〉】2月18日(土)  ■申し込み 1月10日~2月10日に下記2次元   コードから専用フォームへ ■問い合わせ 芦屋市障がい者基幹相談支援センター  まるっと説明会2022実行委員会事務局☎31-0739/[ファクス]32-7529 「あしやねっと♪」は、障がいがある人、そのご家族のために、情報を見つけやすく、わかりやすく、使いやすく一つにまとめたオリジナルのポータルサイトです。 芦屋市自立支援協議会 芦屋市自立支援協議会では各種SNSをとおして情報発信をしています。 ぜひフォローしてください。