02 特 集 新春 スペシャル対談 自然と文化の調和が紡ぐ 子育て・教育にふさわしいまちへ 芦屋市長   2023ミス日本グランプリ 髙島崚輔 × 吉岡恵麻 『第55回2023ミス日本コンテスト』でグランプリを受賞した芦屋市出身の吉岡恵麻さん。 2023年5月に史上最年少で市長となり、就任から約半年を迎えた髙島市長。 希望あふれるおふたりに今後の目標や芦屋市の未来について、語り合っていただきました。 ―ミス日本・市長を目指したきっかけは? 吉岡:理由は2つあって、1つはミス日本のファイナリストになると勉強会に参加できることです。勉強会の中に、日本最古の流派であるお能の先生の授業があり、私は古典文学が好きなので受けてみたいと思ったこと。もう1つは、アルバイト先のテレビ局で元衆議院議員の金子恵美さん(元ミス日本関東地区代表)とお会いし、素晴らしいお人柄に触れ、そういう人になりたいと思ったことです。 髙島:ファイナリストだけが出られる勉強会があるのですね。 吉岡:はい。4カ月くらい勉強会があり、そこでは能だけでなく、生け花、浮世絵、ウォーキングなどさまざまなことが学べます。勉強会に参加したいからミス日本を志すという方もおられます。 髙島:そうなんですね!初めて知りました。 私が市長に立候補したきっかけは、市長が世の中を変えられる仕事だと感じたことです。小6の時、当時住んでいた箕面市で市長が30代に若返り、街の変化を実感しました。さまざまな行政職の中でも、市長は市民・国民に最も近く、密接に仕事ができる存在です。市政を変えることは、市民生活をよくすることに直接つながる。こんな素晴らしい仕事はないと思いますし、その想いは就任後ますます強まるばかりです。 ―芦屋の好きなところ・好きな過ごし方は? 髙島:ひとつ挙げるなら、人の温かさが好きです。自然豊かな住環境も素晴らしいですが、この環境を守ってこられた市民の皆さまの力こそが芦屋の魅力の源泉だなと。 吉岡:素敵ですね。 私は市長が今仰っていた自然環境、都市に近いのに自然が豊かなところが好きです。朝キツツキの音で目が覚めたり、カワセミが飛んでいたり、川がきれいな証拠です。 髙島:芦屋にもキツツキやカワセミがいるなんて嬉しいです。休日には自然の中を散歩されるのですか? 吉岡:ランニングが好きで、芦屋川沿いを走ったり高座の滝まで走ったりします。出身の山手中学校の陸上部では高座の滝まで走るんですよ。 髙島:確かに三条コミスクの運動会でも、山道をみんなで走っていました。 吉岡:アクティブなのでよく走っています。都会に近いのに自然を感じられ、優雅な気持ちで走ることができて嬉しいです。 市長はスポーツされたりしますか? 髙島:中学から大学までラグビーをやっていましたし、スポーツは大好きです。コミスクの運動会でもいくつか競技に参加しました。本当はランニングもしたいのですが…続けるのは難しくありませんか? 吉岡:お忙しいですもんね。私も初めはランニングがそんなに好きではなかったんです。ですが、走っているうちにタイムを伸ばすことが楽しく思い始めて、続けているうちに好きになってきました。上達したら芦屋さくらファンランにも参加してみたいです。 髙島:ご参加お待ちしています! ―古典文化の魅力とは? 吉岡:私は古典文化が好きで、魅力や面白さを若い世代の方に伝えていけたらと思っています。百人一首から興味を持ち始め、歌の意味を見るうちに、今も昔も考え方は同じだなとか、感情に共感できることが面白いと思い始めました。自分がピンチになった時や、モヤモヤしたときに、昔の人はどうやって感情を整理したんだろうと調べることもあります。 髙島:好きな歌、心にずっと残っている一首はありますか? 吉岡:「長らへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき」という和歌があるのですが、「人生に辛いこともきっとあるけど、長く生きていたらなんとかなるよ」というポジティブな和歌です。この一首に励まされ、「よし、なんとかなる。なんとかなる。」と切り抜けられたことがあります。 他にも古典には、恋[出演]や家族[出演]といった今も昔も変わらないものが多くあり、知っていただければ好きになると思います。 髙島:素敵なエピソードですね。私がいまの教育の課題だと考えているのが、「なぜ学ぶのか」ほとんど誰も納得せずに学んでいることです。数学や理科もそうですが、古典はもっと分かりづらいですよね。吉岡さんのように、古典で描かれている心の機微と今の自分を繋げられれば、古典にももっと興味が湧いてくるはず。学びへの意欲を高められるような教育を届けたいと改めて思いました。 ―目指すリーダー像は? 髙島:リーダーが下す意思決定は、賛否が51対49で僅差の場合にどちらを選ぶかという決断がほとんどです。いかにエビデンスに基づく意思決定ができるか、そしてその意思決定に納得いただけるよう対話を尽くすかが重要だと考えています。 吉岡:SNSなどでもかなり発信されていますよね。 髙島:見ていただきありがとうございます。対話集会も、信頼関係を積み重ねる一助になればと開催しています。就任して半年あまり、改めて感じたのは市役所はアピールが苦手だということ。実はこんなことも考えて政策を決めている、といった過程も含めてお伝えしたいと思っています。 吉岡:私は、アナウンサーを目指していることもあり、憧れているキャスターの情報を伝えた後に語り掛ける「考えてみませんか?」という言葉が素敵だなと思っていて、社会問題を一緒に考えてもらえるような伝え方や言葉がけの方法を学ばせていただいています。少し大きいことを言いますが、これから若い世代で日本を変えていけたらいいなと思っているんです。そのためには社会問題について自分ごととして考えることが大事だと。一人ひとりが問題に向き合ってできることを実践していく。そうやってこれから長い年月を経て徐々に日本や社会を変えていけたらいいなと思います。 ―これから芦屋がどのようになってほしいか 吉岡:若い世代が増え、活気がある街になってほしいです。若者が大人になって街の外でチャレンジしても「また帰ってきたい」と思ってもらえるような街になれば嬉しいです。ミス日本として神奈川県の三浦国際市民マラソンに参加させていただきました。大きなスポーツ行事には多くの人が来てくださるので、そういったイベントを実施し、芦屋のきれいな街や自然に触れてもらって、芦屋のファンが増えていけばいいと思います。 髙島:「いずれ帰ってきたい」と思える街に、という点にはとても共感します。若い世代を繋ぎとめるのは難しいし、やるべきではない。 むしろ、芦屋で良い教育を受けて広い世界に羽ばたいてほしい。大学進学や就職を機に大きな舞台で挑戦する人が多いことは、誇って良いと思っています。ただ、その方々が子育てをするときに「自分が生まれ育った場所が芦屋でよかったな」「子どもを育てるなら芦屋に帰ろうかな」と思っていただけるような街にしたいと考えています。 吉岡:もし芦屋をでることになったとしても、いずれ芦屋に帰ってきたいと思っています! 髙島:ぜひ帰ってきてくださいね! 2023ミス日本グランプリ 吉岡恵麻(よしおか えま) 芦屋市出身・関西学院大学在学中。 『第55回ミス日本コンテスト2023』でグランプリに輝いた。(「日本らしい美しさ」を磨き、社会で活躍することを後押しする美のコンテスト。容姿だけでなく心の持ちようや社交性など幅広い人間性を問う。) 特技は百人一首と硬式テニス。 趣味は神社仏閣巡り、ダンス、古典を読むこと。 将来の希望は多くの人に古典の魅力を伝えること、美しい日本語を話せるアナウンサーになること。 芦屋市長 髙島崚輔(たかしま りょうすけ) 芦屋市長。1997年2月生まれ。灘中学校・高等学校卒業、東京大学中退、ハーバード大学卒業。2023年4月の芦屋市長選挙で史上最年少の市長に。 【市民の皆さまへ】 対話を中心としたまちづくりを掲げ、就任から8カ月が経ちました。対話集会や市内のイベント等で声を届けてくださった皆さま、本当にありがとうございました。その想いを形にする第一歩が、初めての予算です。市民の方々から特に多く頂いたお声を中心に、予算策定を進めています。 教育改革では、「ちょうどの教育」の実現に向けて、教員の働き方改革と不登校対策を重視します。子どもたち一人ひとりに合った学びを公立学校で実現するために、改革の基盤づくりを目指します。さらに、就任後最初に着手した「JR芦屋駅南地区再開発事業」は、人件費や資材費の高騰など厳しい社会情勢の中ですが、一刻も早い交通課題解決のため、着実に進めてまいります。本年も、さまざまな場面でぜひお声がけください。 特集記事撮影地 旧芦屋郵便局電話事務室(芦屋モノリス) 逓信省芦屋郵便局電話事務室として1929(昭和4)年に竣工した建物です。レトロモダンな外観は当時のデザインのまま。2017(平成29)年には国の登録有形文化財に登録されました。 現在はレストラン・結婚式場「芦屋モノリス」として活用されています。