第W部 基本計画 T まちづくりのための生涯学習の推進 1.地域を知ること  まちづくりの出発点は地域を知ることです。地域の特性を知ることを通じて,自己発見など個人の生活が充実するとともに,まちづくりに参画していこうとする地域社会の発展が期待できます。地域を知り,地域を見直し,まちづくりを進めるため,地域を学ぶ機会や地域の情報を提供していくことが必要です。 <施策の方向> @地域を学ぶ  社会教育施設で実施する講座や学校教育などにおける「歴史学習」の一環として,「地域をめぐるオリエンテーリング」を実施します。    A生涯学習ガイドブックの作成  市民に,広く地域の情報を提供するため,生涯学習ガイドブックを作成します。 B芦屋固有の文化資源の活用  芦屋固有の文化資源などを活かし育てていくため,芦屋ならではの豊かな生活文化マイスターの認定プログラムの開発・普及を図ります。 2.地域課題の共有と解決  本市では,自治会や老人会,子ども会,コミュニティ・スクールなどのコミュニティ組織が中心に活動を行っています。そのような中で,調査結果をみると,家庭や地域の教育力の低下が問題視されていることが分かります。家庭の教育力の低下の理由としては「子どもに対して,過保護,甘やかせすぎや過干渉な親の増加」が49.0%,地域の教育力の低下の理由としては「個人主義の浸透(他人との関与を歓迎しない)」が64.7%となっています。今後,学校,家庭,地域がそれぞれの教育力の向上を図り,さらに学校,家庭及び地域住民のほか,その地域の企業やNPOなどの関係者が,それぞれに期待される役割を果たしつつ,緊密に連携・協力して地域社会が一体となって地域の課題などに取り組むことが必要です。 <施策の方向> @地域のネットワークづくり  地域社会が一体となって地域の課題などに取り組むため,自治会,老人会,子ども会,コミュニティ・スクール,PTA代表などからなる(仮称)コミュニティ運営協議会の設置を検討するなど,地域のネットワークづくりを図ります。 A学校行事と地域行事の連携  地域の人たちの学校行事への参加を促進し,地域と一体となって学校行事を推進するとともに,学校の地域行事への参加も促進し,学校と地域の連携を図ります。 B家庭・地域の教育力とPTCA活動  家庭の教育力に対する意識の高揚を図るため,PTCA活動の活性化を図るとともに,コミュニティ・スクール活動を支援し,地域の教育力の向上を目指します。 3.市民参画の仕組みづくり  自分たちの住む地域の将来について市民同士でともに考え,計画し実行できるよう,市民 の意識を高めるとともに,公的な委員などとしての市民参画から地域活動やイベント運営などボランティアとしての市民参画まで,まちづくりへの市民参画が広がるよう参画を促す仕組みづくりが必要です。 <施策の方向> @市民活動の活性化  市民活動センターを情報交換の場として,様々な活動が行われるよう図ります。 A各種行政計画への参画  行政が策定する各種計画の策定段階からの市民参画を推進します。 B地域行事への参画  市民が地域の行事に参画しやすい仕組みづくりを推進します。 C男女共同参画の仕組みづくり  男女共同参画のまちづくりを進める基本となる「芦屋市男女共同参画推進条例」を踏まえ,男女がともに参画できる環境づくりを推進します。 4.市の職員の意欲と実践力  市民にまちづくりへの関心と意欲があっても,まちづくりに対する市の職員の意欲と実践力がなければ,市民参画のまちづくりは推進されません。まちづくりのための生涯学習を進めるため市の職員の意欲と実践力の向上を図る必要があります。 <施策の方向> @市の職員の意欲の向上  職員研修の一環として「発想の転換」や「マンパワーの向上」を織り交ぜた「まちづくり研修」を実施し,市民参画を促す行動力や発想力,まちづくりを総合的に推進するための調整能力などを高めます。 A各制度の有効活用  自主研究グループ助成制度や提案制度の有効活用を図ります。 B行政職員の地域行事への参画  行政職員も積極的に地域の行事に参画し,市民とともに地域活動を推進します。 U 学習機会の充実 1.「いつでも」「どこでも」「だれでも」学習することのできる学習環境の充実  多様化,高度化,個別化する学習ニーズに対応するため,広く生涯を通じて学習する機会があることが重要です。学習者にとって,利用しやすい学習機会を提供するためには,年齢や性別,社会状況などに配慮しながら,きめ細やかな学習機会を提供することが必要です。  調査結果をみると,活動できない理由として「仕事や家事などが忙しく時間がない」が最も高くなっており,子育てをされている人や繁忙の人にとっても参加しやすいよう配慮し,乳幼児期から高齢期までのすべての生涯の各期における適切な学習機会を提供する必要があります。 <施策の方向> @学習環境の充実  市内の社会教育施設や民間施設などを利用し,実施している「出前講座」の充実に努め,学習環境の充実を図ります。 A繁忙の人への学習環境の充実  開催時間や開催場所,開催回数の工夫をするなど,繁忙の人が参加しやすいよう配慮するとともに学習や活動に参加しやすいよう情報提供をするなど学習環境の充実を図ります。 B子育てをされている人への学習環境の充実  子育てをされている人が,学習活動に参加しやすくするため,必要な人に対して,託児が可能な体制づくりを図ります。  また,親子が一緒に参加できる講座などの充実に努めるなど学習環境の充実を図ります。 C障がいのある人への学習環境の充実  障がいがある人が,学習活動に参加しやすくするため,講座開催にあたっては,手話通訳や要約筆記を行うなど学習環境の充実を図ります。 D団塊の世代への学習環境の充実  団塊の世代の人が退職後,地域活動へ参加しやすくするため,情報提供など学習環境の充実を図ります。 E介護をしている人への学習環境の充実  介護保険制度や各種福祉サービスの利用により,介護をしている人の負担が軽減されるなど,高齢社会においても介護をしている人が介護を続けながらできる学習環境の充実を図ります。 F子どもの学校教育外の学習の促進  「放課後子ども教室推進事業」などと連携し,子どもたちの安全・安心な活動拠点として,放課後や週末などの学校を活用し,地域の人々の参画を促し,学習やスポーツ・文化活動,地域住民との交流活動などを提供します。 G国際理解・国際交流の推進  21世紀の国際社会の中で国際的な視野と国際感覚の醸成を図る施策に取り組みます。  また,平成21年度に建設着手する本市の新たな国際交流の拠点となる国際交流施設を中心に異文化と接する機会を提供することにより,市民の間にグローバルな視点を養い,異文化への積極的な関心や受容性の育成を図ります。さらに,民間の国際交流団体と連携して,姉妹都市交流などに取り組みます。 H人権教育の充実と人権意識の高揚  人権と平和の尊さの重要性の認識を促すため,学習機会の充実を図ります。 I再チャレンジ支援  ハローワークなどと連携し,働きたい人が働けるよう,技能・技術などの向上のため,学習プログラムや学習相談の機会を提供します。 2.連携による学習機会の拡充  生涯学習とは,多様な個性とニーズに基づき行われる学習活動であることから,学習者にとって利用しやすく快適な学習機会を提供する必要があります。そのためには,庁内や民間を含めたあらゆる学習資源と連携する必要があります。  また,多様なニーズに対応するため,インターネットを活用するなど,きめ細やかで多様な学習機会を提供することが必要です。 <施策の方向> @行政と民間の連携  行政と生涯学習関連事業などを実施している団体との役割分担を検討し,学習機会の充実を図ります。 Aインターネットの活用  インターネットを活用し,各種情報を広く市民に提供し,学習機会の充実を図ります。 B総合行政としての位置付け  生涯学習を総合行政として位置付け,各種施策に反映していくためには,生涯学習を推進する組織を市長の事務部局に位置付けることが必要です。 C大学などとの連携  大学などにおいて行われている一般に対する公開講座等について,情報提供の充実を図ります。 3.情報提供・学習相談体制の充実  学習や活動に興味を持っていただくため,また,興味を持った人を活動へとつないでいくために,様々な情報を提供するとともに,きめ細やかな相談体制を整備していく必要があります。  本市では,広報紙やあしや市民活動センターの機関紙を中心に情報提供を行っています。調査結果をみると,情報の入手先として,県や市の広報紙などが最も高くなっていることから,今後とも広報紙や機関紙などを有効活用する必要があります。さらに,20歳代の若い世代ではホームページを情報の入手先とした利用が高くなっていることから,ホームページの有効活用も図っていく必要があります。  また,あしや市民活動センターは,市民の社会参加を応援する中間支援組織として,情報収集及び提供の場,利用者間の交流とネットワークの場,NPO・市民活動の相談の場としての目的を持っています。したがって,あしや市民活動センターを拠点として様々な活動を主体的に行うことができるよう周知を行うとともに,機能強化を行う必要があります。 学習情報の種類と範囲 学習機会情報 公民館などの社会教育施設,庁内各課,民間機関などが提供する講座,学級,セミナー,イベントなどの案内 施設情報 市内及び近隣に所在する,公民館・図書館・美術館・体育館・青少年施設・音楽ホール・劇場・カルチャーセンターなどの社会教育・文化施設の予約情報 人材情報 講座,グループづくり,地域活動,ボランティア活動などの指導者 グループ・団体情報 主に市内で活動しているグループ,サークル,団体など 学習教材情報 視聴覚機器,図書,市刊行物,スポーツ用具など 資格情報 国家などの資格に関するもの <施策の方向> @学習情報の共有化  生涯学習関連事業を実施している施設などにおいて,学習情報の体系化と共有化を図ります。 Aきめ細やかな相談体制の充実  何を学習してよいのか分からない人や現在の学習の継続・発展の仕方が分からない人に対して,潜在的な学習意欲へとつなげるため,各施設での学習相談体制の充実を図ります。 B市広報紙などの有効活用  生涯学習に関する情報や活動状況などを広報紙やホームページをはじめとする広報媒体に積極的に掲載します。  また,社会教育施設などで発行している情報紙などの活用も含め,市民のニーズにあわせた情報提供の充実を図ります。 C講演会やセミナーなどイベントの開催  市民の学習活動への参加のきっかけづくりや意識の向上のため,気軽に参加できる講演会やセミナーなどのイベントの充実を図ります。 V 学習支援体制の整備充実 1.利用しやすい施設の整備及び運営  市民の価値観の多様化とともに,学習に対するニーズも多様化しています。そのため,「いつでも,どこでも,だれでも」が活用できるように,生涯学習関連施設を充実させることが必要です。 <施策の方向> @利用しやすい施設の運営  市民の利便性が図られるよう,開館時間などの柔軟な運用を図るとともに,社会教育施設における予約システムの拡充に取り組みます。   A既存施設の利用  身近な地域での活動拠点として既存施設の活用を図ります。 B施設整備の充実  障がいのある人も気軽に利用できるよう,バリアフリーなどに配慮した施設整備を行います。 2.生涯学習関連施設の運営におけるネットワークの推進  生涯学習とは,生涯の各期における学習を生活全域にわたって継続して行う学習です。したがって社会教育施設だけにとどまらず,身近な地域社会における民間を含めた既存施設を有効活用するため,あらゆる学習資源とのネットワークを図る必要があります。 <施策の方向> @学習グループのネットワーク  市内の社会教育関係団体の活動における学習成果の報告や情報交換を通じて,学習資源の蓄積を図ります。  また,団体相互の連携を図るため,ネットワークの構築に取り組みます。 A学校との連携によるネットワーク  学校を地域における生涯学習の拠点施設として位置付け,施設や教育機能の地域への開放を一層推進します。 B民間との連携によるネットワーク  市内にはカルチャーセンターをはじめ,多くの民間学習機関があります。民間と行政が連携することのメリットを両者が協議し共有化する場を設定し,事業連携による学習機会の充実を図ります。 C広域ネットワークシステムの整備  交通網や情報通信の発達などにより広域化する市民の学習活動に対応するため,すでに図書館では広域利用が実施されています。今後,他の施設においても他市と連携し,行政区域にとらわれない柔軟な施設運営や事業展開を図ります。 D生涯学習センターの設置  生涯学習の拠点となる生涯学習センターは設置することが望まれますが,財政状況を勘案しながら,今後設置を検討します。 W 生涯学習指導者・ボランティアの育成 1.ボランティア活動の意義の啓発  震災を契機にボランティア活動が繰り広げられるなど,市民の主体的な参画・主導による地域づくりの機運が高まり,生涯学習に関する考え方に変化が生まれました。これを風化させることがないよう,ボランティア活動が,多くの人々に広がるためには,ボランティア活動そのものが,明るく楽しい人との出会いであり,自己実現につながる生涯学習であるという啓発を行い,ボランティア活動の活性化を図る必要があります。 <施策の方向> @ボランティア活動の支援  社会教育施設で「ボランティア講座」を継続的に実施し,ボランティア活動を支援します。 A学校教育と社会教育の連携  学校教育と社会教育が連携し,学校教育の中でも,地域でのボランティア活動に取り組み,より一層充実するよう図ります。 Bボランティアに関する情報提供  学習情報誌,広報紙などによる特集やグループ紹介などボランティアに関する情報を掲載した「ボランティアガイド」を発行し,情報提供の充実を図ります。 C(仮称)福祉センター・市民活動センターの活用  平成22年に完成予定の(仮称)福祉センターや市民活動センターをボランティア活動・市民活動の拠点として活動の充実を図ります。 2.グループ・サークルの育成,支援  調査結果によると,集まりや講座などに参加している人は77.0%,個人で行われている人は65.7%となっています。生涯学習は,個人の学習活動を基本としている側面もありますが,集まりや講座などで,みんなで学び,みんなから学ぶことは,学習活動の幅を広げることにもつながります。また,活動に参加したきっかけが「他の人との親睦を深めたり,友人を得るため」である人が31.3%となっており,今後の学習活動方法の希望では,「好きな人同士が自主的に行っている集まり」が49.1%となっています。今後,学習活動を行うグループ・サークルを育成することは,生涯学習社会を実現するために必要です。 <施策の方向> @グループ・サークルの育成  学習交流や仲間づくりを目指し,地域に開かれた学習グループ・サークルの育成を図ります。 Aグループ・サークル活動の推進  市民の自主的な芸術・文化,スポーツ・レクリエーションなどのグループ・サークル活動を推進します。 X 学習成果の発表と活用 1.地域における指導者としての育成・活躍  市民が充実した学習や活動を行うためには,その活動を様々な面から支援できる豊富な知識や経験を持った人材が必要となります。市内には多彩な職歴や学習歴を持つ市民が多く在住しています。これらの人材を発掘・確保し,まちづくり・地域活動・学校の総合学習・生涯学習の講師・アドバイザーとして活用することにより,まちの活性化と交流を促進させる必要があります。このため,今後人材バンク制度など地域人材の確保についてシステムを構築し,多様な地域人材を確保・活用していく必要があります。 <施策の方向> @人材の発掘・活用  本市に在住,在勤している各界で活躍している人で優れた知識や技能を有した人材を発掘し,人材バンク制度を検討し,人材の活用を図ります。 2.学習成果の発表と活用  生涯学習は,生涯にわたって行う活動であり,ある一定の成果が得られた時点で,その成果を適切に評価することにより,学習者の意欲を高めていくことが必要です。  また,生涯学習の振興においては,各個人がその学習の成果を活かすことができる社会の実現が求められています。学習成果の活用は職業生活や社会における多様な活動において行われるものですが,社会全体の教育力向上の観点からも,各個人が学習した成果を地域社会における様々な教育活動に活かすことが必要であり,各個人が学習した成果を地域社会に還元し,地域社会全体の持続的な教育力の向上に貢献するよう循環するシステムが必要です。 <施策の方向> @学習成果発表機会の充実  イベントをはじめとする様々な機会を活用し,学習成果の発表の場を体系的に整備していきます。 A芦屋川カレッジの充実  芦屋川カレッジ・芦屋川カレッジ大学院で卒業・修了認定を受けた人が生涯学習の指導者として活躍できるシステムを検討します。 Y 文化・スポーツ活動に対する支援の充実 1.文化環境の整備  芸術・文化は,生活にうるおいをもたらし,豊かな地域社会を創造するうえで重要です。  市民の一人ひとりが身近に芸術・文化に接し,参加できる環境を整備するとともに,伝統文化の継承や国内外との地域間交流を通じて,個性豊かな市民文化が育っていくような環境づくりが必要です。 <施策の方向> @文化施策の推進  「芦屋市文化行政推進に対する提言」及び「(仮称)芦屋市文化基本条例」の理念を踏まえて,文化施策を推進します。 A市民文化活動の機会の拡充と拠点施設の整備充実  市民が気軽に参加でき発表できる機会をより一層充実するとともに,使いやすい施設の運営を図ります。 B芸術文化の振興と鑑賞機会の充実  芸術文化の振興に努め,芸術文化に触れる機会ができるよう鑑賞機会の充実を図ります。 C芸術文化団体・企業との連携と人材の育成  芸術文化に関するグループや団体・企業と連携を図ります。また,優れた人材の育成を図ります。 D芸術文化に関する情報提供の充実  芸術文化に関する情報提供の充実を図ります。 E文化財の保存  地域に残る文化財を保護するため,文化財の保存活動などに関する学習を支援します。 F文化財・伝統文化の継承  文化財や伝統文化を身近なものとして市民に親しんでもらうため,啓発活動を図ります。また,文化財や伝統文化が次世代に継承されるようにしていくため取り組みます。 2.市民みんながスポーツに親しめる振興策  スポーツ活動は,運動競技,健康,体力づくりのほか,仲間同士のふれあいや交流を通して,明るい地域社会を形成するためにも大きな役割を果たします。本市でも,市民がいつでもどこでも気楽にスポーツやレクリエーションを楽しむことができる環境づくりを推進していく必要があります。 <施策の方向> @スポーツ活動の振興  「芦屋市スポーツ振興基本計画」に基づき,各ライフステージに応じたスポーツプログラムや障がい者向けのスポーツプログラムの開発,提供を進めるとともに,運動不足の市民に対する啓発キャンペーン,プログラム開発を進めます。 Z 重点項目 1.公民館講座や出前講座をはじめ,生涯の各期に応じた学習機会の充実を図ります    変化の激しい社会を生き抜くために必要とされる総合的な力を市民一人ひとりが身につけるためには,学校教育のみならず,広く生涯を通じて学習する機会があることが重要です。   2.地域のネットワークづくりを行い,学校や家庭,地域社会が一体となって地域の課題等に取り組むための体制づくりを図ります    地域の教育力が「以前に比べて低下している」と感じている人の割合が高くなっていることから,少子高齢化の急速な進展や核家族の増加などにより,地域では共同意識が薄れ,まちの安全,子育てなど,地域で解決するべき様々な課題を抱えているといえます。こうした課題の解決を図るため,地域課題の解決に向けた生涯学習のまちづくりを進める必要があります。 3.生涯学習の場を充実していくため,住み慣れた地域にある既存施設と連携し学習環境や情報提供,学習方法の充実を図ります  超高齢社会を迎えた現在では,生涯学習を行うための施設はより身近な地域の中にあることが望ましいといえます。本市における生涯学習は,社会教育施設である市民センター,図書館,体育館及び美術博物館,地域の各小学校等を拠点として行われているため,現在活用している施設の運営のあり方を検討し,「いつでも,どこでも,だれでも」が利用しやすい環境整備を図る必要があります。 4.学習成果を発表する場を確保し,学習成果が活用され,生きがいや,更なる学習意欲につながるよう仕組みの構築を図ります  平成20年2月に国の中央教育審議会が作成した「新しい時代を切り拓く生涯学習の振興方策について」の中で,各個人が自らのニーズに基づき学習した成果を社会に還元し,社会全体の持続的な教育力の向上に貢献するといった「知の循環型社会」を構築することが必要だと述べられています。  本市においては,優れた知識や技能を有した人が多く在住しています。そのような人に経験や知識,技能を継承していただくことが必要です。自ら学んだ成果を活かし,地域に貢献し活躍していくことが,地域の教育力を向上させ,地域をさらに活性化させることにつながります。 5.生涯学習推進体制の充実を図ります    生涯学習基本構想は,総合計画を生涯学習という横糸で貫く下位計画であり,市の施策のすべてに関わるものです。現在,生涯学習のまちづくりの推進については,教育委員会を中心に行われていますが,生涯学習のまちづくりを全市的に推進していくためには,すべての施策に生涯学習の視点を持つことが必要です。このことから,生涯学習のためのまちづくりを効果的に推進するため,すべての施策を決定し推進する市長の事務部局に推進体制の拠点を置くことか必要です。