02-03-04 特 集 JR芦屋駅南地区のまちづくりに関するインタビュー JR芦屋駅南地区のまちづくりってどう思う? 問い合わせ 都市整備課 ☎38-2074  JR芦屋駅南地区では、交通課題を解決するため、交通広場や地下駐輪場の計画や再開発ビルの建設、市民の皆さんの居場所となる公益施設も予定し、JR西日本と協力して駅舎のリニューアル工事も進めています。  しかし市議会からは、将来の人口減少に加え新型コロナの影響などでの財政悪化などを理由に、根本的な計画の見直しを求められています。 このような現状について、さまざまな立場の皆さんにご意見を伺いました。 南側に賑わいが出て、駅の周りにも   新たないい流れができます。 モンテメールが新しくなり、私の周りでもとても人気があります。再開発ビルができると、駅の北側だけじゃなく、南側に賑わいが出て、駅の周りにも新たないい流れができ、経済効果も生まれ芦屋市としてメリットが大きいと思います。 駅南はアクセスがよくて便利な場所なので、自習室などができるととてもありがたいです。私たち若い世代が利用できる市の施設はあまりないと思うので、そうしたものができると嬉しいです。 あしや部~芦屋在住高校生市民活動プロジェクト~ 伊藤里彩さん 50年、100年先のまちを見据えた   事業を進めることが必要。 交通の安全を守るためには、車と自転車と人の動線をそれぞれ分けることが必要な条件なので、ペデストリアンデッキや地下駐輪場は必ず設置すべきです。 駅の北側の開発事業が成功したカギは「防災」と「商業の発展」。 この2点の大きな目標に向かって皆さんが役割分担をして進めたことだと思います。再開発していなければ、阪神・淡路大震災の被害はもっと甚大だったと思います。 芦屋駅の駅前には「ニーズ(需要)」と「ポテンシャル(可能性)」があります。その価値を理解し、目先の利益やその場しのぎの開発ではなく50年、100年先のまちを見据えた事業を進めることが必要不可欠です。 芦屋交通安全協会会長・(株)竹園代表取締役社長 福本吉宗さん 地権者としては、一日も早く開発が終わり   心穏やかに暮らせることを期待。 昭和21年から都市計画の制限を受け続けている我々地権者としては、一日も早く開発が終わり、心穏やかに過ごせる日々が来ることを期待しています。平成5年から検討している計画に、今年度から規模の縮小や手法の変更を求める意見が出ていると聞きます。柔軟に検討することは良いと思います。私たちにとって、特に重要なことは、地域内で生活や商売の継続ができる事です。また、市内に恒久的なバスターミナルが一つもない現状を考えると、駅の南側には整備をする必要があると思います。 再開発ビルは財政面から考えると高層化するほうが良いとの意見もありますが、景観に配慮してなるべく高さを抑えることを希望します。 JR芦屋駅南地区 まちづくり協議会会長 喜田清左衞門さん 安全・安心・快適・便利な「まちの玄関口」をつくり   お客さまの笑顔に繋がるリニューアルを。 JRでは市内唯一の駅として近隣のお客さまをはじめ、乗り継ぎのお客さまにも多くご利用頂き、また併設する商業施設でのお買い物にもお立ち寄り頂いています。芦屋は、自然や美しい建築物に囲まれ、文化的な人が多い印象ですが、駅では気軽に挨拶を交わしてくれる気さくな一面も感じています。今は工事でご不便をお掛けしていますが、安全・安心・快適・便利な「まちの玄関口」をつくり、お客さまの笑顔につながるリニューアルを考えています。なお、芦屋の皆さまから頂いたメッセージと写真を駅南側の仮設の壁面にて紹介させて頂いております。 JR芦屋駅駅長 上野亮さん 整備とともに周辺の賑わいが増し、安全で   便利な駅前になることを願います。 芦屋駅の改良工事では、エスカレーターの設置、トイレのリニューアル、内外装や店舗の一新で、バリアフリーでより快適な駅に生まれ変わります。南側の外観は、開放的でまちと調和するデザインにすることで、皆さまからされる場所になることを期待しています。駅と駅前の整備で周辺の賑わいが増し、さらに安全で便利な駅前になることを願います。 芦屋は自然と歴史的な建物、それに新しいものがうまく調和していて散歩をするのがとても楽しいまち。いつの時代も憧れのまちであり続けてほしいと思います。 JR西日本神戸建築工事所長 伊豫田裕さん 再開発の事業が進み、駅前の機能が高まり   便利になることを期待。 芦屋は気品がある優雅な街という印象ですが、駅の南側は狭い所にタクシーもバスも一緒に詰め込まれている状態です。駅前はまちの顔です。再開発の事業が進み、駅前の機能が高まり便利になることを期待しています。 まちの発展とともにタクシー事業のサービスも発展していくと思います。高齢者からお子さま、体が不自由な人など、いろいろなお客さまが気軽に利用してもらえる公共交通でありたいと思っています。 兵庫県タクシー協会 会長 吉川紀興さん 一時の状況に流されることなく、   過去の経緯も踏まえた賢明な歩みを。 都市計画は公共性が極めて高い上、市民生活に与える影響がとても大きいため、全ていっぺんに判断せず少しずつ積み上げていく仕組みになっています。一度決定した計画は、時代に合わせた柔軟な対応も必要ですが、根本的な方針変更は「これまで判断の積み重ね」や「新たに生じるリスク」を考え、慎重でなければなりません。 また、住民の方々の支持に基づくこれまでの判断の積み重ねは「住民の負託」の結晶です。次の政策を考える際には「過去・現在・未来」のつながりが大切です。 JR芦屋駅南側の地域は市の玄関口となる重要な拠点ですし、現在および未来の利用者の安全・安心も大きく左右します。 一時の状況に流されることなく、過去の経緯も踏まえた賢明な歩みを期待したいです。 芦屋西宮市民法律事務所 弁護士 津久井進さん 送迎のためのスペースができれば   交通課題の解決につながる。 JR芦屋駅周辺は、違法駐車が後を絶たない現状にあります。送迎のためのスペースが確保できれば交通課題の解決につながると思います。 「安全で快適な歩行空間の確保」のため、駅前等におけるエレベーター等の設置やスロープ化、立体横断施設の整備は、高齢者や障がい者の安全のために望ましいと考えます。 芦屋警察署長 野上和志さん 行政と地域と事業主の三者が一体となって、   さらなる魅力発信に繋がることを期待。 駅の南口を利用して他市から来られるお客さまに「駅前なのに静かですね」とよく言われます。私も北に比べて南はなぜこんなに閑散としているのだろうと前から思っていました。今は茶屋之町を中心に、それぞれの事業主が努力したステキな店舗が集積し、全国に対して魅力的なスポットとして発信できていると思います。このプロジェクトをきっかけに行政と地域と事業主の三者が一体となって、さらなる魅力発信に繋がることを期待しています。 RIO COFFEE 芦屋店 ㈱アルタレーナ代表取締役 八木俊匡さん 南側の地域に新しい人達が入ることで、昔から続いてきた   地域のコミュニティーが失われることを懸念。 芦屋は観光都市ではありませんが、JR芦屋駅を利用して美術博物館や谷崎潤一郎記念館などに来られる人が多くいます。沢山の人たちが利用する駅の南側には、バス停や一般の車が安全に停まれる場所を当然つくるべきだと思います。 再開発ビルが建設され南側の地域に新しい人達が入ることで、昔から続いてきたこの地域のコミュニティーが失われることを懸念しています。 「芦屋らしさ」をもった街並みを保つことは難しいのではないでしょうか。 芦屋観光協会 会長 城純一さん 市民は芦屋市に誇りを持っているので、   住みよい安全で安心なまちづくりに期待。 駅の北側は、デッキなども見通しが良く、子どもが安全に利用できる場所ですが、南側は道路の道幅が狭いうえに、路上に駐車している車が非常に多く、バスの乗降場が危険なため、北側のバス停を使っている人たちがいるそうです。 南側の開発ではバスロータリーや、駅に直結するペデストリアンデッキができると便利でありがたいです。人の死角ができる場所へは防犯カメラの設置もお願いします。子どもたちが危険な目に合わないように、万一のときに駆け込める場所や誰もが安全に避難できる施設が必要だと思います。 市民は芦屋市に誇りを持っているので、本当に住みよい安全で安心なまちづくりに期待します。 芦屋市青少年育成愛護委員会 会長 入江祝栄さん 気軽に来られる場所で市民活動ができれば   開放的になり、より良いものに。 再開発ビルの中には、買い物ついでに誰もが参加でき、公園みたいに気軽に来られる場所で市民活動ができることを想像しています。このような場所ができれば、市内の市民活動は今よりも開放的になり、より良いものになっていくと思います。 物事の進め方全てに言えることですが、議論によって進捗が停滞することは時間と機会の損失です。少しでも進めていきながら修正していく方が良いと思います。 NPO法人フライパン 横山宗助さん 整備が予定されている交通広場を活用し、   お客さまの利便性向上に繋げていきたい。 当社のバス路線はJR芦屋駅を挟み、市内の全域を南北に結ぶ運行をしておりますが、バスが接続する他の鉄道駅になる阪急芦屋川駅、阪神芦屋駅ともにバスロータリーが無く、バス路線の形態や運行面での課題を抱えています。このため、JR芦屋駅南地区再開発事業に伴って整備が予定されている交通広場を活用し、お客さまの利便性向上に繋げていきたいと考えております。 阪急バス株式会社自動車事業本部営業企画部計画課係長 森孝雄さん 市長メッセージ 創意工夫を凝らし、まちに磨きをかけて次の世代へ 過去から多くの芦屋市民が望んできたJR芦屋駅南地区の再開発事業が決定してから4年。芦屋駅改良工事も進んでいます。 過去には戦争や大震災、現在では新型コロナウイルス感染症や人口減少など、いつの時代にも課題や苦難はありますが、先人たちは苦難をのり越えて、現在の芦屋のまちを築いてこられました。私もリーダーシップを執りながら市民の皆さまとともに、創意工夫を凝らし、まちに磨きをかけて、次の世代につなげていきたいと考えています。 本市の中心核であるJR 芦屋駅前を美しく快適に整えることで、周辺地域の魅力も高めてまいります。また国際文化住宅都市として発展してきた歴史を継承することで、市民の皆さまにだけでなく、阪神間や関西の発展につなげてまいります。 芦屋市長 いとう まい JR芦屋駅周辺のこれまで JR芦屋駅周辺のまちづくりって今どうなっているの? もっと知りたい! 駅南のまちづくり 市議会での予算の否決 再開発事業の予算は一般会計と再開発事業特別会計という2つの会計で成り立っています。このうち、再開発事業特別会計の令和2年度予算が、事業費の負担による将来の市財政[メール]化を主な理由として否決されました。その後、事業の見直しが検討され、総事業費を34.5億円減らした縮減案が出されましたが、議会からは事業手法の見直しが必要という理由で予算は否決され、現在、事業を進めることが難しい状況となっています。 事業計画 実施される事業における建物や道路の位置や規模、期間、資金等について具体的に定めた計画。事業計画決定がされると事業が本格的に動き出し、第二種事業では地権者の人が再開発ビルに入居するかどうかの手続き等が始まります。 JR芦屋駅改良工事等の施行に関する協定 JR芦屋駅舎のリニューアル工事のうち、単なる店舗増床等を除いた市が補助や負担をする工事についての取決め。市はこの協定工事で約36.6億円の負担をすることとなっています。 まちづくり基本計画(平成28年) 事業化に向けて市民意見募集を行い、「まちの玄関・交流・案内から発信機能」、「交流(出会い)の拠点(基地)機能」、「安全安心・利便性を追求した交通結節機能」等の5つの機能を導入し、「芦屋」を発信する多世代交流のまちづくりをコンセプトとして事業に取り組むことを定めました。 あたらしい”芦屋の顔”づくり構想(昭和50年) 当時の構想における駅南地区の範囲は約3.2haで現在の計画の約3倍の広さとなっていました。駅南地区には住宅の他に文化ホールや教育施設等が計画されていました。 都市計画 まちづくりのために将来整備する道路の位置等を定める計画。都市計画決定は事業のスタート地点に立つことです。道路等の予定地となった区域内では建築の制限があります。 駅前広場(交通広場) 鉄道、バス、タクシー、乗用車の乗り換えのための広場。 駅前線 JR芦屋駅南西から国道2号「茶屋之町北」交差点へ続く南北の道路。南下すると茶屋さくら通りに入ります。 JR芦屋駅南地区のまちづくりの特集は、芦屋市広報番組「あしやトライあんぐる」バックナンバー(2月後半放送)でもご覧いただけます。