02-03 特 集 今日からたのしくフレイル予防  問い合わせ 高齢介護課 ☎38-2024 「フレイル」とは? フレイルは介護が必要な状態の一歩手前の段階を指し、過ごし方次第で「健康」にも「要介護状態」にもなる状態です。「今までできていたことができなくなった」、「疲れやすくなった」「人と会うことがおっくうに感じる」などもフレイルの前兆と言われています。 元気なうちからフレイル予防に取り組むことで、健康な状態を長く維持することにつながります。 また、すでにフレイル状態にある方も、日常生活を見直すことで、フレイルの進行を遅らせることや、健康な状態に戻すことができます。 「フレイル予防」3つのポイント 意識的に食べることが大切 フレイルが心配される高齢者は、低体重(やせ)にならないよう注意が必要です。年齢とともに食が細くなりがちですが、元気な身体を維持していくために次のポイントを意識して食べることを心がけましょう。 ①1日3食、3つのお皿(主食・主菜・副菜)をそろえて食べましょう ②たんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品・乳製品など)をしっかり摂りましょう ③いろいろな種類の食品を食べましょう 運動でいつまでも元気に 年齢を重ねるごとに、筋肉量は減少し、活動性の低下、食欲・食事摂取量の低下からさらに筋肉量が減少します。この悪循環を断ち切るためには、運動が必要です。 フレイル予防のための運動は、ランニングやジムでのトレーニングのような本格的な運動でなくてかまいません。 ウォーキングなどの有酸素運動やスクワット、家事で体を動かすなど、気軽にできることから取り組んでみましょう。 人や社会とのつながりを維持 人や社会とのつながりを失った状態が続くと、生活上の刺激が少なくなり、認知機能の低下を招くことがあります。 新型コロナウイルス感染症の流行により人と会うことが難しい時期ではありますが、家族や友人と電話をする、適切な距離を保って会話をするなど、ご自身に合った方法で人や社会とのつながりを持てる方法を見つけましょう。 食・口腔機能 運動 社会参加 3つのポイントは互いに影響しています 無理なく日常生活に取り入れましょう 高齢者の保健事業と介護予防等の一体的な実施事業 芦屋市では、地域の通いの場を中心に、医療専門職による講話や健康相談など、介護予防・フレイル予防を目的とした次の事業を実施しています。 〈フレイル予防事業の紹介〉 ■対象 以下の全てに該当するグループ  ①5~20人程度のグループ  ②参加者の半数以上が65歳以上の市民  ③市内に会場等の確保ができる ■実施期間 令和5年1月31日まで ■内容 以下のいずれかのコースを選びお申し込みください  ①口腔・栄養コース(全2回・各60分)  ②身体活動コース(全2回・各60分) ■問い合わせ・申し込み 高齢介護課 その他にも、後期高齢者医療健康診査を受診された方を対象に、生活習慣病等の重症化予防を目的とした訪問指導や個別面接などの保健事業を実施しています。 介護予防センターからのお知らせ 高齢者が介護予防に取り組むきっかけづくりや、住民主体の通いの場等の活動の推進を目的とする介護予防の拠点施設です。口腔機能の向上、栄養改善等に関する介護予防講座も実施していますので、健康づくりのためにご利用ください。 (予約が必要です) 問い合わせ 介護予防センター ☎31-0628 「オーラルフレイル」をご存知ですか? 食事中にむせることが増えた、食べこぼしが増えた、硬いものが噛めなくなってきた、うまく飲み込めない、口の中の乾燥が気になるなど、加齢による口の機能の衰えを「オーラルフレイル」と言います。オーラルフレイルは、全身でみると些細な変化に感じますが、フレイルの入り口と言われており、放っておくと要介護状態になるのを早めてしまいかねない、注意が必要な状態です。食べる、呼吸をする、話をするなど、生きていくうえで欠かせない役割を担っている「お口」の機能を維持することで、フレイルを予防しましょう。 「オーラルフレイル予防」4つのポイント 01 お口の変化に気づきましょう むせることや食べこぼしが増えた、口の中が乾燥するなど、できるだけ小さな変化のうちに気づき、早期に対策をとることが大切です。 02 食べる力を鍛えましょう お口の体操(右図)を、できるだけ毎日行いましょう。 ご自身の体調に合わせて無理のない範囲で行ってください。 03 噛む力を鍛えましょう 必要な栄養を摂るためには、柔らかく食べやすいものをしっかり食べることも大切ですが、噛む力が弱らないように、キャベツやりんご、ナッツ類や肉類など、噛み応えのある食品も積極的に取り入れるように意識しましょう。 04 しっかりとお口のお手入れをしましょう 食事の後と寝る前に歯磨きをすることが理想的です。 寝る前には必ず歯磨きを行い、入れ歯は外して丁寧に洗浄すること を習慣にしましょう。また、定期的に歯科健診を受けましょう。 お口の体操 ●むせが気になるときは→パタカラ体操 ①くちびるをしっかり開いて「パ」 ②舌を上あごにつけて「タ」 ③のどの奥に力を入れて「カ」 ④舌先を上の前歯の裏につけて「ラ」 ●食べこぼしが気になるときは            →くちびるの運動 ①口を大きく開けて「あー」と声を出す ②口角を大きく引いて「いー」と声を出す ③くちびるを思いきりすぼめて「うー」と声を出す 7月6日、12日に開催されたフレイル予防教室の講師と参加者にお話を伺いました。 相談できるかかりつけ医を持とう 硬いものが食べにくくなった、お茶や汁物でむせることが増えた、そんなお話をよく聞きます。そしゃくに痛みを伴ったり、ごっくんと飲み込むことができなくなると硬いものを避けるようになります。 そんな時はかかりつけの歯科や内科が強い味方になってくれます。気になることがあれば相談し、すぐにメンテナンスをすることで、痛みや不快感が深刻になる前に、食い止めることができます。 歯科は痛いというイメージがありますが、定期的に通えば、痛い治療はないんです。 栄養バランスも意識するように お話を聞いて、いろいろな種類のものを食べることが大切だと、改めて感じました。 フレイル予防に効果的と知ってからは、あまり飲まなかった牛乳も飲むようにしています。 これからも気になる教室にはどんどん参加していきたいです。そこで得た知識を自分の生活に取り入れ、ためになるお話はお友達にも伝えていきたいと思います。 オーラルケアを習慣に 誤嚥性肺炎で亡くなる方の話を聞くたびに、自分も気を付けようと思っていました。フレイル予防教室に参加して、なぜ誤嚥が肺炎に繋がるのか、どう予防していけばよいかがわかりました。 お口の体操を習慣にして、オーラルフレイル予防を心がけていきたいです。 ※誤嚥(ごえん)…飲み込んだ食べ物や唾液などが食道ではなく気管に入ること ※誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)…口の中の細菌や食べかすが気管から肺の中に流れ込むことで起きる肺炎 大切なことは「気づいて、行動すること」 健康な状態を長く続けるために大切なことは、「気づく」ことです。フレイルがどのようなものかを知り、ご自身の心身の健康状態の変化(フレイルの兆候)に気づくことから、フレイル予防は始まります。 そして最も大切なことは、「行動すること」です。 今回紹介したフレイル予防のポイントを参考に、無理なく取り組めそうなことから始めてみてはいかがでしょうか。 フレイルを予防して、元気で豊かな生活を目指しましょう。