04 特 集 2 患者さんやご家族の身近な相談相手として 市立芦屋病院 サポーティブケアチームのご紹介 問い合わせ 芦屋病院 ☎31-2156 市立芦屋病院のサポーティブケアチーム(以下、SCT)は、がんや心不全、慢性疼痛の患者さんも対象とした症状緩和を専門に行う医療チームです。 メンバーは医師・看護師・薬剤師・リハビリテーション技師・臨床心理士・管理栄養士・医療ソーシャルワーカーなどで構成され、さまざまなサポートをしています。 1 がん患者さんの診断時からの、身体症状や心の問題へのサポート がんになると「痛みで苦しむ」、「抗がん剤の副作用がつらい」などと連想されることがあります。SCTでは患者さんにこのようなことを感じることなく安心して日常生活を過ごしていただきたいと考えています。そのために患者さんと直接お会いして「いま困っていること」、「いま気がかりなこと」などをお伺いしています。 芦屋病院では日本で使用可能なお薬のほとんどを扱っており、それらを適切に使用することで、オーダーメイドの症状緩和を行っています。SCTは常に最先端の症状緩和を目指しています。 近頃、がんは治る病気、慢性疾患のように、すぐに生命を脅かされることはない病気になっています。しかし自身にがんが見つかったとき、多くの方は生命の危機を想像されます。このような不安をSCTにご相談ください。 SCTには精神担当の医師以外にも、緩和ケア認定看護師・臨床心理士が、患者さんのつらい気持ちのケアを担当します。 また、食事のことや日常生活動作で心配がある場合は、がん病態栄養専門管理栄養士や、リハビリテーションの専門職がご相談に応じます。 SCTで活躍する専門職 緩和ケア認定看護師 緩和ケア認定看護師は、痛みなどの身体的な症状に加え、心のケア(気持ちのつらさやスピリチュアルペイン)を専門的に学んでいる特別な看護師です。患者さん、ご家族に合う方法を探しながら、安心して生活できるよう全力でサポートします。 臨床心理士(公認心理師) 心理士は患者さんの話にじっくり耳を傾けます。 傾聴を通して患者さんが抱える苦しみを理解し、心のケアに努めます。 がん病態栄養専門管理栄養士 栄養は、心身を良い状態に保つためにかけがえのないものです。栄養の獲得にはお口以外にも血管や胃などの消化管に直接投与する方法があります。 栄養を通して、日常生活や治療を支えることができるよう多職種で検討しサポートします。 2 心不全患者さんの苦痛緩和 心不全が悪化すると、呼吸が苦しくなり、そのために「眠れない」や「せん妄」などの症状が出現することがあります。私たちはこのような症状に対しても、適切にお薬を使用して症状緩和を行っています。 3 慢性疼痛の患者さんの減薬プログラム 慢性疼痛にはいろいろな種類がありますが、「長引く辛い痛み」は今の医療では原因がよくわからず、治療が困難な病気です。すなわち、お薬で痛みが緩和されることはあまり期待できません。しかし、患者さんは痛いので、医療機関を受診し、お薬を処方されます。お薬にはプラセボ効果といって、お薬の効果ではない、お薬を飲んだということで一時的に痛みが緩和することがあります。ですが、一定期間を過ぎるとまた痛くなって、別の医療機関を受診するいわゆるドクターショッピングの状態になり、お薬は増えるけれど痛みは緩和されず、眠気のような副作用が目立つということは稀ではありません。SCTはこのような患者さんのお薬を安全に減らす入院のプログラムを実施しています。 この他にも、SCTは帯状疱疹関連痛や慢性腰痛に対する医療用麻薬を使った入院治療も行っています。 SCTへの相談方法は? サポーティブケアチームは、主治医または院内スタッフからのご紹介を受けて患者さん、ご家族の方へ直接お会いすることになります。 お困りごとや、ご相談のある方は、まずは主治医にご相談ください。