02-03 特 集 はじめまして! 私たちが「子ども司書」です! 「子ども司書」は、楽しく本に親しみながら、図書館の仕組みや、司書の仕事について学び、友達や家族に対して読書の素晴らしさを伝える、子ども同士の読書リーダー役です。 芦屋市では、子どもたちの読書活動推進を目的に「子ども司書養成講座」(全7回)を開催しました。 問い合わせ 図書館☎31-2301 「子ども司書制度」は、平成21(2009)年福島県矢祭町で生まれ、現在では200以上の自治体で養成講座が開催されています。 市内在住の小学4~6年生の児童を対象に「子ども司書」を募集したところ、多くの応募があり、その中から抽選で選ばれた19人で第1回講座をスタートしました。 講座では、「こんな子ども司書になりたい」という目標を達成するために、「まなび活動」に熱心に取り組む子ども達の姿が見られました。 図書館のこと、NDC※や本の整備・修理、レファレンスサービスなど専門的なことについての学び、読み聞かせや本の楽しさを伝えるポップづくりなども体験しました。また、共に学ぶなかまとの交流も深まり、回を追うごとに「子ども司書」としての成長が感じられた半年間でした。子ども達のキラキラした瞳に、「読書の街 芦屋」の未来が明るく映っているようでした。 第7回講座での「成果発表会」終了後、「認定式」が行われ、福岡教育長から、19人の子ども達一人ひとりに認定状と認定バッジが授与され、芦屋市の初代「子ども司書」が誕生しました。 今後は、「子ども司書」の視点からの、読書案内や読み聞かせなどの活動をする予定です。 「子ども司書」は、家族や友達、地域で読書の楽しさを伝える役割を担います。 全7回 子ども司書養成講座 第1回 開講式 図書館のこと 司書のこと 図書館本館での開講式では、自己紹介の後、館内を見学しました。通常は入ることのできないエリアにも入り、司書の仕事について学びました。 館内見学(2階書庫) 第2回 NDCってなあに? ※図書館では読みたい本が見つけやすいように、「日本十進分類法(NDC)」というきまりを用いて、図書館資料を配架していることを学びました。 カウンター体験 第3回 レファレンスサービスってなあに? 調べもの・探し物のお手伝いをするのも、司書の仕事です。 グループごとに異なる課題ついてに調べ、発表しました。 第4回 読み聞かせにちょうせん 実習をする前に、気をつけることを確認しました。 読み聞かせ実習 ● 絵本の選び方 ● 読む前にしておくこと ● 絵本の持ち方 ● ページのめくり方 ● 絵本の読み方 第5回 めざせ!本のお医者さん(図書資料の装備・修理) 本の傷みの原因、本の修理の心得、やってはいけない修理について学びました。 装備の基本的な『押す』『貼る』『覆う』の3つの作業の内、『覆う』の作業を体験しました。 装備(ブッカーがけ)に挑戦 図書館の資料には透明のフィルムが貼られています。このフィルムをブッカーといいます。 ブッカーを貼ると、資料を傷みや汚れ、紫外線から守ることができ、抗菌効果や表紙の除菌・消毒を可能にします。 第6回 本の楽しさを伝えよう(選書業務、書評作成) 図書館にふさわしい本を、計画的に「選書」し購入を進めていくために、日ごろから新刊本などの知識を深めておきます。 ポップづくりに挑戦 選書した本をたくさんの人に読んでもらうために、本を紹介するのも司書の仕事のひとつです。 「この本を読んでみたい」 「続きが気になる」 と思わせるようなポップがつくれたら大成功! 第7回 成果発表 認定式 認定状授与 これまでの講座で学んだことを発表した19人の『子ども司書』。立派に成長した姿を見せてくれました。 今後の活躍に、乞うご期待! 子ども司書の声 北村奈穂子さん (きたむら なほこ) ポップづくりでは、パッと目につくようにデザインしたり、面白いという言葉を使わずに面白いと感じさせるために内容を少し紹介するなど工夫しました。最初に立てた「本の楽しさを伝える」という目標を達成できたと思います。 中桐亜虹さん (なかぎり あこ) 読み聞かせでは、聞く人を意識して大きな声でゆっくり読むこと、ちゃんと見えるように本をしっかり持つことに気を付けました。 長い本でちゃんと読めるか不安でしたが、読み終わった後に拍手をもらえてよかったです。 瀬沼千尋さん (せぬま ちひろ) レファレンスサービスとは、本の情報を調べたり、本を探している人に伝えたりすることです。 ブッカーがけは難しかったけど、やっているうちにできるようになりました。 読み聞かせは緊張しましたが、楽しかったです。 「子供の読書活動の推進等に関する調査研究報告書」のデータによれば、読みたい本の選択と本を読むきっかけとして、同年代の友達の影響が大きいことが報告されています。身近にいる友達が読書に親しんでいれば、自分も本を読んでみたくなり、読む友達の輪が広がっていくと思われます。 子どもの読書活動を推進するためには、子ども同士の力を活かすことがより効果的です。 本市では継続して「子ども司書養成講座」を開催する予定です。今後「子ども司書」として認定された子ども達が増えて、子ども達の読書の輪が広がることを期待しています。