04 特 集 2 こどもが こどもでいられる街に ヤングケアラーを知っていますか? 問い合わせ 子ども家庭総合支援課 ☎31-0643 ヤングケアラーとは? 「ヤングケアラー」とは、本来大人が担うと想定されているような家事や家族の世話などを日常的に行っているこどものことです。 自分の時間が取れていない「ヤングケアラー」は、20人に1人と言われています。 ヤングケアラーの問題は、家庭内のデリケートな問題であり、こども自身もそれを当たり前の環境として育っているため、自分がヤングケアラーであると気がつかないことが多いです。 家族も家庭内の問題に、家族以外の手を借りることを良しとはしないために、家事や介護を知らず知らずの間にこどもの仕事としてしまい、責任や負担の重さで学業や友人関係などに影響が出てしまうことがあります。 ヤングケアラーは例えばこんなこどもたち ・障がいや病気のある家族に代わり、買い物・料理・掃除・洗濯などの家事をしている ・障がいや病気のある家族の身の回りの世話をしている ・家族に代わり、幼いきょうだいの世話をしている ・家計を支えるために労働をして、障がいや病気のある家族を助けている ヤングケアラーが直面する問題 家事や家族の世話を日常的に行っていると こどもたちにこのような影響が出る可能性があります ・就職への影響 自分にできると思う仕事の範囲を狭めて考えてしまう、自分のやってきたことをアピールできない ・学業への影響 遅刻・早退・欠席が増える、勉強の時間が取れない ・友人関係への影響 友人等とコミュニケーションを取れる時間が少ない ヤングケアラーのかたへ 家の手伝いや家族の世話で精いっぱいで、自分のことが十分出来ない… そんな時は相談ください 相談窓口 午前9時~午後5時30 分         (土・日・祝日・年末年始除く) ● 社会福祉協議会(総合相談窓口)☎31-0681 ● 芦屋市こども・健康部      子ども家庭総合支援課 ☎31-0643 ● 芦屋市教育委員会 学校教育課 ☎38-2087 ヤングケアラーについて詳しく知りたい方は… 【参考図書】 大人の方へ:「ヤングケアラー―介護を担う子ども・若者の現実」澁谷智子著(中公新書) こども達へ:「ウィズ・ユー」濱野京子著(くもん出版) 元ヤングケアラーの経験談 「あなたは一人じゃないよ」 大人になってはじめて「ヤングケアラー」という言葉を知りました。当時のことを思い出すと私にもそういった経験があったように感じます。 母子家庭で育った私は、母と兄と猫と私で暮らしていました。母は仕事で帰りが遅く、兄は当時中学生でしたが不登校の状態でした。兄の代わりに学校を休んで病院に薬を取りにいったり、テーブルに置かれたお金で食事や猫のご飯を買いにいったことをおぼえています。不登校でつらそうにしている兄を見て「自分がしっかりしないと」と思っていました。その当時、友達や先生に家の事を話そうとは、考えもしませんでした。話してしまうと「大変」だと思われるのではないか、「何を話せば良いのか」という気持ちがありました。 大人になった今、「しんどい」気持ちを聞いてくれる人や場所があれば少しは楽になっていたのかなと振り返ることがあります。もし、家庭の事情で自分の時間が取れないことがあれば、身近にいる先生や信頼できる友達や大人に、まずは相談してもらいたいと思い、私自身の体験を書かせてもらいました。 「あなたは一人じゃないよ」と支え合える社会であってほしいと強く願っています。 (元ヤングケアラー 36歳・男性)