02-03 特集 ヨドコウ迎賓館100周年 ヨドコウ迎賓館を巡る 謎と秘密 建築家フランク・ロイド・ライトによって設計されたヨドコウ迎賓館(国指定重要文化財旧山邑家住宅)は、2024年に竣工から100年を迎えました。 建物の内外には、独特で不思議な装飾が各所に施されており、何度訪れても新しい発見があります。 今回は、ヨドコウ迎賓館の魅力的な謎と秘密の一端をご紹介します。 問い合わせ 国際文化推進課☎38-2115 玄関前の水槽の秘密 現在は金魚やメダカが静かに泳ぐ水槽。 建築当初、この水槽は屋上に降り注いだ雨水を集め、2つの水槽の間から滝のように流れ落ちる仕組みになっていたようです。それはまるで建物全体が秘密を囁くかのように、水音を響かせていたのでしょうか? 謎の幾何学模様の装飾 ヨドコウ迎賓館の装飾は三角形・四角形・直線などの幾何学図形の組み合わせで作られています。フランク・ロイド・ライトは自然界の形や動きを幾何学的に抽象化し、それをデザインに落とし込むという独特の手法を用いました。建物を歩くたびに、何をモチーフにしているのか、どんな意味があるのか?建物そのものがパズルのようで、訪れる人をさらなる探検へと誘います。 幻の温室と謎の滝と池 昨年、ヨドコウ迎賓館の敷地内の発掘調査によって、建設当初の図面に描かれていた温室や渡り廊下の遺構が見つかりました。また、図面にはない滝や池の跡も見つかりましたが、どのように水を流していたのかは謎に包まれたままです。 建物へ続く秘密の裏道 門を入ってすぐ右手には、ひっそりとした裏道が建物へと続いています。かつてこの建物で働いていた人々だけが通った秘密の勝手口へと通じています。建物の主人や来客たちが気づかぬよう、静かに佇むその小道は巧妙に隠された通路だったのです。 おびただしい数の謎の小窓 天井近くの小窓は、建物全体で120個も存在しています。ヨドコウ迎賓館には天井照明がほとんど設置されていないため、これらの小窓が自然の光を取り込み、室内を不思議なまでに明るく保っているのです。光の加減が微妙に変わるとき、その窓から差し込む光はまるでこの館が息をしているかのように室内の空気を揺らします。 季節・時間で変わる景色の秘密 自然の光を巧みに取り込むことで、季節や時間ごとに変化する光と影のドラマを繰り広げます。暗い時間が訪れると、大谷石に刻まれた彫刻が浮かび上がり、陰影が一層際立ちます。光と影の一瞬の芸術は建物が何かを語りかけているような気がします。 ワークショップ ヨドコウ迎賓館を探検しよう! ヨドコウ迎賓館には、不思議なかたちの飾りやおもしろいスポットがたくさんあります。8月のワークショップでは、親子でヨドコウ迎賓館を探検し、お気に入りのスポットを見つけてみました。 ミッション 1 写真のスポットを見つけてみよう 明るいところにある金色の帯? ミッション 2 おもしろスポット見つけよう 手を洗うところにある古い謎のマーク? ミッション 3 見つけたスポットをみんなに紹介しよう どこまで続く?暗くて長くて煙の出るところ・・・ ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅) ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)は、灘五郷の酒造会社のひとつ、山邑酒造株式会社(現・櫻正宗株式会社)の8代目当主・山邑太左衛門の別邸として、1924(大正13)年に建てられた建物で、現在は株式会社淀川製鋼所が所有し一般公開されています。 設計は近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトが手掛け、弟子の遠藤新と南信の実施設計・施工監修によって竣工しました。 1974(昭和49)年に建物(主屋)が国の重要文化財に指定されていましたが、今年8月には、敷地全体も国指定重要文化財となりました。 ■所在地  芦屋市山手町3-10☎38-1720 ■開館日  水・土・日曜日と祝日 ■開館時間 午前10時~午後4時(入館は3時30分まで) ■入館料  大人 500円 小・中・高校生 200円 ■アクセス 阪急芦屋川駅より北へ 徒歩約10分 ヨドコウ迎賓館100周年記念事業 夜の特別見学ツアー ■日 時 ①11月22日②29日(金)午後6~8時 ■定 員 各回40人(抽選) ■参加費 無料 ■申し込み 10月1日~17日午後5時までに右上の2次元コードまたは、はがきで下記へ。はがきの場合は、1日以降の消印で17日〈必着〉のみ有効・1枚につき1人。氏名・郵便番号・住所・生年月日・電話番号・参加希望日〈第1希望・第2希望〉を明記ください。 ※抽選結果は11月上旬ごろ当選者に郵送でお知らせ ※当日、ヨドコウ迎賓館の駐車場は使用できません ※応募可能回数は1人1回まで (両日とも同じ内容です) 【コンサート&座談会・講演会】 ■日時 12月8日(日)午前11時~午後0時30分  コンサート&座談会/午後2時~4時:講演会 ■会場 ルネサンス クラシックス芦屋ルナ・ホール 【記念展示会】 ■期間 12月4日~15日 ■会場 市民センター別館展示場 【記念動画の配信・パンフレットの刊行】  12月上旬ごろ(予定) 【記念イベント:あしやの近代建築めぐり】  令和7年2~3月ごろ(予定) 問い合わせ 国際文化推進課☎38-2115(〒659-8501住所不要)