02-03 特集 阪神・淡路大震災から30年 「つなぐ・伝える」 バトンを未来へ 問い合わせ 政策推進課☎38-2127 阪神・淡路大震災の発生から30年。1995年1月17日に発生した未曾有の災害は多くの尊い命を奪い、まちを一瞬で変えました。当時を知らない世代が増える中、震災の記憶を未来に伝えることは重要です。 この特集では、震災の記憶の風化を防ぐとともに、震災を経験した世代が担ってきた活動のバトンを震災後に生まれた世代に引き継ぐことへの大切さを考えます。 最大震度7の激しい揺れ 1995年1月17日午前5時46分、淡路島北部を震源とする大きな地震(マグニチュード7.3)「阪神・淡路大震災」が発生しました。市内は最大震度7の揺れに見舞われましたが、この「震度7」という階級は1949年に新設されて以来、初めて適用されました。この地震は、内陸で発生したいわゆる直下型となり、破壊された断層付近で非常に大きな揺れを生じさせ、阪神地域から神戸市および淡路島北部に甚大な被害をもたらしました。 そのとき芦屋市の被害状況は? この地震で芦屋市内では、死者444人、負傷者3,175人におよぶ被害が発生し、市内の建物の半数以上となる8,700棟余りが全壊・半壊と判定されるなど、壊滅的な被害を受けました。特に多くの木造住宅が倒壊し、早朝の発災であったために就寝中の市民が倒壊した建物や家具等の下敷きとなるなど、多くの命が失われました。また地震の影響で、水道・下水道・通信・電気・ガス等のライフライン施設が損壊したほか、芦屋浜の埋立地区を中心に広い範囲で地盤の液状化が発生し、市民の生活に大きな影響をおよぼしました。全市的に家屋が被害を受けたため、多くの方が長期にわたり避難所で生活し、その後も応急仮設住宅での不自由な生活を強いられました。 未来へのバトンをつないでいくため、この震災から得られた教訓を活かすとともに、様々な可能性の想定も行いながら、今後の災害に備えることが重要です。 芦屋市の被害状況 ■人的被害 死者 452人(他市で被災した犠牲者等を含む) 負傷者 3,175人 避難者 20,960人(ピーク時) ■建物被害 芦屋市域全建築物15,421棟 うち全壊・半壊棟は8,784棟(57.0%) 震災から復興へ 阪神・淡路大震災からの復興では、自然の厳しさを認識するとともに、人は自然に生かされていることを謙虚に受けとめ、人と都市を取り巻く環境を大切にした都市基盤の創出・市民文化の形成を目指すこと等を掲げました。そして21世紀を展望し、誇りと[出演]着を感じる国際文化住宅都市をつくるために、「快適で安全なまち」「自然と共生するまち」「人々のふれあいと文化豊かなまち」を目指して、復興に取り組むことを基本理念とし、防災計画の整備、救援・救護体制の整備、市民の防災意識の向上に関する取り組みを進め、今日の災害対応に引き継いでいます。 未来を育む 願いを共に ~「あの日」の想いと記憶を、未来へ~ 芦屋市の阪神・淡路大震災30年事業 芦屋市では震災犠牲者への哀悼の意を示し、安全への願いをいま一度ともにして、未来に向けた災害対応力をはぐくむための継続的な取り組みを推進するために「震災30年事業」を進めています。「震災30年事業」では、市の各部署や市民グループなどが、さまざまな活動を計画・実施しています。その取り組みの一部を紹介します。 市の取り組み 外国人と日本人が一緒に防災訓練 外国人向けの防災教室や避難所巡回訓練を行い、災害時に共に生き抜く力を養いました。 「救急の日」のイベント 心肺蘇生法やAEDの使い方の指導、応急手当実技説明などを行いました。また、震災時の映像や写真の展示を通じて防災の重要性を訴えました。災害時に救急車がすぐに来られない場合に備え、身近なものを使った救護方法も周知しました。 市民グループ等による取り組み 栄養バランスの良い防災食の普及 身近な食材を使い、栄養バランスを考え、火を使わずに防災食をつくる取り組みを実施。またチラシなどを使って紙食器も作成しました。 「1.17あしやフェニックス基金」による助成の拡充 市内のグループ等が行う防災活動等を支援するため、新たに、震災に関する資料の活用を図る活動や、災害への備えの点検・見直しの推進を図る活動等を助成対象に加えています。令和6年12月10日時点で、6件の助成金交付申請をいただきました。 令和7年 阪神・淡路大震災芦屋市犠牲者追悼式 ■日時 1月17日(金)午後2時30分~  ※市からの案内状がない一般の方も参加いただけます。 ■会場 ルネサンス クラシックス芦屋ルナ・ホール ■問い合わせ 生活援護課☎38-2042 1.17芦屋市祈りと誓い ■日時 1月17日(金)午前7時~午後5時〈雨天決行〉  ※上記の時間内に記帳と献花にお越しください。 ■会場 芦屋公園  (阪神・淡路大震災慰霊と復興のモニュメント前) ■問い合わせ 秘書・広報課☎38-2000 ※駐輪場・駐車場はありません。徒歩またはバス等をご利用ください。 ※供花や供物などは、固く辞退します。献花用のお花はご用意します。 未来世代による取り組みとの連携等 震災の経験と教訓を風化させることなく後世に継承していくため、震災を経験していない未来世代が主体となる震災関連の取り組みについて、情報交換や連携を図り、将来に向けた取り組みを一緒に進めます。これまでにも、震災に関連する取り組みを実施している甲南女子大学の学生との意見交換を行ったほか、追悼式では高校生によるメッセージの発信等を行います。 芦屋市阪神・淡路大震災30年事業特別企画 甲南女子大学×芦屋市 共同制作番組 あしやトライあんぐる「つなぐ・伝える」 阪神・淡路大震災から30年。震災を知らない世代も増えてきました。震災の教訓を次世代に伝えるため、防災や災害対応の有識者や災害を経験された方への取材を重ねて、その重要性を学び続ける甲南女子大学の学生達が、「つなぐ・伝える」をテーマに広報番組を制作しています。令和6年能登半島地震を受けて被災地・珠洲市を訪れ、現地での取材や地域住民とのふれあいを通じて、被災地の現状と向き合います。 学びや経験を次の世代へつなぐ活動で得た新たな発見とは?震災を知り、「つなぐ・伝える」取り組みを紹介します。