04 特集2 市立芦屋病院のがん医療と緩和ケアの連携 日本人の死亡原因の第一位は悪性新生物(がん)です。ほぼ三分の一を占めており、ご家族やご自身の問題としてがんと関わる事は非常に多くなっています。 市立芦屋病院の血液内科、腫瘍内科と緩和ケア内科では、協力して化学療法と緩和医療とのベストミックスを目指した診療に取り組んでいます。 問い合わせ 芦屋病院☎31-2156 がんに対するQ&A 01 家族にがん患者がいると、自分もなりやすい? がんは、さまざまな原因により遺伝子に傷がつくことで発症すると考えられています。原因として①加齢、②生活習慣(喫煙・過度の飲酒)、③ウイルス感染などによる後天的要因(生まれつきでない要因)によるものが多数ですが、乳がんや卵巣がんなど一部のがんの発症には遺伝的要因も関わる事が知られています。 02 治療中でも仕事や趣味は続けられる? がんの種類により、また同じがんの方でも進行度や治療の種類により体調は大きく異なります。最近は分子標的薬(がん細胞そのものを直接攻撃する薬剤)など副作用の少ない薬が多く開発され、また従来の抗がん剤使用時も副作用軽減のための支持療法(吐き気止めやアピアランスケア※など)が進んでいますので、仕事や趣味を続けながら抗がん剤治療を受ける方も多くおられます。また、仕事との両立には職場の理解が不可欠ですので、利用可能な支援制度などを職場の方と相談してはいかがでしょうか。 ※アピアランスケア:がんやがん治療による脱毛・皮膚変化など外見の変化に対するケア 03 芦屋病院ではどんながんに対応している?できる治療は? 固形がん(胃がん、大腸がん、乳がん、卵巣がんなど)については、消化器外科、乳腺外科、呼吸器外科、婦人科などの外科系医師や消化器内科の医師と協力し、化学療法やがんの免疫療法(免疫チェックポイント阻害剤)の治療を積極的に行っています。血液がん(白血病やリンパ腫など)についてはすべての病気に対応していますが、同種造血細胞移植など高度な治療は大学病院などと連携をとりながら診療しています。また当院では、治療早期から緩和ケア内科医、看護師、薬剤師、臨床心理士などからなる院内サポーティブケアチームと連携を取り、がんやその治療に伴う痛みの緩和を行い、治療中の患者さん、ご家族の生活の質を保つことを心がけています。 血液内科 腫瘍内科 安見正人 医師 患者に寄り添うチーム医療 血液内科 腫瘍内科  緩和ケア内科 緩和ケア病棟では、がんと共に過ごす方とそのご家族が少しでも安心して、穏やかな時間が送れるようにサポートをしています。緩和ケアは終末期だけでなく、がんと診断された時から治療中にも受けていただける医療です。病気の進行に伴うさまざまな身体の症状や精神的な苦痛を和らげ、日々の生活をその人らしく過ごせるように支えることを大切にしています。当院の緩和ケア内科はチーム医療で行い、他科とも連携し、治療と生活の両面から患者さんとご家族を支えています。 緩和ケア内科 武田亜衣 医師