02-03 特集 国指定遺跡 会下山遺跡 ─史跡指定 15周年─ 日本列島には数多くの遺跡があり、その中でも特に、歴史上・学術上重要な遺跡が「国指定史跡」として指定されています。そして、芦屋市にも、国指定史跡が1つあるのをご存知でしょうか。三条町にある国指定史跡会下山遺跡は、2011年(平成23年)に国指定史跡となり、今年で指定15周年を迎えました。これを機会に、改めて会下山遺跡をご紹介します。 問い合わせ 国際文化推進課☎38-2115 地元中学生の発見から始まった! 会下山遺跡発見秘話 昭和29(1954)年、市立山手中学校では、学校の裏山にあたる会下山に植物実習園をつくるための道づくりが行われていました。この時、作業に参加していた山手中学校の生徒たちが弥生土器の破片を発見したのです。 この発見を受けて芦屋市教育委員会が実施した昭和30年代の発掘調査にも、山手中学校の生徒たちが参加しました。当時、著名な考古学者からは、稲作に適さない山の上にムラがあることへの疑念の声もあったそうですが、発掘調査によって、弥生時代中期中ごろから後期前半(今から1900~2200年前ごろ)の間、300年近く、山の上にムラがあったことが証明されました。また、会下山遺跡の発見をきっかけに、高地性集落が、全国各地で見つかるようになりました。このように、地元中学生が見つけた土器の破片から、高地性集落の調査研究が発展したのです。 会下山遺跡ってどんな遺跡? 芦屋市三条町、市立山手中学校のすぐ北西に位置する会下山遺跡は、弥生時代(今から1900~2200年前ごろ)の人々が暮らしたムラの跡です。標高約200mの山頂からは、芦屋の市街地だけでなく、大阪湾を中心に、東は大阪平野や生駒山系の山並みを、西は神戸市東部のまちを見渡すことができます。 このように、見晴らしの良い高い場所にある弥生時代のムラを「高地性集落」と呼びます。会下山遺跡は山頂から山裾まで山全体に広がっており、発掘調査によって、竪穴住居跡や祭場跡、火たき場跡、柵跡、堀跡などが見つかっています。 会下山遺跡では、土器や石器など、弥生時代のさまざまな食器や道具が出土しています。土器は、地元で作られたものだけでなく、河内(大阪府)や讃岐(香川県)、近江(滋賀県)で作られたものもあり、さまざまな地域の人々と交流していたことがうかがえます。また、鉄器やガラス小玉、中国大陸から持ち込まれた青銅製漢式三翼鏃(せいどうせいかんしきさんよくぞく)〈芦屋市指定文化財〉など、当時、大変貴重な金属製品やガラス製品も見つかっています。 会下山遺跡では人々がどのような暮らしをしていたのか、興味深いですね。 山の上に暮らしたナゾ 弥生時代の人々は稲作を中心に生活していましたが、会下山遺跡をはじめとする高地性集落に暮らした人々は、なぜ稲作に不向きな標高の高い山の上に暮らしたのかはナゾのままです。 「争いに備えた見張り場や逃げ城」説や、「洪水などの自然災害から避難した」説、「木材を手に入れるため」、「鉄器を製作するため」、「目立つ場所を人やモノが集まる交流拠点とした」など、さまざまな説が唱えられています。皆さんもぜひ会下山遺跡を訪れ、弥生時代の人々が山の上に暮らした理由を考えてみてください。 地元中学生と会下山遺跡をパトロール 市は、会下山遺跡の保護のため、随時、遺跡パトロールを実施しています。今回は特別に地元中学生3人に協力いただき、共同でパトロールを行いました。 ※学芸員指導のもと実施しています。土器を含む埋蔵文化財は国民の共有財産です。個人での土器の採集はできません。 ※土器片等を発見された場合は、速やかに国際文化推進課(☎38-2115)までご連絡ください。 会下山遺跡を守り、伝える もっと知ろう!会下山遺跡 会下山遺跡は弥生時代の社会を解き明かす貴重な遺跡であることから、1960年(昭和35年)には兵庫県史跡第1号に指定され、さらに2011年(平成23年)2月7日には国指定史跡に指定されました。芦屋市では、会下山遺跡の価値や魅力をこれからも守り、伝えていくために、今年度から「史跡会下山遺跡保存活用計画策定事業」に取り組んでいます。さらに、12月には会下山遺跡と芦屋のまちの繋がりを考えるフォーラムも実施します。ぜひご来場ください。 ※詳細は広報あしや11月号にてお知らせします。 会下山遺跡に関する展示 三条文化財整理事務所 展示室 ■所在地 三条町39-20(市役所三条分室3階) ■開 館 日 月曜日・木曜日(祝日・12月29日~1月3日を除く) ■開館時間 午前10時~午後4時 美術博物館 歴史資料展示室 ■所在地 伊勢町12-25 ■開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで) ■休館日 月曜日(祝日の場合は開館翌平日休館)、年末年始、展示替え期間 会下山遺跡の冊子・リーフレット 国際文化推進課の窓口で配布しています。 ホームページでPDF版もご覧いただけます。 会下山遺跡出土品 3Dモデルで体験 大手前大学史学研究所が、会下山遺跡の地形や出土品の三次元データを公開しています。