■令和4年度第2回芦屋市障がい者差別解消支援地域協議会 ■日時 令和4年12月13日(火) 午後1時30分〜午後3時 ■場所 芦屋市役所分庁舎2階 会議室1・2 ■出 席 者  会  長  木下 隆志  副 会 長  杉島 健文  委  員  窪田 浩尚  川畑 香   井岡 祥一  金井 陽子        能瀬 仁美  杉本 陽子  嶋田 勝子  関村 英喜        本宮 隆徳  谷  仁   藤川 喜正  三芳 学        中嶋 順   中山 裕雅  欠席委員  杉江 東彦  小西 明美  西端 充志  川崎 俊子        山岸 吉広  事 務 局  障がい福祉課 田嶋 修   長谷 啓弘  今西 絵理子               北村 惟子  関 係 課  地域福祉課  山川 尚佳  吉川 里香        子育て政策課 小川 智瑞子 ■事務局 障がい福祉課 ■会議の公開 公開 ■1 会議次第 (1) 開会     開始時点で21人中16人の委員の出席により成立 (2) 議事   ア 合理的配慮の提供の推進に係る取組について資料2 資料3   イ 芦屋市共に暮らすまち条例関連施策の取組状況に関する総合評価について資料4  (3) その他 (4) 閉会 ■2 提出資料 (1) 資料1 令和4年度芦屋市障がい者差別解消支援地域協議会委員名簿 (2) 資料2 合理的配慮の提供の推進に係る取組について (3) 資料3 「芦屋市みんなにやさしいお店」登録マニュアル (4) 資料4 令和3年度 芦屋市障がいを理由とする差別のない誰もが共に暮らせるまち 条例(愛称名:芦屋市共に暮らすまち条例)関連施策総合評価結果 ■3 審議内容 (1)合理的配慮の提供の推進に係る取組について   事務局より説明 (木下会長)  皆様のご意見をいただきたいと思います。「『芦屋市みんなにやさしいお店』登録マニュア ル」を開けていただけますでしょうか。  1ページの手前の「はじめに」というところで、この取組の目的として「芦屋市はこの取 組を通して、障がいを理由とした差別のないまちを目指す」ということを書いています。つ まりこの取組は、「差別のないまちを目指すために、こういう普及啓発活動をしていこう」と いうものです。  それぞれ様々お立場があるかとは思うのですが、ここからはざっくばらんにご意見をいた だければと思います。この会議は、利益を追求する会議ではないものの、いわゆるマーケテ ィング戦略的なことを検討する会議です。この取組を行うこと自体に反対される方はほとん どいらっしゃらないと思うのですが、「いかにこの取組を皆様に知っていただくか」を検討す るうえで、些細なことも含めて、この場でより良いアイデアを頂戴してそれを活かしていく と、もっとこの取組が皆様の目につくようになるかもしれません。そのため、小さなことで も細やかなことでも構わないので、ご意見をいただきたいと思います。  先ほど事務局からご説明いただいた内容全体について「こうしたほうがいいのではないか」 というご意見をいただき、また、ご提示いただいた取組の周知方法の案について重点的に議 論をしていただきたいです。  例えば、「芦屋市みんなにやさしいお店登録事業」という事業の名称も、「このままでいい よ」ということであればこのままになりますが、もっと良いタイトル案があればご提案いた だければと思います。  また、市ホームページや「あしやねっと♪」に掲載し周知する案をご提示いただきました。 「芦屋市みんなにやさしいお店」に関する掲示物に印字されたコードをスキャンしたら、そ のページに飛んでいくような仕組みがあれば良いのかなど、そのような視点でも、皆様の案 を出していただければありがたいと思います。 (本宮委員)  ご提案いただいたこちらの掲示物について、この内容はまだ変えられるのかということが 1点。また、芦屋市ではこの芦屋川の風景の絵がよく使われていると思うのですが、少しイ メージが良くないのではないかということが1点。  また、商工会には事業が約1,000事業ほどあり、その中でもサービス業や物販関係が 多いので、この掲示物を掲示することによって「障がいのある方々にやさしいお店」という アピールができると思います。掲示物にピクトグラムを載せるという案ですが、もう少し皆 様が分かりやすい形にしていただきたいですし、もっと様々な掲示物の出し方ができればな とは思いますので、その辺りを今後考えていただければと思います。 (木下会長)  これは一応案ですよね。 (事務局長谷)  案です。 (木下会長)  案ですので、もちろん変えることは可能です。  「例えばこんな感じ」というイメージはおありですか。 (本宮委員)  そのピクトグラムには「気持ち」「スロープあります」「手話します」「筆談します」「手す りあります」などいろんな種類がありますが、店舗によってできることとできないことがあ ります。そのため、もう少し簡単にそのピクトグラムを掲載できるようなレイアウトにでき れば良いのではと思います。例えば、掲示物案に配置されている芦屋川の風景の絵を削除し、 そのスペースを6つぐらいに分割して「これができます」「手話ができます」「筆談ができま す」など、その店舗ができることに合わせたピクトグラムを配置する、空いたスペースに公 認キャラクターのイラストを配置する、その下の部分に「私のお店は、心のバリアフリーを 大切にしています」という文言プラスその店舗のアピールポイントを掲載する、というレイ アウト案はどうかと思います。 (木下会長)  「こういうイメージが好きです」という案をお持ちですとありがたいのですが、いかがで すか。 (本宮委員)  この案のデザインでは少し意味が分かりにくいと思います。もっとピクトグラムを全面に 押し出すなどして、「こんなことをしているお店です」ということを示せないと伝わりづらい のではと思います。 (木下会長)  このデザインでは、抽象的だということでしょうか。 (本宮委員)  抽象的ですね。 (木下会長)  分かりました。 (杉本委員)  今のご意見に付け加えさせていただきたいです。  「合理的配慮の提供に関するチェックリスト」のうち一項目でも当てはまっていれば「芦 屋市みんなにやさしいお店」に登録できるというお話でしたが、そのお店が「具体的にどれ に取り組んでいるのか」ということを明らかにしなければいけないと思います。例えば、車 椅子の利用者の方が「どこかへご飯を食べに行きたいな」と思ったときに、「ここのお店は『芦 屋市みんなにやさしいお店』に登録されているから安心だ」と思ってお店へ行ったら、その お店にはスロープがなく、コミュニケーション支援ボードを置いているだけだった場合、「芦 屋市みんなにやさしいお店」なのにお店に入れないということになってしまいます。そのた め、掲示物や「あしやねっと♪」、市ホームページなどに、「実際そのお店がどの項目に取り 組んでいるか」を分かりやすく掲載しておかなければと思いました。 (木下会長)  掲示物案の右側にある車椅子利用者のピクトグラムが「スロープを設置しています」とい う表示ですよね。 (事務局長谷)  そうです。 (木下会長)  この会議の場でも伝わっていないということは、おそらくもっと分かりやすくしなければ 皆様に伝わらないということですよね。要は、「車椅子が使えます」など、もっとストレート に伝わるような表現が必要ということでしょうか。 (杉本委員)  例えば、この「合理的配慮の提供に関するチェックリスト」に番号を付番して、「Aという お店では1と3と4があります」というように表示したら良いのではないでしょうか。 (能瀬委員)  資料2の5ページ目にある車椅子利用者のピクトグラムの下に「スロープあります」と書 いてあるので、セットで表示したら分かりやすいかと思います。 (木下会長)  言葉も入れたほうがいいですね。 (能瀬委員)  まずそのピクトグラムの意味をお伝えできたほうがいいのではと思うのです。例えば、こ の「気持ち」のピクトグラムも「ハートを持っているのだろうな」となんとなくは分かるの ですが、手で一部が隠れているのでハートの形になり切っていませんし。このピクトグラム は赤のハートだけでいいのではと思います。それであればこのピクトグラムは「気持ち」と いう意味だと伝わるのではないかと。 (木下会長)  少し工夫が必要ということですよね。 (能瀬委員)  掲示物案のうち芦屋川の風景の絵が配置されている箇所が最も目立つと思うのです。きれ いなピクトグラムで色合いもきれいなので、この箇所にそのピクトグラムを入れたり文字を 入れたりして、何を伝えたいのかが一目で分かるほうがいいかと思います。 (木下会長)  事務局はいかがですか。 (事務局長谷)  いろんな意見をいただけてありがたいと思っています。  先ほど本宮委員がおっしゃったように、ピクトグラムを全面に出してもいいのではと思い ました。該当するピクトグラムに丸を付け、また、公認キャラクターが話している吹き出し がありますので、この吹き出しに「具体的にこういうことをやっています」と記載すること で取組の内容を補足できれば皆様に伝わりやすいのではと思います。 (能瀬委員)  お店のアピールにもなると思います。  また、周知方法について、以前から芦屋市のいろんな会議でInstagramやTwi tterなど各種SNSの活用が話題に上がっていますが、「あしやねっと♪」も含め、芦屋 市の福祉に関する情報サイトがなかなか皆様に認知されていないので、「あしやねっと♪」に 載せていただいても、サイトを閲覧する人が少なければ広まらないのではと考えています。 その辺りからどうしていくかが課題かと思います。芦屋市の福祉に関する情報は、おそらく InstagramやTwitterに載せていただいていると思うのですが、アカウント をフォローしていただけなければなかなか皆様に見ていただけないので、もう少し何か「こ んな取組をしていますよ」というアピールができれば良いと思います。例えば、「まるっと説 明会」などのイベントを開催する際に「このアカウントをフォローしてください」というよ うに強くアピールをするなど、地道な活動にはなるとは思うのですが。 (木下会長)  最も難しいところですね。 (金井委員)  ピクトグラムを大きくして、芦屋川の風景の絵を小さくしても良いのではかと思っていま す。  いろんなお店に行く機会があるのですが、お店にはいろんなステッカーがあります。例え ば、補助犬が入店可能なお店のステッカーや耳のマークが描かれたステッカーなどいろんな ものを置いてあります。そこにこの掲示物を設置していただくのであれば、これら以外の情 報がはっきり分かるようなデザインにしたほうが良いと思います。既存のステッカーにない 取組の項目について大きく描いたステッカーを作ってほしいと思います。  もう一つ、このピクトグラムのうち「手話します」「筆談します」のピクトグラムですが、 意味が分かりにくいです。手話の話が出ましたが、全日本ろうあ連盟が作った「手話マーク」 と「筆談マーク」があります。(各種マークを提示)掲示物にこのマークを使っていただくこ とも考えていただきたいと思います。 (木下会長)  引用する場合、著作権上の問題などは発生しないのでしょうか。 (金井委員)  全日本ろうあ連盟のほうに確認していただければ、お返事がもらえると思います。ろうあ 者の間では既にこのマークが広く認知されており、こちらのほうが分かりやすいので、この ような絵にしていただいたほうが、ろうあ者は「ここは手話ができる」「ここは筆談ができる」 ということがすぐ分かると思います。 (中嶋委員)  ピクトグラムを大きく掲載することに賛成です。そして、この掲示物は障がいのある方に もない方にも分かりやすいものであったほうが良いと思うのですが、緑の背景に白字で印字 されているため、視覚障がいのある方が色弱であるとなかなか読みづらいのではと思います。 一緒に働いているメンバーに視覚障がいがあるメンバーがいるのですが、黒地に白字か、も しくは白地に黒字など、はっきりとした字でなければ字が見えない人がいるので、すごくソ フトなやさしい印象の色味ではあるのですが、もう少しはっきり分かりやすくしたほうが良 いと思いました。また、知的障がいのある方のために全ての文字にルビを振るなど、この掲 示物があらゆる障がいのある方に配慮されたものであるほうがいいのではと思ったのが1 つ。  もう1つは、情報をいかに拡散していくかという話ですが、新しいハッシュタグはフォロ ーされづらいので、今回「#芦屋市みんなにやさしいお店」というハッシュタグを作っても、 なかなかフォローされないのではないかと思います。そこで、例えば私はずっと「#芦屋グ ルメ」などをフォローしているのですが、どこかのお店であれば、その「#芦屋グルメ」や、 芦屋市の風景などによくタグ付けされている「#アシヤグラム」などと、この「#芦屋市み んなにやさしいお店」を併せてタグ付けして発信すれば、目に留まる方が増えると思うので す。既にある程度フォロワーが多いハッシュタグに紐づけてこの「芦屋市みんなにやさしい お店」の認知を徐々に広げていくほうが良いと思いました。  この「コミュニケーション支援ボード」も、お店の目的に合わせたものにカスタマイズで きたほうが良いのではと思いました。「食事をするお店のレジにはこのパターン」や「何か販 売しているお店にはこのパターン」というように柔軟に対応しなければ、このままラミネー ト加工をして配布しても、お店側に「うちには関係ない」「うちでは使えない」と思われかね ないので、兵庫県の様式をカスタマイズできないのであれば難しいかもしれませんが、何か しら工夫が必要かと思いました。 (木下会長)  この「コミュニケーション支援ボード」の内容は自由に編集できるのですか。例えば、お 店側が内容を編集できるのでしょうか。 (事務局長谷)  「学校用」や「医療用」など、各施設向けにPDFファイルで用意されているものになり ますので、編集はできません。ただ、このPDFファイルに記載されている内容を独自で組 み合わせて新たな様式を作成できるかについては、兵庫県への確認が必要です。 (木下会長)  「#芦屋グルメ」や「#アシヤグラム」などと既存のハッシュタグと併せて「#芦屋市み んなにやさしいお店」をタグ付けするのは構わないのですか。 (中嶋委員)  問題ないと思います。既存のハッシュタグと併せてタグ付けしていくと「あれ、このハッ シュタグは何だろう?」と少しずつでも皆様に気づいていただけるのではと思いますが、た だ「#芦屋市みんなにやさしいお店」だけを投稿にタグ付けしても、誰の目にも触れないと 思うのです。少しでも誰かのタイムラインに、この「芦屋市みんなにやさしいお店」が見え るようにするには、多くの方がフォローしているハッシュタグとセットで出てくるようにす る必要があるかと思います。インスタグラマーの方の投稿にはハッシュタグがいっぱい付い ています。10〜20個くらい付いているハッシュタグの中に「#芦屋市みんなにやさしい お店」が入っていると、少しは見てくれる方が増えるのではと思います。 (木下会長)  「あしやねっと♪」でも同じ手法を用いると、見てくれる方が増える可能性もあるという ことでしょうか。 (三芳委員)  能瀬委員からご指摘いただいた、「あしやねっと♪」がなかなか普及しないことを課題とし て重く受け止めております。我々世代がSNSで発信してもなかなかフォロワーは増えない ということで、昨年度から市内の高校に協力を依頼しています。  お手元に「まるっと説明会」のチラシがあるかと思うのですが、裏面の木口記念会館の配 置図の下に「高校生による福祉研究発表」を記載しております。我々がSNSの活用におい て苦戦する中、高校生に発達障がいや知的障がいの疑似体験をしてもらったり、視覚障がい の方から体験談を聞いてもらったりして、自分なりに障がい理解や啓発の勉強を重ねてもら い、動画など福祉に関する啓発のためのツールを作ってもらいSNSで発信してもらいます。  また、県立国際高校の学生から「お店で聴覚障がいの方が困らないように『筆談しましょ うか』などと書かれたものを、接客の際に店員さんに持ってもらうのはどうだろうか」とい うアイデアを出ました。高校生は高校生なりにどうしたら良いだろうかと悩んでいるので、 本日ご提案いただいたコミュニケーションツールを参考に、一緒に考えていくこともできる のではないかと考えております。  先ほどの中嶋委員からのご意見や高校生からの意見を踏まえながら、SNS上で上手く情 報発信がしていけたらと考えております。  また社会福祉協議会には、市内のお店や新聞配達業者などに、高齢の方や障がいがある方 で「少し気になるな」という方を見つけられたらご連絡いただく「見まもりネット」という 仕組みが数年前からございます。そのため、市内のお店や新聞配達業者ともコラボできるこ とがあるかもしれないので、そのような方々とも少しお話ができたらと考えております。  もう1点は宣伝ですが、「あしやねっと♪」に「バリアフリー情報」という項目がございま して、先日川畑委員が、今日事務局からご説明いただきました芦屋市合理的配慮の提供支援 に係る助成金を活用してご自身の医院に手すりを設置されたことのご紹介や、聴覚障がいが ある方が阪急芦屋川駅付近で運営されている手話のcafe&Barへの取材内容をそちら に掲載しております。そのような取組を広げていけたらと考えております。 (谷委員)  また掲示物の話に戻るのですが、掲示物のサイズはこれで統一されるのでしょうか。お店 によってはもう少し大きいサイズで掲示してもいい場合もあるかもしれません。登録申請書 の提出があればこの掲示物を送付するということですが、幾つかのサイズの掲示物を用意し ておいて、ご希望のサイズを選択していただけるような仕組みがあってもいいのではと思い ました。 (藤川委員)  「芦屋市みんなにやさしいお店」の登録についてですが、お店のほうにも何かメリットが なければなかなか登録までつなげることが難しいと思うのです。例えば、芦屋市の広報紙の 最後に市民などがInstagramに投稿した写真が載っていますが、あのように、登録 していただいたお店のPRになるような写真を小さくても構わないので載せて、「広報紙の紙 面でお店の宣伝ができますよ」「あなたのお店が広報紙に載るかもしれませんよ」と周知する など、何か工夫があれば登録につながるのではないかと思います。紙面に載せるとなると芦 屋市全体の取組となるため実際に可能かはわかりませんが、登録するメリットは何かあった ほうが良いかと思います。 (中山委員)  市の広報紙において民間事業者をその企業名を出して紹介できるのかという問題はあるの ですが、障害者差別解消法が令和3年に見直され、民間事業者においても3年以内に合理的 配慮の提供が義務化されるようになりますので、3年後の令和6年5月に向けて、我々とし ては徐々に加速してこの取組を広めていかないといけないと考えています。令和6年5月の 直前に急遽取組を強化しても間に合わないので。一方、そうなりますと、障がいのある人を 差別したり、合理的配慮が提供できなかったりするお店は、逆に悪いうわさが広まりがちに なるのではないかという心配もありますので、徐々に加速していきたいと思っております。 (木下会長)  私が最初にお伺いした「芦屋市みんなにやさしいお店登録事業」という事業の名称につい ては何もご意見がありませんでしたので、この名称でよろしいでしょうか。事業の内容に関 しては、皆様からのご意見をもとに検討していくということでよろしいでしょうか。 (杉島副会長)  手続的なことに関しての質問なのですが、皆様からのご意見をもとに本日ひとまずの方向 性が決まって、また事務局側で案を作られると思うのですが、その案は、再度この会議で検 討するという流れになるのでしょうか。 (事務局長谷)  なるべく今年度内に事業の内容を決定したいと考えておりますが、この協議会は年2回開 催であるため、次回にお諮りするとなると来年度になってしまうため、そこまで時間を費や すのはいかがなものかと思っております。ただ、せっかくこの場で様々な意見を頂戴してお りますので、発信する前に、何らかの形で最終案を皆様にご提示したほうが良いと考えてお ります。 (木下会長)  どのような連絡手段を用いるかは今後検討することになりますが、事務局側で再度検討し た案をご提示したいと思います。 (井岡委員)  兵庫県の「コミュニケーションボード」と「芦屋市みんなにやさしいお店」の掲示物案に は大きな違いが1点あると思いました。それは、「芦屋市みんなにやさしいお店」の掲示物案 が「障がいのない人」の定義です。「障がいがある人」に対してはピクトグラムなど障がいの 種別によって対応できる形となっていますが、「障がいがない人」の「障がい」とはどのよう な定義なのかと考えるのです。芦屋市には、他言語を話される方がかなり多く住んでおられ ると思うのです。兵庫県の「コミュニケーションボード」は、これで足りるかというと足り ないとは思うのですが、日本語、英語、中国語、韓国語など、日本国内で話される方が多い 言語では翻訳されています。この掲示物の中に、あれもこれもと載せると分かりづらくなる と思うのですが、少なくとも「どういう見せ方をして、どういうものを入れていくのか」を 考えて内容を決めると、結果として障がいのある人にもやさしい掲示物になると思います。 また、「障がいがない人」と一言で言ったとしても、そのうちの誰にターゲットを絞るのかが 重要ではないかと思います。例えば、他言語を話される方にターゲットを絞るのであれば、 その方が理解できるような内容を最低限載せるなどです。掲示物に限られた情報を載せる際 には、「何を大切にし、何を載せれば良いのか」を考えたほうが良いのではと思いました。 (木下会長)  「『芦屋市みんなにやさしいお店』登録マニュアル」に「障がいがある人もない人も」とい うフレーズがありますが、「多様性」に焦点を当てて作るのか、もしくは、「障がい者への差 別の解消に関する協議会が作る」という意味で「障がいのある方」を対象にして作るのか、 その点をもう少し検討したほうがいいのかもしれないので、ここも検討事項にさせていただ きます。 (金井委員)  掲示物案は「みんなにやさしいお店」として「障がいのある人にもない人にもやさしい」 という書き方になっています。それだけを見ると、「障がい者もみんなと同じように」という 印象を受けるのですが、兵庫県の「コミュニケーションボード」では、外国人も対象に含ま れているように思われます。もし「みんなにやさしいお店」の「みんな」が「外国人も子供 も老人もみんな」という意味であればこの名称でいいと思うのですが、現在の案では内容が 障がい者に特化しているので、やはり名称について再検討したほうがいいのではと思います。 (木下会長)  「障がいのある人が安心して利用することができる」という文言が副題にあるので、名称 はこのままでも良いのではと思うのですが、いかがでしょうか。 (能瀬委員)  我々の会でこの話をした際、やはりお母様方の中では、「障がいがある・ない」と表現する 時点で差別なのではないかというお声が何人かから出て、「どんな方でもお店に入れるのでは ないのか」というところからのお話になりました。おそらく実際に「車椅子は入れない」と 言われたり、お店で騒ぐから「お店に入らないでください」と言われたりという経験をお母 様方がされているから、余計にお考えになるのではないかと思います。そのようなことをな くすためにこの取組ができたということなので、「障がいがある・ない」と書いているほうが 分かりやすいけれど、書いてしまうとやはりそれ自体が差別になるのではないかというお話 がお母様方の中で出ました。 (木下会長)  難しいですね。これはフェーズの問題で、それは、ノーマライゼーションからインテグレ ーションになりインクルージョンになるという流れの中で、障がいの有無にかかわらず「多 様性」という視点を持って行動するのが今は世界標準であるため、当然そうあるべきだとは 思うのですが、現状がそのフェーズに達しているかどうかという問題があります。しかし、 そこを目指さないといけないという側面もあるので、なかなか難しいですね。  もし、「やさしいお店」を「障がいの有無にかかわらず、みんなにやさしいお店」と定義す るのであれば、SDGsの発想でこちら側に持っていかないといけないことになると思うの ですが…。  落としどころを決めるのがなかなか難しいですね。定義をこちら側に少し寄せていきます か。 (事務局田嶋)  そうですね。 (川畑委員)  去年、芦屋市合理的配慮の提供支援に係る助成金の交付を受けて、手すりをつけていただ いたクリニックの院長です。  もしこの掲示物を貼るのであれば、その「やさしい」という言葉の意味が「サービス面で の言葉づかいややさしさ」と定義されてしまうと、クリニックの業務が忙しい時に皆様に普 段と比べて丁寧に対応できず、申し訳ないことをしてしまうかもしれないと不安になります。 そのため、その定義で進めるのであれば、クリニックにこの掲示物を貼るのは厳しいかもし れないと思いました。  また、「障がいのある人にもない人にも」と「『芦屋市みんなにやさしいお店』登録マニュ アル」には記載されているため、「障がいがある人への配慮がある」という意味かと思ってい たのですが、障がいの有無に限定せず、いろんな意味でみんなにやさしいお店という意味に なると、先ほど申し上げたような繁忙時のサービス面において苦情が来たらどうしようかと 懸念してしまいます。  「うちはこのような配慮をしました」というピクトグラムを載せた掲示物のほうが利用し やすいのかとも思いますが、例えば、ホームページに掲載するときに、それらを集めた店舗 などの集合名をどうするのかという問題が発生するのではないかと思いました。 (木下会長)  それであれば、両方の意味で受け取れるように、ひとまず「障がいがある人が安心して利 用できる」という意味も含めた現行案に近いもので進めながら、今後少しずつ改善していく という方向でいくのはいかがでしょうか。 (杉島副会長)  掲示物には「やさしいお店」という文言を載せずに、「スロープあります」や「車椅子は入 れます」など、シンプルに機能面に関する内容のみを載せ、対してマニュアルには、「やさし いお店」という文言を残して、障がいの有無に言及した形にしたらどうかと思いました。 (木下会長)  つまり、いろんなバージョンがあるうちの1枚として「こういうことができますよ」とい う掲示物にするということですか。 (杉島副会長)  そうです。 (木下会長)  いかがでしょう。 (能瀬委員)  もともとある補助犬に関するステッカーのように、例えば、「スロープあります」バージョ ンや「手話します」バージョンを個々に用意して、取組が2つあれば2枚貼ってもらうとい うことですよね。確かに一つ一つ貼るのは手間ですし、「このお店にはたくさんステッカーが 貼ってある」という印象を与えてしまうかもしれませんが、複数の取組を1つの掲示物にま とめることで記載内容が小さくて皆様が見づらくなるよりは、内容ごとで掲示物を作成する ほうが、貼ってもらった時にそれぞれの意味が伝わりやすくて良いのではと思います。  ピクトグラムやその下の「スロープあります」などの説明があればそのお店の取組内容が 分かるので、登録事業の総称としての「やさしい」の意味については、配慮されている側の すべての方に「やさしい」と思っていただければたらそれでいいのではと思います。しかし どうしても、この掲示物などを見て「『障がいがある・ない』と書いてある時点で差別なので はないか」とおっしゃる方が出てくるように思いました。 (木下会長)  この件に関しては、再度検討させていただきたく思います。  今悩んでいるのは、資料2の3ページ目に記載の「事業概要」によると、この事業は「障 がいのある人の社会参加を支援するもの」であり、居場所を作ることが目的であるというこ とです。また、その居場所は新しく作るのではなく、既存のお店を利用しながら事業を展開 するという意図があると思います。この目的を掲示物に記載しないのはいかがなものかと思 うので、小さくても構わないので「やさしいお店」という文言を記載したほうがいいのかと 考えています。もちろん、本日いただいた皆様のご意見もしっかりと反映させながら事務局 と内容を固めていきたいので、今日のところは保留ということで、一度持ち帰らせていただ きたく思います。ただ、先ほど事務局からありましたとおり、スピード感を持って作りたい とのことでしたので、最終案が完成しましたら、また皆様にメールなどでご意見をいただき たいと思います。 (2)芦屋市共に暮らすまち条例関連施策の取組状況に関する総合評価について  事務局より説明 (木下会長)  これは「芦屋市共に暮らすまち条例」に関して、自立支援協議会や各団体からのご意見を 集約して総合評価を行った後、自立支援協議会からの所見をまとめたものですが、これに対 して、皆様のご意見や「ここはこう書いてあるが、もう少しこうしてほしい」といったご要 望などがございましたら、ぜひご発言いただければと思います。 (中野オブザーバー)  この評価結果はよくできていると感心しました。ただ、資料4の「施策体系」のうち「合 理的配慮の提供支援に関する施策」に当てはまるのかと思うのですが、「合理的配慮がすごく 欲しかった」あるいは「差別を受けた」など、障がい児・者ご本人の声はどこに反映されて いるのだろうかと疑問に思いました。自立支援協議会でご本人への調査をしたほうがよいの ではと思ったので、自立支援協議会でご本人に「この条例ができた結果、実際どうだったか」 をお伺いしたかったです。 (木下会長)  おっしゃるとおりですね。その辺りはいかがでしょうか。 (事務局長谷)  このたびの評価に際しては直接障がいのある人ご本人へのアンケートは実施できていない ものの、障がい者(児)福祉計画や障がい福祉計画などの策定時の機会にはアンケートを実 施しており、そこで「差別を受けたことがあるかどうか」などのご質問もしております。  令和3年度にはそのようなアンケートを実施できなかったので、何かしらの形で補完する ことができないかと考え、障がい者団体の方にお集まりいただき、それぞれのご意見などを 伺いました。この場で何かしらのお約束は致しかねるところなのですが、今回伺った障がい 者団体の方のご意見が全てではないということは事務局としては認識しておりますので、引 き続き何かできれば良いとは考えております。 (金井委員)  今のお話について、この場での当事者は私だけだと思います。私は7月に開催された協議 会に出席した際、意見をたくさん書いて事務局へ提出しました。その内容ははっきりと覚え ています。その際、私一人の意見だけでは足りないと感じたので、会に持ち帰り、会の意見 をまとめてから提出したい旨をお話ししたのですが、提出できる期間が短かったので、結局 個人の意見を書いて提出しました。「会を代表して、個人の意見を書いてほしい」と言われた ので、私なりに考えて、ろうあ者として思うことをはっきりと書かせていただきました。目 の見えない方や車椅子をご利用の方のことは分かりかねますが、想像して書きましたので、 他の障がいがある方の意見も含まれています。本当はもっと早く依頼されていれば、会へ一 度持ち帰り、皆様の意見をまとめたうえで提出することができたので、その時間が欲しかっ たと思います。 (木下会長)  「意見は反映されているが、もう少し依頼が早ければもっと広く意見をもらえたかもしれ ない」ということですね。 (杉本委員)  今のご意見につけ加えたいのですが、「当事者の声を十分に聞けていない」ということは大 問題なのではないかと思います。そのため、アンケートを実施したり実際に会って話したり する定期的な機会を早急に設けたほうが良いのではと思います。事務局の方にお伺いしたい のですが、前回そのようなアンケートを実施されたのはいつでしたか。 (事務局長谷)  令和2年です。 (杉本委員)  それ以降は直接聞いていないということですよね。当事者の方の声を汲み取らないで、こ のような評価をしたりいろんなことを決めたりすることは、本当にそれで良いのだろうかと とても驚いています。 (木下会長)  誤解があってはならないと思うので補足するのですが、当事者の方の代表として各団体の 方に参画をいただいており、その方お一人の意見だけではなく、その方に当事者の方の意見 を集約していただくようにお願いしていました。 (能瀬委員)  聞き取りをしてくださいました。 (木下会長)  聞き取りをしてくださったのですね。 (能瀬委員)  事務局の方が各団体に来てくださって、時間を取っていただきました。  芦屋家族会の方への聞き取りはありましたか。 (杉本委員)  ありましたが、先ほど金井さんがおっしゃっていたように、私も前回の協議会の際に意見 を書いて提出したのですが、依頼があってから提出までの時間がすごく短かったので、当事 者の親などの意見は聞きましたが、結局、当事者からの意見をまとめる時間はありませんで した。 (能瀬委員)  団体によっても違うのかもしれませんね。我々の会のように当事者が小さな子ばかりだと、 やはり親の意見になるのです。それでも聞き取りしてくださったので良かったのではないか と思っていたのですが。  芦屋市身体障害者福祉協会の方への聞き取りもされましたか。 (事務局長谷)  聞き取りをしています。 (木下会長)  今の話の流れですと、直接本人に聞き取れるような時間が必要だということですよね。分 かりました。この評価は、次の計画策定の際に反映させる必要がありますので、今回限りで 終わる話ではなく継続的に実施しなければなりません。そのときに、本日いただいた意見を 反映させながら、少し時間を設けてもらいたいと思います。  次回からこの会議をするという前提で、この評価結果についてご承諾いただけるというこ とでよろしいですか。ありがとうございます。  では、本日の議事について、一つ目は事務局と私たちで一度持ち帰り、最終案を作りまし て皆様にメールなどでお示しして、「この方向で進めても良いですか」ということをご確認さ せていただきます。  二つ目については、次回は当事者の方ご本人のご意見をしっかりと聞き取れるような時間 を設けながら評価することをお約束して、今回はこの評価で進めさせていただければと思い ます。 (3) その他  事務局より「まるっと説明会」及び「第15回芦屋市障がい児・者作品展」の開催等について 説明 (木下会長)  では最後に閉会の挨拶をよろしくお願いします。 (杉島副会長)  皆様、本日は長時間の議論、お疲れさまでした。今日はなかなか白熱した議論で「絵をど うするのか」「ピクトグラムをどうするのか」「どう事業を広げるのか」「お店にメリットを与 えないといけないのではないか」「掲示物のサイズはどうするのか」「コメントはどうするの か」など様々な議論がありまして、非常に良かったです。そこに僕も参加してしまいました ので、木下会長にご迷惑をおかけしたのではないかと冷や冷やしております。  「社会が障がいを生み出している」と考えるのか否かなど視点の違いは各々おありでした が、「何かしらの社会的な障壁を持った方が困ることがないように、良い社会にしていきまし ょう」という大きな目標は変わりないと思うので、その点において一致団結して議論できた のは非常に良かったのではないかと思いました。  今後ともよろしくお願いいたします。 (木下会長)  では、以上をもちまして終了したいと思います。本日はありがとうございました。    以 上