■令和5年度第2回芦屋市障がい者差別解消支援地域協議会 会議録 ■日時 令和6年1月24日(水) 午後1時30分〜午後3時30分 ■場所 芦屋市役所南館4階 大会議室 ■出席者  会  長  木下 隆志  副 会 長  杉島 健文  委  員  窪田 浩尚 杉江 東彦 村上 洋子 西端 充志        小西 明美 金井 陽子 川崎 俊子 能瀬 仁美        杉本 陽子 嶋田 勝子 山川 範  森 昌彦        本宮 隆徳 谷  仁  藤川 喜正 三芳 学        中嶋 順  中山 裕雅  欠席委員  川畑 香  事 務 局  障がい福祉課 川口 弥良 長谷 啓弘 今西 絵理子  関 係 課  地域福祉課  岩本 和加子 吉川 里香        こども政策課 伊藤 浩一 ■会議の公開 公開 ■傍聴者数 0人 ■1 会議次第   (1) 開会    開始時点で21人中20人の委員の出席により成立   (2) 会長挨拶   (3) 議事    ア 芦屋市共に暮らすまち条例総合評価の結果について資料1    イ 芦屋市共に暮らすまち条例の評価方法の変更について資料2    ウ 芦屋市合理的配慮ガイドブックの改訂について資料3   (4) その他   (5) 閉会 ■2 提出資料  (1)  資料1_芦屋市共に暮らすまち条例総合評価の結果について  (2)  資料2_芦屋市共に暮らすまち条例の評価指標の設定について  (3)  資料3_芦屋市合理的配慮ガイドブックの改訂について ■3 審議内容   (1) 芦屋市共に暮らすまち条例の評価方法の変更について      事務局より説明   (木下会長)  1つめは、意識上のバリアが存在しているためホームページで意識上のバリアに 関する啓発を強化したほうがいいのではということで、この障がい理解に取り組むと いうこと。2つめが、親の理解を広げるためにインクルーシブ教育に関する親向けの プリント等を配布したいということ。3つめと4つめは、「芦屋市やさしいお店登録 事業」の継続的な活動と、障がい者差別の事例があったときにここで協議するという こと。この4つを柱にして次年度から取り組んでいきたいのですが、これに関してご 意見があればお願いしたいと思います。  自立支援協議会の中で障がい理解に関する話があったときに、ある委員から、 「障がいがある人がいろんなサービスを使う上で制限をされていることなども含めて、 もっと周りの方に理解してほしい」というご意見がありました。また、「障がいのあ る人だけでなく、例えばベビーカーを持つ方や高齢の方など、選択肢が狭まってしま う立場にある方への配慮なども含めて、自立支援協議会で考えていけるのであれば、 ありがたい」というお話もありましたので共有します。それを行うかどうかは、また 今後検討できればと思います。 (川崎委員)  インクルーシブ教育を市内の学校では行っていて、親向けのプリントを配布する のもいいと思うのですが、以前私の子どもが学校に通っていた頃は、入学式の説明会 には大抵保護者が来られるので、そのときに「我が校では統合教育を行っています」 という説明を校長先生がされていたと思います。しかし今は「そのようなことは全く ない」という声もあったので、入学する子どもの保護者にそういうことを言うのもい いのではと思います。インクルーシブ教育は市全体で取り組んでいるように思うので すが、最近はその良さが保護者に理解されていないように思います。障がいを持った 子どもの保護者にもその良さが分かってもらえていないと思うことが多く感じます。 子どもを通わせていても「見えないところでいじめが起きている」などうわさばかり 広がって、「地域の学校に通わせたくない」「最初から支援学校に通わせる」という 声を聞くので、もっと現場で先生方から温かいお話をしてもらえたらと思います。 (木下会長)  芦屋市のインクルーシブ教育の具体例を教えていただける方がいらっしゃれば。 (村上委員)  芦屋の特別支援教育が進んでいるということで、他の地方から、特に大学や議員 の方が、芦屋に視察に来られて、私たちはその方々とお話をしたり、実際に小学校な どのインクルーシブ教育を見ていただいたりします。その中で、他の地方では障がい のある子どもとない子どもを分けて教育しているけれど、芦屋は昔から障がいのある 子どももない子どもも一緒に育てるので、芦屋はやはり違うのだなと感じました。こ れが当たり前と思っていたのですが、障がいのある子どもとない子どもを分けて教育 しているところが多いのだなと思いました。場合によっては、障がいのある子どもを 別で教育することもありますし、クラスで入れそうなところを、支援員や介助員が支 援しながら一緒に勉強することもありますので、子どもたちは障がいのある子どもと 一緒に座っているという意識があると思います。そのあたりがやはり芦屋は違うのか なと感じております。 (本宮委員)  何をしているか、他の地方から視察に来られた方が何を求めて視察に来ているの かを、もう少し具体的に教えていただきたいです。 (能瀬委員)  私の子どもは車椅子を使っているのですが、実際に芦屋市立の小学校と中学校に 通っていました。私の子どもが車椅子を使っているので、同じクラスの子どもたちが 「一緒にドッジボールができるルールを考えよう」など、私の子どもも参加できるよ うに工夫してくれていました。そういう配慮を、先生から言われてするのではなく、 子どもたち同士で話し合ってしてくれていました。例えば、運動会に私の子どもも参 加するときに、「組体操をするのにどのようなポーズならできるか」など、障がいの ある子どももない子どもも一緒に何かできないかを考える力をつけてくれるというこ とは、一緒にいて強く感じました。 (本宮委員)  すごくいいことであることはわかるのですが、子どもたちが自主的に行ったよう に聞こえてしまいます。学校や市が、どのように障がいのある子どもへの配慮を自主 的に行ってきたかが分かりません。 (能瀬委員)  インクルーシブ教育自体が何か大それたことになっているように思います。他の 地方の方が芦屋に視察に来られるのは、対応に悩まれていて、その解決の糸口を見つ けるためだと思います。障がいの有無にかかわらず強く仲間意識を持つように、先生 たちが子どもたちに働きかけをされているのです。だから、先生から何か言われるわ けでもなく、子どもたちが自らどうにかしていこうという取組をしていました。 (杉本委員)  私自身も芦屋の小学校に通っていて、私の娘も芦屋の小学校に通っていました。 障がいのある子どもが同じクラスにいるということが当たり前と思っていたので、他 の地域では違うということを大人になってから知って驚きました。学校側ができるの は、周囲に障がいがある子どももない子どもも一緒に生活して、障がいのある子ども を特別視しないことが自然という環境をつくり上げていることが、既にすごいのでは と考えています。具体的ではないかもしれませんが、それが社会のあるべき姿である という環境に、幼少期からいるというのがいいのでは。 (木下会長)  恐らく、障がいのある子どももない子どもも共に学ぶという組織上の風土を作っ ていることがすごいと私も思っています。組織上の風土を作るのは、何かの弊害があ ったとしても基本的には守っていくことで、障がいのある子どもたちも社会参加でき るという文化が定着しているのです。ただ、恐らく本宮委員が聞きたいことは、その 組織のルールを作っていくときに、誰がどういう役割をされているのか、どんな技術 を使って行っているのかということではないかと思います。もしかしたら、制度を作 った当初は、「統合する」という意識の改革をみんなでやっていく、とても大変な時 期があったのかもしれません。ところが、現在はそれが定着しているので、そこに困 難なことがあったとしても「みんなで考えよう」いう意識が醸成されてきているのか と、皆さんの話を聞いて思ったのですが、何かそのあたりのルールのようなものや役 割のようななものはありますか? (村上委員)  芦屋市では、昭和50年ぐらいから、もっと昔かもしれませんが、インクルーシ ブ教育をしています。インクルーシブ教育に携わる先生たちは、日々子どもたちと関 わる中ですごく勉強してスキルを上げてきました。先生たちが障がいのある子どもに 接するのを見て、子どもたちが学んで、その接し方を学んだ子どもたちが小学校に進 学して、インクルーシブ教育を知らない子どもたちも一緒に巻き込んで、障がいのあ る子どももない子どもも一緒に生活するという文化を作っていくということを、小学 校の先生から聞いたこともあります。その子どもの特性を理解し、できることはそれ ぞれでするし、手助けが必要なところはさりげなく手伝うということを子どもたちは 肌感覚で分かっているようです。幼・小・中とつながっているという風土も、小さな 市である芦屋ならではではと思います。 (中野オブザーバー)  昭和50年代くらいでしょうか。障がいのある子どもの入所施設にある男の子が 入所してきました。結構重度の知的障がいの男の子だったのですが、岩園小学校に通 っていました。そこでもその風土が根付いていて、その男の子も含めて、みんながど うしたら運動会のリレーで勝てるかということをクラスで話し合い、戦略を考え、最 後にその男の子とクラスの子どもが一緒にフィニッシュしました。観戦していた保護 者もみんながもう大拍手に包まれて、入所施設の職員も本当に感動したそうです。私 はその場にいなかったのですが、それが40年前ということでびっくりしています。  あと、昨年度あるフォーラムで、DPI日本会議の尾上さんから、関西でインク ルーシブ教育をしている市町村として芦屋市の名前が挙げられ、大変驚きました。  このような具体的なエピソードを聞くと本当にすごいなと思うのですが、現在芦 屋市のインクルーシブ教育がどのように展開されているのかを、もっと具体的に「現 在いろんな取組をすることで障がいのある子どもを守っている」ということに及んで いかないといけないと思います。「障がいのある子どもを教育することは全ての子ど もにとってよいものである」というような具体的なエピソードが集まれば、もっと実 質的なものになるのではと思いました。 (金井委員)  私は大阪で、聞こえる人と一緒の学校で聞こえる人の中で学びました。難聴学級 もなく、支援もない状態でした。困ることもたくさんあったのですが、子どものとき はその伝え方が分かりませんでした。高校生ぐらいまでは自分から伝えることができ ないことが普通だと思っており苦しかったのですが、毎日我慢して通っていました。 芦屋市はインクルーシブ教育が進んでいるということを聞きましたが、その子ども自 身の気持ちはどうなのかということが気になります。私は自分の経験上、自分と同じ 障がいのある先輩の伝え方を見て経験を積み重ねてきています。子どものときに自分 と同じロールモデルがあれば、そのような人を見て、ロールモデルと一緒に、先生、 子ども、保護者が一緒に話をするという場があったらいいと思います。 (藤川委員)  まだ市立芦屋高校があったときに、「公立の高校でも障がいのある人を受け入れ ていた」と職員から聞いたことあります。小学校、中学校だけでなく、高校にまで障 がいのある人を受け入れる制度が芦屋市にはあったそうです。阪神淡路大震災などに より住民の入れ替わりがあった中で、芦屋市の風土や施策がだんだん希薄になってき ているのでは、伝わりにくくなっているのではと感じています。「芦屋市としてどう 取り組むのか」というところをもっと発信していくことが必要なのではと思います。 (中山委員)  30年ぐらい前に車椅子で通学する方がいて、学年が上がるにつれて上の階に行 くということで、エレベーターを後づけで設置する予算措置をした覚えがございます。 例えば、支援員をつけるにしても予算が必要ですので、芦屋市の場合は、ある程度財 政的に対応できる環境があったのではと思っております。今、例えば、保育所、幼稚 園に医療的ケアが必要な方がいらっしゃったとしても、看護師を市の予算を使って派 遣してそのまま学校に通われるような形の環境で予算措置をしています。行政として も、教育委員会のお考えがまずあってということだと思うのですが、財政面において 支援をできる環境にある芦屋市は恵まれているということは一つの要因かなと思いま す。 (木下会長)  ご意見を聞かせていただいて、統合教育の観点で、芦屋市は障がいのある子ども たちも一緒に活動ができるということですね。保護者へプリントを配付するというこ とですが、このプリントはどなたが中身をつくって、どのタイミングで配付するかを この協議会で決めたほうがいいのか、それとも、例えば村上委員に協力していただい て、学校教育のほうで行っていただくというお願いをすることになるのか、その方向 性は決まっていますでしょうか。 (事務局今西)  この協議会の意見を反映しなければ、この協議会で議題として上げた意味が薄れ るのではと思いますので、内容などの大枠をこの協議会でご意見を頂戴しながら決め、 その後教育委員会と事務局で精査して案を作り、その案についてこの協議会で議論し ていければと考えています。 (木下会長)  ここに関して何かご意見とかありますか。できれば次年度の課題にということで すので、またこの協議会で議論できればと思っています。ご協力いただくことになり ますが、よろしくお願いします。 (金井委員)  インクルーシブ教育について子どもの保護者に理解をしてもらうプリントを配る というお話ですが、最近思っていることがあります。障がいがあるのは子どもだけで はありません。保護者に障がいがあるケースもあります。障がいのある保護者が学校 に来る場合もありますが、他の子どもと保護者が障がいのある保護者にも理解がない と、どう接していいのか分からなくなります。障がいのある保護者が他の人とうまく 接することができないと、その子どもも傷つくような場合もあるので、やはり子ども に障がいがあるということだけでなく、障がいのある保護者に対しての理解も促進し てほしいです。 (木下会長)  インクルーシブ教育というと学校との協力が軸になると思うのですが、保護者に 焦点を当てて話し合うことも重要かと思いますので、一度検討させていただければと 思います。その点についてご意見ありますか。 (能瀬委員)  「保護者に向けてのプリント」は何となくのイメージではと思ったのですが、他 のプリントもあるので、たくさんあったら紛れて見てもらえないのでは。特に入学当 初はプリントがいっぱい学校から配られるので、もしインクルーシブ教育に関するプ リントがあっても、横に置かれてしまう気がして、もったいない気がします。そのた め、他の委員も仰せのように、初めに保護者が集まっている段階で、校長先生や学校 の担任の先生から説明していただくのが一番効果的ではと思います。そこにプラスし て、芦屋市からのリーフレットで「このような教育を芦屋市ではしています」といっ た案内があれば。そのほうが、お母さんたちに伝わるかと思います。 (木下会長)  そのプリントの中に、差別解消法のリーフレットなど、障がい理解に関するもの を組み込むことはできるのでしょうか。 (能瀬委員)  おそらく白黒印刷では見てもらえないため、カラー印刷のほうがいいと思います。 (本宮委員)  プリント配布は、教育委員会や学校が一番やりやすいと思います。あと、いろん な体験談を聞かせていただきましたが、その中で芦屋市がこれだけのことをやってい るのであれば、入学式などの行事での校長先生からのあいさつにでも、そのことを組 み込まれてはいかがでしょうか。「なぜこのような教育をやっているのか」を、いろ んな場所で少し説明するだけでも、保護者の理解が違ってくるのではないでしょうか。 特に、関西で豊中市と芦屋市しか取り組んでいないのであれば、校長先生のお話のた った30秒でもいいと思うんですけども、「これからも芦屋ブランドとしてやってい く」と言っていただいたほうがいいのではと思います。プリント1枚より分かりやす いのではと思います。 (能瀬委員)  実は私の子どもが小学校に入学したときに、校長先生が、保護者がいる入学式で 「今年はこんな子が入学してきましたよ」とお話してくださいました。簡単に説明し てくださったことで、保護者にも子どもにもその場で伝わりました。子どもたちは素 直なので、すぐに私の子どもに興味を持ってくれて、すごくよかったと思っています。 些細なことだと思うのですが、入学式で説明するのはすごいことだと私も思います。 事前に校長先生から、私の子どもについて説明していいか尋ねてくださり、「どんど ん説明してください」とお伝えしたのでこのようになったのですが、保護者の中でも 「そんなことを入学式で言うのはいかがなものか」とお考えの方もいないわけではな いので、学校から説明してもらっているほうが過ごしやすいとは思います。 (西端委員)  ケース・バイ・ケースなので、必ず保護者に障がい理解について説明させるのは 無理かと思います。当然、学年に障がいのある子どもがいるかいないかは学年により ますので対応を市内で統一するのは難しいかと思いますし、入学説明会に保護者にお 伝えしなければならないことは非常に多いので、今後も何か市内で統一して行うのは 難しいと思います。本校は特別支援学級が6クラスもありまして、二十何人もの特別 支援学級生がいますが、特別支援学級生がほとんどいないような学校もあります。そ のため、取組は学校ごとで様々だと思いますので、統一するというのは難しいと思い ます。 (木下会長)  次年度の課題ということでご意見をお聞きしたのですが、もう少し議論が必要か と思います。ぜひ次年度の活動内容にしたいので、次回の会議も含めて、ご意見を訊 かせていただければと思います。ここである一定の答えを出すことはできないのです が、皆さんの意見を踏まえて進めていきたいと思います。  これに関して、まだ意見がある方はぜひ言っておいていだだきたいです。 (中嶋委員)  今日初めて、芦屋市ではインクルーシブ教育が進んでいることを知り、すごいと 思いました。歴史があり文化が根づいているものを伝えていくことは、紙1枚ではな かなか難しいのではと思います。先ほどお聞かせいただいたエピソードなど、「芦屋 市はこんなことをやっている」ということを積み重ねていくことで、この文化のこと を知ることができると、ご意見を聞いていて思いました。市立学校に通う親だけにこ の話をするのはもったいなく思います。私のように小・中学生の子どもがいないと触 れる機会がないとなると、小・中学校の保護者向けに使ったものを市民が触れること ができるようにすると、広く障がい理解が伝わるのではと思いました。 (木下会長)  本当にそのとおりで、逆にこのインクルーシブ教育が芦屋の誇れるものだとした ら、ずっとそれを推進して守ってこられて今も取り組んでおられる教育関係の方々の 持っている資源を、ぜひ私たちにも共有させていただき、差別解消法を含めた福祉分 野でも、インクルーシブ教育から何か発することができればと思いますので、ぜひ何 か協力できるところがあれば、今後ともお願いできればと思います。 (2) 芦屋市共に暮らすまち条例の評価方法の変更について   事務局より説明   (木下会長)  なるべく数量化できるものは数値で目標値を出して、それを達成できたか否かと いう指標にしたいということです。評価はアウトプット・アウトカムという手法を用 いて行います。ただ、「どこまでがA、どこまでがB」と決めてしまうと、その評価 方法に適さない取組もあるため、評価がしづらくなります。目標の数量化になじまな い取組、例えば「いつまでにこれを創設します」「いつまでにこれを実現します」と いったものは、1つのものが実現したらアウトカムとして評価できるものもあります ので、このように説明しています。何を評価軸にしてもメリット・デメリットがある と思うので、ひとまずこの方法で次回から評価してはと考えています。「こうしたほ うがいい」「ここにはこういう懸念があるのでは」というものがあれば、それらも気 をつけながら評価できればと思うのですが、いかがでしょうか。  懸念点は、低い数値目標を設定する恐れがあることです。達成可能な数字でしか 目標値を設定しないということはあり得るかと思います。そのあたりは気をつけない といけないのではと思います。  その他にも気になる点を挙げていただければ、その点にも注意しながら評価して いきたいと思っております。 (山川委員)  会長が仰せのように、目標設定をどのレベルにするかによって、達成できたか否 かの度合いの評価結果が変わってくると思います。また、例えば「100%実施する ことが理想」という取組をこの指標に当てはめて評価するのは、あくまでそれは理想 なのでなかなか難しいと思います。この指標を設けると、どうしても数字を追ってし まう部分が出てきてしまうことは怖いところではありますが、各所管課で目標を立て る際に「どのような内容であると合格点なのか」という基準のようなもの、「低から ず高からず」の目標設定の例を、障がい福祉課から示されたほうがいいのではと思い ました。 (木下会長)  一旦はこの方法で進めてもよろしいでしょうか。山川委員からご発言がありまし た、障がい福祉課から「おおむねこのくらいであれば及第点」「このくらいは達成し てほしい」というものが示せるのであれば、検討していただければと思います。  取組を経年的に実施することによって、その平均のようなものが出てくると、そ のラインは達成してほしい」と依頼もしやすくなるかと思いますので、山川委員のご 意見も評価の観点に加味していただければと思います。   (3) 芦屋市合理的配慮ガイドブックの改訂について   事務局より説明 (木下会長)  合理的配慮が行政等は義務規定で一般事業者は努力義務だったのですが、法律が 改正されて、それが全て「しなければならない」という義務規定になります。改正前 は「するように努める」でしたが、「しなければならない」となり、「障がいのある 人から要望があれば、合理的配慮の提供をしなければならない」と変わるということ です。ただ、この改正によって、多くの事業所から「こんな難しいことできない」と 言われないように、このガイドブックで幾つか例を示すというご説明でした。  概ねはそのような観点ですが、この改訂について皆様から何か御意見があればと 思います。 (谷委員)  2ページ目の下の「合理的配慮の提供を支援します」というところで、改訂後欄 の上部では「合理的配慮の費用を一部負担します」という書き方になっていますが、 「負担」という言葉を使うとネガティブな印象を与える恐れがあると思うので、「一 部助成します」のほうがいいのではと思います。 (木下会長)  「助成」にしましょう。 (事務局今西)  そのようにいたします。 (木下会長)  些細なことでも構わないので、他に気になるところなどありましたらお願いしま す。  ちなみに、先ほどのページに掲載されている助成制度ですが、現時点で何件くら い助成されていますか? (事務局今西)  制度開始から現時点までの決定件数は10件です。この他に、審査中のものが1 件ございます。 (木下会長)  この大きな法改正のタイミングに合わせて文言や例を追加するということですが、 いかがでしょうか。 (能瀬委員)  市内のお店に「芦屋市みんなにやさしいお店」のチラシを渡しに行ったのですが、 そのときに「これで登録したら何かメリットがあるのか」と必ずお店の方から聞かれ ます。その際は「やさしいお店としての登録ができます。こういう制度を市で進めて いっています」という説明になってしまいます。特典とは言わないけれど、何かメリ ットがあればいいのにとお伝えしながら思いました。 (中山委員)  例えば、コミュニケーションボードを購入されるなど、具体的に費用があれば、 合理的配慮提供支援助成事業をご利用いただければ、上限額がありますが費用の半額 が助成されます。また、「芦屋市みんなにやさしいお店」の公式Instagram アカウントがあり、担当職員が店舗等の取材に行っています。順次Instagra mアカウントで紹介されるので、お店のPRの手段の一つになると思います。また、 登録いただいた店舗等には専用のポップもお渡しいたしますので、お店に飾っていた だければと思います。 (杉本委員)  市の広報番組でやさしいお店の特集を組んでもらえないんでしょうか。 (事務局川口)  昨年10月に市の広報番組で、合理的配慮提供支援助成事業と芦屋市みんなにや さしいお店登録事業を取り上げました。現在、YouTubeでもご覧いただけます。 また、登録店舗数も増えておりますので、また機会をとらえて御紹介できたらと考え ております。 (木下会長  また機会があればぜひ。  方向性としては、この改訂案で進めさせていただいてよろしいでしょうか。この 完成版は、完成前に別途報告があるのでしょうか。それともこの場で承認が得られた ら作成に入るのでしょうか。 (事務局今西)  基本的にはこの案で、合理的配慮の例などは、事務局にお任せいただければと思 います。 (木下会長)  分かりました。よろしくお願いします。  ではこれで、一応予定しておりました議事の3つは終わりました。  その他、本日机上に配布していただいたものの紹介等もできればと思います。   (4) その他   (谷委員)  当センターでは、地域で権利擁護支援の活動を担っていただく人材を養成するた めの「権利擁護支援者養成研修」を行っております。基本的に、この研修は受講生の 方のみに実施しているのですが、一部の講義を公開講座という形で一般の方も参加で きるものになっています。後見制度がテーマのものですが、市役所東館で開催します ので、興味のある方にぜひ御案内いただけたらと思います。 (事務局長谷)  2月17日(土)に「まるっと説明会2023」を開催します。「芦屋の育ち・ 学び・仕事・暮らしがまるっとわかる障がい福祉イベント」ということで、木口記念 会館を1棟借り切って実施します。このイベントは、まるっと説明会2023実行委 員会として市内の事業者や団体に集まっていただき、半年以上の時間をかけてつくり 上げていただいております。事業所紹介のパネル展示や、まるっと講演会、授産品の 販売コーナーなどを実施しておりますので、お時間があれば、ぜひ足を運んでいただ きたいと思います。また、チラシを配布していただける方がいらっしゃいましたら、 事務局にお声がけいただければと思っております。 (木下会長)  杉江委員から情報提供があります。杉江委員、御説明をお願いします。資料は回 覧します。 (杉江委員)  先日、地域福祉推進協議会に出席したのですが、会長から「OECDが、日本は 世界で最も助け合わない国と評価した」という話がありました。後日インターネット で調べてみたら、過去1か月、イギリスのある研究所が世界各国で調査をしたところ、 「過去1か月に助けを必要としている見知らぬ人を助けたか」という質問に対して、 日本は見知らぬ人を助けた割合が21%。142か国中142位で最下位でした。全 体の平均が60%。2020年は114人、2021年は118人。2020年は1 14か国中114位でしたので最下位、2021年は119か国中118位で最下位 から2番目でした。日本人が見知らぬ人を助けることが難しい理由を分析したら、 「相手が手助けを必要としているかどうか分からない」「必要としていることに気づ かない」という理由が一番多かったとのことです。  障がいのある人が外出時に手助けが欲しかったことの第1位が「乗り物などで席 を譲ってほしかった」、第2位が「荷物を持つのを手伝ってほしかった」、第3位が 「階段の上り下りのときに手助けが欲しかった」、第4位が「電車・バスの乗り降り のときに手助けが欲しかった」、第5位が「横断歩道や通行したい道路で、誘導した り、手を引いたりしてほしかった」。一方、外出時に手助けをした人の具体例は、第 1位は「乗り物で席を譲った」、第2位が「道を教えた」、第3位が「扉を開けた」 でした。  この会議の目的は、障がいのある人の差別をなくすことですが、障がいがある人 やそのほかに手助けをしてほしい人に対しては、そうでない人からすると「手助けを してほしいのかどうか分からない」「具体的に気づかなかった」となるので、障がい のある人などの要望を知った上で、何かできるかを考えなければならないと思いまし た。私も実際にできているかというと、できていないことが多いです。また、内部障 がいのある人や精神障がいのある人、軽い知的障がいのある人など、障がいがあるか どうかが分からない人もいらっしゃいます。近年、ヘルプマークをよく街中で見かけ るようになりました。逆になかなかヘルプマークを携行することに抵抗のある人もい らっしゃるかとは思いますが、積極的に利用することが必要ではないかと思いました。  ちなみに、「日本は世界でも最も助け合わない国」とインターネットで検索した らすぐ出てきます。 (木下会長)  日本人の国民性で、恥ずかしいということもあるかもしれません。例えば、今、 正月から地震がありましたが、阪神淡路大震災で本当に困っているときに、多くの 方々が助け合いながら日々過ごしていた状況からすると、決して思いやりや慈しむ気 持ちがないわけではないとは思います。しかし、やはり「恥ずかしい」または「関わ ることで何か巻き込まれたら嫌」などいろんな感情が複雑に絡み合っているのかもし れませんね。考えさせられる資料だったので、私も拝見して勉強させていただければ と思います。 (事務局長谷)  昨年、市民活動センターのリードあしやで「あしや?おたすけ部」という缶バッジ を作りました。これは、先ほど杉江委員からありましたとおり、日本人は国民性のせ いか助けることが恥ずかしいと思う傾向があるので、これを付けることで「助けます よ」ということをアピールできます。地域福祉課で配布しておりますので、もし「助 けますよ」という方がいらっしゃれば、この会議の帰りに、缶バッチをお持ち帰りい ただけるとありがたいです。 (中野オブザーバー)  何か高校生が考えたもので、ヘルプマークのグリーン版があります。普通のヘル プマークは赤地に白ですが、地色が緑になっています。それは「私は助けられます」 と発信するためのものだそうです。インターネットで検索したら出てくるようなので、 このバッジよりも、このようなものを市で作ってもいいのではと思いました。思いつ きなので却下していただいて構いません。 (木下会長)  収拾がつかないので、缶バッジをつけましょうか。 (事務局川口)  本日は御審議くださりありがとうございました。また次年度に向けて、皆様から いただいた意見をもとにいろいろ考えていけたらと思います。  今回で、現在の委員の任期が満了となります。2年間いろいろ御意見をくださり ありがとうございました。  新たな委員の就任につきましては、後日各団体等に御連絡させていただきますの で、よろしくお願いいたします。また、市民委員も2月から募集しますので、よろし くお願いいたします。 (木下会長)  最後に副会長のほうから挨拶して終わりたいと思います。 (杉島副会長)  皆様お疲れさまでした。今日も条例の評価、インクルーシブ教育、ガイドブック の改訂、そして最後に、「助け合わない国ナンバー1の日本」という衝撃的なテーマ もあり、今日も盛りだくさんな内容でした。  「助け合わない国ナンバー1」を解消する鍵の一つが、やはりインクルーシブ教 育ではと思います。自然な助け合いを、幼い頃から自然にしていると、大人になって も癖になって続いていくのではないかと思います。ただ、インクルーシブ教育に関す る議論からすると、インクルーシブ教育は、意識せずにできているが言語化できてい ないようなので、それをいかに言葉に起こしていくかが大きな課題になるのではと思 いました。また、学校ごと、先生ごと、学年ごとに微妙にインクルーシブ教育の内容 や態度が微妙に違うのではと思ったので、これをどうまとめていくのか、それとも並 列して紹介していくのかということも課題では思いました。  あと、入学式でインクルーシブ教育について説明するのは大変だという話もあり ましたが、例えば、授業参観やPTAなど、学校ごとに様々な機会を見つけて、イン クルーシブ教育について伝える方法を検討していくことも大事なのかもしれませんし、 社会人にインクルーシブ教育を伝える手段として、駅にポスター貼る、市の広報紙に 少しずつ連載という形で載せる、「芦屋市みんなにやさしいお店」で紹介するなども 大事かと思いました。 (木下会長)  では、本日の差別解消支援地域協議会を終わります。ありがとうございました。                                      以 上