（様式第１号）　　　　　　　　
　■　会議録　　□　会議要旨
会議の名称	令和６年度第１回芦屋市障がい者差別解消支援地域協議会
日　　時	令和６年１０月２５日（金）　午後１時３０分～午後３時３０分
場　　所	芦屋市役所南館４階　大会議室
出 席 者	会　　長　　木下　隆志
副 会 長　　杉島　健文
委　　員　　杉江　東彦　　田村　圭史　岩崎　みちよ　濵田　理
　　　　　　西端　充志　　富岡　美晴　能瀬　仁美　　川崎　俊子
蓑毛　真知子　山川　範　　香山　由美子　本宮　隆徳
谷　　仁　　　大浦　由美　中嶋　順　　　山田　弥生
欠席委員　　池本　秀康　　嶋田　勝子　三芳　学
事 務 局　　障がい福祉課　川口　弥良　今西　絵理子　入山　和之
　　　　　　　　　　　　　近藤　葉子　木村　円香　　冨田　悠介
関 係 課　　地域福祉課　　岩本　和加子　吉川　里香
　　　　　　こども政策課　三﨑　英誉
事務局	障がい福祉課
会議の公開	　■　公開

□　非公開　　　　□　一部公開
会議の冒頭に諮り、出席者人中人の賛成多数により決定した。
〔芦屋市情報公開条例第19条の規定により非公開・一部公開は出席者の３分の２以上の賛成が必要〕
＜非公開・一部公開とした場合の理由＞
　
傍聴者数	　　　　　　　０人（公開又は一部公開の場合に記入すること。）

１　会議次第
(1)　開会
　　  開始時点で２１人中１８人の委員の出席により成立
 (2)　委員委嘱
 (3)　委員及び事務局の紹介資料１
(4)　会長、副会長の選出
(5)　議事
ア　芦屋市障がい者差別解消支援地域協議会について資料２－１～２
イ　芦屋市共に暮らすまち条例関連施策の取組状況及び評価について資料３－１～４
ウ　芦屋市合理的配慮提供支援助成事業の対象メニューの拡大について資料４
 (6)　その他
(7)　閉会


２　提出資料
(1)　 資料１　　　令和６年度芦屋市障がい者差別解消支援地域協議会委員名簿
(2)　 資料２－１　芦屋市障がい者差別解消支援地域協議会について
(3)　 資料２－２　芦屋市障がい者差別解消支援地域協議会設置要綱
(4)　 資料３－１　芦屋市共に暮らすまち条例関連施策の取組状況及び評価について
(5)　 資料３－２　条例関連施策の取組状況・評価（施策区分１－３　所管課評価シート）
(6)　 資料３－３　条例関連施策の取組状況・評価（施策区分４）
(7)　 資料３－４　条例関連施策評価シート
(8)　 資料４　　　芦屋市合理的配慮提供支援助成事業の対象メニューの拡大について

３　審議内容

（１）　芦屋市障がい者差別解消支援地域協議会について

（事務局　今西）
議事１「芦屋市障がい者差別解消支援地域協議会について」を御説明いたします。
今回委員の改選があり、半数近い委員が初めてこの協議会に参画されています。そのため、この協議会の目的や内容を今一度御確認いただきたいと思います。
資料２－１の「１、概要」を御覧ください。
この協議会は、社会生活を営む上で困難を有する障がいのある人・児童に対する支援が効果的かつ円滑に行われるよう、地域における障がい者差別に関する相談等の情報を共有するとともに、関係機関等の役割に応じて、障がい者差別を解消するための取組を行うネットワークを構築するための機関です。
では、具体的にどのようなことをやっていくのか。「２、主な目的」を御覧ください。
過去にこの協議会で取り上げた議題を掲載しております。
１つ目の目的は、「障がい者差別に関する相談等に係る情報共有」です。大まかには「各機関での相談対応の事例に関する意見交換」と「障がい者差別発生の事案報告」の２つに分かれます。
まず「各機関での相談対応の事例に関する意見交換」から御説明します。資料の表をご覧ください。この表は、各委員が所属する機関・団体において「障がいのある人やその関係者等からどのような相談を受けたか」、そして「どのように対応したか」を表しています。過去の協議会では、各委員が所属する機関・団体における相談対応事例を事前に御提出いただき、事務局が集約して、協議会で共有するという形で協議を行いました。例えば「こうやって対応したけど、もっといい対応方法はなかったかな」ということや「うちではこんな相談があって、こうしたらうまくいったよ」など、今後の相談対応がより良いものになるように、委員同士で情報交換を行っていただくことを目的としております。ただ近年は、長期間議論が必要な議題が他に多く、実施できておりませんでした。次回以降の協議会では、改めてこの議題を取り上げたいと考えております。
続いて「障がい者差別発生の事案報告」について御説明します。これは、地域における障がいのある人への差別事例について、事務局に相談があった際に、この協議会で報告するものです。障がいを理由とする差別には「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮の不提供」の２種類があります。それらに該当する相談があった場合、「差別発生の事案」として、この協議会で情報共有等を行います。過去には一度だけこの議題を取り上げました。センシティブな情報等が含まれますので、この議題の審議内容は非公開となります。
２つ目の目的は、「地域における障がい者差別の解消を推進するための協議の実施」です。大まかには「合理的配慮の推進についての取組に関する意見交換」と「障がい者差別の解消に係る新たな取組の検討」に分かれます。
まず「合理的配慮の推進についての取組に関する意見交換」について、過去の協議会では、各委員の所属する機関・団体で取り組めそうなことや、このような配慮があればいいのにということ、そして各機関・団体で取り組む内容・目標等を共有していただき、情報交換やアイデア出しをするという形で協議を行っておりました。今年の４月から、合理的配慮の提供が民間事業者にも義務づけられましたので、障がいのある人への配慮を今後さらに市内に広げられたらと考えております。活発な情報交換や取組をしていただけると幸いです。
次に「障がい者差別の解消に係る新たな取組の検討」です。例えば「芦屋市みんなにやさしいお店登録事業」が該当します。これは、障がいのある人への合理的配慮を提供している市内店舗に登録いただき、障がいのある人の社会参加を促進することなどを目的として、この協議会で誕生した事業です。
３つ目の目的は「障がい者差別に関する問題解決、発生防止等を図るためのネットワークの構築」です。こちらは、各委員が所属する機関・団体における障がい者差別の解消に関する取組状況について御報告いただき、意見交換を行うものです。
最後に、４つ目の目的は「その他」です。例えば、次の議事の「芦屋市共に暮らすまち条例」に係る年次評価がこれに当たります。
以上が、過去にこの協議会で取り上げた目的です。意見交換や情報共有をしていただきたい旨を御説明しましたが、この協議会をきっかけとして、委員同士の横のつながりを築いていただければと考えております。
（木下会長）
先ほど事務局からも話があったとおり、資料２－１の１つ目の目的である「障がい者差別に関する相談等に関わる情報共有」については、次回の協議会で実施したいと考えております。各機関で情報収集をしておいていただければありがたいです。前回の協議会ではインクルーシブ教育の話題が出ましたが、そちらも次回以降に改めて協議していければと思います。
また「障がい者差別発生の事案報告」につきましても、皆様の情報収集のなかで事案があれば、検討していきたいと考えております。

（２）　芦屋市障がい者差別解消支援地域協議会について

（事務局　今西）
議事２、「芦屋市共に暮らすまち条例関連施策の取組状況及び評価について」について御説明します。
まず資料３－１「芦屋市共に暮らすまち条例関連施策の取組状況及び評価について」を御覧ください。障がいを理由とする差別的な取扱いの禁止や合理的配慮の提供などについて、芦屋市では「芦屋市障がいを理由とする差別のない誰もが共に暮らせるまち条例」、通称「芦屋市共に暮らすまち条例」で定めています。その第１４条で「市は、この条例に基づく施策の実施状況を確認し、及び評価した上で公表し、施策に反映するものとする」と定めています。この条文に基づき、年度ごとに関連施策の実施状況を確認し、評価を行っています。
「１、対象となる施策」は、この評価の対象になる施策です。施策の内容をまとめたものが、第２章の表になります。内容は、大きく４つに分かれています。
１つ目は、条例第８条に記載されています「障がいの理解に関する施策」です。こちらには、市民・事業者の理解を深めるために研修や事業の実施などが含まれます。２つ目は、条例第９条に記載されています「合理的配慮の提供支援に関する施策」です。３つ目は、条例第１０条に記載されています「社会参加の機会の拡大」です。４つ目は、条例第１１条に記載されています「政策形成過程への参画」です。これら４つの視点を基に、取組を具体的に評価していきます。評価の対象となる取組は、芦屋市障がい福祉課が所管しております「芦屋市障がい者（児）福祉計画第７次中期計画」においてお示しした取組のうち、この条例に関連する取組としております。
評価する際の視点は、「２、評価の視点」に記載のとおりです。４つの社会的障壁、バリアの解消につながった取組であったかどうかを、評価の視点としております。「①物理的なバリア」は、例えば車椅子の方がお店の入り口や歩道に段差があって通れないなど、利用する人が不便に感じるバリアのことを指します。「②制度的なバリア」は、障がいの有無により仕事や資格が制限されるなど、社会のルールや制度によって感じるバリアを指します。「③文化・情報面のバリア」は、視覚に障がいがあり新聞を読むことができないなど、情報が得られない、文化活動の機会が得られないなどのバリアを指します。最後に、「④意識上のバリア」は、社会的障壁に対する認識不足、障がいのある人への無関心、偏見など、いわゆる心のバリアを指します。
続きまして「３、評価方法」を御覧ください。まずは市の各所管課で、取組に対する評価を行います。次に「②施策レベルでの評価」として、各所管課が行った評価について、この協議会で御意見を頂戴します。また同様に、障がい団体の方々にも評価に関する御意見を頂戴します。そして最終的に、市の障がい福祉分野における一番大きな会議体である「③自立支援協議会本会議における総合評価」をするというような流れになっております。今申し上げた流れを図でお示ししたものを「（２）、評価基準」に載せておりますので、また御覧ください。
なお今年度より、所管課での評価の際に、２つの指標を新たに設けました。例年、所管課での評価において指標が設けられていなかったため、取組実績の内容が抽象的になってしまい、委員の評価がつけづらいという課題がございました。協議会などでの評価にはより具体的な指標が必要ではないか、というところで指標を設けることとしました。
具体的な流れは「（３）、所管課での評価手順（令和６年度から変更）」のとおりです。まず年度開始時に、自身の課の取組に対して、取組を実施したか否かを示す「アウトプット指標」、効果があったか否かを示す「アウトカム指標」を設定します。「アウトプット指標」では、取組の具体例を設定します。例えば、障がい福祉課であれば「合理的配慮提供支援助成事業を案内するチラシなどを配布し、申請数の増加に努める」というような形です。対して「アウトカム指標」については、取組の効果について、具体的な目標、できれば数的目標などを設定します。例えば、先ほどの事業であれば「合理的配慮提供支援助成事業の申請数を前年度比５件増やす」というような形です。そして評価時には、この２つの指標に照らして取組の評価を行っていきます。
評価基準は、例年と同様、ＡＢＣＤの４段階です。Ａは「予定どおり遂行し、十分な効果があった」、Ｂは「ほぼ予定どおり遂行し、効果があった」、Ｃは「一部しか実施できず、あまり効果がなかった」、Ｄは「実施できず、効果がなかった」となります。ただ、所管課の取組には様々な性質のものがございます。取組の内容によっては「何％達成なら何評価」というような、数的指標を用いての評価が適さないものもあると思われます。そのため、評価指標には数的指標を設定しないこととしております。また従来は、予定どおり達成できた場合でもＢ評価をつける所管課も多かったのですが、昨年度の協議会で「予定どおり取組を実施して効果があったのであればＡ評価でもいいのでは」という御意見を頂戴いたしました。そのため、所管課にその基準を周知しましたので、今回はＡ評価が増えております。
具体的な評価方法は、先ほどと同様に「合理的配慮提供支援助成事業」の例で御説明します。目標設定時に「チラシの配布」というアウトプット指標、「申請を前年度比５件増させること」というアウトカム指標を設定しましたので、「チラシの配布を行ったか」、「前年度比５件増させることができたか」を確認し、所管課でＡＢＣＤの４段階評価を行う形になります。例えば、チラシを市主催のイベントで配布したという場合には、アウトプット指標を達成したためＡ評価になります。また、申請数は前年度比４件しか増やすことができなかったという場合、「５件増」というアウトカム指標の目標には届かなかったものの、申請数は前年度より増加しているためＢ評価、という形でつけていきます。
この評価方法は、令和６年度の目標設定から開始しておりますが、令和５年度の取組評価も皆様に評価していただきやすいよう、各所管課の評価はなるべくアウトプット指標及びアウトカム指標の視点を用いて行っております。
これから各所管課の取組について御説明しますが、本日は時間が限られており、全てを御説明するのが難しいため、幾つかをピックアップして御説明します。一通り御説明をした後に、委員の皆様から御意見をいただくのですが、最終的にどのような資料を作り上げていくのかというゴールを見ていただいてから御説明したいと思いますので、まずは資料３－４を御覧ください。「施策体系」に４つの施策、「取組」に施策の概要を記載しております。さらにその右に、「障がい者差別解消支援地域協議会」の欄がございまして、意見と施策評価の欄を設けております。これから、私が説明をさせていただいた後に皆様で協議していただき、この部分を埋めていくというイメージになりますので、よろしくお願いします。
なお、本協議会としての最終的な評価につきましては、全ての意見が出そろった上で正・副会長に一任いただく形で進めさせていただきます。
それでは、資料３－２を御覧ください。説明を始める前に、資料の見方について簡単に御説明いたします。アウトプット指標、アウトカム指標を設けたことにより、昨年度から表の形式が変わりました。まず一番左側が、第７次中期計画で取組項目として掲げられている事項です。「所管課」には取組を実施している課名、取組内容を記載しています。その横に「令和５年度」という欄がございます。「令和５年度に実施したこと」は、アウトプット指標に当たります。その右側、「実施したことによる効果」はアウトカム指標に当たります。その右、「所管評価」は、所管課がＡからＤの４段階でつけた評価です。その右側に「令和６年度」という欄がございます。ここには令和６年度に実施することというアウトプット指標、実施することによる効果というアウトカム指標を記載しています。
まず「施策区分１　障がいの理解に関する施策」です。所管課が取り組んでいる施策のほとんどが、この「障がいの理解に関する施策」に当てはまります。
では１ページ目の１番、「自立支援協議会の開催」を御覧ください。令和５年度の「実施したこと」は「各種会議に、障がいのある人の当事者または家族である障がい団体の会員に委員として参画していただいた。専門部会において、「障がいのある人のライフステージの可視化」を目標に、年齢に応じた年表を作成した。」です。「実施したことによる効果」は「各種会議において、障がい団体の会員から障がい福祉施策に対する御意見をいただき、本市事業にともに取り組むことができた。障がいに関するイベントで展示を行い、来場者に見てもらうことで、年齢ごとで利用できるサービス等を周知することができた。障がい団体の会員の皆様から様々な御意見を賜りまして、また年表の作成、あとはイベント展示による周知で障がいのある人御本人や御家族などに広く周知ができた。」ということで、評価は「Ａ」としています。
続きまして、５番を御覧ください。「広報誌・ホームページ等による啓発」です。令和５年度の「実施したこと」は、障がい福祉課としましては、「芦屋市みんなにやさしいお店登録事業について、登録店舗等をＡＳＨＩＹＡみんなにやさしいお店Instagramアカウントにて紹介した。ＡＳＨＩＹＡみんなにやさしいお店Instagramアカウントにて、合理的配慮に関する投稿を行った。芦屋市広報番組「あしやトライあんぐる」にて、芦屋市みんなにやさしいお店登録事業等の特集を放送した。対して秘書・広報課としましては、広報１２月号において、障がいに関する特集記事として、令和５年度は「芦屋市みんなにやさしいお店登録事業」に焦点を当てた特集を掲載した。」です。対して「実施したことによる効果」は、障がい福祉課としては、「フォロワー数や各投稿へのリーチ数について課題はあるものの、Instagramアカウントを広く公開することで、障がいの有無にかかわらず様々な人に合理的配慮について考えていただくきっかけを提供することができた。」秘書・広報課としては、「当該特集の広報誌を全戸配布することで、事業者をはじめ、障がいの有無にかかわらず様々な人に合理的配慮について考えていただくきっかけを提供することができた。」複数の媒体で障がい理解の周知を行ったこと、また新たな媒体であるInstagramを用いて、この協議会から生まれた「芦屋市みんなにやさしいお店登録事業」を開始できたということで、評価は「Ａ」としております。
６番の「マスメディア・ＳＮＳによる広報啓発活動」を御覧ください。「令和５年度に実施したこと」は、「芦屋市みんなにやさしいお店登録事業について、登録店舗等をＡＳＨＩＹＡみんなにやさしいお店Instagramアカウントにて紹介をした。ＡＳＨＩＹＡみんなにやさしいお店Instagramアカウントにて、合理的配慮に関する投稿を行った。「あしやトライあんぐる」で、芦屋市みんなにやさしいお店登録事業等の特集を放送した。芦屋市自立支援協議会が管理しているＳＮＳ、InstagramとTwitterにおいて、障がい児・者作品展の開催に関する周知を行った」というところです。こちらはInstagramを用いて新たな事業を開始したこともあり、評価は「Ａ」というふうにしております。
次のページを御覧ください。教育関係から２つ御紹介させていただきます。１０番、「特別活動の推進」という学校支援課の取組について、「実施したこと」は「トライやる・ウィークの事業所の１つとして、障がい者福祉施設等を準備した。特別活動においては、学校行事に限らず、学級活動、児童会・生徒会活動、クラブ活動の全てにおいて、障がいのある生徒とともに過ごすことを基本としている。」です。対して「実施したことによる効果」は、「日々の生活の中で生徒が障がいの有無にかかわらず学級の仲間としてともに過ごすことができた。障がいの有無にかかわらない生徒の交流が持てた」ということで、評価は「Ａ」となっています。
続きまして１１番、「総合的な学習の時間の活用」です。これは学校支援課と学校教育課の取組です。「実施したこと」は、学校支援課としては、「総合的な学習の時間で取り扱う探究課題の設定に際して、現代的な諸課題に関する視点を示し、障がいや人権についての考え方を共有した。学校教育課としては、総合的な学習の時間において福祉学習として、視覚・聴覚に障がいのある人や福祉施設で働く人を学校に招いて交流を行った。また、車椅子スポーツを行う方に御来校いただき、講話や車椅子に実際に乗る体験を行った。教職員を対象とした研修として、専門的な知識のある方に来校いただき、障がいのある児童生徒の行動観察や助言・指導をいただいた。また、特別支援学校の講師と交流会を行った。」ということです。対して「実施したことによる効果」は、学校支援課は「探究的な学習を通して、他者や社会との関わりに関する視点を持ち、障がいや人権について考えを深めた。学校教育課、相手の特性を察知し、知ることの大切さに気づき、共生社会について考える機会をもつことができた。また、障がいのある人や高齢者が地域で生活していく方策について考える機会とすることができた。また、実際に障がいのある人と交流することで、障がいに対する理解を深めさせることができた。障がいのある児童生徒に対する理解を図ることができた。また、授業中の学習課題や対応の仕方など、特別支援教育について研究を深めることができた。」ということです。障がい理解の啓発に努めて、一定の効果は出ているというふうに考えていましたが、一方で、学校教育課の取組については全ての学校が同様に実施していたわけではないいうことで、評価は「Ｂ」となっています。ただ、学校教育課は、計画外の取組も行ったと御報告をいただきましたので、御紹介いたします。資料６ページ目、３３番の下に付番されていない行があると思うのですが、こちらが計画外の取組である「教職員を対象とした研修」です。こちらも一定の効果が出ているのではないかと考えております。
続きまして、１４番を御覧ください。「障がいの有無にかかわらず交流できるイベントの開催」です。昨年度は、市民参画・協働推進課が新たな取組を行いましたので、この場を借りて御紹介させていただきます。「実施したこと」は、「「日常を「ユニバーサルマナー」でつなぐ」という交流・意見交換会を３回にわたって行い、意思表示マークを考え、缶バッジを芦屋市内で配布した。様々な障がいについて、知的障がいや発達障がいの疑似体験ワークショップを交えながら学習をした。芦屋市の取組である「みんなにやさしいお店」や、障がいのある方の買物を支援する「ユニバーサルショッピング」についても知る機会を設けた。缶バッジの作成過程では、サポート意思表示マークの作成や、まちに必要なマインドとアクションについて、また缶バッジのＰＲや配布方法について意見交換を行った。」ということです。「実施したことによる効果」は、「高校生からシニア世代まで、延べ８２人が参加し、障がいについて見聞きする場となった。参加者が今後できること、取り組みたいことを障がいのある人、ない人が率直に意見交換をしたことで、お互いを知る機会となった。話し合いの場だけではなく、缶バッジの制作までできたことで、広く市民に知っていただく機会となった。」ということです。障がい福祉課の従来の取組である「つながるマルシェ」、「障がい児・者作品展」、「まるっと説明会」のほかに、市民参画・協働推進課の「日常を「ユニバーサルマナー」でつなぐ」という取組が新たに実施したということで、評価は「Ａ」としております。なお、市民参画・協働推進課は、今年５月に障がいの有無にかかわらず楽しめる「春のぽかぽか運動会」というイベントも、芦屋大学や障がい福祉課などと協働で実施しております。今後もこのような交流の場を設けていけたらと考えております。
続きまして、１５番を御覧ください。「障がいの有無にかかわらず交流できる居場所の周知」です。「実施したこと」は、「新たに芦屋市やさしいお店登録事業を開始し、同時に開設したＡＳＨＩＹＡやさしいお店Instagramアカウント及び芦屋市ホームページにて、障がいのある人にもない人にも合理的配慮の観点でやさしい市内店舗等を紹介した。広報あしや１２月号にて、芦屋市やさしいお店として登録のあった１店舗へのインタビュー記事を特集として掲載した。芦屋市広報番組「あしやトライあんぐる」にて、この事業の特集を放送した」。「実施したことによる効果」は、リーチ数・フォロワー数には課題があるものの「Instagramアカウントを広く公開することによって、皆様に合理的配慮について考えていただくきっかけを提供することができた」ことがあります。番組放送後及び広報掲載後、１０件以上の市内店舗等から芦屋市みんなにやさしいお店への登録の申請がございました。障がいの有無によらず利用できる居場所の増加につながったのではないかと考えております。市内の店舗等に「みんなにやさしいお店」に御登録いただいたことで、新たな居場所や社会生活の充実につなげられたのではないかと思い、評価は「Ａ」としております。
それでは次に、「施策区分２　合理的配慮の提供支援に関する事業の実施」に関する取組について御説明いたします。
４番「意思疎通支援事業の実施」を御覧ください。「実施したこと」は、職員向けの手話教室を１１回実施した。新任職員研修にて手話に関する研修を実施した。意思疎通支援・障がい理解研修を１回開催した。「実施したことによる効果」は、職員向けの手話教室に、年代や職位を超えて延べ６６人の職員が出席し、手話や障がい者福祉への理解を深め、簡単な手話を習得してもらえた。新任職員研修に、１０人の新任職員が出席、初めて手話を学んだ職員がほとんどだったけれが、手話や障がい者福祉への理解を深めてもらえた。意思疎通支援・障がい理解研修に、年代や職位を超えて１４人の職員が出席し、疑似体験や当事者による経験談も交えた内容により障がい理解を深められたということで、評価は「Ａ」としております。
続いて１７番、「ボランティアの育成」を御覧ください。「実施したこと」は、芦屋市社会福祉協議会への委託事業で、手話奉仕員養成講座（基礎編）を開催した。要約筆記ボランティアサークル「要約筆記芦屋」と協働で、要約筆記体験会を開催した。「実施したことによる効果」は、手話奉仕員養成研修（基礎編）を１０名が修了し、手話通訳ボランティアを育成することができた。要約筆記ボランティアサークル「要約筆記芦屋」への新規加入につながった。評価は「Ａ」としております。
続きまして、３０番「福祉のまちづくりの推進」を御覧ください。こちらは地域福祉課の取組です。「実施したこと」は、公共施設等のバリアフリー情報について、芦屋市ホームページや子育て応援アプリで情報発信を行った。兵庫ゆずりあい駐車場制度及びヘルプマーク・カードについて、広報あしやなどを通じて周知・啓発に努めた。「実施したことによる効果」は、昨年度に比べ、兵庫ゆずりあい駐車場交付申請数は約６０件、ヘルプマーク・カードの交付件数は約１５０件増加したということで「Ａ」としております。
続きまして、３３番「１１９番等緊急通報受信体制の整備」を御覧ください。こちらは消防本部司令課の取組です。「実施したこと」は、市内の聴覚障がいのある人へ、事業者の変更に伴うＮＥＴ１１９システム移行及び新規登録説明会を行ったということです。ＮＥＴ１１９とは、聴覚に障がいのある方は電話での１１９番通報が難しいため、スマートフォンやタブレット端末を用いて文字チャットのやりとりで１１９通報ができるシステムのことです。システム事業者の変更にあわせて、市のホームページでの広報や、移行・新規登録説明会を実施しています。「実施したことによる効果」は、説明会や広報を実施することで、既存利用者の理解度を深めるとともに、今まで御利用されていなかった人にＮＥＴ１１９システムの周知ができ、新たな利用者の獲得に努めたということで、評価は「Ａ」としております。
最後に「施策区分３　社会参加の機会を拡大する事業等の実施」を御説明いたします。
１８番、「就労支援員の配置」を御覧ください。「実施したこと」は、保健福祉センター内の阪神南障害者就業・生活支援センターに就労支援員を常勤で配置しました。「実施したことによる効果」は、就労支援員の配置人員が１人、就労相談件数が１，８７８件、一般就労達成者数が２１名です。令和４年度と比較して一般就労を達成された方の人数が増えましたので、評価は「Ａ」としております。
続きまして１９番、「障がいのある人の採用」です。「実施したこと」は、障がいのある人を会計年度任用職員として採用したというものです。「実施したことによる効果」は、１４名を採用し、令和５年の６月１日現在の雇用率は２．６８％でした。法定雇用率である２．６％を充足したということで、評価は「Ａ」としております。


続きまして、資料３－３の「施策区分４　政策形成過程への参画」を御覧ください。障がいのある人が、市の様々な会議体の委員として参画いただいているとお分かりいただけるかと思います。
長くなりましたが、以上で、私からの説明を終わります。

………質疑応答………

（木下会長）
事務局から紹介されたのとは異なる部分についてでも結構ですので、何か御意見はあるでしょうか。いただいた御意見が差別解消支援地域協議会での施策評価として反映されていくということになりますので、少し時間をとって、皆様の御意見を伺いたいと考えております。
（中野オブザーバー）
感想としては、一つ一つ丁寧に取り組むことの大切さを改めて思い、取組がきちんと数値に残っているのが大事なことだなと思いました。
　少し全般的な話になりますが、以前ＮＨＫの番組の中で芦屋市のインクルーシブ教育が取り上げられていました。その番組の中では、障がいのある子も、言葉に困っている外国人の子も学級の中に入り、友達がサポートしながら受入をするという環境の整備がありつつ、先生方が細かいところでフォローをしているという様子で、芦屋市民として嬉しく思いました。
　気になったことの一つ目は、「障がい理解のための疑似体験」という言葉がありましたが、これは誰の目から見た疑似体験なのかという点です。疑似体験には当事者のどのような意見が反映されているのかなと思いました。例えば車椅子の体験にしても、車椅子に乗ってみるだけではなく、実際に車椅子に乗って町を移動してみて、ここにこんな段がある、Ａ地点からＢ地点に移動するだけでも本当に危ないと体感するような、もっと臨場感のあるような体験があればと思います。もう一つは、障がいのある人への理解は非常に大切で、私たちは障がいのない人からの理解を求めがちなのですが、当事者がもっと社会に飛び込んでいく、もちろん支援者がアグレッシブに計画して環境整備をしながらですが、そういった視点を持つことも大事ではないのかなというふうに思いを巡らしました。
（木下会長）
疑似体験の中身について、事務局は御存じですか。
（事務局　川口）
車椅子体験ではないですが、例えば学校の福祉学習で、聴覚障がいのある人が講師となって自分たちが困っていることをお話しされたり、手話を教えたりすることで、障がい理解を深めるような取組をされていると聞いています。
（木下会長）
中野オブザーバーがおっしゃったような、臨場感のある体験というものとは少し違う感じでしょうか。今の取組も、もちろん意味のあることだと思いますが、また御意見を参考にしていただければと思います。
（川崎委員）
発言したいことが３点あります。
１つ目は、資料３－２の５番について、「リーチ数」という言葉の意味が分からなかったので、説明がほしいです。
２つ目は、１９番の障がいのある人を採用するというものについて、できれば障がいの種別も書いていただけないかと思いました。自分の息子が就活をしていて思うのですが、知的障がいのある人が就職するのは厳しいと感じており、それが数字でも分かるようになればと思いました。
３つ目は、先ほども言われていた疑似体験についてです。育成会は、最近知的障がいの疑似体験に力を入れています。私も初めて知的障がいの疑似体験を受けたとき、ハッとしました。知的障がいは目に見えない障がいで、なかなか理解してもらいづらいところがありますが、疑似体験を受けると障がい理解のきっかけになると思います。目には見えないが、こういうところが大変なんだなということは、障がい全般に対する気持ちとして分かりやすいかと思うので、心のバリアフリーを進めるためにも、学校の授業などに取り入れていただけたらと思いました。
（事務局　今西）
「リーチ数」とは、Instagramの投稿を見たユーザー数のことです。
障がいのある人の採用について、障がいの種別を記載できるかどうか、所管課に確認します。
（木下会長）
「おむすび隊」が実施する知的障がいの疑似体験については、私も実は受けたことがあります。楽しいというと変な話ですが、やって良かったと思いました。内容が一緒なのかは分からないですが、折り紙のように簡単な作業をしているなかで、わざと「もっと早くやりなさい」などと焦らされるようなことを言われるとできなかったり、でも「ここはこういうふうに折って」などの優しい声かけやフォローがあれば簡単にできたりといった、そういう対応の仕方等を学べる内容だったので、楽しく参加させていただいた記憶があります。
（能瀬委員）
「おむすび隊」について、資料３－２の２８番、人権教育推進協議会の社会教育分科会の研修会で講義や疑似体験をお願いしました。分科会は学校の先生方が主体になっているのですが、疑似体験だけでなく、「おむすび隊」の保護者の方たちによる体験談で、実際のお子さんの成長過程などを教えていただけたのが非常に良かったという御意見を多くいただきました。小学校で先生方が関わってくださったことが、後々こういう形で生かされています、といったお話を保護者の声でお聞きして、先生方も実際に関わっていた時のことを思い出されて良かったのかなと思います。
（中嶋委員）
広報あしやの特集号、すごく良い記事が載っているということで読ませていただきました。
条例評価については、昨年度から参加させていただいているのですが、取組評価と実績評価を区分けして、アウトカム・アウトプットと分けて対応されているのが、評価しやすくて良かったです。
ただ、この目標が望ましいかどうかというところまでは、市民目線で言うと分からないという感じがします。例えば、この第７次中期計画というゴールが分かっていないのですけど、ここまでのことを達成したい、こうあるべきだという最終目標から引き算をして、この年度にはここまでやるというようになっているのでしょうか。そういうゴールがあって、そこに向けてここまでできたら○、ここまでだったら△というふうになっていればいいなと思いました。
自分の仕事の関係から申し上げると、例えば１８番、２１名一般就労できましたという内容について、以前より増えたから「Ａ」ではあるのですが、どこまでの水準で一般就労できたら望ましいのかといった目標感があったときに、それと比べると正直まだまだ低いのではないかなというふうに感じる部分もあり、そのためにどういう方策をやっていけばいいのだろうといった議論ができると良いと思います。少し参考で申し上げますと、私は今大阪府内で働いているのですが、大阪府は教育長が主体となって、我々のような障がい者雇用をしている一般就労先の会社を就労支援アドバイザーのような形で任命し、支援学校や高等支援学校の保護者・先生・生徒向けに、働くってどういうことかということを担当制で説明するような場がつくられています。というのも、生活介護やＢ型作業所に行かれる方が多く、一般就労のような自立できるところにお勤めされる方がまだまだ少ないという課題があって、そういう取組をしているようです。
新しい方法での条例評価は今年始まったところですが、そんなふうに、何かしらのゴール、望ましい姿から逆算したような設定であったほうが良いのではないかなと思いました。
（木下会長）
この協議会で評価をする観点のところからの振り返りも含めていろいろと議論はされてきた部分でもあるのです。今おっしゃったゴール設定は基本的には、これは障害福祉計画になるので、そちらの外部評価と内部評価を経てということになります。関連部署が障がい者差別にどのようにアンテナを張っていくかという観点です。当初この評価の観点も昨年度までは厳しく設定されていたのですが、各部署が一生懸命取り組んでいる中で、モチベーションを維持しながら差別の解消に取り組んでいくためには、かなり甘いかもしれませんが、目標を達成できていれば「Ａ」と評価してもいいということにしましょうと、昨年度の協議会で決めてスタートしたものになります。
本当はＫＰＩ設定のように、あるべき姿とのギャップを埋めるためにどうしていくのかということが政策策定には絶対必要だと個人的には思ってはいます。今後、この条例評価の方法が定着していけば、目標設定は先ほど言われた数値的なことも含めて、実施する前に実施目標を定めて、その目標を幾つ達成できたかを評価していくことになるのだろうと思います。まだまだ検討課題はあると思うのですが、今回は新しい評価方法のスタート地点として、立てつけを指定させていただいておりますのでご容赦ください。
「Ｃ」評価の項目について言及してもよいでしょうか。３２番の「Ｃ」評価が気になっています。ノンステップバスの新規導入はあったが、リースで補助金の活用は無かったため「Ｃ」評価となっています。これは多分リースのままで、新規導入はしないのではないでしょうか。新規導入までは補助金が活用されないので、このままずっと評価できないのはもったいないなと思います。評価の視点を変える、補助金の出し方を変える、あるいはこの項目を取り上げることをやめることも考えられるかと思うのですが、いかがでしょうか。
（地域福祉課　岩本）
ノンステップバスにつきましては、阪急バスが県内全域での導入を総合的に判断されて、年々導入を進めておられるものと伺っております。新しくバスを導入する際には、ノンステップバスを導入すると伺っていますが、それが県内のどこの市町村に入るかというところです。芦屋市は比較的平坦なエリアもありますので、新規導入は最近あまりなく、他の市町村に新しいバスが入り、その市町村でそれまで使っていたものが芦屋市に回ってくる可能性が高いというような話をお伺いしております。
現在の評価指標は、本市の補助制度を御利用いただいたかという観点ですが、例えば１０年前と比べますとノンステップバスの導入台数は明らかに増加しておりますので、取組としては進んでおります。会長がおっしゃったとおり、例えば市内のノンステップバスの割合が高まれば、補助金を利用しなくてもある程度評価していくなど、補助金を使われたかどうかに関係しないような評価方法というのも検討してまいります。
（本宮委員）
１５番ですが、Instagramを見ると、フォロワー数が増えているわけではない。厳しい言い方ですけれども、みんなにやさしいお店登録店舗も市で１０件、しかも同じ店の支店が何件もあるような状況で、これで「Ａ」というのはどうなのかなと思います。
（事務局　今西）
複数の支店がある店舗に関しては、Instagramには別で掲載していますが、登録店舗数としては１店舗としてカウントしています。令和６年９月時点では２８店舗登録をいただいております。令和６年４月以降の登録が８件ですので、最終的に令和５年度末までには２０件程度の申請があったことになるかと思います。
（本宮委員）
その数字は、大きいとは思えません。
（事務局　今西）
「やさしいお店登録事業」については、令和５年１２月の広報特集号に記事を掲載したことで、それ以前と比較して登録申請数が増えたため「Ａ」と評価しましたが、確かに十分な件数ではなかったかもしれません。
（本宮委員）
ここで「Ａ」という評価を出すと、次の取組に向けては弱いかなと思います。もう少し登録店舗数が増えることを目標にするならば、ここは「Ａ」評価でないほうが良いのではないでしょうか。
（事務局　今西）
いただいた御意見を踏まえ検討いたします。
（木下会長）
今回の評価が「Ｂ」や「Ｃ」であっても、Instagramのフォロワー数・登録店舗数が増えていくことのほうが、障がいのある人にとっては価値があり、違う意味で高く評価できると思いますので、そのあたりはまた検討させていただきます。
それでは、議事３に移ります。

（３）　芦屋市合理的配慮提供支援助成事業の対象メニューの拡大について

（事務局　木村）
議事３「芦屋市合理的配慮提供支援助成事業の対象メニューの拡大について」、資料４に沿って御説明いたします。
芦屋市では、令和３年１月から、「合理的配慮提供支援助成事業」という事業を実施しています。障がいのある人に合理的配慮を提供する際にかかる費用について、市が一部を助成するという事業です。この事業を利用できるのは、芦屋市内のお店や病院といった民間事業者で、不特定多数の人が利用していて、障がいのある人も利用する可能性があるような事業者の方を対象にしてます。
「利用の主な流れ」については、資料の図を御覧ください。まず、事業者から障がい福祉課に対して、こういうことをしようと思っているのだけれど、助成は受けられますかという相談があります。助成が受けられそうだという場合には、必要な書類をそろえて申請をしていただきます。そこから市で審査を行い、交付が決定しましたら、事業者には予定していた物品を購入していただいたり、工事を施工していただいたりします。そして実施後には、事業者から市に対して、完了しましたという報告をしてもらいます。それを受けて、市で助成する金額を確定し、請求書を頂いてから、お金をお支払いするというのが一連の大まかな流れです。
昨年度までの実績としましては、令和３年度に７件、令和４年度に２件、令和５年度に３件の御利用がありました。
この事業について、今年９月から助成対象の範囲を拡大することにしたのですが、その理由としましては、令和６年４月１日から障害者差別解消法の改正法が施行され、事業者による障がいのある人への合理的配慮の提供が新たに義務化されました。
議事１でも少し御説明しましたが、ここで障害者差別解消法において禁止されている２つの差別についても、改めて御説明します。
１つ目に禁止されているのが「不当な差別的取扱い」というものです。これは正当な理由なく、障がいのある人と障がいのない人で異なる扱いをすることを禁止するものです。例えば、障がいがあるということだけを理由に、受付を拒否したり、入店を拒否したりといったことが禁止されています。こちらについては民間事業者の皆様に対しても、以前から義務づけられておりました。
そしてもう１つ禁止されているのが、「合理的配慮を提供しない」ということです。合理的配慮を提供するとは、障がいのある人にとって日常生活や社会生活上で障壁となるものを取り除くために必要な配慮があれば、負担が重過ぎない範囲で対応していくということです。一例として、車椅子に乗っている人が段差を越えられるように簡易スロープを準備したり、聴覚に障がいがある人のために講演会に手話通訳などをつけて内容を理解できるようにしたりするものがございます。負担が重過ぎない範囲とされていますので、例えば今すぐには簡易スロープは用意できないけれども、店員が少し車椅子を持ち上げて、段差を越えるお手伝いならできますよなど、希望された方法が負担が重過ぎて難しいといった場合には、障がいのある方と合理的配慮を提供する側がお互いに話し合って、代わりの方法を見つけることが大切です。
そして、今御説明した合理的配慮の提供が、もともと民間事業者に対しては努力義務とされていたのですが、令和６年４月から新たに義務となりましたので、一層合理的配慮の普及啓発につながるよう、このたび対象メニューを拡充した次第です。
拡充後の対象メニューについては、資料の裏面を御覧ください。これまでは３つのメニューだけを実施しておりました。
１つ目が、コミュニケーションツールの作成にかかる費用の助成です。例えば、点字表記の注文メニューを作ったり、お店独自のコミュニケーション支援ボードを作ったりなど、障がいのある人とのコミュニケーションツールを作るためにかかる費用を助成します。
２つ目は、物品の購入にかかる費用の助成です。例えば筆談ボード、折り畳み式のスロープ、店内や病院内で使う車椅子などを購入するためにかかる費用を助成します。
３つ目は、手すりを設置する、段差をスロープに改修する、トイレを多機能トイレに改修するようなバリアフリー工事にかかる費用を助成するものです。
そして、この９月から新たなメニューが２つ加わっております。
１つ目が、手話通訳者・要約筆記者等の派遣にかかる費用の助成です。こちらは不特定多数の人に向けて講演会やイベントなどを開催する際に、聞こえない方のために、手話通訳者や要約筆記者を依頼する際にかかる費用を助成するというものです。
２つ目が、研修会の開催にかかる費用の助成です。障がい理解や合理的配慮の実践につながるような内容を学ぶ内容で、市内に在住・在学・在勤する人５名以上が参加するような研修会を開催する際にかかる費用を助成するものです。
以上の２つのメニューも追加し、この助成事業を市内の民間事業者の皆様に御活用いただいて、合理的配慮を提供する、利用しやすいお店や病院などが市内に増えることで、誰もが共に暮らしやすい共生のまちづくりを推進していきたいと考えております。

………質疑応答………

（川崎委員）
この助成事業はお店が対象なのかと思っていたのですが、新たに加えられた部分は、お店でなくても申請できるということなのでしょうか。
（事務局　木村）
今までの助成メニューも含め、お店に限ってはおりません。実際に利用されているところだと病院でも多くご活用いただいております。
（事務局　今西）
元々あった３つのメニューについては、店舗や病院といった実体のある所で利用するイメージですが、新たに加わった２つのメニューに関しましては、例えば手話通訳者・要約筆記者等の派遣であれば会社が主催するイベント、研修会の開催であれば、会社などで障がい理解を深めよう、合理的配慮を実践しようということで、勉強のために講師を呼ぶ際にかかる費用も対象になります。
（杉島副会長）
研修会費の助成についてお聞きしたいのですが、講師はどのような方でも構わないのでしょうか。
（事務局　木村）
　講師について、特定の講師でないと駄目ということは決めておりませんが、研修会の内容は確認させていただき、障がい理解や合理的配慮の提供につながっているかというところは確認させていただきます。
では、「その他」として、事務局から何かありますか。

（４）　その他

（事務局　川口）
次回は、１月の開催を予定しておりますので、御出席よろしくお願いいたします。

（５）　閉会

（木下会長）
最後に、副会長からの挨拶で終わりたいと思います。
（杉島副会長）
皆様お疲れさまでした。やさしいお店のInstagramは、僕もフォローしておりますので、また皆様もフォローよろしくお願いします。また、今回色々と議論いたしましたが、今日で終わりではありません。今回完璧でなかった取組も、今後の伸びしろがあるということで、継続してチェックをしていき、皆様と一緒に変化を見守っていければと思います。
（木下会長）
では、以上をもちまして、差別解消支援地域協議会を終了します。ありがとうございました。

以　上