（様式第１号）　　　　　　　　
　■　会議録　　□　会議要旨
会議の名称
令和６年度第２回芦屋市自立支援協議会
日　　時
令和６年１２月２６日（木）午後１時３０分～午後３時３０分
場　　所
南館４階大会議室
出 席 者
会　　長　　　木下　隆志
副 会 長　　　三芳　学
委　　員　    山田　映井子　香山　由美子　藤川　喜正　　小谷　真美
　　　　　　　七村　千里男　小野　幸子　　齊藤　登　　　山川　範
　　　　　　　谷　仁　　　　三宅　真由　　齋藤　正樹　　山口　佐起子
　　　　　　　福田　晶子　　山田　弥生
欠席委員　　　河井　悦子　　有田　幸生　　仲西　博子　　濵田　理
　能瀬　仁美　　山本　眞美代　安藤　千枝子
オブザーバー　中野　美智子
事 務 局　　　川口　弥良　　今西　絵理子　入山　和之　　近藤　葉子
　　　　　　　木村　円香　　小西　孝宏　　
関 係 課　　　地域福祉課　　岩本　和加子
　　　　　　　こども政策課　三﨑　英誉
事務局
障がい福祉課
会議の公開
　■　公開

　□　非公開　　　　□　一部公開
　会議の冒頭に諮り、出席者　人中　人の賛成多数により決定した。
〔芦屋市情報公開条例第19条の規定により非公開・一部公開は出席者の３分の２以上の賛
成が必要〕
＜非公開・一部公開とした場合の理由＞
　
傍聴者数
　６人（公開又は一部公開の場合に記入すること。）

１　会議次第
(1)	開会
　　開始時点で２３人中１６人の委員の出席により成立
 (2) 会長挨拶
 (3) 議事
　　ア　実務者会活動報告について
　　イ　専門部会活動報告について
　　ウ　芦屋市共に暮らすまち条例関連施策の取組状況・評価の実施について
　　エ　第６期障がい福祉計画・第２期障がい児福祉計画の進捗状況の点検・評価について
　　オ　障がい者（児）福祉計画第７次中期計画の中間評価の実施について
　　カ　その他
 (4) 閉会

２　提出資料
(1)	資料１　　　令和６年度芦屋市自立支援協議会実務者会の進捗状況について
(2)	資料２　　　令和６年度芦屋市自立支援協議会専門部会の進捗状況について
(3)	資料３－１　芦屋市共に暮らすまち条例関連施策の取組状況及び評価について
(4)	資料３－２　障がい者差別解消関連施策評価シート
(5)	資料４　　　第６期障がい福祉計画・第２期障がい児福祉計画の進捗状況の点検・評価に
             ついて
(6)	資料５　　　芦屋市障がい者(児)福祉計画第７次中期計画概要版
(7)	資料５－１　障がい者（児）福祉計画第７次中期計画進捗状況一覧表（第１節）
(8)	資料５－２　障がい者（児）福祉計画第７次中期計画進捗状況一覧表（第２節）
(9)	資料５－３　障がい者（児）福祉計画第７次中期計画進捗状況一覧表（第３節）
(10)	資料５－４　障がい者（児）福祉計画第７次中期計画進捗状況一覧表（第４節）
(11)	当日資料１　令和６年度実務者会報告
(12)	当日資料２　令和６年度専門部会報告
(13)	当日資料３　ライフステージ年表（らいふ＆すまいる）

３　審議内容

(1)　実務者会活動報告について
(2)　専門部会活動報告について

（基幹相談支援センター　鈴木氏）
　令和６年度実務者会の進捗報告をさせていただきます。
　本年度、実務者会は、①令和３年度にスタートした、新しい実務者会・専門部会システムか
ら３年が経過したことを受け、現在の実務者会・専門部会の在り方について振り返り、柔軟な
発想で芦屋の部会制度について再考する。②過去の芦屋市自立支援協議会での取組について振
り返り、評価を実施する。③課題抽出の仕組みである「座談会」で、より多くの方から意見を
いただくための工夫を検討する。この３点を取り組もうとスタートしています。
　第３回実務者会までは前回に報告しましたので、第４回会議からの報告をさせていただきま
す。
　第４回会議は、第３回会議で決定した３点の基本方針に基づいて検討を進めました。基本方
針は、①自立支援協議会の担い手不足解消を目的に自立支援協議会の周知を行うこと。②広く
当事者から地域課題を伺うために目安箱・オンラインフォームを活用し、意見集約、座談会の
改良を行うこと。③やりっぱなしにしないための評価・検証システムに取り組むこと。の３点
です。
　①については、まず、関係機関だけでなく広く市民に向けて芦屋市自立支援協議会の存在や
その取組について知っていただくための活動を行っていくことが決まりました。具体的には、
自立支援協議会本会議の傍聴について、市内団体・事業所への周知を行いました。その結果、
第１回本会議は１０名、本日第２回本会議には６名の傍聴がありました。今後も傍聴について
の情報提供を継続し、どのように地域課題が解決につながっていくのかについて興味や関心を
持っていただけるように働きかけていきます。
　次に、実務者会や専門部会の構成員の方の名刺などに、「令和○年度芦屋市自立支援協議会
実務者会（専門部会）構成員」という肩書を印刷していただき周知に努めていただくことが決
まりました。
　最後に、様々な方に自立支援協議会への関心を持っていただくために、名刺サイズの周知カ
ードを作成し、構成員で配布することが決まりました。本年度中に４００枚程度を印刷し、実
務者会の構成員の方と専門部会構成員の方へお渡しし、周知・啓発のために配布を進めていた
だくことになりました。
　②については、第４回会議にて、座談会の開催以外に地域課題を集めるために、目安箱の設
置やアンケートフォームを活用し、広く意見をいただくことについて検討しました。
　③については、本年度は「ＰＤＣＡサイクルの見直しをメインで行うこと」「過去専門部会
で行ってきた取組について評価の進め方を検討すること」の２点の方針が決まり、本年度のス
ケジュールを立てました。
　第５回会議から今月２３日に実施した第８回会議までを通じて、この基本方針①～③に基づ
き、仕組みをより具体的にし、実際の運用をどのように行っていくのかについて検討を重ねて
います。
　第５回会議では、基本方針②に基づき、具体的なアンケートフォームの活用について検討し
ました。本年度の取組として、試験運用的に、広報あしや１２月号にアンケートフォームを掲
載し、広く市民の方へ「『みんなにやさしい芦屋』とはどんなまちか」という問いかけを行い
ました。このアンケートフォームの対象者は、当事者・御家族・市内事業所支援者だけでなく、
広く一般市民の方々も対象としました。目的としては「芦屋市自立支援協議会の活動を知って
いただくこと」「過去の実績も併せて知っていただけるような内容にすること」「日頃、福祉
と遠い場所にいる人にも答えやすい項目とすること」としました。明日がアンケートの締切り
です。この集計結果は、１月２８日実施予定の第９回会議にて、次年度により効果的に課題を
集めることができるよう目安箱の設置やアンケートフォームの作成の検討材料とさせていただ
く予定です。
　第６回会議では、スーパーバイザーとして木下会長をお招きして、基本方針③にある「やり
っぱなしにしない評価の仕組みづくりのための新システム」の素案について検討しました。評
価の点では、品質評価と組織評価という２軸での評価の視点について教えていただきました。
　第７回・第８回会議でも、実務者会と専門部会の連携と改善、２軸での評価、品質評価と組
織評価の２つの仕組み化について検討を続けました。その結果、「実務者会と専門部会で２期
担当制を取ること」「２つの会議、合同の連携会議を開催すること」の２点を主軸として、令
和７年度からの運営の具体案を検討することとなりました。また第８回会議では、来年１月か
ら、次年度の課題抽出方法について座談会以外の具体的な方法や座談会の実施に向けた話し合
いを始めることが決まりました。今後、１月と２月の実務者会では、第３回本会議でＰＤＣＡ
サイクルに基づいた仕組み案を委員の皆様にご報告し、ご検討いただいた上で承認していただ
けるよう、具体的な運用部分までの話し合いを進めていく予定です。
　当日資料１の左側が、広報あしや１２月号に掲載されているアンケートフォームです。まだ
ご回答いただいていない委員の皆様は、ぜひＱＲコードを読み込んでいただき、内容の確認も
含めて御覧いただけたらと思います。
　右側が、先ほどお伝えした「自立支援協議会周知カード」です。実際のサイズは名刺サイズ
です。こちらもぜひ、記載のＱＲコードを読み込んで、内容を御確認いただけたらと思います。
（基幹相談支援センター　柴田氏）
　令和６年度専門部会の進捗報告をさせていただきます。
　今年度の専門部会では、前年度に引き続き、「ライフステージ全体を可視化できる仕組みづ
くり」をテーマに、障がいのある人の現在地が分かるライフステージフローの作成に取り組ん
でおります。
　第１回本会議にて、第１回目から第４回目の報告をさせていただきました。第５回目以降も
毎月集まって作業・意見交換を行っております。
　作成しているツールは全８ページの冊子になる予定です。昨年度より作成してきた「こども」
と「おとな」、それぞれのライフステージの年表以外のページについても検討を進めてまいり
ました。
　第６回ではツールの名称を検討し、「らいふ＆すまいる～えがお　つなぐ　あしやライフプ
ラン～」というタイトルに決まりました。
　第７回目では、デザインについて主に検討を進めてまいりました。事業所のワークキューブ
様にご相談し、色やデザインについてご助言いただきました。
　第８回目では、同じくワークキューブ様にいただいたカラーが鮮明に出るサンプルを基に、
完成に向けて検討を進めました。
　当日資料３をご覧ください。１ページ目の右側が表紙、左側が裏表紙です。裏表紙には、主
要な相談先一覧を掲載する予定です。裏表紙の下の部分にあるＱＲコードで芦屋市の障がいに
関する情報ポータルサイト「あしやねっと♪」を御覧いただけるようになっております。
　２ページ目・３ページ目では、前回の本会議でも参考に配布しました「ライフステージ（お
とな）と（こども）のライフステージの年表」が見られます。これらのページは、色味の選定
中ですので、完成品とは若干イメージが変わってくる可能性があります。掲載しているそれぞ
れのＱＲコードは、基本的に「あしやねっと♪」や動画につながっています。ＱＲコードのリ
ンク先の内容は今後もブラッシュアップしていくのですが、現段階でも読み込んでいただくと
「あしやねっと♪」又は動画につながっておりますので、よろしければ御覧いただけたらと思
います。
　そして４ページ目には、「Ａさんの場合」「Ｂさんの場合」と事例を２つ掲載する予定です。
内容については最終確認中ですが、委員の皆様からもお気づきの点などの御意見をいただけま
すとより良いものになると思いますので、よろしくお願いいたします。
　現在はデザインや配色などについて微調整を行っており、次回の第９回目で最終確認をする
予定です。年表に掲載されているＱＲコードのリンク先のページを随時編集し、紙面のみでは
不足する情報を補っていく予定です。
　今後は、１月に入稿、２月１５日開催予定の「まるっと説明会」で配布し、そのほか学校や
関連の窓口等へ配布を行っていく予定です。
　また、第９回目で入稿に向けた最終確認を行い、配布先と活用方法、ＰＲ方法を検討してい
きます。サポートファイルと一緒にお渡しすることもイメージして検討を進めております。最
終回にはこれまでの活動の振り返りを行いたいと思っております。
　
　………質疑応答………

（木下会長）
　ツールの裏側の第１版、令和７年２月発行の「年」が１個多いですね。たまたま見つけたの
でお伝えします。
　皆様から、御報告の中で「何か聞いてみたい」もしくは「こういうところはどうなのか」と
いう御意見はありますか。
（福田委員）
　実務者会の進捗について教えていただきたいです。第７回の会議内容のうち「専門部会にお
いて自己評価を行う」「実務者会での評価は実施せず、座談会等を通じて課題として上がって
こなくなったことで『解決済み』と評価する」ということですが、具体的にどのように行うの
か、説明いただけますか。
（基幹相談支援センター　鈴木氏）
　現時点では「このような仕組み・取組にしていったらどうか」と検討している段階です。今
後の実務者会・専門部会のＰＤＣＡサイクルも含めて、具体的な運用部分までを素案としてま
とめ、第３回の本会議で皆様に諮る予定です。この課題は、平成２４年度から令和５年度まで
の専門部会での取組についての振り返りや、「専門部会で作成したものが現在どのように使わ
れているのか」「ブラッシュアップが必要か」「市民がどのぐらい知っているのか」などの振
り返りを一度もしたことがなかったため出てきています。現在、当事者や関係機関の方に「市
民・当事者がどのようなことにお困りなのか」について座談会にて御意見をいただき課題を抽
出していますが、サポートファイルやつむぐ広場など、過去に専門部会で課題解決に向けて取
り組んだことに対して課題がまだある場合に、それらの取組をブラッシュアップする機会を設
けてはどうかというお話が出ています。
（福田委員）
　「課題として上がってこなくなったことで『解決済み』と評価する」ということは、「その
ときに言い忘れていた」「何回言ってもなかなか進まないから、もう言うのもやめておこうか
な」といった方もいらっしゃるかもしれませんので、こちらから声かけをしてみることも大事
ではと思いました。
（基幹相談支援センター　鈴木氏）
　御意見ありがとうございます。また実務者会の構成員の皆様にもお伝えしたいと思います。
（木下会長）
　「課題として上がってこなくなったことで『解決済み』と評価する」という基準には何か意
図があった気がします。文章だけで捉えると「その課題が上がってこないので解決済」という
ニュアンスではなく、「今ホットな課題を取り組んでいくために、過去の課題があまり会議の
中で話されなくなれば、ひとまず置いておこう」というニュアンスだったと思います。
（基幹相談支援センター　鈴木氏）
　もちろん「今ホットな課題を取り組んでいくために、過去の課題があまり会議の中で話され
なくなれば、ひとまず置いておこう」というニュアンスも含んでいますし、例えば、法律の改
正等によって、過去に取り組んだことが不要になるケースや「取り組んできたが法律的に解決
できた」というケースもあるかもしれないという意味で、「課題として上がってこなくなった
ことで『解決済み』と評価する」という表現になっています。
（木下会長）
　誤解を招くような表現になっていたかもしれませんね。
（中野オブザーバー）
　専門部会のツール案ですが、皆さんの工夫が随所にちりばめられた力作で素敵だと思いまし
た。ただ、４ページ目の「Ａさんの場合」と「Ｂさんの場合」について、ＡさんはＡＳＤの方
で、Ｂさんは医療的ケア児や心身に重度の障がいのある人がモデルになっているかと思うので
すが、Ｂさんの場合は就学前から高校までが一つにまとめられており、Ａさんのように横軸で
示されていない。重度の障がいのある人は、就学前から高校までのフローを詳しく知りたいの
ではと思います。詳しく知りたいフローがまとめられたことが疑問に思います。この内容が
「就学前」「幼稚園」「小学校」「中学校」「高校」ごとにもっと丁寧に示されていれば良い
のではと思いました。
（木下会長）
　これは年表別で事例を分けているのですか。
（基幹相談支援センター　柴田氏）
　「Ａさんの場合」は「教育の場面でどのような支援や配慮があるのか」をより分かりやすく
表したいという意図で組み立てており、「Ｂさんの場合」は「大人になった後や親亡き後など
に、どこでどのように相談すればいいのか」を具体的に表したいという意図で組み立てていま
す。本当は事務局も専門部会も「Ｂさんの場合」のフローを就学前から高校まで一つにまとめ
たくはなかったのですが、紙面の構成上どうしてもこれ以上字を小さくするわけにもいかない
ため、お手元の資料の構成になっています。
（中野オブザーバー）
　ありがとうございました。よく分かりました。どこに重きを置くかですが、恐らく重度の障
がいのあるこどもたちの親は、教育を受ける年代のことをすごく心配されていて、詳しく知り
たいのではないかと思いました。
（基幹相談支援センター　柴田氏）
　次回の専門部会は１月に開催を予定しております。いただいた御意見を紙面にどこまで反映
できるかは未定ですが、「あしやねっと♪」など、完成後も情報発信ができる手段はあります
ので、御意見を反映できるか検討させていただきたいと思います。
（木下会長）
　１月に入稿なので、実際はこの紙面に反映するのは難しいかと思います。しかし、これに限
らず「ここが知りたかったのに」ということは随所に出てくると思います。例えば「Ａさんの
場合」の右側に「①に対応しています」、「Ｂさんの場合」は「②又は青年期のライフステー
ジ年表を御参照ください」といった一文を記載しておくと、この事例にした意図がもう少し分
かりやすくなるのではと思います。確かに医療的ケア児に関しては、その親へのサポートと本
人のへサポートが急務で厚労省の課題でもあり、現在アプローチをしていこうという動きがあ
るので、例えば、今後「実は自立支援協議会でこういう意見が出たので、Ａさんのこういう場
合の幼少期の話の動画を作って『あしやねっと♪』に掲載しよう」など、固い枠組みの中では
なく柔軟に対応していただければと思います。
（谷委員）
　ツール案の②「くらし」の内容は当センターにも関わるところなのですが、成年後見制度の
利用などに関する記載や親亡き後のお金の管理や守ってくれる制度に関する記載について、
「何を守ってくれるのか」がよく分からないなと思いました。お金の管理も含めた権利の話で
はと思いますが、漠然と突然「守ってくれる制度」と出てくるので、「何を」を書いていただ
けると分かりやすいかと思いました。
（木下会長）
　谷委員からは「これを守っています」といったことはありますか。
（谷委員）
　④「相談先一覧」にある当センターの説明文にも「権利擁護」という単語が出てきますが、
この「権利」とは「その人がその人らしく生きる」ということを指します。②「くらし」に当
センターの情報を記載していただいているので、その意味に合致すると思います。「擁護」と
いう単語は、文字で表すとどうしても「守る」というニュアンスが強く出ますが、この単語に
は「権利を行使する」という意味もあります。「権力を生み出す」という側面もあると思いま
すが、もし可能であれば、その「守る」というニュアンスだけではなく、「その人の権利、そ
の人らしく生きること、生きるための権利を行使していく」というニュアンスも含めるとなお
良いと思います。
（齊藤（登）委員）
　品質評価と組織評価の話が実務者会の第６回会議で出ましたが、組織評価では「仕組みがう
まくいったから満足できた」ということと「参加された方が疲弊せず達成感があった」という
評価軸があればと思います。障がい福祉分野は「これをしたら解決した」ということがなく、
ゴールがありません。そのため「疲弊しない」という評価軸を設けていただければと思います。
皆さん頑張って取り組んでくださっているので、ぜひそのような評価軸を入れていただけたら
と思いました。
　あと、このツール案は非常に密度が濃く百科全書のように完璧ですが、配布・配信したもの
の誰も使わないという可能性が多分にあるので、ここまで整えたからには一度、相談員の方に
見てもらい「このように使ってほしい」と伝えてみるのが良いと思います。本当にこれが有効
活用できるかどうかは、実際配布・配信してみなければわかりません。私も民間企業で仕事を
していますが、マニュアルを作って社員に使わせてみると、社員の８割は使いこなせません。
マニュアルは使いこなせてこそ成果が出るものなので、「どのように活用するか」をぜひ検討
してみてください。実務者会の報告にあったＰＤＣＡサイクルのやりっぱなしの話ではありま
せんが、ここまでやったからには、活用方法を検討しなければ達成感もないかと思います。相
談員の方は毎日大変な相談を受けておられると思うので、相談員の方が活用方法を練習した上
で配布するほうがいいと思いました。
（木下会長）
　運用方法は本当に重要なところだと思いますので、よろしくお願いします。
（基幹相談支援センター　鈴木氏）
　「実際に皆さんに使っていただいて効果があったのか」についても取組の評価軸として、今
後検討を重ねていきたいと思っております。
（木下会長）
　よろしくお願いします。
　
(3)　芦屋市共に暮らすまち条例関連施策の取組状況・評価の実施について
　
（事務局　今西）
　芦屋市共に暮らすまち条例関連施策の取組状況及び評価について、取組に対する評価が必要
な理由も含めて御説明します。
　資料３－１を御覧ください。
　令和３年１月１日より、障がいを理由とする差別を解消することを目的とした「芦屋市共に
暮らすまち条例」が施行されています。その条例の第１４条には「市は、この条例に基づく施
策の実施状況を確認し、及び評価した上で公表し、施策に反映するものとする。」と定められ
ているため、今回の自立支援協議会において、取組内容について評価をお願いすることとなり
ます。
　続きまして、「１．対象となる施策」を御覧ください。こちらには、評価される施策・取組
が何かということを記載しております。評価される取組は「芦屋市障がい者（児）福祉計画第
７次中期計画」で掲げられている取組のうち、障がいを理由とする差別の解消に資する取組で
す。大きくは次の４点です。
　１点目は、条例第８条に触れられている「障がい理解に関する施策の実施」です。取組とし
ては、障がい理解を深めるための研修事業等の実施になります。２点目は「合理的配慮の提供
支援に関する施策の実施」です。それぞれの障がい特性に応じた合理的配慮の提供の支援に関
する事業ということで、例えばバリアフリーなどの取組の中に含まれています。３点目は「社
会参加の機会の拡大」です。社会参加できるような支援ということで、例えば障がい者雇用な
どの取組などが当たります。４点目は「政策形成過程への参画」です。市政に関する政策形成
過程、例えばこの自立支援協議会もそうですが、このような会議の委員として障がいのある人
も参画することなどが当たります。これらの大きく４つの取組について、各所管課が「２．評
価の視点」に書かれている事項を意識しながら評価を行っております。
　「３．評価方法」を御覧ください。取組内容について、まずは各所管課で評価し、次に「芦
屋市障がい者差別解消支援地域協議会」及び「障がい団体」から御意見をいただき、最終的な
総合評価を本日の自立支援協議会で実施いたします。
　続きまして資料３－２を御覧ください。「芦屋市障がい者差別解消支援地域協議会」及び
「障がい団体」の皆様からいただいた意見をまとめた資料です。
　まず、資料の構成を御説明します。先ほど御説明した「障がい理解に関する施策の実施」
「合理的配慮の提供支援に関する施策の実施」「社会参加の機会の拡大」「政策形成過程への
参画」という４点の取組について、それぞれ、令和５年度の特徴的な取組内容、差別解消支援
地域協議会からの意見・評価、障がい団体からの意見評価を記載しています。
　それでは、令和５年度の特徴的な取組内容から御説明します。
　１点目の「障がい理解に関する施策」について御説明します。この施策には「市民及び事業
者の理解を深めるための研修等の実施」と「障がいのある人とない人の相互理解を深めるため
の事業の実施」が含まれます。
　まず「市民及び事業者の理解を深めるための研修等の実施」について、令和５年度の特徴的
な取組内容を御説明します。市内で合理的配慮の提供を行っているお店を登録いただきＳＮＳ
等で紹介する「みんなにやさしいお店登録事業」を開始し、「ASHIYAみんなにやさしいお店
Instagram」で紹介した。総合的な学習の時間に福祉学習として、障がいのある人や福祉施設の
方を招いて交流を行い、車椅子スポーツの体験を実施した。専門的な知識のある方に、障がい
のある児童・生徒の行動観察・助言指導を依頼した。特別支援学校の講師と交流を図った。芦
屋市人権教育推進協議会と連携し、障がいや人権問題に関する学習会等を実施した。またその
参加について、広報誌などを通じて広くはたらきかけた。
　次に、各取組を実施したことによる効果について御説明します。アカウントのフォロワー数
や、投稿を見た人の数であるリーチ数に課題はあるものの、「ASHIYAみんなにやさしいお店
Instagram」アカウントの公開により、障がいの有無にかかわらず多くの人に合理的配慮につい
て考えるきっかけを提供できた。障がいのある人や高齢者との交流を通じて共生社会について
考え、障がい理解を深めさせることができた。障がいのある児童・生徒に対する理解を図るこ
とができた。授業中の学習課題や対応の仕方など、特別支援教育について研究を深めることが
できた。学習会を通して障がいのある人や家族の思いを知る機会の提供ができた。関係団体・
学校関係者等がつながる場となった。
　続いて「障がいのある人とない人の相互理解を深めるための事業の実施」について、令和５
年度の特徴的な取組内容を御説明します。芦屋大学のボランティアサークル及びリードあしや
と協働し、障がいの有無や世代にかかわらず交流を図ることができるような新たなイベントの
開催を検討した。ユニバーサルマナーをテーマにした交流・意見交換会を３回実施し、意思表
示マークを考え、缶バッジを芦屋市内で配布した。また様々な障がいについて、知的障がいや
発達障がいの疑似体験ワークショップを交えながら学習した。
　次に、各取組を実施したことによる効果について御説明します。芦屋大学などと協働し、
「春のぽかぽか運動会」を令和６年５月に開催することが決定した。交流・意見交換会には、
高校生からシニア世代まで延べ８２人が参加し、障がいのある人とない人がお互いを知る機会
となった。
　続きまして２点目、「合理的配慮の提供支援に関する施策」について、令和５年度の特徴的
な取組内容を御説明します。芦屋市社会福祉協議会への委託事業で、手話奉仕員養成講座（基
礎編）を開催した。要約筆記ボランティアサークル「要約筆記芦屋」と協働で、要約筆記体験
会を開催した。市内の聴覚障がいのある人に対して、「ＮＥＴ１１９」事業者の変更に伴う
「ＮＥＴ１１９」システム移行及び新規登録説明会を実施した。
　次に、各取組を実施したことによる効果について御説明します。手話奉仕員養成研修（基礎
編）を１０名が修了し、手話通訳ボランティアを育成することができた。要約筆記ボランティ
アサークルへの新規加入につながった。「ＮＥＴ１１９」の説明会により、既存利用者の理解
を深めるとともに、説明会の広報を実施することで、今まで利用していなかった人に対して
「ＮＥＴ１１９」のシステムの周知を行えた。
　続きまして３点目、「社会参画機会の拡大の取組」について令和５年度の特徴的な取組内容
を御説明します。障がいのある人を会計年度任用職員として採用した。兵庫ゆずりあい駐車場
制度及びヘルプマーク・カードについて、「広報あしや」を通じて周知・啓発に努めた。
　次に、各取組を実施したことによる効果について御説明します。障がいのある会計年度任用
職員を１４名採用し、法定雇用率２．６％を充足した。昨年度に比べ、兵庫ゆずりあい駐車場
交付申請数は約６０件、ヘルプマーク・カードの交付件数は約１５０件増加した。
　最後に４点目、「政策形成過程への当事者の参画」について、令和５年度の取組としては、
様々な附属機関の会議の場に障がい団体の方が委員として参加いただいたほか、「Ｎｅｔ１１
９」の説明会を開催したり、市内で工事を実施する際にその都度障がい団体を通じて工事内容
を発信していただいたりしました。
　それでは、以上の４点の取組への評価について御説明いたします。
　まず「芦屋市障がい者差別解消支援地域協議会」の欄を御覧ください。
　１点目の「障がい理解に関する施策」については、次のような御意見をいただきました。
　障がい理解のための疑似体験は、ただアイマスクをつける・車椅子に乗るのではなく、アイ
マスクをつけて歩く、車椅子に乗って道を移動する等、障がいのある人の視点を感じられるよ
うな臨場感のある体験を行ったほうがいいのではないか。「みんなにやさしいお店」登録事業
の店舗数が１０件以上増えたとのことだが、１０件程度の増加は多いと言えないのではないか。
社会教育部会について、保護者の体験談等を教えていただけて良かったという声が保護者から
多かった、といった御意見です。
　２点目「合理的配慮の提供支援に関する施策」については、対象事業に一つひとつ取り組む
ことの大切さ、数値で残す大切さを感じた、という御意見をいただきました。
　３点目、「社会参画機会の拡大の取組」ですが、会計年度任用職員の障がい者枠での採用に
ついて、所管課での評価の際、人数に加え障がい種別も書いてもらうことで、知的障がいのあ
る人が一般就労（障がい者枠）につながることの難しさが分かりやすくなると思う、という御
意見をいただきました。
　続きまして「障がい団体」の欄を御覧ください。
　１点目の「障がい理解に関する施策」については、次のような御意見をいただきました。
　「みんなにやさしいお店」登録事業は、良い内容だが、まだ周知が行き届いていない。登録
店舗に客が増えれば、もっと周知が進むのではないか。「ASHIYAみんなにやさしいお店
Instagram」を見る人も増えたらいいなと思う。
　障がいのある子どもの親は忙しく、携帯電話を１日に一度も開けないこともある。また高齢
の人もたくさんいる。そのような人たちにも届くような周知を考えるべき。
　視覚障がいのある人は、方向を示す際に「あちら」「こちら」という表現を使われると理解
できない。「右」「左」のように具体的な言葉で支援してもらうと助かる。
　認知症カフェについて、居場所としては良いが、そのカフェにいる人は認知症の人だと他の
人に知られてしまうのは問題では、という意見を聞いたことがある。障がいのある人の居場所
にも同じことが言えるのかもしれないので難しい。
　精神に障がいのある人のなかには、外には出られても、仲間と集まることが苦手な人もいる。
そのような人も外に出ていきやすいような社会参加の機会があればいいと思う。
　研修について、講師の経歴・能力・資格など、どのような人か分かる事項を記載してほしい。
　２点目の「合理的配慮の提供支援に関する施策」については、スマホ操作が苦手な人には
「ＮＥＴ１１９」の利用が難しいと思うが、今後デジタル化が進んでいくので障がいのある人
自身もデジタル化に慣れていく必要があると思う。合理的配慮提供支援助成事業について、店
舗における点字メニュー作成はあまり普及していないように思えるが、視覚障がいのある人の
ニーズがあることを理解してほしいという御意見をいただきました。
　３点目、「社会参画機会の拡大の取組」については、次のような御意見をいただきました。
　「芦屋市障がい者差別解消支援地域協議会」での意見として知的障がいのある人の就労が難
しいとあるが、工夫したらできるのではないかと思う。してほしい内容を本人が理解するまで
には時間を要するが、一度理解できればこなせる仕事もあると思う。勤務先に特性を知っても
らえれば活躍の場があるはず。本人の得意なことを上手に引き出して、市役所でいきいきと働
いている姿が見てもらうことが障がい理解につながるのではないか。
　障がいのある人を雇用する上で大切なのは、その人の能力をどのように生かせたか、どのよ
うな工夫をしたのか、働く本人はどのように感じたかなどの具体的な効果を検証することだと
思う。
　ヘルプマークの周知が進んでいることは助かる、知っている人は支援してくれる、といった
御意見です。
　以上、「芦屋市障がい者差別解消支援地域協議会」及び「障がい団体」から御意見をいただ
き、事務局としては、次の２つが必要なのではと考えています。１つ目は、各障がいの特性を
障がいのない人にもっと知ってもらうことです。２つ目は、各種事業の周知をもっと行ってい
くことです。
　本日、委員の皆様からいただく御意見も踏まえ、障がい者差別の解消に必要なことを洗い出
したうえで、今後の芦屋市障がい者差別解消支援地域協議会において具体的に何ができるかを
検討してまいります。
　
　………質疑応答………

（木下会長）
　皆様から御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
　ちなみに、本日は時間が許す限りお聞きするとして、もし後ほど意見が出てきた場合は、ど
のようにすれば良いでしょうか。
（事務局　今西）
　障がい福祉課の代表メールアドレス宛に御連絡お願いいたします。
（藤川委員）
　３点目、「社会参画機会の拡大の取組」の障がい者雇用について、会計年度任用職員の採用
人数が１４名とあります。人事課の方は我々のところにも相談に来られて、障がいのある人の
採用に向けて本当に一生懸命動かれたので、法定雇用率２．６％を達成できたのだと思います。
　ただ、法定雇用率は雇用促進法で決まっている最低限守らないといけない数字なので、芦屋
市共に暮らすまち条例の評価としてはどうか、と支援者としては思うところもあります。例え
ば知的障がいのある人への機会をどのように増やしていくのか、職種や人数をどのように増や
していくのか、そういった工夫が課題として気になるところです。
（中野オブザーバー）
　条例の評価について、障がい団体からの意見も当事者側に立った意見だとは思うものの、も
う一つ踏み込むとすれば、障がいのある人自身の意見を聞きたいです。例えば、障がい者差別
を受けたことがあるか、芦屋の暮らしのなかでどのような差別を感じたか、どのような生きづ
らさを感じたかなど、障がいのある人自身の声をどうすれば聞けるのかを模索できればいいな
と思います。計画相談は、計画を作成するだけではなく、生活に寄り添った基本相談をベース
にして障がいのある人と関わっているので、計画相談員は障がいのある人のしんどさを知って
いると思います。漠然としていますが、それを捉え直すことはできないのかなと思いました。
（木下会長）
　障がい者差別解消支援地域協議会では、ちょうどそういった事例を集約して、事例検討を実
施していけないかという話が出ています。事例として挙がってきたものに対してどのように調
整し対応していくか、そのことも今後の評価に入れられると良いのでは、という御意見ですね。
（福田委員）
　中野オブザーバーの御発言について、私も同意しながらお聞きしていました。
　もう一つ、障がい団体からの、認知症カフェの部分の御意見を聞いて思ったのが、他の人に
知られてしまうのが問題じゃないかという意識について、そう感じさせないような障がい理解
を目指していけたらと思っています。私たち支援者も頑張っているところですので、障がいの
ある人が他の人と違うと思わないような障がい理解につながる施策だと良いのかなと思います。
（木下会長）
　認知症については、内閣府で新しく大綱が出まして、共生と予防の両輪で推進をしていこう
ということで、希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し、地域で受け入れていこうとい
った方向性が示されています。障がい分野では、より以前から地域で受け入れていこうという
方向性が示されていますので、障がい理解を目指していけたらという福田委員の御意見は、お
っしゃるとおりだと思います。

(4)　第６期障がい福祉計画・第２期障がい児福祉計画の進捗状況の点検・評価について

（事務局　入山）
　資料４「第６期障がい福祉計画・第２期障がい児福祉計画進捗状況の点検評価について」御
説明いたします。
　２ページ目を御覧ください。
　芦屋市では、「障害者総合支援法」という法律に基づき、令和３年度から令和５年度の３か
年の計画として「第６期障がい福祉計画・第２期障がい児福祉計画」を策定し、サービスの提
供を実施してまいりました。この計画は、障がい福祉サービスや相談支援、地域生活支援事業
などについて、目標値・サービス提供体制の確保及び令和３年度から５年度までのサービス量
の見込みを定めた計画となっております。毎年１回、設定した見込みに対する実績等について、
この自立支援協議会で報告し、評価していただく位置づけとなっておりますので、今回御報告
させていただきます。
　市の数値目標は、国の方針に即し、７つの成果目標について取り組むということになってお
ります。まずはその７つの成果目標に関する取組について、それぞれ御説明いたします。
　２ページ目「１　施設入所者の地域生活への移行」については、国の方針として、施設に入
所されている方を対象として、地域で生活できるように移行を進めていくこととなっておりま
す。数値目標としては、入所者数がどれだけ減ったのかを見ていくことになっております。
　３ページ目を御覧ください。令和５年度の実績は５２人です。計画策定時の令和元年度は６
３人だったので、１１人の減少です。ただし、点検評価欄にも書いていますとおり、新規入所
者数も一定数あり、やはりセーフティーネットとしての施設は引き続き必要と考えております。
　続きまして「２　精神障がいにも対応した地域包括ケアシステムの構築」については、精神
障がいのある人も地域全体で支援していこうという方向性のもと、精神障がいのある人のサー
ビスの利用状況などについて数値目標を立てているものです。
　点検評価は４ページ目を御覧ください。「地域移行支援」という、精神科病院に入院されて
いる方の地域生活への移行を支援するサービスについて、令和５年度の利用実績は２人です。
そしてグループホームという障がいのある人が共同生活を行う住まいについては、令和５年度
の利用実績が１９人と、見込みを上回る利用状況でした。
　続きまして「３　地域生活支援拠点等が有する機能の充実」です。こちらは、障がいのある
人の高齢化や親亡き後を見据えた地域生活支援を推進する拠点を設置することが目標となって
おります。平成３０年度から芦屋市高浜町のライフサポートステーションを地域生活支援拠点
として位置づけているため、結果としては「整備済み」としております。ただし点検評価の記
載にもありますように、拠点機能の充実については、運用状況の検証などが未実施というとこ
ろで、拠点等の調整を行っていきたいと考えております。
　続きまして、５ページ目を御覧ください。「４　福祉施設から一般就労への移行」です。障
がいのある人の就労については、大きく分けると２つございます。１つは一般企業で働く一般
就労。もう１つは就労系サービスを利用される福祉的就労です。福祉的就労をされている方に
ついては、就労系の事業所でスキルなどを高めていただき、一般就労につなげていこうという
方向性がございます。その目標値としまして、令和５年度の目標は合計２７人を設定しており
ました。
　６ページ目を御覧ください。福祉的就労から一般就労につながった方の令和５年度実績は、
表の①・②・③の合計で２２人です。一般就労の数は、過去３か年を見ると２０人前後を行き
来している状況ですが、目標値を下回る結果となっております。これにつきましては令和７年
１０月から就労選択支援という新たな就労系サービスが新設される予定ですが、一般就労への
移行を促すためにも、本人に合った就労支援ができるよう、阪神南障がい者就業・生活支援セ
ンターなど関係機関との情報共有を図っていきたいと考えております。
　続いて「５　障がい児支援の提供体制の整備」です。後ほど御覧いただきますが、この３年
間、障がいのある児童のサービス利用がかなり増えております。その利用を支援するため、児
童発達支援センターの整備や保育所等訪問支援の体制の構築などを目標として設定しています。
資料のとおり、市としては支援体制の構築ができている状況です。医療的ケアの必要な児童を
支援するコーディネーターについては、昨年度から設置しています。
　続きまして、７ページを御覧ください。「６　相談体制の充実・強化」につきまして、目標
値は全て整備済み・実施済みとしております。相談支援については障がい者相談支援事業所を
福祉センター内に集約し、基幹相談支援センターや関係機関とも連携しながら必要な支援に結
びつくよう実施しております。
　「７　障がい福祉サービスの質を向上させるための取組」につきましては、県が主催する研
修や基幹相談支援センターが実施する研修などへの参加を通じて、障がいのある人への支援方
法や理解の促進につなげました。
　続きまして、８ページを御覧ください。「障がい福祉サービス等見込み量の点検・評価」で
すが、時間に限りがございますので、幾つかピックアップして御説明いたします。
　まず１つ目は、「（１）訪問系サービス」です。こちらは、自宅にヘルパーが来て支援する
ようなサービスです。表では、目標値を白抜き、実績値をグレーの太字で記載しています。令
和５年度の一月当たりの平均利用時間は、目標値が４，４５４、実績値が６，４１９です。ま
た、令和５年度の一月当たりの平均利用人数は、目標値が１５７、実績値が１８４です。令和
５年度は計画値を大きく超える利用実績になっております。増加要因としましては、居宅介護
を利用される方が年々増えていることに加え、令和５年度は重度訪問介護を利用される方が例
年に比べて増えたこと、それから新型コロナウイルス感染症の５類移行の影響で利用者と事業
所とのマッチングがしやすくなったことが考えられます。ただし、例年の課題ではあるのです
が、ニーズが増える一方で介護人材が不足していて、思うように利用できないという声もいた
だいており、提供体制の確保も今後引き続き研究していく必要があると考えております。
　続いて２つ目、「（２）日中活動系サービス」です。８ページから９ページにかけて実績値
を掲載しております。表では、目標値を白抜き、実績値をグレーの太字で記載しています。こ
こでポイントは、短期入所の利用日数・利用人数の増加が加速しているという点です。１０ペ
ージの点検・評価にも記載していますように、レスパイトでの利用やグループホームへの入居
を見据えた利用が増えていると感じており、その影響で今後も増加していくと考えられます。
　また、先ほど就労系サービスについて御説明しましたが、就労系サービスの利用も相当増え
ており、特に就労継続支援Ｂ型という作業工賃をもらう体系のサービスの利用がかなり伸びて
いるという状況です。点検・評価欄にも記載しておりますが、新型コロナウイルス感染症の流
行を契機に認められた就労継続支援Ｂ型の在宅支援が、対面や集団での作業・通所に課題があ
る方の受皿にもなっております。就労系の事業所は、芦屋市だけでなく近隣市でも年々増えて
おりまして、訓練形態も多様化しているということですので、今後も引き続き就労系サービス
の利用は増加していくと考えております。
　続いて３つ目、「居住系サービス」と「相談支援」です。グループホームの一月当たりの平
均利用件数も、この間増加しております。１１ページに記載していますように、近隣のグルー
プホーム自体が増えている状況で、自立した生活を支援する場として今後も増加していくと考
えております。そしてサービス利用のために相談支援専門員に利用計画を立てていただく「相
談支援」についても、サービス利用数と比例する形で、年々増加しております。障がい福祉サ
ービスの支給決定数が、令和２年度末は５５０人程度だったのが、令和５年度末には６５０人
程度と、３年で１００人ほど増えている状況であり、今後も利用者数は増えていくと考えてお
ります。
　続きまして４つ目、「障がい児支援」です。障がいのある児童の主なサービスとしまして、
未就学児の療育等の訓練をする児童発達支援、そして１８歳までの就学児の療育等を行う放課
後等デイサービスがありますが、令和５年度は計画値を大きく超える実績値となっており、こ
ちらも増加していくところだと考えております。
　続いて１２ページ「地域生活支援事業」を御覧ください。地域生活支援事業とは、障がいの
ある人が地域で生活するために、地域の特性や障がいのある人の状況に応じて市が実施する事
業になります。こちらも、時間に限りがございますので、幾つかピックアップして御説明いた
します。
　３番の「相談支援事業」については、先ほども「６　相談体制の充実・強化」で触れたとお
り、基幹相談支援センターを中心に、困難ケースなどに対応しております。
　１３ページを御覧ください。４番の「成年後見制度利用支援事業」については、令和２年度
と比較しまして、成年後見制度を利用されている方は増えている状況でございます。
　続いて、１５ページを御覧ください。８番の「移動支援事業」は、障がいのある人の必要な
外出、余暇活動を支援する事業です。点検・評価にも記載しておりますが、年々利用は増えて
いたものの、新型コロナウイルス感染症の感染症拡大に伴い外出機会が減ったため、一時的に
は減少しました。しかし新型コロナウイルス感染症の５類移行後、利用状況は回復しつつあり、
令和５年度の実績は、令和４年度と比較して２，０００時間ほど増加しております。今後も増
加が見込まれるため、引き続き相談員等と連携しながら支援していきたいと考えております。

(5)　障がい者（児）福祉計画第７次中期計画の中間評価の実施について

（事務局　近藤）
　お手元に「障がい者（児）福祉計画第７次中期計画」の概要版冊子を御準備ください。
　１ページを御覧ください。この中期計画は、障害者基本法に基づくものであり、障害者総合
支援法と児童福祉法の基本理念に基づき策定されております。
　２ページを御覧ください。計画期間は令和３年度から令和８年度までの６年間となっており、
先ほど議題４で御説明した「障がい福祉計画・障がい児福祉計画」との関係は、図のとおりで
す。
　本計画では、基本理念「障がいのある人もない人も、住みなれた地域で自分らしく輝いて暮
らせるまち　芦屋」の実現に向けて４つの基本目標を掲げております。
　３ページを御覧ください。基本目標は、「基本目標１　地域で安心して生活できる基盤づく
り」「基本目標２　共に学び共に地域で活動できる体制づくり」「基本目標３　適正に応じて
能力を発揮し、いきいきと働くことができる環境づくり」「基本目標４　権利が尊重され、安
心して暮らせる環境づくり」となっております。
　４ページを御覧ください。基本目標の各施策に対する取組が示されております。各取組の中
で、事業の方向性として、新たに実施する取組を「新規」、さらに質や規模を充実させる取組
を「拡充」、引き続き実施していく取組を「継続」としています。また、４つの基本目標それ
ぞれに重点プロジェクトを設けております。
　今回は４つの基本目標に沿って、重点プロジェクト施策の取組を中心に、令和３年度から令
和５年度の前半３年間の取組を中間評価として御報告します。
　それでは、各事業の実施状況を御報告します。資料５－１から５－４を御準備ください。
　こちらの資料は、令和３年度から令和５年度の各事業の進捗状況と目標の達成状況について、
各課・各関係機関で評価したものです。達成状況の基準は、「課題達成」「予定どおり進行中」
「予定より遅れている」「着手できていない」の４つです。このうち「予定より遅れている」
「着手できていない」という場合には、一番右の行に理由の記載があります。重複している事
業も含めて１５０事業あるうち、「課題達成」となっておりますのが全体の１．３％、「予定
どおり進行中」は９７．４％、「予定より遅れている」は１．３％、「着手できていない」は
０％となっております。１５０事業ございますので、それぞれの取組については、重点プロジ
ェクトの事業を中心に御説明します。
　それでは、まず資料５－１を御覧ください。
　「基本目標１　地域で安心して生活できる基盤づくり」の重点プロジェクトは「障がい者基
幹相談支援センター機能の充実」です。該当するのは、資料５－１の２ページの５番です。こ
の３年間に新たに取り組んだこととしましては、これまで研修や会議のお声かけが市内の相談
員に限られていたところを、市外の相談員にも広げております。また、地域移行支援、地域定
着支援の取組状況としましては、令和３年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため、
病院訪問を行うことはできませんでしたが、令和４年度は地域移行支援に関するチラシを作成
し、長期入院患者がおられる医療機関へ送付しております。令和５年度は近隣の精神科病院に
対し、事業対象者の有無を電話で照会し、いらっしゃるという回答があった医療機関を訪問し、
令和２年度に作成した地域移行支援の動画を対象者に視聴していただきました。また、芦屋健
康福祉事務所・障がい者基幹相談支援センター・市の３者で、芦屋管内精神障がい者地域移行
地域定着支援推進会議実務者会を年３回開催し、現状や今後の方向性について共有しておりま
す。
　では、こちらの第１節の中の新規の取組として、医療関連施策の充実の中にあります「地域
における医療的ケア児の支援体制の整備」について御報告いたします。
　資料５－１の１７ページを御覧ください。
　先ほど議題４でも御報告しましたが、令和３年度に市内の医療的ケア児に関わる方と庁内の
関係機関による医療的ケア児支援協議会を立ち上げ、課題とその対応策について検討を行って
おります。また、令和５年度に医療的ケア児等コーディネーターを配置し、支援体制の強化を
進めております。
　また、芦屋市内の民間保育施設への入所を希望する幼児及び在籍している幼児について、主
治医より集団保育が可能とされている幼児の医療的ケアの実施に関し、相談や申請があった場
合は、要綱に基づき実施の可否を協議・検討し、決定をしております。また実施決定された後
は、保護者が当該施設・主治医・ほいく課等関係機関と連携しながら集団保育の中で安全に過
ごせる体制を整えております。また、年２回医療的ケア児保育支援会議の実施、年１回医療的
ケア児に関する研修会を開催し、職員の理解を深め、支援体制の充実を図っております。保育
施設での医療的ケア児の受入れ実績は、各年２人から３人です。
　幼稚園でも受入れを行っており、芦屋市立幼稚園の入園を希望している幼児及び在籍してい
る医療的ケアが必要な幼児について、ガイドラインに基づき委員会を開催し、協議・検討し、
介護職員の配置の決定を行っております。幼稚園側も、主治医・保護者・関係機関と連携しな
がら体制を整えております。こちらも研修や会議等を行い、医療的ケア児の理解を深める体制
の充実を図っております。公立幼稚園での医療的ケア児の受入れ実績は毎年１人から２人です。
　続きまして、資料５－２を御覧ください。
　「基本目標２　共に学び共に地域で活動できる体制づくり」の重点プロジェクトは「「あし
やねっと」を活用した障がいに関する普及啓発」です。該当するのは、資料５－２の１ページ
目、３番です。令和５年度に「あしやねっと♪」のサイトをリニューアルし、従前よりも見や
すくなっております。令和６年度以降は自立支援協議会の専門部会で作成しておりますライフ
ステージ年表との連動や、障がいのある人の居場所の紹介、コラム等の掲載をしていく予定で
す。
　また基本目標２に含まれる取組として「福祉教育の活動への支援」を取り上げて御説明しま
す。資料５－２、６ページの２番を御覧ください。こちらは、芦屋市社会福祉協議会の取組で、
幼稚園・保育所・認定こども園・小学校・中学校・高等学校において、総合的な学習の時間な
どを活用し、視覚障がいや聴覚障がいのある人といった当事者の方の講話や、車椅子・アイマ
スク体験、「この町がすき」の手話歌の練習訪問等を実施しております。
　続きまして、資料５－３を御覧ください。
　「基本目標３　適正に応じて能力を発揮し、いきいきと働くことができる環境づくり」の重
点プロジェクトは「就労に関する企業啓発活動の推進」です。該当するのは資料５－３の１ペ
ージ、１番です。こちらについては毎年障害者雇用就業ネットワーク会議を開催し、就労にお
ける情報共有を図っております。また、市のホームページにて障害者雇用奨励金の周知も行っ
ております。こちらの奨励金の助成件数及び助成額につきましては、令和３年度・４年度がそ
れぞれ３件１８万円。令和５年度が２件１２万円となっております。
　また、基本目標３に含まれる取組として「市役所における障がいのある人の雇用」を取り上
げて御説明します。資料５－３の２ページ、１０番と１１番を御覧ください。これまで市役所
では、チャレンジド雇用として障がいのある人の短期雇用を実施しておりましたが、短期雇用
に限定せず、人事課にて会計年度任用職員の障がい者枠での採用を実施し、障がいのある人も
庁内で共に働くことにより、職員の障がい理解を深めることができております。市役所内で雇
用されている障がいのある人の人数及び雇用につきましては、令和３年度は正規職員２０人、
会計年度任用職員が２２人、雇用率が２．６％。令和４年度は正規職員１６人、会計年度任用
職員２５人、雇用率が２．９４％。令和５年度は正規職員１５人、会計年度任用職員２７人、
雇用率が２．６８％と、毎年法令上の雇用率である２．６％を上回っている状況です。
　続きまして、資料５－４を御覧ください。
　「基本目標４　権利が尊重され安心して暮らせる環境づくり」の重点プロジェクトは「「芦
屋市障がいを理由とする差別のない誰もが共に暮らせるまち条例」に関する取組の推進」です。
先ほど議題３でも御報告しましたが、こちらでも取組内容を御報告いたします。
　資料５－４の２ページ、７番を御覧ください。
　令和３年１月より、民間事業者に対し「合理的配慮提供支援助成事業」を実施しております。
また令和５年度より合理的配慮の提供を行う店舗等の登録を行い、当該店舗へのポップの配布
及びホームページで周知する「芦屋市みんなにやさしいお店登録事業」を開始しております。
また、保健福祉センターのエントランスにて障がい理解や合理的配慮に関するパネル展を開催
したり、市民の合理的配慮の提供に関する理解を深めるため、芦屋市の広報番組「あしやトラ
イあんぐる」にて、差別解消法の改正や「芦屋市みんなにやさしいお店登録事業」の特集を放
送したりと周知に努めました。また、令和６年４月に差別解消法の改正により民間事業者によ
る合理的配慮の提供が義務化されたことを受けて、「芦屋市障がいを理由とする差別のない誰
もが共に暮らせるまち条例」も併せて改正したため、条例周知用のパンフレットの内容の見直
しも行っております。
　また、基本目標４には安心して暮らせるということも含まれておりますので、「緊急・災害
時要援護者避難支援体制の確立」についても御報告いたします。５ページの５番を御覧くださ
い。こちらにつきましては、令和４年度に要援護者台帳の運用及び様式の見直しを行い、登録
者の情報を平常時にも提供できるように変更しております。
　第７次中期計画は、今年度を含む後半３年間も、引き続き取組を推進してまいります。
　
　………質疑応答………

（木下会長）
　議題４、議題５について、質問等があればお願いします。
（藤川委員）
　ほとんど「予定どおり進行中」ということで素晴らしいと思います。
　資料５－１の７ページ、８番が「予定より遅れている」ということの理由が「機能の充実を
図るため、関係機関と情報共有を行ったが、運用の検証・検討には至っていない。」とありま
すが、これの検証・検討に至らなかったという理由について、御説明いただけますか。
（事務局　川口）
　ライフサポートステーションとは、年１回、事業内容の報告や、それを受けての助言はさせ
ていただいておりますが、機能の充実というところの検証までは話ができていないというのが
現状です。どういった内容で検証していけば良いか、他市の状況なども研究しながら、今後３
年間で検証・検討できるように進めてまいりたいと思っております。
（藤川委員）
　特に緊急時の受入れが、障がいのある人の親御さんとしては一番大事なところだと思います
ので、よろしくお願いします。
（木下会長）
　地域生活支援拠点そのものが２４時間体制で緊急時に対応できるというところが非常に重要
な点で、形としてはあるものの、ニーズに沿って実施されているかどうかにまだ評価軸がない
というところですね。
　それでは時間が押していますので、一旦ここで区切りとします。もし御意見がありましたら、
メールで事務局へ御連絡ください。
　

(6)　その他
　
（事務局　川口）
　次回は来年の３月に開催を予定しております。また事前に日程調整させていただきますので、
よろしくお願いいたします。
（木下会長）
　では最後に、三芳副会長より閉会の挨拶をよろしくお願いします。
（三芳副会長）
　お疲れさまでした。貴重な御意見をたくさんいただきましてありがとうございます。本日、
福祉計画を見ていて、私自身、恥ずかしながら初めて知る部分もあり、皆様もおありだったか
もしれません。自立支援協議会の実務者会・専門部会の取組や、本日御報告のあった福祉計画
の内容について、ぜひ周囲の皆様にも周知していただき、障がい分野を取り巻く環境の向上や
障がい理解の向上につなげていきたいと思いますので、今後とも御協力よろしくお願いいたし
ます。本日、年末のお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございました。
　（木下会長）
　それでは、以上で第２回芦屋市自立支援協議会を終了します。
　
以　上
－1－