■令和2年度第2回 芦屋市自立支援協議会 会議録 ■日時 令和2年12月22日 火曜日 午後1時30分〜午後3時00分 ■場所 消防庁舎3階 多目的ホール ■会  長   堺 孰 副 会 長   木下 隆志  委  員  土田 陽三  仲西 博子  丸山 千尋  藤永 紀代美        田淵 雅樹  藤川 喜正  芦田 朗子  木村 嘉孝 朝倉 己作  齊藤 登 岡本 直子  加納 多惠子 脇  朋美  三芳 学  古結 香南  津田 美穂 天羽 加織   齋藤 正樹  福田 晶子  安達 昌宏 欠席委員   松本 有容  事 務 局   柏原 由紀  長谷 啓弘  川原 聖貴  高橋 和稔 関 係 課   地域福祉課  山川 尚佳  中山 裕雅  吉川 里香        子育て推進課 小川 智瑞子 ■事務局 障がい福祉課 ■会議の公開 公開 ■傍聴者数 5 人 ■1 会議次第  (2) 会長挨拶  (3) 議事    @移動支援事業の見直し(案)について    A実務者会及び専門部会活動報告について    B地域移行支援の動画について    C芦屋市障がいを理由とする差別のない誰もが共に暮らせるまち条例の施行について    Dその他  (4) 閉会   ■2 提出資料 資料1 芦屋市自立支援協議会委員名簿 資料2 移動支援事業の現状及び課題と今後の方向性について 資料3−1 自立支援協議会実務者会の進捗状況について 資料3−2 自立支援協議会専門部会の進捗状況について 資料4−1 芦屋市障がいを理由とする差別のない誰もが共に暮らせるまち条例 資料4−2 芦屋市ガイドブック(案)            ■3 審議経過 (1)移動支援事業の見直し(案)について 事務局より,移動支援事業の見直し(案)について説明 (堺会長) 只今,事務局より移動支援事業の見直し(案)の説明をいただきました。こちらの資料には,具体的な数字を示してくださっているので,かなり事務局で熟慮されたものではないかと思います。今後の方針についても説明いただいておりますが,本人に付き添って移動支援を実施するには,事業所の協力が不可欠です。事業所の代表をされている福田委員からご覧になって,ご意見やご感想はありますか。 (福田委員) 今まで市のガイドラインを拝見したことがなかったので,一定の基準があるということは必要だと思います。 ただ,芦屋市としては個別性に応じた事業にしたいという思いがあると思っていますので,先ほど事務局から説明がありましたように,標準的な基準があり,本当に必要な方には60時間を超えて支給決定するというこれまで通り個別性に応じた考えも残してほしいという思いがあります。 支援の帰着点に関しては,範囲を拡大すること自体は構わないと思います。ただ,利用者の視点では良い改正に思えますが,事業所から見ると,目的地までどのようにしてヘルパーを派遣するのか,目的地までの時間は事業所の持ち出しになるのか,という問題点もあり,そのあたりは今後課題になってくるのかなと感じています。 それと,宿泊を伴う支援について,事前にサービス等利用計画内に宿泊支援の必要性が位置づけられていますが,移動支援のみ利用している方に関しては,相談支援事業者がついていないケースもあると思います。そのような方は誰がサービス等利用計画を立てるのかというところは課題が残ります。事業所はあくまで個別介護計画は立てますが,サービス等利用計画は立てませんので,そういった部分は今後どのようにしていくのかなと感じました。 また,宿泊先を自宅とみなすと記載されていますが,宿泊先に到着した後の食事,入浴,排せつ,見守り等に対して居宅介護サービスは利用可能なのでしょうか。あと,ガイドヘルパー自身の交通費と宿泊費は,利用者が負担するのか,事業者が負担するのかというところも疑問に思います。 (堺会長) ありがとうございました。 ガイドヘルパーを利用する場合,相談支援事業者を通さずに利用する場合もあるかと思いますが,大抵の場合は計画相談を通して事業者に働きかけて,事業者からの要望を利用者につなげていき,そしてサービスの利用が承認されるという流れではないかと思います。実際に相談に携わっているみなさまから見て,この移動支援についてご意見やご感想はありますか。 (天羽委員) 先ほどの福田委員のご意見の中で,移動支援のみを使っている,いわゆるセルフプランの方がサービス等利用計画を立てられないという点につきまして補足させていただきます。移動支援のみをご利用の方は一般相談で関わらせていただいておりますので,サービス等利用計画の作り方をご存じではない方にはアドバイスさせていただいている状況であります。ただ,そこで宿泊等をご希望された場合には,どのように計画を立てればいいのか難しい部分はあるかもしれません。 (津田委員) 私が関わっているケースですが,ご家族の方はヘルパーさんとの引き継ぎをしたいけれども,利用者と家族との関係性で,家族の顔を見た瞬間に暴れてしまうという方がいらっしゃいます。どこへ行くにもヘルパーさんを介さないと動きがとれない等,利用者・家族の方にはいろいろ事情がありますので,福田委員のご意見の中で,個別性を大事にして欲しいという点については私も賛成です。一旦60時間という標準的な利用時間はできるものの,障がいの状況・家族の状況によっては60時間を超える必要がある場合には考慮いただければと思います。 (堺会長) 事務局に伺いますが,今回の説明では,公費負担額の伸び率が高くなっていることにより,移動支援サービスを今後も市の事業として継続していくことが難しいということでしょうか。 (事務局 長谷) 近年,サービスを利用される方は増加していますので,実情としては公費負担額の伸び率は年々高くなっています。ただ,公費負担額を今よりも減少させたいと考えているわけではなく,今後も公費負担額が伸びていくことは見込んだ上で,その上昇率を緩やかにしたいと考え今回の案を出させていただいております。 先ほど,標準利用時間の話もさせていただきましたが,移動支援だけで考えるのではなく,他の障がい福祉サービスも利用しながら,まずはこの60時間になるようなサービス等利用計画を作成していただきたいということです。 (堺会長) 表から読み取れることは,知的障がいの方の伸び率が非常に高いですね。全体の6割程度を占めています。増加している原因はありますか。 (朝倉委員) 知的障がいのある人と関わりのある私から言わせていただきますと,私は積極的に移動支援事業を利用するように育成会の会員には言っております。 理由としましては,知的障がいのある人の持っている能力を高めるためには,まずは社会性を高める必要があります。社会性を高める方法で一番効果のあるサービスが移動支援になります。 それともう一つ,利用者が増えている理由は親の高齢化が原因だと分析しています。従来は親が子供のことを見ていたとしても,年齢を重ねますとそれができなくなります。そこを補うという意味において移動支援を利用することが必要だと考えています。これらの点から,知的障がいのある人の利用は今後もっと増えると思っております。 (堺会長) ありがとうございました。全国レベルでも知的障がいのある人が取得している療育手帳の所持者数がこの2,3年で急激に伸びています。移動支援サービスは,知的障がいのある人からすると社会生活上必要不可欠な事業だということが分かりました。ただ,事業を持続可能なものとするためにも,少しでも上昇率を緩やかなものにしたいということもあると思います。他の方々はいかがですか。 (木村委員) 障がい福祉サービスの種類は障がいの程度によって決まっています。障がい福祉サービスの中身を見てみますと,知的障がいのある人の場合は行動援護を利用することになると思いますが,移動支援とどこが違うのでしょうか。今芦屋市で行動援護はどのぐらい利用されているのかという点と,具体的にどのような使い方をされているのかを教えてください。 (事務局 長谷) 行動援護ですが,芦屋市における支給決定者数はごく少数となっておりまして,おそらく1件だったと記憶しております。なぜここまで少ないのかと言いますと,行動援護の利用対象者は,認定調査で行動障がいやコミュニケーション障がい,てんかんなどに点数をつけていき,その点数が高い人が利用できるサービスとなっておりますので,まずは利用対象者自体が少ないというのが1点。 そして,そもそも行動援護の事業指定を受けておられる事業所が近隣にあまりないという状況があるのがもう1点になります。おそらくこちらの理由の方が大きいと感じています。そういった状況もありますので,行動援護のサービス利用者数自体が伸びていません。 (木村委員) 芦屋市には障がい福祉サービスの事業所が少ないので,少なくとも時間の制限だけはやめて欲しいということをお願いしたいです。また,これまで通り本当に必要な方には必要な時間を与えていただきたいと思っております。障がいの種類や程度によって使える制度がそれぞれ違っているというところにも,大きな問題があると思っております。サービスの提供は,各市町の考え方で自由に運用ができると理解しておりますので,弾力的に運用していただきたいと思っております。 (齋藤委員) 資料を確認しますと,移動支援事業の公費負担の推移で一番伸び率が大きいのは知的障がいのある人だとわかります。知的障がいのある人は60時間以上と80時間以上の人数が非常に多いと思います。ただ,この中には先ほども説明いただいたように親と当事者の方の関係性でどうしてもヘルパーさんじゃないといけない方もいらっしゃると思いますので,個々のケースに応じて検証していけば,かなりの人は下げてもらえる可能性があるのではないでしょうか。まずは個々具体的に検証していくことで,例えば他のサービスと組み合わせて下げることができる方がおられるのではないかと思います。 (堺会長) 木村委員のご意見とは違う角度からですが,「芦屋市障がいを理由とする差別のない誰もが共に暮らせるまち条例」の中でも市の責務が書かれていますが,やはり限界があります。したがって,ここまで公費負担をすることが一般市民の理解が得られるかどうか,ここは課題だと感じています。 三芳委員は,今まで相談業務に携わる中で移動支援の実態を見られていると思いますが,ボランティア等の導入など他のサービスで工夫する余地があるのではないかとお考えでしょうか。 (三芳委員) 今回ガイドラインができたことは,相談員としては非常にありがたいところですし,拡大解釈になったというところも非常にありがたいなと感じております。 一方で,現状としては児童に対する支援が非常に多くなってきておりまして,特に放課後等デイサービスの利用が非常に多いです。放課後等デイサービスでは6時頃まで支援してくださって,その後送迎で家に送り届けてくださるという支援になっています。そういった方々が,今後18歳を迎え支援学校等を卒業され就労継続支援A型やB型事業所に通所していくとなったときに,通所先での支援が終わるのは3時や4時頃になりますので,その後ご本人が自宅に戻られてから両親が帰ってくるまでの時間をどのように過ごすのかというところで,移動支援のニーズ自体は今後も増えてくるのではないかと思っております。 今日説明いただいた話では,予算の問題もあり,また,事業所からしても移動支援を多く利用された場合にすべて対応することは人的に難しいと思っております。そうした状況で今後日中に支援してくださる居場所がもっと必要になってくると思っております。日中一時支援やショートステイなども含め,他のサービス事業所を今後どのようにして増やしていくのかというところをこの自立支援協議会でもう少し協議していく必要があるのではと思っております。 (堺会長) 平成27年と令和元年を比較した移動支援事業の公費負担額の資料に,参考資料として訪問系サービスや生活介護や就労系サービスなどの推移も書かれております。これらは,サービスの後ろに「事業」という文言を入れると理解しやすいのですが,サービスを行うには必ず事業者が必要です。   この5年間の伸び率というのを深読みしますと,ちょうど昨日,厚労省も含め国全体の予算額が示されましたが,その中の障がい福祉に対する予算の伸び率を芦屋市の予算の伸び率と比較しますと,芦屋市だけが突出して事業予算が増えているようには感じませんでしたので,国全体として伸びている状況は同じなのだと思います。 しかし,このまま事業が継続していけるかどうかということは真摯に受け止める必要がありますし,工夫を検討するのが我々委員の役目ではないかと思います。要求するべきことはもちろん要求しますが,全体のバランスも考えないと事業所にとってマイナスになるかもしれませんので,議論を積み重ねていきたいと思いますが,いかがでしょうか。 (事務局 長谷) 数々のご意見ありがとうございます。本日,多くのご意見をいただきましたので,一度事務局で持ち帰ります。また今後各団体にも足を運ばせていただいて,ご意見をいただければと考えております。 冒頭に福田委員から何点かご質問をいただいておりましたので,回答できる範囲については回答させていただきます。1つ目が,事業所からすると目的地までどのようにヘルパーを派遣するのか,目的地までは事業所の負担になるのか,という点です。確かに今回検討する過程において,利用者の方の目線でしか考えてなかったということを痛感しているところです。事業者目線も含めて,今後どのようにしていくかを考えていきたいと思っております。 2つ目の宿泊に関するご質問ですが,実際に宿泊先まで行って,そこから居宅介護の利用が可能かという内容でしたが,他市で実施に宿泊を認めている市に対して同じような件で照会をしておりますが,そこの部分は認めていないという回答でした。宿泊先では宿泊先の支援が受けられるというのがその理由となりますが,今後,どのような取り扱いにしていくのか,例えば何時までは認めるというように明確に時間で区切るのか,その辺も含め検討していきたいと思っております。 同じく宿泊に伴うガイドヘルパーさんの交通費や宿泊費の話ですが,ここについては利用者の自己負担と考えております。以上です。 (堺会長) ありがとうございました。我々もアイデアがあれば出したいと思います。木下副会長,何かご意見はありますでしょうか。 (木下副会長) ガイドラインは尼崎市・宝塚市・伊丹市等,概ねどの自治体でも作られていますので,芦屋市は後発になりますがガイドライン策定の話が出てきました。60時間は標準的な利用時間であり上限ではないと説明されていますが,実際に運用するときにはやはり60時間という制限ができてしまうと思いますので,その中で先ほどの60時間を超える方の判定をどのようにしていくのか,その辺の基準を改めて話し合う機会が必要なのかなと思いました。 (堺会長) 先ほど,入所施設のガイドヘルパー利用について,私は,本来は間違っていると思います。地域移行を条件としてガイドヘルパーを一部使っている市もありますというご説明でしたが,知的障がいのある人の特性をご存じない人が考えられたガイドラインだと思います。知的障がいのある人は1日や2日の訓練でグループホームの生活に馴染むとは限りません。最低1週間ぐらいは様子を見ないと,事業者側もその子の状況がわからないと思います。入所型施設が移動支援を使うということは,本来入所型施設の力で相手のグループホームとよくコミュニケーションをとっていただいて,その特性を理解して支援しなければ無理な気がします。 移動支援の中核を担っているのは相談員の方々ですので,ぜひ今後相談員の方々にもヒアリングを実施してほしいと思います。 他にご意見はありますか。ないようですので,次の議題に移りたいと思います。 (2)実務者会及び専門部会活動報告について 三芳委員より「実務者会及び専門部会活動報告について」説明 (堺会長) ありがとうございました。 持続性や継続性と,委員の固定化という問題は相反したことです。したがって一人ひとりの委員が,1年単位ではありますが,次にバトンタッチできるような熱意を持った委員会になっているのか,回数は適当か,あるいは使命感というものがあるのか,まずは自分自身で振り返りをしていただく必要があるのかもしれません。 そして,ボランティアの育成・活用と簡単に言いますが,動画を作って完成ではなく,誰にどのように見てもらうのか,作った先を考えていただきたいです。各施設も苦労しているということと,施設はボランティアなしではやっていけないこともたくさんありますので,施設の実情を理解し,ボランティアを養成することが必要です。 (三芳委員) ありがとうございます。ご指摘いただいたように誰にどのように動画を見せるのかということについて,もう一度検討していきたいと思っております。 今回,専門部会ではひょうごボランタリープラザの方にアドバイザーで入っていただき,実際に現場でボランティアを派遣する高校や大学にも参加いただいておりますので,そういった方々のご意見や,今日の本会議の皆様のご意見をふまえて,より良いものを作っていけたらなと思います。ありがとうございます。 (3)地域移行支援の動画について 三芳委員より「地域移行支援の動画について」説明 (堺会長) 何か感想はありますか。 (仲西委員) これはどなた向けに作成した動画ですか。 (三芳委員) 実際に長期入院をされている,精神科病院入院中の患者さん向けに作成をしたものになっております。2つの動画を作成し,そのうちの1つを見ていただきました。 (4)芦屋市障がいを理由とする差別のない誰もが共に暮らせるまち条例の施行について 事務局より「芦屋市障がいを理由とする差別のない誰もが共に暮らせるまち条例の施行について」説明 (堺会長) ありがとうございました。 実際に関わられた木下副会長は何かご意見ありますでしょうか。 (木下副会長) ありがとうございました。皆様のご協力のおかげでようやく条例ができまして,本当にうれしいことに,このガイドラインの一番後ろのところにあるコミュニケーションツールなどの合理的配慮の提供に助成がつくという制度があります。これを使っていただいたお店や事業所には,障がい者差別解消に理解のある優しいお店ですというようなステッカーを貼ったり,芦屋市内でどんどん広げていければいいなと思っております。 (堺会長) ありがとうございました。 それでは,事務局からその他として何かありますか。   (5)その他 (事務局 柏原) 本日はありがとうございました。次回の自立支援協議会につきましては,令和3年3月25日(木)午後1時半からの開催を予定しております。 また,12月議会で計画の案につきましてご報告をさせていただいておりまして,現在パブリックコメントを募集しております。何かご意見等がありましたら,パブリックコメントとして承りたいと思っておりますので,忌憚のない意見をどうぞよろしくお願いいたします。 事務局からは以上です。ありがとうございます。 (堺会長) ありがとうございました。 (齋藤委員) 3月25日に自立支援協議会を開催しますが,先ほどの見直しに向けた今後のスケジュールで,2月中旬に方針確定とありますので,方針については会長に一任する形でいいと思いますので,方針確定の際は必ず会長に承認をとってください。そして,最終方針の説明ではなく,確定したものを3月25日にご報告いただくというかたちでお願いいたします。 (事務局 柏原) ご意見ありがとうございます。そのかたちで進めさせていただきたいと思いますがよろしいでしょうか。 一同意見なし (堺会長) それでは第2回芦屋市自立支援協議会を閉会します。ありがとうございました。 以 上