令和2年度 第2回 芦屋市障がい者差別解消支援地域協議会 会議録 日  時  令和2年11月13日 金曜日 午後1時30分〜3時00分 場  所  南館4階 大会議室 出 席 者  会  長  木下 隆志       副 会 長  森川 太一郎       委  員  福島 貴浩  杉江 東彦  土田 陽三  井岡 祥一               北尾 文孝  杉田 倶子  能瀬 仁美  朝倉 己作               齊藤 登    山中 厚子  中山 裕雅  藤永 紀代美              草野 智和  脇 朋美   藤川 喜正  安達 昌宏       欠席委員  田中 友已  三芳 学     事 務 局  障がい福祉課 柏原 由紀  長谷 啓弘  川原 聖貴 高橋 和稔   関 係 課  地域福祉課  山川 尚佳  吉川 里香       子育て推進課 小川 智瑞子 そ の 他  議事の関係者(身体障害者福祉協会 金井 陽子) 事 務 局  障がい福祉課 会議の公開 公 開 傍聴者数  0 人 1 会議次第 (1)開会   開始時点で20人中18人の委員の出席により成立 (2)議事   ア コミュニケーション・ボード(案)について   イ ガイドライン(案)について  (3)その他   ア 周知等について   イ その他 (4)閉会    2 提出資料 資料1 芦屋市障がい者差別解消支援地域協議会委員名簿 資料2 芦屋市障がい者差別解消支援地域協議会設置要綱 資料3 店舗等の利用を想定したコミュニケーション・ボード(案) 資料4 【災害版】芦屋市コミュケーション支援ボード(案) 資料5 ガイドライン(案) 当日配布資料1 【資料3】店舗等の利用を想定したコミュニケーション・ボード(案)追加資料 当日配布資料2 【議題1関連資料】コープこうべ店舗設置予定コミュニケーション・ボード 当日配布資料3 【議題2関連資料】ガイドライン(案)画像イメージ 3 審議経過 (1)コミュニケーション・ボード(案)について    事務局より,「コミュニケーション・ボード(案)」について説明 (事務局 柏原)  配布しております資料3のコミュニケーション・ボード(案)は,聴覚に障がいのある金井陽 子さんが作られたものです。なぜ,このコミュニケーション・ボードを作るに至ったかなど,ご 本人様からお話をお伺いし,その後で,皆様とご協議させていただければと思います。それでは, 金井様について,杉田委員からご紹介をお願いいたします。 (杉田委員)  芦屋市身体障害者福祉協会の杉田です。今日,発表してくださる金井さんは,耳の聞こえない 聴覚部のメンバーの一人です。私たちの会は,目がご不自由な方や耳がご不自由な方,内部・肢 体にご不自由な方など,それぞれ異なった障がいのある人の集まりですので,会の中でも,コミ ュニケーションを取ることは非常に難しいです。会議をするために,手話通訳の方に来ていただ くこともありますし,一方では,視覚障がいの方は何が起こっているのか分からないような状態 で会議をすることもあります。  金井さんは,当協会が主催で開催した聴覚に障がいのある防災士の方をお招きした防災教室で 司会をしていただき,とてもすばらしいワークショップとなりました。私たちに必要なことは何 かということをいつも考えておられ,実際にそれを実行に移す行動力のあるメンバーの一人です。 今年は素晴らしい条例ができた年ですので,これを機に,聴覚障がいの人たちのために,何かで きることはないかと考えられて,自ら資料を作り見せてくださいました。この場をお借りして皆 さんにも見ていただき,考えていただければと思い,本日はお時間をいただきました。よろしく お願いいたします。 (事務局 柏原)  ありがとうございました。それでは,私から,金井様に,このコミュニケーション・ボードの 作成に至った経緯や,普段の生活の中で困っておられることなどをお伺いいたします。  金井さん,普段はどのような方法で意思の疎通を図っておられますか。 (金井氏)  今日はお時間をいただきまして,ありがとうございます。私は耳が聞こえません。しかしなが ら,見た目では聞こえないということが分かりにくいと思います。ですので,いろいろな場所で 声をかけられます。でも,話しかけられている内容が分からないので,大体毎回,「すみません, 私は聞こえません。」と説明をしなければいけません。そのときに,相手の方は,初めて私が聞 こえないことに気づいてくださるのですけれども,そのあとの対応は人それぞれです。聞こえな いと分かれば,紙に内容を書いてくれる人もいます。また,ジェスチャーで伝えてくれる人もい ます。けれども,ほとんどの方は,「あ,もういいです,いいです。もう大丈夫です。」と言われ ます。声をかけられたけどその内容が分からないまま終わってしまうことが多く,そうした時は, 違和感があります。 (事務局 柏原)  ありがとうございました。そうした生活の中で,どのようなことがきっかけとなって,ご自身 でコミュニケーション・ボードを作ってみようと思われたのですか。何か参考になるものなどあ りましたか。 (金井氏)  昨年,こうした内容が掲載されていた神戸新聞の記事を拝見して作ってみようと思いました。 (事務局 柏原)  「当日配布資料1」でお配りしている,加東市のコンビニについて記載されている神戸新聞の 記事をご覧ください。 (金井氏)  新聞を読んで,加東市にあるコンビニでは,聴覚に障がいのある人との意思疎通をスムーズに 図るため,このようなコミュニケーション・ボードを作って設置しているということを知りまし た。このようなコミュニケーション・ボードが欲しいなと思って,以前から作ってはどうですか と提案したりはしていたのですが,自分自身も具体的な内容やイメージを持っていたわけではな かったので,なかなかうまく伝えることができませんでした。  今回,自分なりにイメージをつかむために,インターネットでいろいろ調べました。コミュニ ケーション・ボードを作って置いている市もあるのですが,私の思っているイメージとは違いま したので,自分の持っているイメージで自分なりに作ってみました。今までの経験から,お店で 聞かれることが多い内容をまとめて,カテゴリーで分けてみました。こうしたボードがお店に置 いてあれば,便利だなと思っています。 (事務局 柏原)  ポイントカードや袋の大きさなど,レジで聞かれることが多いものがまとまっているなと思い ました。金井さん自身,普段よく買い物をされているということで,そうした目線が十分に取り 入れられたコミュニケーション・ボードになっていると思います。  先ほどのお話の中で,やはり表面上分からない障がいということで,声をかけてから障がいの ある人だとわかり,その途端に相手方は「結構です」というような態度になってしまわれる。そ うなると,おっしゃるように,もやもやしてしまい,今の用件は何だったんだろうということを 日々感じておられたり,それがお困りごとになることもとてもよくわかります。このような困っ たことについては,今後どのような形になればいいなと思いますか。 (金井氏)  聞こえないと伝えた時に,「話をするのをやめます」と言うのではなく,きっちり伝えてほし いと思います。スーパーのレジでは,たくさんの人が並んでいるときがあります。こうした時は, 話している時間が長くなると,他の並んでいる人に迷惑をかけるなと思う気持ちもありますので, 短い時間でスムーズに相手の話すことが分かるようになるといいなと思っております。 (事務局 柏原)  ありがとうございます。そういった場合に,このコミュニケーション・ボードを活用すると, お互いの意思疎通を図ることができますし,これは合理的配慮に当たります。  お互いがスムーズに意思の疎通ができるようになるには,今後,このボードがどのような形で 活用されることを望まれますか。 (金井氏)  このコミュニケーション・ボードは,自分の経験から作ったものですが,お店によって質問の 内容も違ってくると思います。例えば,このボードの下のほうには「ご自宅用ですか」という質 問を掲載しています。これは,百貨店でよく聞かれます。そのお店に応じたものを選択して作っ ていただいたらいいなと思っております。 (事務局 柏原)  ありがとうございます。お話をお聞きして,障がい当事者として,日々どのようなことに困っ ておられるのか,我々自身も直接お伺いできたことでよく理解ができました。今おっしゃったよ うに,お店によって形態が違えば,当然,コミュニケーション・ボードに掲載することも違って くるだろうと思います。それをはじめから全て用意するとなりますと,相当の時間を要してしま いますが,そうではなく,今回をひとつのきっかけとして仕掛けていくことができないかなと考 えています。  当日配布資料2については,コープこうべさんで,合理的配慮の提供を推進しようということ で,会社で取り組まれているものです。事業者自ら合理的配慮の提供に取り組んでおられること はとてもいいお話だなと思い,今回紹介させていただきました。感染症予防のため,現在はマス クをつけてお客様と接客をするため,これまでのように口が見えず,聴覚障がいのある人にとっ ては,口の動きで言葉を読み取ってきたけれども,それができなくなったというお客様からのお 声から,このコミュニケーション・ボードを作成することになったとのことでした。11月中に 最終調整されて,12月から使用開始したいとのご意向を伺っております。これは,仁川店が中 心で作成されているようなのですが,芦屋店にも設置すると聞いております。裏面を見ていただ きますと,「組合員証をお持ちでしょうか」ですとか,「レジ袋,割り箸などが必要でしょうか」 というように,先ほど,金井さんがおっしゃったように,店舗によって必要なこと,一番聞くだ ろうなと思うことをそれぞれの事業者が考えて作っておられます。このように事業者自ら積極的 に取り組んでおられる事例は,我々からも発信をしていきたいと思っております。  金井さんが作成したコミュニケーション・ボードについて,例えば,どのような形で取り組め ば広がっていくのか,こういうものがあればもっといいのではないかなど,皆さんの忌憚のない ご意見をいただきたいと思います。平仮名で書かれていれば,知的障がいのある人にも利用して いただくことができるのではないか,ですとか,いろいろなご意見を皆さんから頂戴して,今後 どのような形で進めていくかというヒントをいただきたいと思います。金井さんに確認したいこ となどでも結構です。よろしくお願いします。 (木下会長)  はい,ありがとうございます。皆さんには,金井さんが作ってくださったものに対してのご意 見や,これを使うとなったら業態別にいろいろ組合せができる工夫みたいなものや,どこから入 手できるのだろうかとか,そういうことも問題になってくると思いますので,皆さんのご意見を 伺いたいです。金井さんには,これをつくられて普及をしていくために,もし,構想があればお 話していただいてもよろしいですか。 (金井氏)  このコミュニケーション・ボードは自分用に作成したものです。お店に行くときにはこれを持 って行き,レジの人に見せて,お店の人にこのような意思疎通を図れる方法がありますというこ とを伝えたいです。スーパーの中の意見箱にもサンプルを入れてみたいと思っております。 (木下会長)  ありがとうございます。これはパウチ加工されていますか。 (金井氏)  ラミネート加工です。 (木下会長)  ラミネート加工では,持ち歩くときに不便ではないですか。 (金井氏)  かばんに入れているので,財布を出すときと一緒に出します。小さいサイズのものも作って持 ち歩いています。 (木下会長)  ありがとうございます。皆さん,何かご意見いただければと思いますが,いかがでしょうか。 (草野委員)  貴重な体験談を聞かせていただき有難うございます。金井さんは,普段からヘルプマークはつ けていらっしゃるのですか。 (金井氏)  ヘルプマークはつけていません。 (草野委員)  その理由はなぜですか。 (金井氏)  マークを付けていても,障がいがあることを分かってもらえるか分からないからです。たとえ ヘルプマークを見てもらったとしても,話しかけられると困ってしまいます。話しかけられるた びに,「聞こえないです」と何度も言わないといけないので,聞こえなくても意思疎通できる環 境が欲しいと思います。 (草野委員)  金井さんの取組が素晴らしいと思ったのは,ご自身でコミュニケーション・ボードを持ち歩い ておられるということです。私ども商売人の感覚では,行政から便利で住みやすい地域をつくろ うと思って,こういうのを作ったと発信いただいても,残念ながらちょっとおざなりにするよう な人がいるかもしれないと思います。そのときに前回,障がいのある当事者の方にこうしたもの を持っていただくことに対して予算をつけて欲しいという話をさせていただいたのですが,それ はちょっと違う話になるとのことでした。こうしたものを持ち歩いていただくこと自体,金井さ んが先ほどおっしゃったみたいに,ヘルプマークの意味を分かっていない人たちがいるという現 状の現れかと思います。そういうことも含めて,前から申し上げていますけれども,学校教育と か,そういうところから,しっかり取り組んでいかないと全員が楽しく住みやすい社会になると いうのは難しいのかなということを改めて思いました。 (木下会長)  ありがとうございます。ほかにご意見はありますか。 (井岡委員)  先ほど,学校教育から周知したらどうかということで,お話があったのですけれども,私の赴 任していた学校での経験になりますが,学校には日本語が分からない外国籍の子どもたちや,い ろいろな障がいのある子どもたちが在籍しています。その中で,コミュニケーションを取る際, 絵カードというものを使っています。絵カードをラミネートした後,リング式にして,めくりな がら使用しています。配布していただいたこのコミュニケーション・ボードのような絵を書いて, その子の今の気分を確認する際に,笑顔やちょっと悲しい顔などを指さすなどして理解をしてい ます。このように携帯できるものがあってもいいのかなということは,お話をお聞きして思いま した。学校の中でこうした取組をしながら,子ども同士のコミュニケーションを考えるというよ うなところも進めていければと思っております。 (木下会長)  ありがとうございます。他にご意見はありますでしょうか。 (北尾委員)  質問ですが,このコミュニケーション・ボードは,障がいのある人ご本人が持つものなのか, 店側が持つのか,どちらの方向で考えているのでしょうか。それとも両方とも持つという考えな のでしょうか。自分で持ったほうがいいという情報もありますし,最初に話しかけられたときに, こうですと言って,ヘルプマークでは分からないけれども,自分が個人的に伝えたいことがさっ と分かるようなものは,自分で持っていたほうがいいかもしれません。店で個別にいろいろなサ ービスがありますが,必ず相手に聞くものは,店側があらかじめ準備しておいたほうがいいかも しれないと思いますので,両方にアプローチすることを前提としたものなのでしょうか。 (木下会長)  実はどちら側が持つのかという点は,決めておりませんでしたが,個人的な意見ですが,そも そもカスタマイズができないと,あまり意味がないと思っています。カスタマイズといいますの は,例えばコープこうべさんでは今回の資料に記載されている情報で済むわけです。金井さんが つくられたのは,金井さんの生活環境であればこれで済むわけですよね。でも,大学生だったら どうだろうとか,私のように大学教員だったらどうだろうとなってくると,ちょっとレジ袋の項 目までは必要ないかな,といった話にもなってくるわけです。どちらかというと,携帯でPay Pay使えますかなどを入れておいてくれると,コンビニでは私なんかは便利だったりするので, そういったものをカスタマイズできるような仕組みであれば,便利かなと思いました。そういっ た運用面も含めて,何かご提案やご意見があればとは思います。 (井岡委員)  今のカスタマイズという話につながるかと思うのですが,先ほど言いました絵カードですが, ネットを検索するとたくさんのページで紹介してくれています。昨年,私が校長をしていた学校 に日本語を話すことが出来ない児童がいましたので,教師がホームページから必要な絵カードを プリントアウトしてそれを使って意思疎通を図っていました。 (木下会長)  ありがとうございます。皆さんからは,ほかに何かありますか。 (土田委員)  私は眼科ですので,聴覚障がいのことは詳しくないのですけれども,これはカードを見せると いう形になっていますが,見せられた人が色覚障がいの場合も当然あります。大体,男性の5% ぐらい,全人口で言いますと2.5%ぐらいの方は色覚障がいだというデータもあります。配布 されたコミュニケーション・ボードを拝見しますと,赤の中に赤の写真,こういう類いは非常に 見えにくいです。ですので,コピーをしていただくと大概は分かるのですけれども,どこまでが 見やすい,見にくいか分かりませんが,一応こういうこともありますので,全部フルカラーにす る必要はなくて,白黒でもいいと思います。そういうところも考えていただければと思います。 (木下会長)  ありがとうございます。確かに,赤の中の赤は見えにくいです。事務局に確認ですが,周知方 法が今後一番大切なことだと思います。自分がよく使うものを集めた自分に合ったコミュニケー ション・ボードを作成するなどという仕組みはできますか。 (事務局 柏原)  例えば,発達障がいのお子様用として,ホームページなどに掲載されている絵カードのうち, 親御さんが,子どもさんに必要なカードを選択するという,いわばカスタマイズ的なことと同じ なのかなと思います。これと同じような感じで,例えば点線を作っておいて,ジャンル分けをし ておいて,それを印刷してご自身が必要なものを切っていただいてカスタマイズできるなどとい う方法はさほど手間もかからないかと思います。 (木下会長)  例えば,必要なものをドラッグして作成するとオリジナルが完成するようなものでしょうか。 (事務局 柏原)  そのような形も可能だと思います。 (木下会長)  自分専用のコミュニケーション・ボードが印刷できる,もしくはタブレットで見られるような 形になるといいのですが。 (事務局 柏原)  できるところから進めていければと思います。こちらがすべてを用意するということではなく, 事業者や当事者ご自身で作ることが出来るきっかけになることが最終目標だと思っていますの で,まずは,そのきっかけとなるようなものを構築したいと思います。 (木下会長)  この場は協議会ですから,まずはここにいる皆さんと一緒に,将来的にはもっと広がって地域 の方々と,イベントの中のオープンソースみたいな形で,皆で作って充実させていくというよう な形態で,これが出来上がっていけばいいと思います。例えば,今後,必要と思って誰かが作成 されたものが,その後誰でも利用できるものになってもいいと思います。  ちなみにこの絵は,個人だけではなく一般的に使っていいかどうかご存じでしょうか。今は個 人で使われていますので,多くの場合,フリーソフトであったとしても,フリー素材は個人で使 うときのみ構いませんというものがほとんどだと思うのですが,こういう広域に使う場合に,使 えるかどうかというのは,どこで確認すればよろしいですか。 (事務局 柏原)  サイトごとに規定があると思います。会長のご指摘のとおり,フリーソフトを使うのであれば, それを確認する必要がありますし,多少有料でも使うということであれば,予算の問題がありま す。このあたりは少し確認させていただきます。 (木下会長)  今後これを形にしていくとなると,最初のたたき台を作っていただくことになりますが,この スケジュールについて確認させてください。今日は参考意見として金井さんに入っていただきま したが,これは継続審議という理解でよろしいですか。 (事務局 柏原)  はい,条例が来年1月に施行することもあり,このコミュニケーション・ボードが合理的配慮 の提供の一つの事例として提案できるのではないかと考えています。本日は,皆様にこういった ものがあって,今後,協議会としてやっていきたいというところの共通理解を図りたいというの が趣旨でございました。  協議会の開催は,基本的には年2回ですので,今年度は今回を以て終了とはなりますが,案が 出来ましたら,皆様に協議会という場ではないにしろ,資料等を送らせていただくつもりです。 年度末までに形にして,来年の春頃を目途にホームページに公開できればと思います。また,当 事者団体からのご意見もお伺いしたいと考えております。また,やはり商工会のお力というのは 必要になってきますので,別途ご相談させていただければと思います。 (木下会長)  ありがとうございます。商工会で,もし,そのお店の形態とかによって,全部というのは難し いと思うのですけれども,こんな感じがあればというのをご提案いただいたりすることは可能な のでしょうか。 (草野委員)  商工会は,様々な職種のメンバーで構成されています。その中に業種別部会というものがあり, サービス業であるとか飲食,製造業などで分かれております。一定数のメンバーは,商工会にメ ールアドレスを預けておりますので,そこから一斉配信で告知することはできると思いますが, それに対してどれぐらいのレスポンスがあるかというのは,はっきりお答えすることは難しいで す。 (木下会長)  ありがとうございます。あと告知もしていただきたいと思います。 (事務局 柏原)  はい,ぜひご協力いただきたいと思います。 (杉江委員)  今,いろいろな話をお聞きして私が思いましたのは,今の時代,ペーパーでいくら作成しよう とも,どこで使うかでものすごく違ってくると思います。ですから,私は必要となるイラストを 用意して,その中から使いたい人が使いたいものを取ってこれるような,いわゆるアプリとかソ フトをつくるほうがいいかなと思います。そうしないと,何枚もA4の紙がいると思います。 (事務局 柏原)  そうなりますと,予算協議など最終的にここだけで決められるものではありません。 (杉江委員)  当初はA4のものを作成するとしても,最終的にはアプリのようなものを作成するというので あればよいかもしれません。 (木下会長)  最低限,そうしたソフトはできなくても,さっき言った必要なコンテンツを載せる白紙的なも のと,いろいろなコンテンツを準備して,そこからコピーして自分用のものをつくれるといいと 思います。これは,業態別でお店の人がつくる場合はこのような形になるけれども,個人で持ち 歩くときはこのような形になります,みたいに自由にカスタマイズできるものであれば,自分専 用のものができます。このような仕組みがなければ,今言われたように大量印刷するだけであま り意味がないと私も思っています。ですので,そこには工夫は必要かなと思います。 (事務局 柏原)  おっしゃるとおり,この部分についての工夫は必要だと思っております。アプリを作成すると いうのは,確かに便利であろうとは思いますが,まずは,障がいのある人ご本人がこのようなこ とを考えておられること,これで意思の疎通を図ることができることなどを知っていただき,活 用につなげていければと思っています。 (木下会長)  今の事務局の意見を受けてですが,この方向でコミュニケーション・ボードを協議会から押し ていき,作っていく方向で検討させていただいてもよろしいでしょうか。 (齋藤委員)  作ることは非常にいいと思います。いいと思うのですけれども,さきほど,会長が言われたよ うに,周知する方法をどのようにするのかということが一番大事だと思います。100点満点の ものを最初から作ろうとするのではなくて,できる範囲でやってみればいいと思います。例えば 商工会さんで行っておられる勉強会で,こういう法律や条例が出来ましたと周知する際に,いわ ゆる障害者差別解消法や条例を読んだところで面白くはないですけれども,具体的にこうした役 立つことを周知していただくほうが効果的と思います。商工会さん,学校,それとモンテメール 等の施設にはたくさんの会社が入っています。本来そういったところで,日常的に一番使われな いといけませんので,そこに周知されることが大事であって,中身についてはまた後からでも手 直しができると思います。そのプラットフォームをまずはこちらで作成して,あとは,自分に適 するものを各々カスタマイズしてくださいということのほうがいいのではないかと私は思いま す。 (事務局 柏原)  ありがとうございます。完全な形で完成させるということは,なかなか難しいと思います。先 ほど皆様がおっしゃったように,お店に必要なものというのは,同じ業種でも店ごとに違いがあ ると思っていますので,そういったところを自分なりにカスタマイズしていただいて各々100 点にしていただくためのまずは土台を作っていければと思います。ありがとうございます。 (齋藤委員)  例えば,また来年も「まるっと説明会」を開催されると思いますが,そうした場でも紹介すれ ばいいと思います。 (事務局 柏原)  確かに条例の内容を説明するというよりも,実際,実践できるものがあったほうが合理的配慮 についてもわかりやすいと思います。 (木下会長)  脇委員の経験から,アプリをつくることは結構大変なのですか。 (脇委員)  それほど難しいとは思いません。間取り図を作る時に,パーツを取ってきて一枚のイメージに なるものや,年賀状をつくるときのソフトのようなイメージで,パーツを配置して使うなど,そ ういうイメージで作れば作れるのかなとは思います。どれくらいの費用がかかるかというのはち ょっと分かりませんが,それほど難しいことではないと思います。  アプリでなくてもエクセルでも作れると思います。今,ジェノグラムをつくる際,エクセルに パーツを準備しておいて,そのパーツを使いながら作っていくということをやっていますが,こ のイメージで,画像を準備しておいて,例えば16個ぐらいの枠を作っておき,その枠に必要な 画像を移動させるという方法であれば,アプリケーションの開発までいかなくても作成できると 思います。 (事務局 柏原)  はい,今の案であれば可能だと思います。  市役所からだけではなくて,団体さんのホームページなどからもダウンロードができると,本 当に広がっていきやすいと思います。行政だけでできるというものではありません。だからこそ, この協議会で皆様にご協議をいただいているところですので,ぜひ,一緒にやっていただければ と思います。 (朝倉委員)  知的障がいの場合も一見障がいがあるということが分かりません。知的障がいについて理解を 深めていただくため,これまで何度か疑似体験を実施しました。このようなことも並行してやっ てもらえればいいかなと思っています。障がいのある人に対する理解があって,なおかつコミュ ニケーション・ボードがあるといいと思います。我々の団体としても,コミュニケーション・ボ ードを作成しようとは思いますけれども,その前にまずは障がいのことを知っていただくことが 重要だと思います。せっかく今回このような条例が作られたので,我々も集まる機会のときに, その橋渡しをしていただければ,幸いだと思っています。 (木下会長)  今回,提案させていただいたのは,聴覚障がいということで,コミュニケーション・ボードを 例に出させていただきましたけれども,この形態で,もし同じオープンソースで皆さんから意見 をいただいて,プラットフォームができるということなのであれば,もちろん様々な応用が効い ていくのだろうと思います。そこをうまく成功させることができれば,またいろいろな角度から 精神障がいの分野や,知的障がいの分野,難病の分野でも,同じようにまた違う表現の仕方で知 っていただくよう,ここで検討していただきたいと思っています。  ・【災害版】芦屋市コミュケーション支援ボード(案)について    事務局より,「【災害版】芦屋市コミュケーション支援ボード(案)」について説明     (木下会長)  本来は,皆さんにお聞きするのですが,私から1点ありまして,今回こちらには感染症のこと を入れなくて大丈夫ですか。また,10ページの日用品のところですけれども,これはティッシ ュなのだと思いますが,ウェットティッシュの方が実用的かと思います。 (事務局 柏原)  このコミュケーション支援ボードができたのが,約10年前なので,感染症のことは入ってい ません。ご意見があったことを所管課に伝えます。 (草野委員)  僕は,このコミュニケーションボードを使うシチュエーションやイメージがちょっとできない のですけれども,誰が持っているものですか。 (事務局 柏原)  今,想定しておりますのは,避難所に設置しておいて,避難をしてこられたかたに対して,こ のコミュケーション・ボードを見ながら意思疎通を図っていただくことを考えています。これは, 障がいのある人だけではなくて,外国人の方とも意思疎通が図れるようにするもので,ユニバー サルデザイン的な観点も入っています。災害時に手話で意思疎通をするとなると,手話通訳者が 必要となりますが,手話通訳者も同じように被災しているわけですので,必ずそこにいるとは限 りません。そういったときの意思疎通の手段の一つとして考えたものです。 (草野委員)  それでしたら,例えば日用品のところで,このタオルを指したとします。その意味は,私はこ れを,持っていないのか,あるいは持っています,だから大丈夫ですという意思表示なのかどち らになるのでしょうか。 (杉田委員)  たぶん,持っていないという意思表示をされていると思います。 (草野委員)  そうですよね。いろんな意思を示される可能性もある中で,ないものを指すというルールが書 かれていないと,わからないのではないかと思います。助けてほしいことがあるから,ないもの しか言わないですからね。「助けてほしいことがありますか。」ですので,欲しいものしか言わな いのかなとは思うのですけれども。 (事務局 柏原)  おっしゃるように,その避難所であるものは意思表示しないと思われますので,手元になくて 欲しい物を想定しているのかなとは思います。それが,持っているけれど,何々してほしいとい うのであれば,指して,何かすることはあるかもしれないですが,その意思表示をするきっかけ になるものなので,これについてどうしてほしいかというのは,次の段階の意思表示にはなると 思います。 (草野委員)  これもさきほどのコミュニケーション・ボードと全く同じだと思いますが,市民の皆さんが, これが設置されていることを知らなければ,万が一の場合にも,これは何ですかとなりますから, 周知徹底が大事なのかなと思います。芦屋市は年に1回,防災訓練を山側と浜側でやっています。 私自身これに出させていただきましたが,その時に少し思いましたのは,私どもは商工会の青年 部でカレーの炊き出しをしていますが,その時に,あるひとりの防災士の方が,ジャガイモは2 個でニンジンは1個じゃないと駄目でしょうと言われました。こんな大変なときに,野菜の数で 文句を言う人はいるのですかと質問すると,みんな同じじゃないと駄目だから,ちゃんと入れて くださいと言われるので,それを守っていると,当然ながら行列になりますよね。行列になるの で一生懸命皆さんにお渡ししていたのですが,僕らが作っているのを横から取っていって,列の 途中から配り出したりして,それこそ平等に欠けると思うのですが,こうした体験から,大きな 災害になったときはちょっと大変だなと思いました。 (事務局 柏原)  所管課に伝えます。 (藤川委員)  保管場所ですが,先ほどの草野委員の話にも通じると思いますが,避難所にもあったほうがい いのですけれども,障がいのある人の自宅にも一つ置いておくといいと思います。高齢者の方で, 「救急医療情報キット」という筒を冷蔵庫に入れて保管しているというようなものがあるのです けれども,それと同じように,家に助けに行ったときに,冷蔵庫の中に個人情報が書いているも のが入っているとなれば,まずその筒のようなものを開ければ,こういう冊子があり,これを通 じてその方とその場でコミュニケーションを取れるので,各家庭の決まった場所に置いておくと, 分かりやすいかなと思います。 (山中委員)  もし災害が起きて避難所にということであれば,例えば診察券ですとか,それからおくすり手 帳といった,そういうものを用意しておいていただくことを普段から呼びかけるというのも大事 かなと思います。  大変細かいことなのですが,10ページの日用品で,さっきウェットティッシュのほうがいい のではとおっしゃいましたけれども,例えば,綿棒のようなものはちょっとした細かいところの 消毒にも使えるので,聞きに来られるような気がします。それから,13ページに,多分下着類 と思いますが,下着のところで,例えば生理用のものもご用意して差し上げると,助かる方がい らっしゃるのではないかなと思います。 (事務局 柏原)  所管課にご意見としてお伝えします。 (脇委員)  この中で,4ページのご用件は何ですかというのと,7ページのどうしましたかというのと, 14ページの困っていることはあるのですか,これは,ページをわざわざ分けているのには意味 があってのことなのでしょうか。ご用件の中に全部は当てはまらないので,ページを分けて指さ ないといけないというのは,ちょっと不便かなと思います。 (杉田委員)  13ページの帽子や,長袖シャツとか,それは個人のものであって,靴とかブラジャーとか防 災倉庫にはないですよね。ということは,ご本人が欲しいときに指さすのですか。12ページの お肉とか,お肉はこれを食べたいと言っているのでしょうか。避難した人が,おにぎりやパンと かいうのはまだ分りますが,お肉とかお魚とか,被災しているという前提において,これを記載 する必要はあるのでしょうか。  また,14ページの困っていることとか,こういうのはよく分かります。ですが,そのほかの 物品に関して言うと,ちょっと本当に必要かなという感じがします。困っていることがあっちに 行ったり,こっちに行ったりしている点も気になります。 (事務局 柏原)   帽子やシャツなどは,長期の避難生活になれば,ご要望も出てくるのだろうとは思うのですが, 確かに,被災直後に,お肉とお魚は,私もちょっと想像ができないので,こういったご意見も含 めて,伝えたいと思います。脇委員がおっしゃることについては確かにそのとおりだと思います が,冒頭の説明でも申し上げましたとおり,この骨格を大きく変えることは著作権などから少々 難しいです。記載されている英語を訳すとこの区別は,「何か突発的なこと」と,「突発的ではな いけど困っていること」みたいな分け方に思えます。 (杉江委員)  先ほどのコミュニケーション・ボードですけれども,絵が大事なのか,文字が大事なのかわか りません。全体的に字が小さいです。外国語も一緒に入れているので,一番下のハングルなんか 本当に見えるのかなと思います。 (事務局 柏原)  今回はA4で配布させていただいていますが,実際はA3になるかもしれません。今おっしゃ っていただいた文字が小さいということは,お伝えをさせていただきます。 (杉江委員)  最近はいろいろなところへ行っても,何か国語か全部そろっているじゃないですか。せめて英 語と韓国語は別につくったほうがいいと思います。 (草野委員)  もしそれを使うとなると,使うほうは分かると思いますが,僕は指を指されても英語も韓国語 も読めませんので,何をしたいかそもそも分かりません。イラスト見て,英語で言われても,間 違えて解釈してしまう可能性はあると思います。  災害時にミスを少なくするのであれば,日本語と英語や,日本語と中国語とかは,分けること はいいとは思いますが,外国語のみではわかりません。 (木下会長)  たくさん意見をいただきまして,ありがとうございます。それでは次の議題に移りたいと思い ます。次の議題は,「ガイドライン(案)について」です。こちらは,条例を作って,それを分 かりやすいバージョンでガイドラインという案でつくらせていただいております。構成について ご意見をいただければと思っております。事務局から説明をお願いいたします。 (2)ガイドライン(案)について    事務局より,「ガイドライン(案)」について説明 (木下会長)  こちらに関しては後日でも結構ですのでご意見をいただく形にしたいと思います。障がいの特 性の説明と挿絵について,特に確認をしていただきたいと思います。色合いについても再度検討 をお願いします。目に優しいものがいいのかなと思います。 (事務局 柏原)  別途,意見シートを皆さんに送らせていただきますので,ご返送いただくことでお願いします。 (木下会長)  その他,ほかにありますでしょうか。 (事務局 柏原)  今後の周知方法でございますが,毎年実施しております障がい児・者作品展や12月5日に開 催いたします人権の啓発事業などで周知をさせていただく予定です。また,広報あしや12月号 に障がい特集のページを設けることとしておりまして,能瀬委員のご協力をいただき,今週,撮 影を行いました。能瀬委員とお子様とおふたりにインタビューさせていただき,トップページも お二人の写真を掲載する予定ですので,ぜひ12月号をご覧になっていただきたいと思います。 あしやトライアングルの12月前半で,条例制定の周知啓発を行います。  また,市内の民間事業者に対する合理的配慮提供支援助成事業を,令和3年1月より開始する 運びとなっております。詳しくは,また1月の広報に掲載をさせていただきますが,商工会の皆 様のお力をお借りしたいと思います。引き続きご協力のほどよろしくお願いいたします。事務局 からは以上です。 (木下会長)  ありがとうございます。 (森川副会長)  どうも皆様,お忙しいところありがとうございました。また,活発なご議論をいただき,本当 にありがとうございます。  今回は2回目ですので,今年度はこれで会は終了ということでございますので,ガイドライン について,皆様のご意見をいただきたいと思っております。  本日はどうもありがとうございました。 (木下会長)  ありがとうございました。  では,以上を持ちまして終わらせていただきます。どうもありがとうございました。 以 上