■第3回 芦屋市障害者(児)福祉計画及び芦屋市障害福祉計画・芦屋市障害児福祉計画策定委員会 会議録 ■日  時 令和2年8月27日 木曜日 午後2時〜午後3時30分 ■場  所 福祉センター3階多目的ホール ■出 席 者  委 員 長   木下 隆志  副委員長   堺 孰  委  員  朝倉 己作  能瀬 仁美  森  愛子  加納 多惠子          岡本 直子  三芳 学   福田 晶子  桝田 真史           遠藤 哲也  安達 昌宏  欠席委員   土田 陽三  松本 有容  事 務 局   柏原 由紀  長谷 啓弘  川原 聖貴  木村 円香  関 係 課   地域福祉課  山川 尚佳  中山 裕雅  吉川 里香          子育て推進課 小川 智瑞子         学校教育課  田淵 雅樹  森  洋樹  関 係 者 三菱UFJリサーチ&コンサルティング 株式会社         善積 康子  枡田 恵 ■事務局    障がい福祉課 ■会議の公開  公 開 ■傍聴者数   0 人 ■1 会議次第  (1) 開会    開始時点で14人中12人の委員の出席により成立  (2) 委員長挨拶 (3) 議事    @計画の骨子の作成に向けた課題の抽出について 資料1−1,資料1−2    A次期計画の考え方と骨子(案)について 資料2    B今後のスケジュールについて 資料3    Cその他  (4) 閉会   ■2 提出資料 ・資料1−1:計画の骨子作成に向けた課題の抽出(インタビュー調査より) ・資料1−2:計画の骨子作成に向けた課題の抽出(アンケート調査より) ・資料2  :次期計画の考え方と骨子(案) ・資料3  :芦屋市障害者(児)福祉計画及び障害福祉計画・障害児福祉計画策定スケジュール ・当日資料1:現計画の体系 ・当日資料2:地域共生社会の実現に向けた取組の検討経緯        ■3 審議経過 ・委員長挨拶 (木下委員長)  皆様,本当にお忙しいところをお越しいただきましてありがとうございます。  今回と10月の最初,10月の終わりの3回で,計画の素案の検討を行います。それが終 わりますと,概ね事務局にお任せする形になりますので,この3回での検討がとても大切に なるかと思います。皆様の忌憚のない意見を頂ければと思いますので,よろしくお願いしま す。 ・議事  (1)計画の骨子の作成に向けた課題の抽出について  事務局より「当日資料1:現計画の体系」「資料1−1:計画の骨子作成に向けた課題の抽 出(インタビュー調査より)」「資料1−2:計画の骨子作成に向けた課題の抽出(アンケート 調査より)」説明 (木下委員長)  皆様からご質問等はありますでしょうか。 (朝倉委員)  計画相談について,各障がい種別でどれくらいの計画相談を受けているかを前回の委員会 で質問させていただきましたが,その結果で見ますと,知的障がいの方でサービスを受けて いる方は半数程度おられるのですが,身体障がいと精神障がいの方は割合として少ない,と いう結果でした。サービスを使うことで,計画相談員が日頃からの支援をしてくださります ので,障がい福祉に関する情報を日常的に得ることができます。言い方を変えますと,計画 相談員の支援を受けていない方は,情報を十分に得られていないということです。ここにあ りますように,「障がいに応じた情報提供の充実」という,これをもっと取り上げる必要が あるのではないかと思っていますが,いかがでしょうか。 (事務局 長谷)  障がい福祉サービスを受けることについてですが,あくまでも「障がいのある人の生活の 自立を支援する」という点が目的の根幹にありますので,障がいのある人自身が「サービス は必要ない」という場合にまで,何かしらのサービスを入れて計画相談員の方をつけるとい うのはなかなかな難しいということが一点。  もう一点は,そもそも計画相談員の数が充足されていないところもあり,これ以上計画相 談の件数が増えると,計画相談が回らないということも併せて起こってきます。  確かに,日頃から支援されている計画相談員の方であれば情報が得やすいということはあ るかと思いますが,逆に言うと,もっと市の方で様々な手段を用いて情報を十分に発信して おけば,情報が得られないといったこともなくなるかと思いますので,違う形で情報周知を 図っていきたいと思っております。 (三芳委員)  朝倉委員の発言に関連しますが,精神障がいのある人は,先ほども話の中に出ましたとお り,サービスを利用していない,計画相談を受けていない人が多いですが,そういった方は, 福祉センター1階の一般相談の方で対応させていただいていることも結構多くございます。  使っているサービスとして,福祉サービスではなく,訪問看護やデイケアといったご利用 ということがございますので,そういったところでもご相談はできているのかなと思ってお ります。  基幹相談支援センターとしての反省でもありますが,情報発信というところではまだまだ 十分に出来ていない部分があります。「『あしやネット♪』は情報発信のための良いツールな ので,もっと有効活用すべき」と資料にも書かれておりますので,その辺りの充実,周知を 図っていって,サポートを深めていきたいと考えております。 (遠藤委員)  今回の計画で,障がいのある子どもを持つ親として重視したい点は,将来子どもの自立に 向けた住まいの確保です。今後策定される計画の中で,ぜひこの部分を強く盛り込んでいた だきたいと願っています。  ちなみに,資料1−2の「障がい福祉サービスの充実」の項目に「地域で安心して生活す るためのグループホームを積極的に使ってほしい」という意見があり,一方でその下の項目 の「生活環境の整備」では「将来的に生活する住まい,施設があるかどうか不安に感じてい る人が多い」とありますが,この「生活環境の整備」というのは,いわゆるハード面,バリ アフリーとか,そういうところの項目ではないかと思います。  資料1−1のインタビュー調査の方では,この「生活環境の整備」にユニバーサルデザイ ンにしてほしいといったようなハードのことが書いてあります。資料1−2の「生活環境の 整備」の将来的に生活する住まいについては,「障がい福祉サービスの充実」に集約される ように思いますがいかがでしょうか。 (木下委員長)  グループホームのことについて,計画の基本目標である「地域で安心して生活できる基盤 づくり」の「障がい福祉サービスの充実」に入るのか,「生活環境の整備」に入るのかとい うご質問です。グループホームはサービスの部分だと思いますが,いかがですか。 (事務局 長谷)  ご指摘のとおり,グループホームは障がい福祉サービスの一部でございますので,本来で あれば「障がい福祉サービスの充実」に入れておくべき内容になっております。 (木下委員長)  堺副委員長に質問です。グループホームが阪神南のエリアでは増えていかないイメージが あるのですが,三田谷治療教育院ではグループホームを作られた際に何か障壁になるものは あったのでしょうか。 (堺副委員長)  何もありませんでした。ただ,芦屋市の場合は市内の事業者がグループホームを作っても, 入居者が市内利用者で埋まらないということはあります。  グループホーム入居時に本人の所得状況に応じて支払いが生じます。利用したい方の収入 が障害年金だけであれば成り立たないこともありますので,利用者はそういったいろいろな 事情を総合的に判断して入居を決めることになります。  これは一概には言えませんけれども,市内の南側のグループホームと山手のグループホー ムでは家賃等のコスト差が相当あるので,入りやすい,入りにくいということがあるかもし れません。市内には空き部屋や空き家などがありますので,それらをうまく活用できればい いなと思います。あとは事業者のやる気さえあればいくらでもグループホームは増やしてい けるのではないかと思います。  ただ,申し上げたいことは,作ったのはいいけれども,そこに利用者がいるかいないか, といった点をあらかじめきちんと考えておかなければならないということです。 (木下委員長)  ありがとうございます。実は,グループホームの運営の難しさというのは,今仰っていた だいたとおり,アンケートでは「作ってほしい」という意見が多いのですが,開設した時に 人がまったく入らないので運営が成り立たないという面があります。開設したタイミングで 入居を希望されている方がいなかったら,隣の西宮市民の方を入れてしまうということもあ ります。事業者としては事業を運営していかなければなりませんので,なるべく空床は避け たいというのは当然ですので市外の方を入れざるを得ません。せっかく芦屋市民の方に利用 してもらいたいという思いで作ったものの,実際ニーズがなく市外の方で埋まってしまうと いう一面もあると思います。  ただ,全般的には足りていないというのが現実の意見として出ていますので,ぜひ推進し ていただければと思います。  他にはありませんでしょうか。 (朝倉委員)  新型コロナウイルス感染症の話がありましたが,最近の新聞で,西宮市で夫婦のどちらか がコロナに感染し,もう一人が陰性であった場合に,陰性だった方を老人ホームなどの施設 で預かるというニュースを見ました。芦屋市では,そのようなことを実施する予定はないの ですか。 (事務局 柏原)  申し訳ございませんが,現在のところ,芦屋市ではそのような場合に受け入れる施設をど うするかなど,はっきり定まっていることはありません。  神戸市において,介護者が新型コロナウイルス感染症で入院した際に「しあわせの村」で 一時受け入れをしている取組は私も確認しているところでして,全国的にも都道府県単位 や,大きな市単位でもいくつか実施されているということは知っております。市単位ででき るかというと,どうしても資源的には限られておりますので,広域的な対応も含めて,考え ていく必要があります。  県にはこのような要望があるということはすでに伝えております。県でもこの内容につい ては承知しているということと,その状況があればすぐに相談してほしいということで聞い ておりますので,市単位ということだけに限らず,広域でも対応できるような形を考えてい かなければいけないと考えております。 (木下委員長)  他は大丈夫ですか。  もし何かありましたら,意見シートに記入のうえ送っていただければと思います。  (2)次期計画の考え方と骨子(案)について  事務局より「資料2:次期計画の考え方と骨子(案)」説明   (木下委員長)  事務局の説明にもありましたとおり,実際に実施できるかどうかという部分はありますが, 意見を出していただかないと実施の可否も検討できませんので,ぜひどんどん意見を言って いただければと思います。いかがでしょうか。 (遠藤委員)  先ほど,堺副委員長からグループホームの課題などをご教示いただきましたけれども,芦 屋市をはじめ阪神間の場合,従来から言われているように地価が高い等いろいろな問題があ るのと,いざグループホームが出来たら入居を希望される当事者家族が少なく,事業者が困 るというのは,他の地域でもよく聞く話ではあります。ただ,いわゆる市営住宅などの公営 住宅の活用を行政が積極的な姿勢で後押ししていくことで,基本理念にあります「住みなれ た地域で自分らしく」の「住みなれた地域」が実現できると思います。親亡き後の心配が当 事者家族には付きまとっているという現状ですので,ぜひ推進していただきたいです。そう いう意味でもグループホームや,ショートステイのサービスをより利用できる施策をぜひと も掲げていただきたいなというのが、障がいのある子を持つ親の立場からの意見です。 (木下委員長)  では,ぜひグループホームのことは文言に入れていただければと思います。 (事務局 長谷)  少し補足になりますが,今兵庫県の事業の中で,県営住宅・公営住宅を活用したグループ ホームの開設支援事業がありますので,もし今後グループホームの開設に手を挙げてくださ る事業者があれば,そのような兵庫県の事業があることも伝えていく必要があると思ってお りますので,そういった点も含めて計画に書けるとよいと思っております。 (朝倉委員)  現在,うちの育成会の会員の中では,知的障がいのある人でグループホームに入っている 方はほんの数人です。「今,お子さんをグループホームに入れますか」と家族に聞いても,「親 が生きている限りは利用しない」というのが圧倒的な意見です。それでも,親亡き後をみす えて,訓練ということでショートステイを利用しなさいということを会員の方には言ってい ます。うちの子どもも定期的にショートステイを利用しています。  先ほど堺副委員長から,グループホームを開設しても,なかなか入居者がいないというこ とを仰られましたけれども,やはり親が生きているうちはグループホームは必要ないと思わ れています。高浜町ライフサポートステーションのグループホームでも,市外の方が一定数 入居されました。残念ながら,芦屋市民の方で全部が埋まらないというのが現状です。  ただ,親亡き後の取組が十分ではないという認識は一致しています。 (森委員)  私もグループホームのことを少しお願いしたいと思います。昨年,芦屋メンタルサポート センターの方で精神障がいのある人を対象としたグループホームが開設されましたが,現在, 芦屋市以外の市の方も入ってきて,ようやく満員になったという状況です。  障がいのある人も様々ですので,今後も多様性のあるグループホームを整備していただき たいと思います。それは事業者任せではなくて,例えば,先ほど遠藤委員も仰られたように, 公営住宅の確保など行政の後押しも必要となってくる場合もあります。県営住宅は結構遠い 所にあり,やはり芦屋市内で住みたいと子どもたちは思っておりますので,芦屋市の市営住 宅の中に障がいのある人が居住できる枠を少し増やしていただき,取り組んでいただけたら ありがたいなと思っております。 (能瀬委員)  同じく,グループホームの話になるのですが,芦屋市の中に身体障がいのある人を対象と したグループホームがないということがずっと問題になっています。やはり,グループホー ムのあり方は,森委員が仰っていただいたように,親がいる間は親がいつまでも見ていると いうのが現状です。ただその中で,ショートステイを少しずつ体験していくことで,今後の グループホームの利用に繋がっていくのかなと思っていますが,ショートステイの現状はど ういう状態なのかなということを教えていただきたいです。  高浜町ライフサポートステーションにもショートステイがあると思いますが,そこも含め て今の状況を教えていただきたいと思います。 (三芳委員)  現在,芦屋市内でショートステイを受けてくださる所は高浜町ライフサポートステーショ ン以外にもいくつかございます。  高浜町のところは部屋が10床ある内,8床をグループホームにして,残り2床をショー トステイのために空けてくださっています。その2床を使って,主に知的障がいのある人, 精神障がいのある人が定期的にショートステイをされていますし,例えば陽光町のグループ ホームの方でも同様にショートステイを実施しています。利用目的としては,主に家族の方 のレスパイトいう利用方法や,将来的な独り暮らしの訓練の場として活用されています。 (能瀬委員)  緊急時はいかがでしょうか。医療的ケアを必要とする方の緊急時は芦屋病院になるのでし ょうか。 (事務局 長谷)  ショートステイについては福祉型と医療型という2パターンがあります。芦屋市民で医療 的ケアが必要な方につきましては,西宮市になりますが,現在すなご医療福祉センターの医 療型ショートステイを利用されています。芦屋市は市域が狭く地域資源も限られていますの で,芦屋市内だけの事業所を利用するのではなくて,広域の中でどのようにサービスを使っ ていくかという検討も今後必要になってくると思っております。  あと,ショートステイの利用状況についてですが,前回サービス利用実績を報告させてい ただいたところですが,年々利用者の数は増えてきておりまして,令和元年度でいいますと 月平均で50名の方が利用されています。そのため,市内に限らず,市外も含めていろいろ な場所でショートステイを使っておられるというのが実態としてございます。 (木下委員長)  よろしいですか。 (能瀬委員)  グループホーム以外でもう一つ。福祉サービスの充実を図るところの内容になってくるか と思うのですが,移動支援の拡充についてはどの程度お考えいただいてますでしょうか。現 行の取り扱いでは難しいと知ってはいるのですが,施設や学校への送り迎えについて,西宮 市では週1回だったと思いますが,移動支援が利用できるとお聞きしています。芦屋市はど うでしょうか。 (事務局 長谷)  芦屋市でも,別の会議体にはなりますが,自立支援協議会という会議体の中で,今後移動 支援事業の使い方・範囲の拡大について検討を進めると報告しているところです。次回12 月の自立支援協議会には何らかの素案的なものを示すことができればと考えております。  能瀬委員が仰られるとおり,今の使い方としては,家から出発して余暇を楽しんでまた家 に帰るというのが基本になっているのですが,現在西宮市や宝塚市では必ずしも家に帰らな いといけないというルールにはなっていないということは確認しています。その辺りは現在, 阪神間の状況なども調査している状況ですので,またこの場でも何らかの形でお示しできれ ばと思っております。 (能瀬委員)  せっかく居場所づくりの話が出てきているのに,その居場所に行くのに,施設から一旦親 が迎えに行って,家に帰って,そこからまたガイドヘルパーさんと居場所に向かうというの はなかなか難しいかと思いますので,ぜひお願いします。 (木下委員長)  そうですね。整備したつもりでいても,制度がうまくできていないと結局使い勝手が悪い ことがありますので,その辺りはまた時間を設けてどこかで検討したいですね。  他にはいかがでしょうか。 (朝倉委員)  では,簡単なことですが,要望です。「多様な社会参加の場・生きがいの場の充実」とい うことで,「障がい児者作品展への参加促進」とあるのですが,それ以外にも,風船バレー や音楽ひろばも市にご協力頂いて成り立っています。子どもや親はそういった活動に関する 情報を得たいと思っていますし,また,参加させたいと思っていますので,この部分に風船 バレーや音楽ひろばなども明記しておいていただければ,気づく方も多いと思います。 (事務局 柏原)  その辺りにつきましては市の情報発信にも課題があると思っています。新しい居場所を作 るだけでなく,既存の所についても本人の居場所にしていくことができればと思っています ので,まずは今居場所になり得る場所について情報提供することも実施していかなければな らないと思っております。風船バレーや音楽ひろばに限らず,市内の団体様や他の事業所様 でも様々な事業が展開されていますので,それらをどのような形で発信できるのかというこ とも検討できればと思っております。 (朝倉委員)  どんどん宣伝していただければと思います。行政だけに任せるのではなく,もちろん我々 でも宣伝していきたいと思っています。先ほどの風船バレーも音楽ひろばでも,我々の会員 だけが参加するものではなく、皆さんにオープンにしているものですので,障がいのある人 もない人も参加していただきたいと思います。 (事務局 柏原)  広報にも掲載し,こちらの窓口でもチラシ等を置かせていただいているのですが,それに よらず,また他の方法も考えていきたいと思います。それぞれのチラシ等を見なければ,そ れぞれの事業がわからないということも現在問題の一つかと思っておりますので,いろいろ な事業が何か一つを見れば分かるような発信方法や,それを見て,さらに詳しく見たいと思 うような,きっかけづくりになるようなものを情報提供していく必要があると思います。ま たご協力をお願いします。 (木下委員長)  私の方から一つだけ質問があります。  「包括的相談支援体制の構築 ※社会福祉法改正に基づくもの」というのがあります。地 域福祉のことで重層化の相談支援体制を構築していかなければならないという項目のこと だと思いますが,これに関して,私たちはあまり知らないので,わかっていましたら教えて いただきたいのと,市の方でも重層化の構想のようなものがもしあれば教えてほしいのです が,どうでしょうか。  実は,みなさんが知らないところで社会福祉法が大きく変わろうとしています。今障がい のある人に対して相談する機関はたくさんできてきているのですが,すべての課題をワンス トップで対応するといいながら,なかなかワンストップになっていなかったり,それぞれの 相談支援機関が疲弊してしまって,なかなかうまくいかなかったりということがあります。  障がい者福祉だけでなく,高齢者から子どもまで,あらゆる相談機関が同じようにワンス トップで対応ができていない状況にありますので,いっそのこと,重層化したものを作って いきましょう,というような取組が法律で決められているのですが,なかなか分かりづらい 部分もありますので,もし何か参考になる事柄があるのであればお聞きしたいと思います。 (地域福祉課 吉川) 資料をご用意しましたのでご覧ください。  まずは「地域共生社会の実現に向けた取組の検討経緯」の見出しが一番上に書いてあるも のを見ていただけたらと思います。既に皆様ご承知のとおり,平成29年に社会福祉法が改 正され,地域共生社会の実現に向けた取組が進められているところですが,さらにもう一歩 進んだ形で示されたのが,今回の社会福祉法の改正です。  「平成29年社会福祉法改正」という枠の下に矢印があり,「地域共生社会推進検討会に おける検討」の3つ目,「最終とりまとめで示された方向性」というのがあると思います。 先ほどから出ておりますように,「本人・世帯が有する複合的な課題を包括的に受け止め, 継続的な伴走支援を行いつつ,適切に支援していくため,市町村による包括的な支援体制に おいて以下の3つの支援を一体的に行う」という風に示されました。  この「3つの支援」といいますのが「T 断らない相談支援」「U 参加支援」「V 地域 づくりに向けた支援」になっております。そのレジメの下の,「新たな事業の全体像」がこ の3つをどのように進めていったらいいのかということを図示したものになっております。 いずれにしましても,包括的な相談支援の体制ということで,属性等に関わらず相談を受け 止めて,適切な支援に繋げていく体制の整備を進めていくことになります。  他にも,先ほどから話に出てきております居場所のことですとか,地域全体で支えるとい った,参加を支援していく仕組みの構築,地域づくりに向けた支援,住民同士の顔の見える 関係性,そういったところは今のお話にも通じるようなところがあろうかと思いますが,縦 割りではなく,地域に住む皆さん,障がいのある人,高齢者,子ども,また,それらに該当 はしないけれども困っておられる方などの暮らしを支える体制づくりを一体的に進めてい くというところを目指しております。  また,地域福祉計画が来年度に策定となっておりますが,この考え方を,障がいの計画や, 高齢者の計画等々と足並みを揃えながら,市としての方針として具体的にどういうことをど のようにやっていくのかということも詰めていきながら進めていきたいと考えているとこ ろでございます。 (木下委員長)  説明ありがとうございました。また,わかりにくいところは後日教えていただければと 思います。  それでは桝田委員,福田委員など,現場の方から何か意見はないですか。 (福田委員)  「地域福祉活動の促進」で「ボランティア育成の充実」が挙げられているのですが,関係 機関においても整合性を図るという計画の考え方にもありますように,障がい分野だけで話 をするのではなく,横断的に何かそういったボランティアの項目を充実させるという形で出 ないものかなと,これを見て思いました。  地域福祉課の方でもたしか「ひとり一役運動」という,すごくいい施策もありますし,何 かそれに絡ませて,障がい福祉の分野でもそういったことができないものかどうかと思いま した。 (事務局 柏原)  現在芦屋市では「ひとり一役運動」が実施されていますが,ただボランティアの受入機関 の一覧を見ますと,障がい福祉の事業所で手を挙げているところが2,3ぐらいしかありま せん。また,今後障がい分野におけるボランティアの裾野を広げていかなければならないと いうことで,現在自立支援協議会の専門部会で検討しているところです。  ただ,裾野を広げるということも一つなのですが,発信力という問題もあると思っていま す。障がいの分野に関してボランティアのきっかけづくりというのは,おそらくまだ限定さ れているというところも一つ問題があるかと思っています。  今回の専門部会で検討を進めていく中で,裾野を広げていくというところに加え,今仰っ ていただいたように,今受け入れをしているところにつなげていくことで横断的なつながり も出てくるのではないかと,こちらも感じているところでございます。  地域福祉計画にもそういった内容が含まれておりますので,今回の計画に関しましても関 連づけていきたいと思います。 (木下委員長)  共生サービスのようなところも入ってきますか。 (事務局 柏原)  高齢介護課が策定する計画の方でも同じように共生型サービスを計画で位置づけようと 検討しておりますので,障がいの分野につきましても,そことの整合性を図りまして,計画 に入れていこうと考えております。 (桝田委員)  見直しのポイントのところに,「サービスの質の確保を図る」という言葉が入っていたの ですが,芦屋の事業所は基本的にこれがスタンダードだという水準をしっかりと作ってもら えればと思います。どこのデイサービスに行っても同じ水準となるよう市として啓発してい ただきたいです。  あと,別件になりますが,障がい理解については大人の方が理解度は低いという意見があ りました。今インクルーシブ教育ということで,子どもに対しては障がい理解の授業を通じ て理解は広がっていると思いますので,子どもから大人,自分の親に教えるという方法がう まく機能できるような仕組みを作ってもらえればと思います。  子どもが「学校で今日こんなことを習ってきたよ」という話が親に伝わった時に,それを 聞いた親が納得できる何かが地域にないと,子どもだけの話を聞いただけで終わってしまう 気がします。「あっ,うちの子が言っていたのはこういうことか」ということがあれば、理 解がもっと深まっていくのではないかと思います。大人を教育するのはすごく難しいですが, 子どもを教育した流れからその親を教育していくという流れに入っていくことができけば, いろいろな仕組みづくりができるかと思うので,その辺りをまた検討してもらえたらなと思 います。 (能瀬委員)  芦屋はインクルーシブ教育をしているので,小学生,中学生はかなり障がいに対する理解 がある市だと思います。子どもたちは本当に素直なので,どのようなお子さんに対してもど のように接したらいいかをすぐに受け入れてくれますが,大人の方がその辺りは難しい。子 どもにインクルーシブ教育をしているのであれば,保護者も一緒にインクルーシブ教育の講 習を受けてもらったらどうなのだろうという話が先日出席した協議会の中で出ています。せ っかく子どもたちが学校で学んでいることを大人が理解しないというもったいないことが 起きていると思います。  そういうことは学校教育の話になってくるのかなと思うのですが,せっかくなのでその辺 りもよろしくお願いします。 (事務局 柏原)  補足を致しますと,先日,能瀬委員はバリアフリーの協議会にも委員として出席されてお られまして,私も関係課として参加しておりました。  バリアフリー法が改正されまして,バリアフリーというと物理的なバリアフリーとつい思 いがちですが,今回は心のバリアフリーという部分も強く基本理念にうたわれるようになっ てきております。その点から,子どもに関しては学校でのインクルーシブ教育が芦屋は進ん でおり,そうしたインクルーシブ教育や社会福祉協議会による福祉学習を通して,子どもは 大変理解がある一方で,大人の方は偏見が強く,子どもに比べて親に対する理解が低いので はないかという議論があった,というお話でございます。 (学校教育課 田淵)  確かに,子どもたちは就学前から感覚的にそういうことを学んで育っていっているのかな と思います。我々教師も子どもたちの姿から学ぶということが実際にあります。  保護者への啓発というか,保護者へどう広めていくかにつきましては,懇談会や実際に見 てもらったりなどというところの話になってくるかなと思うんですが,またそれ以外の別の 機会があるのかどうかというところは検討させていただきたいと思っています。 (遠藤委員)  インクルーシブ教育に関連しているのですが,私は新聞記者なので,私自身の取組の報告 を少しさせていただきたいと思います。  ご承知のように,インクルーシブ教育は大阪がすごく進んでいまして,その中でも豊中市 が全国的にも中心地という形で進んでおります。豊中市でも学校の先生方と教職員組合と毎 日新聞が15年ほど前からずっと「インクルーシブ教育を考えるシンポジウム」を毎年開催 しています。そちらの方ではかなりの人数の市民の方が来ていただいて,意識を共有すると いう取組をやっております。  芦屋の場合,豊中のモデルを受け継いで広まってきたという歴史があります。そういった 点でも,市民への啓発を含めて,何らかの積極的な行政的な取組や,市民レベルでの取組が あるといいと思います。芦屋のインクルーシブ教育がすごく広がっているというのは,時代 の流れとしてもすごくいいことなので,それをもっとアピールしていただければと思ってお ります。    (3)今後のスケジュールについて  事務局より「資料3:芦屋市障害者(児)福祉計画及び障害福祉計画・障害児福祉計画策 定スケジュール」説明 (4)その他について (事務局 柏原)  先ほど,簡単に説明させていただきました,昨日,赤星憲広様より頂いた車椅子につきま して説明させていただきます。  車椅子を頂くというお話になった経緯は,昨年,広報でご覧いただいている方もおられる かもしれませんが,「障がい者スポーツを考える」というテーマをもとに,赤星様にインタ ビューをさせていただいたのがきっかけでございます。その中でこの赤色の車椅子のお話も 出てきまして,これまでの寄贈は,基本的には毎年欲しい所が手を挙げてという形で,いろ いろな選考を重ねて,台数を決めて渡されているようなのですが,ご本人はプロ野球選手に なられて寮を出られてからはずっと本市にお住まいだということで,大変愛着があるんだけ れども,これまで芦屋市に何もできていなかった,というようなお話が出まして,今回寄贈 いただくことになりました。  こちらにつきましては,後ろにサインを入れていただいております。全ての車椅子にサイ ンと「勇気」という言葉を入れていらっしゃるそうです。  市役所内で体調が悪くなられた方,車椅子を必要とされている方用に使うのと,福祉学習 などで車椅子授業などを求められた時に,この車椅子を使っていただいて,子どもに興味を 抱いていただくきっかけになればいいなとも思っており,今後いろいろなところで活用して いきたいと思います。  今年は市制80周年でございまして,いろいろなイベントを企画していたところでござい ますが,このような状況下でございまして,あと1年延ばして来年度も80周年事業として 展開していこうということになりました。来年度また赤星様と一緒に何か事業をできればい いなということで企画しておりますので,また具体的な形になりましたら皆様にもご報告を させていただこうと思っておりますので,どうぞよろしくお願い致します。 ・閉会 堺副委員長より閉会挨拶 (堺副委員長)  皆様,大変ご苦労様でした。今日は中盤以降,相当盛り上がった議論ができたように思い ます。5回のうち3回ですから,中盤に差し掛かって,一番良かったと思います。  今日の資料で,カラー刷りの資料を頂きましたが,非常にご苦労様でした。とても分かり やすい資料だったと思います。資料ではインタビューやアンケートを基にして,とても現実 的な,貴重なご意見がこの中に盛り込まれているということで,これもとても良かったと思 います。  ただ,計画というものは短期も含めて中長期的にも繋がる計画になりますので,現実的な 現場の意見だけを尊重し過ぎるのもよくありません。個人的にはニーズに対する満足度を高 めていくだけでは,計画として少し弱いような気がしています。現実的な意見ばかりになり ますと,本当に福祉サービスを待っている,声の小さな人たちの思いを見落とす危険性があ りますし,逆に声の大きい人の意見だけがクローズアップされてしまう危険性がないかとい うことになります。  中期計画の副題は別途検討ということでしたが,現行計画の副題が,「私もあなたも主人 公になれるまちを目指して」ですが,そもそもこの副題が問題ではないかと思います。例え ば,「他人の喜びをともに喜ぶ市民になろう」など,要するに,みんなヒーローというので は,私はいけないと思います。ヒーローにならなくても,影のヒーローというような,心の サポートをするような市民になっていこうという方がいてもいいのではないでしょうか。  新型コロナウイルスの件でいろいろなことをみなさん悩んでおられますし,課題も出てき たと思います。要求に応えていくとか,課題を解決するということは非常に大事なことなの ですが,それは堂々巡りで,行きつくところがないというようにも思われます。「他人の喜 びをともに喜び合う市民になろう」という副題をもし仮に設定したとするならば,ヒーロー を目指す計画とは全く違うものになるような気がします。ヒーローにならなくても,ヒーロ ーをサポートする,その人が喜んだ姿を見て私もうれしいというようなことを目指したらど うかと思います。それでは,みなさま次回またお会いしましょう。ありがとうございました。   以 上