第4回 芦屋市障害者(児)福祉計画及び芦屋市障害福祉計画・芦屋市障害児福祉計画策定委員会 会議録 日時 令和2年10月6日 火曜日 午後1時30分〜午後3時00分 場所 消防庁舎3階多目的ホール 出 席 者   委 員 長   木下 隆志        副委員長   堺 孰        委  員  土田 陽三  朝倉 己作  能瀬 仁美  森  愛子                 加納 多惠子 岡本 直子  三芳 学   福田 晶子               桝田 真史  遠藤 哲也  安達 昌宏        欠席委員   松本 有容        事 務 局   柏原 由紀  長谷 啓弘  川原 聖貴  北村 惟子        関 係 課   地域福祉課  山川 尚佳  中山 裕雅  吉川 里香                子育て推進課 小川 智瑞子               学校教育課  田淵 雅樹  森  洋樹        関 係 者 三菱UFJリサーチ&コンサルティング 株式会社 枡田 恵 事務局    障がい福祉課 会議の公開  公 開 傍聴者数   0 人 1 会議次第  (1) 開会    開始時点で14人中13人の委員の出席により成立  (2) 委員長挨拶 (3) 議事    @障害福祉計画・障害児福祉計画に係る基本指針について 資料1,当日資料    A第6期障害福祉計画・第2期障害児福祉計画の骨子(案)について 資料2    Bその他  (4) 閉会 2 提出資料 ・資料1 :障害福祉計画・障害児福祉計画に係る基本指針 ・資料2 :第6期障害福祉計画・第2期障害児福祉計画の骨子について ・当日資料:基本指針の見直し 3 審議経過 ・委員長挨拶 (木下委員長)  今回の障害福祉計画は,推計値も含めて,具体的な数値をもって説明する段階にきて います。ある意味,国が定めているものが芦屋市としてしっかりできているかというチ ェックの視点としての機能もある数値です。内容は難しい部分もあると思いますが,数 値も含めてできるだけ分かりやすく説明いただければと思います。そのうえで,芦屋市 の実態に即して,「本当にこれでよいか」というところのご意見をいただければと思い ます。よろしくお願いします。 ・議事 (1)障害福祉計画・障害児福祉計画に係る基本指針について 事務局より「資料1:障害福祉計画及び障害児福祉計画に係る基本指針構成案」,「当日 資料1−1:障害福祉計画及び障害児福祉計画に係る基本指針の見直し」説明 (木下委員長)  @からFに関して基本指針が示されています。国が示しているものに対して実施して いくことになりますが,内容的に難しく,基本的な仕組みが分かっていたほうがよいも のがあります。成果目標が@からFまである中で,例えば,Bに「地域生活支援拠点等」 とありますが,これは従来から進められてきたもので,簡単に言うと,24時間体制で 何かあった場合に支援する体制を構築しようというものです。新しく成果目標に出てい る相談支援体制等では,子どもの方では医療的ケア児に対するコーディネーターの配置 など,今まで以上に相談支援の中身を強化することが書かれています。  多岐に渡りますが,ご意見はどこからでも構いません。分かりにくいところの質問で も結構です。成果目標に「このようなことは含まれているか」というご意見でもよいで す。ご質問等がありましたら,お願いします。皆様が日頃思っておられることでも構い ません。 (朝倉委員)  堺副委員長にお聞きしたいのですが,堺副委員長が所属している施設において,入所 者数は何人ですか。 (堺副委員長) 約110人です。 (朝倉委員)  知的障がいのある人のことを考えると,入所施設からグループホームや地域に移行す ることは大変難しいように思います。どうすれば地域移行できるのかと思います。地域 で生活できるようにプラスアルファの能力をつけることでしょうか。それが分からない のですが,芦屋市としてどのように考えていますか。 (木下委員長)  ただ今のご質問は,そもそもの,施設入所者の地域移行という発想に対する疑義とい うことでしょうか。 (朝倉委員)  その通りです。国は,市がどのようなことをすれば地域への移行ができると提案して いますか。 (堺副委員長)  24時間型の入所型施設の入所要件は,障害支援区分が4以上です。そのため,ご指 摘のように,入所型施設から地域に移行することはとても難しいと思います。昔の措置 時代は,本人・家庭的・社会的な理由で入所していたため,一見すると障がいのない人 との差がないような軽度の人も入所していました。そのような人が地域移行することは 比較的簡単でしたが,今は重度の方が多いので難しいです。 (朝倉委員)  堺副委員長の施設はそうだと思いますが,行政としては,何をすれば,この数値を達 成できると思っていますか。 (木下委員長)  成果目標の6%の根拠ということですか。 (朝倉委員)  そうです。1.6%という数値も含めて説明をお願いします。 (木下委員長)  数値の根拠はありますか。それとも推計値で測っているだけですか。計算方法があっ たように思いますが。 (事務局 長谷)  1.6%,6%という数値は全国的な数値で,当日資料の8ページの「現状」に,そ の数値の根拠があります。この資料では,平成30年度末時点の減少率を元に,3か年 の計画はこれくらいの水準で見込むということが書かれています。1.6%,6%はあ くまでも全国的な水準です。芦屋市で換算すると,そもそも対象者数が少ないことから, 1.6%,6%という数値では目標値が1人や2人になってしまいますので,それ以上 の数値で今回見込むことを考えています。  実際のところ,施設入所者に対して行政から積極的に働きかけて地域への移行を進め るということはできていません。ただ,施設の職員から,「この人をグループホームに移 行させてはどうか」という相談は定期的に受けています。 (木下委員長)  補足になりますが,地域生活に戻っていく数値は,現状でいいますと1.6%という のは自然減です。行政として積極的に動いていない中で,数値をクリアしているという ことは施設内で亡くなる方などの自然減の要素が大きいということです。冒頭でも話し たとおり,芦屋市としてどうしていくべきかという視点をもつ一方で,県や国から「で きているか」というメルクマールを提示されているため,市としては「そこは超えまし ょう」という目標値を立てることになります。  先ほどの朝倉委員のご意見の,そもそもの地域移行に関してですが,実際に入所希望 者が多い中で現実に即しているかという議論があると思います。その議論も大切ですが, ひとまずここは市としてはクリアできているということです。  他にご意見はありませんか。 (朝倉委員)  社会福祉法人山の子会が地域生活支援拠点等になったと聞いていますが,今のところ 24時間体制の支援において何件くらい相談がありましたか。 (事務局 長谷)  地域生活支援拠点等については,芦屋市では,社会福祉法人山の子会が展開している 「高浜町ライフサポートステーション」が担っています。登録者数はさほど増えていな いのが現状です。 (朝倉委員)  実際のところ,どれだけの方が相談に乗ってもらっているのかということです。今の ところ事前に登録した方でなければ利用できないことになっています。それではもった いないのではないかと思います。 (事務局 長谷)  たしかに登録者数としてはわずかですが,例えば家族の方が葬儀に参列しなければな らなくなった,急遽入院することになった場合など,そういう何かあった場合に短期入 所を使っていただくという緊急的な対応はできる体制になっています。 (加納委員)  24時間の体制のことがでましたが,保健所の位置づけについてお聞きしたいと思い ます。24時間体制も昔の保健所ならお願いできますが,芦屋健康福祉事務所ではそう いったことができるのでしょうか。依存症など精神障がいに関する窓口は県が担ってい るという説明もありましたが,それ以外にも認知症など,現場ではいくつものケースを 抱えています。もともとは保健所で実施してきた相談業務も,そのほとんどが保健福祉 センターの3階にあります保健センターの保健師の活動に変わってきているのではない かと感じます。保健所のあり方が,どのようになっているのかを把握しておられたら, 教えていただきたいと思います。保健所の役割も多少変わってきているのではと思いま す。 (木下委員長)  今後,芦屋市の保健センターが様々な保健機能を担うようになると思います。精神障 がいは県が担っている部分が多く,例えば医療的な介入については保健福祉センターで はなく,県の福祉事務所になります。相談の現場では,警察,保健所介入はそこに頼る しかないというジレンマを抱えています。一方で,健康診断などの予防的施策は市で担 います。今回,新型コロナウイルス感染症の影響で,撤退する予定だった芦屋保健所が 今後どのようになるのか。安達委員はその辺りについて何か情報はありますか。 (安達部長)  措置入院や新型コロナウイルス感染症の対策も県の保健所の方針に基づいて行ってい ますが,感染症の発生状況に関する情報は入ってきません。われわれは事業所から連絡 を受けて,例えば,事業所のヘルパーがPCR検査を受けるということであれば,ヘル パーが専属であればよいのですが,2〜3か所の事業所に従事している場合はすべて追 跡して,陽性と判明した際はすぐに対応できるように準備をしているというのが現状で す。  西宮市,神戸市は中核市,政令市ということで保健所機能を市で設置できますが,芦 屋市の人口規模では設置できません。今回,県民局の統合により芦屋から芦屋保健所が なくなることについては,議会でも移転しないよう要望書を出し,それについては採決 されています。今後の対応については,今のところこちらには情報は入ってきておりま せん。県の動きも分からないため,日々注視しているのが現状です。今後,計画の説明 があると思いますが,状況が刻々と変わっていることから,こちらとしてもなかなかす ぐに動くことが難しいところです。 (木下委員長)  これらの基本方針の見直しを受けて,「第6期障害福祉計画・第2期障害児福祉計画の 骨子(案)」で具体的な数値が出てきます。そこも含めて議論した方が意見は出やすいと 思いますので,次の議題に進みたいと思います。 ・議事 (2)第6期障害福祉計画・第2期障害児福祉計画の骨子(案)について 事務局より「資料2:第6期障害福祉計画・第2期障害児福祉計画の骨子(案)について」説明 (木下委員長)  今の考え方の推計値でよいか,また推計上は実施数が少なくても残す方がよいという ことで実施するものもあるため,それらについてご意見をいただければと思います。 (遠藤委員)  具体論ということなので,具体的にお話しさせていただきたいと思います。前回も触 れた移動支援は,市民生活のサービスの大きなポイントになる事業ですが,芦屋市の現 状として,かなりの利用者が困っているという声を聞いています。後退することがない ように強く求めたいです。増加傾向のため,それを見込んで推計していることが記載さ れていますが,ぜひ利用者本人と家族を支援する事業の展開を強く求めたいと思います。 (木下委員長)  移動支援に関しては,どこかで議論を交わさないといけないと思っています。ドア・ to・ドアの問題と2人介助の問題をどのようにしていくのか。また,施設入所者の方が 利用できるかなどを整理しながら,話を進めなければならないと思います。事務局から コメントはありますか。 (事務局 長谷)  遠藤委員のご意見や木下委員長のお話のとおり,市としても移動支援の利用方法につ いては課題として認識しています。他の会議体になりますが,昨年度の自立支援協議会 の中でも,できる限り早い段階で,市が考えている方針をお示ししたいということをお 伝えしています。市としての考え方が定まり次第,まずは自立支援協議会でお諮りした いと思います。  芦屋市は,日中一時支援事業所の数が非常に少ないため,通所系のサービスを利用し た後の居場所が少ないという課題があります。その居場所の足らずの部分を埋め合わせ するような形で移動支援を利用する人が多いというのが実情となっています。遠藤委員 のご意見のように利用者・利用量については今後も増える方向だと思いますが,どのよ うにこの事業を展開するかは,市の財政も考慮しながら検討しなければならないと思い ます。総合的に勘案して検討したいと思います。 (朝倉委員)  市の考え方は,自立支援協議会でいつ頃回答いただけるのですか。 (事務局)  市の考え方として,12月末に開催する自立支援協議会でお示しできればと考えてい ます。 (朝倉委員)  育成会のメンバーからも移動支援に関する要望はかなり多いです。国の方針は「地域 に出る」ことですが,移動支援は,地域に出る取り掛かりの重要な位置を占めるものに なると思います。人との触れ合いについては,残念ながら親ができる範囲に限りがあり ます。そのプラスアルファが移動支援を使うことだと思います。ぜひお願いします。 (福田委員)  「医療的ケア児者を支援する通所・居宅事業所の整備」は,「市内に看護師を配置して いる生活介護事業所があれば整備済みとなる」という説明でしたが,受入れの申し込み があった際に,実際に受入れができるかが,整備できているかどうかの指標になると思 います。その辺りはいかがでしょうか。 (事務局 長谷)  県としては,先ほどの説明のとおり,市内の生活介護事業所に看護師が配置されてい ればよいことになっていますが,福田委員のご指摘のように,実際に必要になった際に, 適切に使える状況なのかが1つの課題だと思っています。現在看護師を配置している事 業所としても,今まで受入れをしたことがない利用者を突然受け入れることは相当ハー ドルが高いと思います。その辺りは事業所と相談しながら,ということになろうかと思 います。 (福田委員)  「精神障がいにも対応した地域包括ケアシステムの構築」の考え方について,「地域包 括ケアシステム」という言葉自体,高齢分野から出てきている考え方だと思います。「精 神障がいにも対応した」ということは,既存の地域包括ケアシステムの中に,精神障が いも含めていくということなのか,または障がい独自で別ということなのか,どのよう にとらえればよいか,市の考えをお聞きしたいと思います。 (事務局 長谷)  イメージとしては,高齢部門で展開している地域包括ケアシステムのようなものです が,「精神障がいにも対応した地域包括ケアシステムの構築」は,精神障がいのある人が 地域の一員として,安心して自分らしい暮らしができるように,特に精神科医療や一般 の医療,障がい福祉,住まい,社会参加などを包括的に提供するシステムを目指すとい うものです。今回は,精神科病院との連携を主に考えています。 (福田委員)  それでは,高齢の地域包括ケアシステムとは考え方は同じですが,これとは別という 理解でよろしいでしょうか。 (事務局 長谷)   はい,そのとおりです。 (遠藤委員)  障がい福祉サービスの見込量の短期入所についてですが,「増加傾向であるため,過去 2年度の実績及び令和2年度の見込をもとに推計する」ということでしたが,私の娘も 先月初めてショートステイを利用し,大変楽しんでいました。初めて親と離れる体験を 積み,娘にとっても自立への一歩になったと思います。親としても,このようなサービ スが地域生活や自立生活につながることをとても実感しました。このような地域サービ スが増えればよいと思っています。  先ほど,増やすということを言っていただきましたが,先ほどの移動支援にも重なり ますが,方向性として,芦屋市として地域での暮らしを応援する位置づけを計画に記載 していただきたいと思います。現在の利用量を踏まえて,すべての数値を機械的に算出 するというような考えではないと思いますが,機械的に算出してしまいますと「他の自 治体と横並びでよい」とも捉えられかねません。芦屋市の方向性,政治姿勢,計画とし て,「地域の暮らしを応援する」という方向にもっていっていただきたいと切に願います。 (岡本委員)  「医療的ケア児者を支援する通所・居宅事業所の整備」は「整備済み」ということで すが,今はみどり地域生活支援センターしかないのですか。 (三芳委員)  医療的ケア児を受け入れている事業所については,伊勢町で児童発達支援と放課後等 デイサービスの事業所が活動されています。 (岡本委員)  「整備済み」なのでこれだけでよいということではなく,今後も少しずつ増やしてい くという考えはあるでしょうか。「整備済み」なので,その上を目指すことはないのでは と思いました。他の部分でも気になったため,質問させていただきました。 (事務局 長谷)  医療的ケア児はこの間相当増えています。そして,医療技術はさらに進歩していきま すので,これに伴い,医療的ケア児についても今後も増え続けていくと認識しています。 その辺りを言葉として加えることができればと思いますので,検討したいと思います。 (土田委員)  成果目標の@からDくらいまでは目標値自体が下がっていますが,今までやってきた ことを引き続き取り組んでいくという理解でよろしいでしょうか。 (事務局 長谷)  そのとおりです。目標値の幅としては下がってはいますが,第5期障害福祉計画がス タートした時点からでいうと上がり続けている目標となります。 (土田委員)  成果目標の残りの2つはこれから策定していくということですか。 (事務局 長谷)  はい,そのとおりです。 (加納委員)  地域で具体的に起きたケースについて少し触れたいと思います。以前,社会福祉協議 会で関わったかたについて,地域からご相談がありましたので,相談員に確認しました ところ,「その方は現在65歳を超えていますので,制度としては介護保険の方に移るこ とから地域包括支援センターにつなぎました。」という回答でした。私はそれが腑に落ち なかったので,「制度だけで動くものではない。制度にかからない人のことも長く見守る のが社会福祉協議会の役割なので,65歳を過ぎたからといって地域包括支援センター につなぐということではなく,どのようにすればその男性を継続的に支援することがで きるのか,ということを考えて欲しい」と伝え,納得していただいたことがあります。 (木下委員長)  縦割りのようになってしまったということですね。ありがとうございます。  能瀬委員はいかがですか。 (能瀬委員)  かつて芦屋市には児童発達支援の事業所が少なかったため,まずは利用実績・利用人 数がここまで増えたことを嬉しく思っています。  地域生活支援拠点については,現状に関する話と,将来的なことに関する話について, 設置後に協議されているのかどうか疑問に思いました。 (木下委員長)  児童発達支援の実績と,地域生活支援拠点の今後の見通しを大まかに話していただく ことは可能でしょうか。児童発達支援の実績は増えていると思いますが,そもそも,就 学前の子どもを日中に保育園のような形で預かるものなので,対象はそれほど多いわけ ではないと思います。 (事務局 長谷)  児童発達支援の事業所はこの間増えているのが現状です。 (能瀬委員)  保護者には,地域生活支援拠点である高浜町ライフサポートステーションに児童発達 支援センターがあることは,あまり知られていないように思います。 (木下委員長)  それは課題かもしれません。保育所で加配をつけて見ていただくこともできるため, 以前のように放ったらかしということではないと思います。  地域生活支援拠点については,冒頭でお話があったように,どこかの時点で,どこま でできていて何が課題かを検証することが必要だと思います。例えば,ショートステイ のように人数が増えて24時間体制になっても対応できているものもあれば,夜間の緊 急対応で電話を受けたり,相談に乗ったりする部分はまだ手薄で課題であるなどがある と思います。このようなことをどこかで見直して,検証を行うことが必要です。 (事務局 長谷)  地域生活支援拠点の検証については,少なくとも来年度以降必ず年に1回は行うこと を記載したいと思います。 (桝田委員)  現在,芦屋市にある保育所等訪問支援の事業所は1か所ですか。 (事務局 長谷)  そのとおりです。 (桝田委員)  1か所でこの人数をまかなっているのですか。それとも,芦屋市の人が他市の事業所 も利用しているということでしょうか。 (事務局 小川)  保育所等訪問支援は市内には1か所ですが,市外を利用しているパターンもあります。 ただし,希望する保護者が増えているため,市内にも事業所が増えればいいと思ってい ます。 (桝田委員)  保育所等訪問支援は大変いい制度だと思っています。保護者の方は学年が上がる度, 幼稚園から小学校・小学校から中学校に進学する度にどうすれば適切な支援が受けられ るかと悩まれています。保育所等訪問支援は,保護者の方から直接学校の先生に言いに くいことを代弁してくれるような制度でもありますので,私どものところに来られる保 護者の方にはぜひ利用するようにと勧めています。そのような事業所が市内に増えると いいと思います。 (木下委員長)   ありがとうございました。ある程度意見も出尽くしたみたいですので,最後に堺副委員 長から,まとめの言葉をいただきたいと思います。 (堺副委員長)  この会議もそろそろ山場を過ぎようとしています。この会議の場でこれからの3年間 を見据えた数値が設定されるということになりますので,一人ひとりの委員の皆さまに も設定をした責任が生じると思っています。  昨今思うことを述べさせていただきますと,支援や介護など,人をサポートすること が「サービス」という名前に置き換わり,そこにお金が発生することになりました。先 ほど加納委員も言われたように,「損か得か」ということが福祉の業界にもどんどん割っ て入ってきています。  ただ,今の世の中それではだめです。助け合いの成果など,世の中で何か工夫をした ことでサービス量が減ったり,支援の幅が広がったり,ということならいいのですが, 先ほどから説明を聞いていても,「○〇事業,○〇支援」ということで,これらすべてを 理解している人は何人いるだろうと思います。国や県から示されている基準をベースに 見込量が設定されていると安心したり,逆に,ここに示されていないものはやらなくて よいのかと不安になったり,安心と不安が入り混じった状態になります。示されている 基準を,「幸福度」という観点で福祉を見直して,もっと単純なほうに移行できないもの かと思います。  措置から契約になったときは,単純化しようという発想でした。今は,上乗せで,ど んどん事業が増えています。「サービスを利用しなければ損」という考えになっては,障 がいのある人やその保護者にとって本当に安心できる居場所につながるだろうかと思い ます。新型コロナウイルス感染症は,そのことを一度立ち止まって考える絶好のチャン スです。今までの議論も踏まえたうえで,本質的な部分を考え直すのがよいと思います。  新型コロナウイルス感染症では, 安倍首相の時に, マスクを出すなどで「国に予備 費はどのくらいあるのだろう」と思いました。決められた基準を元にしてお金が積算さ れ,議会で認められて目標ができても,予備費を置いておくことが必要です。予備費を 置いて,変幻自在に時代に合うサービスを行うことが重要です。「達成したからよい」と 安心して硬直化すると,芦屋市らしい福祉にはならないのではと思います。委員の皆様 も,そのようなことを感じておられるかもしれませんが,われわれには,3年間の責任 があることも分かりながら,このような発言させていただきました。 ・議事  (3)その他 (木下委員長)  事務局から何かありますか。 (事務局 柏原)  1点,報告させていただきます。  今回は,3年計画の障害福祉計画を議論させていただいていますが,次回は6年計画 の障害者(児)福祉計画を議題にする予定です。この6年計画について,10月1日付 で兵庫県より「ひょうご障害者福祉計画の改定時期延長等について」という通知があり ました。  内容について説明いたしますと,県も本市と同様,元々は今年度までで,来年度から の6年間として計画を策定しておりました。しかしながら,今年度に計画を策定するに しても,ポストコロナを見据えて計画を策定するべきであり,そうなると,今年度中の 策定は難しいのではないかと審議会より意見があったとのことで,当初の予定より1年 間後ろにずれ込むことになりました。つまり,県は,現在の6年の計画を7年という形 で令和3年度までの計画にすることとし,次期計画については,令和4年度から始まる 5年計画として策定することになりました。  市町村が策定する中期計画である6年の計画については,法律で「都道府県障害者計 画を基本とする」と定められており,一方,県からの通知では,「各市町で計画を策定す るときは,県の計画が1年後ろにずれ込むことを留意してください」という表現になっ ています。「県と歩調を合わせて1年後ろ倒しにするように」とも「今年度に計画を作っ てください」とも言っておらず,曖昧な表現になっています。要するに,作ってもよい が,今後,策定される県の計画と齟齬がないようにしてほしいということです。  芦屋市としては,近隣市の状況も確認しますが,できれば今年度中に計画を策定した いと考えています。来年度に県が次期計画を定めた時点で,県の計画を踏まえて適宜見 直しをする,そういった方向で進めたいと考えています。  その場合,委員の皆様には,本来であれば計画策定期間までの任期での就任をお願い しているところですが,来年度に1〜2回程度お集まりいただき,県の方向性を見据え て,策定済の市の計画の微調整のための話し合いをお願いしなければならないかもしれ ません。この件については,本市としての方向性を内部で十分協議して,次回の策定委 員会にて皆様にお示ししたいと思います。県の動向がこのようなことなので,今後の方 向性如何では,皆様には当初予定していた期間より少々長くお付き合いいただく可能性 があることを,一旦報告させていただきます。 (木下委員長)  6年間の障害者(児)福祉計画は,少し延びて微調整しながら行うということですが, 基本的には今年度に計画を作るということです。よって,本日議論した3年の障害者福 祉計画と障害児福祉計画はこのままやっていきます。推計値に関しては,計算の考え方 に疑義があったわけではないため,最終的な推計値は事務局と委員長,副委員長で作っ ていきたいと思います。よろしくお願いします。  それでは,これをもちまして,第4回策定委員会を終了いたします。皆様お疲れさま でした。    以 上