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更新日:2024年3月29日

【後編】災害に立ち向かう

搬送を待つ被災者

詰め所

被災地での活動は、出発から3日後の1月17日。

芦屋市救急小隊には奥能登広域圏事務組合消防本部内浦分署管内の

救急需要への対応が下命された。

現地では数件の救急出動を行った。

地元の病院は地震の影響により機能が停止し、

処置が必要とされる入院患者は行き場を失っていた。

芦屋市救急小隊は、そのような入院患者を救急車へ収容し、

市外の病院への転院搬送などを行った。

この日に初めて被災地の消防職員と接触する。

消防職員は肉体的疲労と精神的疲労を堪えて、

ぎりぎりのところで踏ん張って、職員一丸となって頑張っていた。

そのような状態にあるにもかかわらず、応援に駆け付けた我々に対して細やかな気配りと、

万全な受け入れ態勢を整えてくれていた。

 

地上と空からの救出活動

ドローン

兵庫県大隊は救急活動以外にも、

倒壊建物や土砂崩れの現場で救出、捜索活動を行っていた。

前日の雨や、雪が兵庫県大隊を苦しめた。

汚泥の影響により思うように作業が進まない状況であった。

活動場所に車両が寄り付くことができず、離れた場所に車両を停車させ、

何往復もして資器材を徒手で搬送する。

足はぬかるみに取られ屈強な隊員たちの体力を容赦なく奪う。

そのような状況の中、兵庫県大隊で出動させた重機が威力を発揮する。

倒壊した建物を排除し、土砂をかき出し、車両が寄り付けられる道路を整備する。

心強く感じた。

空には兵庫県消防防災ヘリとドローンが飛行する。

孤立集落からの救出、支援物資の搬送、患者搬送、被害調査、

土砂災害現場の安全管理など、地上では決して行われない活動を上空から支援する。

 

二次災害のリスク

土砂

度重なる余震により作業の手が止まる。

その度に、必ず建物や土砂崩れの安全を確認し、作業を再開する。

建物や土砂の専門家の助言を依頼することもあった。

隊員が巻き添えになることは絶対あってはならない。

活動ができるのか、慎重に検討を重ねる。早く助けたい、

といった焦る気持ちをいったん抑え、冷静に判断する。

 

後方支援という重要な役割

後方支援2

出発時から、部隊の後方で動き回っていたのが、後方支援小隊であった。

後方支援小隊は災害現場で情報収集や資器材、食料の搬送など

各小隊が活動を行いやすいよう様々な支援を行っていた。

各小隊の寝床や食料など隊員の生活に関する全てを後方支援小隊が行っていた。

後方支援1

現場からベースキャンプに帰ってきた際に、食事等を用意して出迎えてくれた。

後方支援小隊がいることで、隊員が全力で現場活動ができ、

健康被害を訴えることなく任務を全うできた。

非常に重要な役割であると感じた。

 

復興と平穏な暮らし

2021001

芦屋市は阪神淡路大震災の際に多大な被害を受けている。

市内は壊滅し、消防力劣勢の状態が何日も続いた。

その後、阪神淡路大震災を契機に緊急消防援助隊が制度化され、

大規模災害が発生すれば、全国の消防から迅速に被災地に駆け付けている。

今回は芦屋市から被災地に出動し、消防活動に従事した。

少しでも被災地の人たちの助けになれば、といった思いで活動を行っていた。

被災地は復興に向けて越えなければならない壁は多くあることが予想されるが、

一日でも早い復興と、平穏な暮らしができる環境になることを願っています。

 

【前編】芦屋市から被災地へはこちら
 

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電話番号:0797-32-2345

ファクス番号:0797-32-0119

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