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更新日:2010年2月1日

「入札契約制度改善委員会」からの提言

1 はじめに

  1. 入札契約制度改善委員会(以下「委員会」という。)は、平成13年1月19日に現職助役が芦屋市発注の公共工事を巡る収賄容疑で逮捕されたことに伴い、「入札契約制度の問題点を調査し、再発防止を図るための改善策を審議するため」平成13年3月24日に設置された。委員会は、3月24日から11月2日までの間、延べ7回開催し、公共工事の入札及び契約の現状について検討を行った。
  2.  
    • (1)入札契約制度は社会的、文化的、歴史的環境に大きく影響しており、国により、時代により様々である。全国の地方自治体においても、適正な入札契約を行うための様々な入札契約事務についての工夫が行われているところであるが、各種の制度の良いところだけを集めた一つの制度を作ることは困難であるといわれている。 
    • (2)入札制度には時には矛盾する理念が自治体に要請されている。
      地方自治法は一般競争入札を原則としている。これは競争者が多ければ多いほど競争原理が働き、よりよい入札制度が出来るという理念に基づいている。
      他方、「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律」も公共工事の入札においては、中小企業を入札に参加させるよう要請している。地元住民もその自治体の公共工事の大半が市民税等を納付していない市外の業者に落札されているとなると、市民感情としてもこれを受け入れない。このような背景から「市内業者優先」という原則が地方自治体の入札業務に貫徹する理念として存在する。委員会はこの相矛盾する理念の一方を良とし、他方の理念を否として入札業務を見直してはいない。
      この理念の選択又は重点のおき方は最終的には市民が決定すべきであるからである。
    • (3)委員会の基本的な立場はどの理念に立つにしても、入札業務に適正な競争と透明な手続がどう確保されるべきかという立場からこれを見直した。

2 芦屋市の入札業務の現状

芦屋市における現行の入札契約事務は、下記のとおりであった。

  1. 入札方法
    • (1)一般競争入札
      芦屋市が実施している一般競争入札は、一般競争入札を実施している他の地方自治体と同様、地方自治法施行令第167条5の2に規定する一定以上の経営事項審査の評価結果、過去の同種工事の施工実績、資格と経験を有する技術者の配置などの条件をつける「条件付一般競争入札」としている。
      一般競争入札の対象工事は、土木工事及び建築工事の場合、設計金額が5億円以上の工事を対象としており、その内5億円以上10億円未満の工事については単社による参加とし、10億円以上15億円未満の工事については2社で構成する共同企業体による参加、15億円以上の工事については3社で構成する共同企業体の参加と決めている。
      また、土木工事及び建築工事以外の工事についても、これに準じて5億円以上の工事に関しては一般競争入札の方法をとっている。
      一般競争入札の基準を設けたのは、平成6年であるが、そのときは5億円以上ではなく、1億5千万円以上の工事を対象としていた。しかし震災後、工事量が急増したことから、事務の軽減を図るため10億円以上の工事を対象とし、その後平成10年10月から5億円以上に緩和し現在に至っている。
      実施件数は、平成6年度1件、平成7年度2件、平成8年度1件、平成10年度5件、平成11年度2件、平成12年度1件である。
    • (2)指名競争入札
      契約は地方自治法第234条により一般競争入札によることが原則であるが、一般競争入札は公正性という長所はある反面、手続に時間と手間がかかる等の問題もあり、実態としては全国的にほとんどが指名競争入札の方法をとっている。芦屋市においても同様であり、平成12年度の場合、入札件数96件の内指名競争入札の方法をとった件数は95件となっている。
  2. 業者選定
    • (1)業者選定委員会
      芦屋市における業者選定に関する事務は、「工事等契約の業者選定内規」(本年度からは「工事等の指名業者選定基準」)及び「建設工事等請負業者選定委員会内規」の2つの内規に基づいて行っており、業者選定委員会を設置している。
      • 1)第1種業者選定委員会
        第1種業者選定委員会は助役を正副委員長とし、その他7人の部長級職員による委員で構成され、次の事項について審議している。
        • ア)建設工事については1件の設計金額が3,000万円以上、建設工事に係る設計及び監理、測量及び調査委託については1件の設計金額が1,000万円以上の競争入札に係る参加者の選定
        • イ)1件の設計金額が1,000万円以上の建設工事の随意契約に係る契約の相手方の選定
        • ウ)一般競争入札に参加するために必要な資格に関する事項の決定及び参加資格の認定
      • 2)第2種業者選定委員会
        第2種業者選定委員会は、総務部長を委員長とし、その他5人の次長級職員による委員で構成され、次の事項について審議している。
        • ア)建設工事については1件の設計金額が500万円以上3,000万円未満、建設工事に係る設計及び監理、測量及び調査委託については1件の設計金額が500万円以上1,000万円未満の競争入札に係る参加者の選定
        • イ)1件の設計金額が200万円以上1,000万円未満の建設工事の随意契約に係る契約の相手方の選定
    • (2)業者選定方法
      選定にあたっては、芦屋市に競争入札参加資格申請書を提出し、登録された業者を、建設業法第27条の23に定める経営事項審査による総合評点により、工種毎に格付を行い、工事の種別、設計金額に応じて、その格付を行った業者の内から、過去の工事等の実績、地理的条件、技術者の状況、当該年度の指名回数等に留意して選定している。なお、特殊な機械及び技術を必要とする工事等、並びに災害時における応急復旧工事等については、この格付にかかわらず指名業者を選定することができることとしている。
      事務の流れは、工事の実施についての起案を事業所管課が行い、決裁終了後に事業所管課長から契約主管課長に「契約依頼書」が提出される。これを受けた契約主管課は工事等契約の業者選定内規や、これまでの業者選定委員会での意見等を踏まえ、「指名業者選定案」を作成し、これをもとに業者選定委員会において審議し、決定している。
      業者選定方法としては、業者選定委員会での合議によって選考しており、この方法は全国的にも実施され、制度上恣意的な業者指名が行われ難い方法になっている。しかし、市内業者優先原則が存在する為、市外業者が指名をされる可能性は下記(3)以外には極めて少ない。
    • (3)指名対象業者
      市内業者が施工可能な一般的な土木工事、建築工事及び造園工事については、市内業者の育成を図るため市内業者を優先的に指名し、高額な工事で市内業者のみでは指名業者数が不足する場合に市外業者を指名している。
      この結果、芦屋市の場合は市内業者の数が少数なため、指名業者がある程度固定化されている。
      上記以外の工事については、市内業者は数社しかないため、ほとんどの指名において、市内業者1社と市外業者あるいは市外業者のみを指名している。
      市外業者の選定方法については、平成12年度以前は不信用・不誠実の者を排除する趣旨を重視していたため、芦屋市の過去の同種工事における指名・施工実績を参考に選定していた。このため、自ずと限られた業者になっていた。
      適正化法の施行により、具体的な指名理由を明確にすることが求められており、これまでのような方法ではなく、工事の内容により有資格者名簿に登録された全ての業者を対象に、全売上高や工種別の売上高、芦屋市以外の公共工事の施工実績等の客観的なデータに基づいて選定している。
  3. 情報の公開
    透明性の確保のため、平成11年から1,000万円以上の建設工事について予定価格の事後公表を行い、平成12年には発注予定工事情報の公表を行っている。
    平成13年度からは、適正化法で公共工事の発注者に様々な公表が義務付けられた。芦屋市では実施済みの発注見通しの公表をはじめ、入札参加者の資格、入札者・入札金額及び落札者・落札金額等の入札契約に係る情報の公開を行っている。

3 芦屋市の入札業務と公正な競争と透明性

  1. 委員会は平成11年4月から平成13年9月迄の入札における落札結果を検討した。
    この間の予定価格に対する落札金額の比を示した落札率は別表のとおりである。この結果から判明することは落札価格に二つの特徴がみられる。予定価格に限りなく近いか又は予定価格の100%で落札している場合と、他方では予定価格の80~90%台の近くで落札している場合に区分出来る。
    100%で落札したからといって談合があったと断言出来る証拠は存在しない。
    しかし、入札に参加しながらその他の参加業者が全員予定価格をオーバーする金額で入札していることは真実落札する意思を有しているのか甚だ疑問である。予定価格を積算することは極めて容易になった時代においてコンピュータのない零細業者ならともかく中堅企業以上の業者が予定価格をオーバーして入札していることは適正な競争があったとはおよそ思われない。この不況下において入札参加業者が予定価格をオーバーしなければ落札したくないという程仕事量が多いとも思われない。他方では、予定価格の80%台で落札しているケースも相当数存在することからみると、100%又はその近似値での落札は、真実入札参加業者間に公正な競争があったかどうか疑問なしとしない。
    以上の結果は一般競争入札、指名競争入札を問わず普遍的に存在する。
    他方、指名競争入札でも業者選定の仕方により落札率が低いケースも最近ではみられるようになってきていることからみると、市内業者優先原則も公正な競争があって初めて適用される原則であって、公正な競争がない場合にまでこの原則を適用することは納税者、市民の立場からは決して認められるものではない。
  2. 芦屋市の入札業務の指名等における公平性については、上記市内業者優先原則以外に問題となる点があったと思われない。
  3. 入札業務における透明な手続については本年4月から適正化法に基づき既に実施されているので、問題となる点がなかった。

4 改革、改善すべき事項

入札及び契約がより公正に、適正な競争と透明な手続により行われるための方策として、次の事項について改善することを提言する。

  1. 入札方法
    • (1)一般競争入札
      入札は、一般競争入札が原則であり、最も公正な入札方法であるので、事務量等の問題もあるが、できる限り対象金額を震災前の基準である設計金額1億5千万円以上に引き下げ、一般競争入札の拡大を図ることが望ましい。
    • (2)指名競争入札
      市内業者の指名にあたっては、契約事務に関する先進市や、近隣市においても優先的に指名している現状にある。芦屋市においても市内業者を優先的に指名することについて一定の配慮が必要であると思料する。
      一部の自治体で行われている談合防止策として、通常の指名競争入札で指名する業者数よりも多く指名しておき、入札当日抽選により減ずる「抽選方式」や、類似する2つの工事を合わせて指名し、入札当日に抽選で2つの工事に振り分けるいわゆる「工事振り分け方式」があるが、市内業者数が少ない芦屋市においては、談合防止策として効果がある方法とは言い難い。
      市内業者のみを指名した入札において最近の事例をみると、最低制限価格を下回る入札があるなど、かなり競争原理が働いていると推察されるところであるが、市内業者のみの指名で行うことが出来る入札についても、当面は7社指名するときは市外業者を2社前後、10社指名するときは市外業者を4社前後指名するなどの方法を試行的に行い、入札状況を観察する必要がある。時には市内業者と同数位を市外業者にする等の試みも実施して観察することも必要であろう。
    • (3)公募型指名競争入札
      設計金額8,000万円以上1億5,000万円未満の工事あるいは設計金額に関わりなく、専門的な工事や特殊な工事で、指名業者の選考にあたり、過去の指名・施工実績等で判断しなければ選定しがたい工事等については、経営事項審査総合評点等一定の入札条件を満たす者は自由に参加できる公募型指名競争入札を試行的に導入する。
      この公募型指名競争入札は、入札会場の問題や事務手続上の問題から、20社程度を想定するのが現実的ではないかと考える。20社を上回った場合は抽選で20社程度にし、又、市内業者については指名機会を確保する趣旨から抽選せずに優先的に指名する方法等も考えられるが、市内業者優先原則がまずありきという立場はとるべきではない。これも試行的に実施することが必要である。
  2. 業者選定方法
    芦屋市では入札業者の指名にあたり、恣意的な方法でなく客観的な方法での選考に努めているが、今後ともより公平性、競争性の高い選定に心がける。
  3. 談合対策
    公正な競争の阻害は入札制度の根幹を崩壊させる。その為に談合があった場合については、厳しい姿勢で臨む必要がある。
    • (1)指名停止措置
      芦屋市では不正行為は絶対に許さないとの強い姿勢を表明するため、「市発注工事等に関し、談合等及び独占禁止法違反行為が認められた場合」又は、「芦屋市職員に対し贈賄があった場合」の指名停止期間については、現行の「12ヵ月」を「24ヵ月」に基準を改める。
    • (2)損害賠償予約条項の規定
      談合等不正行為があった場合、請負者に容易に損害賠償ができるよう、契約書に損害賠償を予約する条項を明記する。損害賠償額は契約金額の20%位とすべきであろう。また、談合等があった場合、契約締結後であっても芦屋市が契約を解除することができる旨の条項を加えるべきである。
    • (3)積算内訳書の提出
      入札に際し、入札参加業者から積算内訳書の提示を求めるとともに、談合情報が寄せられたときには、必要に応じて提出を求める。
    • (4)入札不調の場合の随意契約
      談合防止及び入札価格の高止まりを防止する観点から、2回の入札が不調に終った場合には、最低価格に近い価格で入札をした数社で抽選し、その当選者と随意契約するなどの工夫をする。
  4. 透明性の確保
    入札及び契約に係る情報については、公平性・透明性の確保が図られるものについては、積極的に公表する。
    今後取り組むことが望ましい事項は、次のとおりである。
    • (1)予定価格の事後公表について、公表の対象を予定価格「1,000万円以上の工事」から「250万円以上の工事」に拡大する。
    • (2)予定価格を公表する工事で、最低制限価格を設定したときは、その最低制限価格も併せて公表する。
    • (3)予定価格の事前公表については弊害もあるが、高額な工事の入札について試験的に実施する。
    • (4)指名停止基準及び指名停止に係る者の名称、期間及び理由については、その都度公表する。
    • (5)談合情報への対応に関する要綱を公表する。
    • (6)監督及び検査規程を早期に作成し、公表する。
    • (7)検査体制及び検査事務が軌道に乗った時点で、工事成績評定要領を公表し、評定の結果を請負者に通知するとともに、評定の結果を業者選定に反映できるよう検討する。
    • (8)高額な工事の入札結果については、市の広報紙に掲載し、広く市民に公表するよう努める。
  5. 施工体制の把握の徹底
    公共工事の品質を確保し、工事が的確に行われるようにするためには、工事の施工段階において適正な履行を確保するための監督及び検査を行うことが重要である。
    ついては、今後とも監督・検査体制の充実を図り、施工体制の把握の徹底に努めることにより、適正な施工体制の確保が図られるようにする。
  6. IT化の促進
    入札及び契約のIT化により、事務の簡素化が進み、これに伴い入札参加業者数を増やすことも可能となり、競争性が高まることも期待される。
    国においては、本年から電子入札の方法が一部導入され、今後、全ての事業に拡大される予定であるので、芦屋市においても、国の動向を見ながら、取り組んでいく必要がある。
    当面は、芦屋市のホームページに入札結果を掲示する等、実施可能な事柄から順次取り組んでいく。
  7. 第三者で構成する入札監視委員会
    入札及び契約の過程並びに契約の内容の透明性を確保するために、また、入札及び契約に関する苦情や不服に対して中立・公正な処理をするためには、第三者の監視を受けることが有効な方法である。そのため、学識経験者等で構成する「(仮称)入札監視委員会」を設置する。
    また、入札監視委員会には入札契約事務に関し職員が第三者等から不当な圧力等を受けた場合において、相談や調査を行う機能も持たせる。
    なお、入札監視委員会の機能としては、次のことが考えられる。
    1. 入札結果の審議
      • (1)入札契約手続の運用状況等について報告を受ける。
      • (2)一定期間における入札の中から入札方法毎に抽出し、一般競争参加資格の設定の経緯、指名競争入札に係る指名の経緯等について審議する。
      • (3)上記の事務に関し、不適切な点又は改善すべき点があると認められた場合においては、市長に対し意見具申を行う。
    2. 苦情処理
      • (1)寄せられた苦情に対する市の回答について、さらに不服がある場合、その内容について審査する。
      • (2)苦情や不服の申し出ができる事項は、一般競争入札及び公募型指名競争入札に係る参加資格、並びに、指名競争入札における業者指名に関する苦情等とする。
    3. 第三者からの圧力を断るシステム
      • (1)調査・審査
        職員が、第三者等から不当な要求や圧力を受けた場合、その内容について、調査・審査する。
      • (2)審査結果の報告。
        その審査結果については市長に報告する。市長は必要に応じて不当行為者への警告等の措置を講ずる。

5 おわりに

以上のとおり委員会は芦屋市における入札契約制度の現状と課題を調査し、入札契約手続の透明性の一層の向上、公正な競争の促進、談合等の不正行為の防止を図ることなどを目指し改善策をまとめた。
改善策については、でき得る事柄から速やかに実施をし、その結果を検証し、更なる検討が行われることが望まれる。
また、入札及び契約制度に関しては、入札業務の改革、改善はこれで100%という制度は存在しない。又、よりよい制度ができたとしても絶対に不正が行われないという保証はない。従って随時、入札状況を点検し、反省しこれに関わる職員や関係者等が不正を行わないという心掛けを常に持って望むことが肝要である。

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