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更新日:2021年9月21日

芦屋ロックガーデン

六甲山系を登る無数のルートの中でも、奇岩群を越えながら登るロックガーデンは1年を通して多くの登山者でにぎわう人気のルート。むきだしになった花崗岩が織りなす自然の造形とともに、遠く紀伊半島まで見渡せる眺望が登山者を楽しませてくれる。

ジャングルジムのような岩登りが醍醐味

スタートは阪急芦屋川駅。改札口を山側に出て、開森橋西詰から続く「高座(こうざ)の滝道」を芦屋川沿いに北へと向かう。「高座の滝・ロックガーデン」の標識が節目ごとに立っているので、導かれるままに歩くことができる。住宅街を抜け細くなった舗装路を進んでいくと、白文字で「ロックガーデン」と書かれた「滝の茶屋」のトンネルが現れる。

先に進むと見えてくるのが護摩堂。次第に水が岩をすべる音が耳に入ってくる。「高座の滝」だ。高さ10mから流れ落ちる水の勢いは力があり、かつては修験者の道場だったという。滝の左側上方には、日本の登山家の草分けの1人、藤木九三(ふじきくぞう)氏のレリーフが貼られている。

藤木氏は、朝日新聞の神戸支局長を務めていた1924年(大正13年)、岩登りを目的とした山岳会、RCC(ロック・クライミング・クラブ)を山岳仲間とともに創設。住居地から近かった芦屋川上流の変化に富んだ岩をトレーニングの場とした。一帯は「ロックガーデン」と命名され、日本におけるロッククライミング発祥の地として知られるようになった。RCC創設からさかのぼること8年、1916年(大正5年)には、ロックガーデンのルートを登る市民登山の「やまゆき会」が発足している。登山家だけでなく一般市民も行き交う登山道として古くから親しまれてきたことが分かる。

「高座の滝」にかかった木橋を渡り、登山道へと入っていく。ごつごつした岩石群の中から足場を見つけ一歩ずつ登る。途中いくつかの分岐があるが、「風吹岩(かざふきいわ)」の標識を選んで進む。しばらく行くと、眼前に白く大きな岩肌が立ちはだかる。迂回するように階段状に踏みしめられた道を通るもよし、手がかりと足場を見つけながら正面からよじ登るように上がってもよし。急な岩場にはくさりや高はしごがかけられている。岩に挑みながらの登山は、ロックガーデンならではの醍醐味。

ロックガーデンはまさに岩石群の博物館

「風吹岩」に近づくにつれ平坦な道も増えてくる。道の両側にせり出した赤茶けた花崗岩ロックガーデン8の岩肌に手を当ててみると、表面がぽろぽろと崩れる。マグマが地下深くで気の遠くなるほどの長い年月をかけてゆっくり冷え固まってできる花崗岩。

六甲山はその塊が隆起して地表に現れた姿。風化した花崗岩は崩れやすく、雨風によって刻々と形が変えられていく。一帯の岩石群はRCCによってその姿を形容するように「キャッスルウォール」などと名づけられており、風化した岩石群の標本を見ているようだ。

一方で、風化して砂山のようになった花崗岩のもろさは土砂災害を引き起こす原因にもなってきた。1938年(昭和13年)の阪神大水害は、山津波とも表現されるほどの被害をもたらし、ロックガーデンも土砂の圧力で姿を大きく変えた。そしてこの大水害は六甲山のその後の治水事業へとつながっていく。登山道から時折見える堰堤(えんてい)がそのことを物語っている。

自然、歴史、地形、時の移ろいに思いを馳せて歩く

六甲山の生いたちに思いを馳せながら歩くうちにロックガーデンのゴールでもある景勝地、標高447m地点の「風吹岩」にたどりつく。まさに風の通り道にある巨岩で下から見上げる威容に圧倒される。てっぺんへよじ登ると360度の視界が開ける。南側には手前に広がる芦屋市街の向こうに大阪湾、そして生駒山や金剛山、その間にはあべのハルカスの姿もくっきりと見える。眺望を楽しみながらひと息つくには格好の場所になっている。

そこから六甲山頂方面へ5分ほど歩くと「横池」の標識がある。左折してしばらく進むと美しい水面が現れる。ゆっくりお弁当を広げるなら池の岸辺がおすすめ。風吹岩まで戻って阪急芦屋川駅まで下りる道を選ぶ。花崗岩の急しゅんな砂地の道は下山時にはさらにすべりやすくなり、危険だ。そこで、来た道をそのまま引き返すのではなく、岩場のない「魚屋道(ととやみち)」ルートを「蛙岩」経由で下る。江戸期に灘で獲れた魚を新鮮なうちに有馬に運ぶために開かれたことからその名がついた由緒あるルート。

 

上りとは打って変わって、木々が茂る緩やかな道が続く。途中に出会う「蛙岩」は、大蛇に襲われそうになった蛙が岩に姿を変えたという伝承も残る。そこから歩いてすぐのところにある「会下山(えげのやま)遺跡」は、弥生時代の竪穴住居や祭祀場など集落跡が発見された遺跡で、国史跡に指定されている。ロックガーデンを経由するルートは、時空を越えて私たちの暮らしの営みを教えてくれる道でもある。

  

山行アドバイス

週末は多くのハイカーでにぎわうため、登山道が渋滞することも。逆に平日は、道迷いに気をつけ、必ず地図とコンパスは持参し、ルート3の万物相を見たら、風吹岩方面へ来た道を引き返すこと(例年、初心者が難関ルートに迷い込む事故が発生)。風吹岩周辺は、イノシシに注意。滝の茶屋を過ぎるとトイレはなし。必ず済ませておこう。芦屋ロックガーデン入口付近に駐車場はなし。阪急芦屋川駅やJR芦屋駅付近のコインパーキングを利用しよう。山の天気は変わりやすいので、雨具や防寒具も忘れずに。

問合せ先 0797-38-2033(芦屋市地域経済振興課)

 

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