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更新日:2014年10月30日
この建物は、日本で建築されたF.L.ライト設計の住宅の中で、建築当初の姿をそのまま保っているただ一つの作品です。また、彼の偉大な業績を研究するうえでも、その輝かしい前後の黄金時代に挟まれた、寡作の時代の作品でありながら、それ故にこそ、彼が数少ない作品に全力を傾注した時期の、貴重な遺産でもあるのです。
この建物が、以上のような建築史的意義を評価され、大正期の建造物として、また鉄筋コンクリート造りの建造物として、初の重要文化財の指定を受けたのは、昭和49年5月のことでした。
しかし、建築以来既に半世紀以上の歳月がたち、雨漏りや基盤の部分的沈下などに伴う破損が著しく、また彫刻された飾り石の欠落、生活上の必要から、後に加えられた部分的変更等も認められました。
そこで、昭和60年度から63年度にかけて、淀川製鋼所が保存修理の事業者となり、国・兵庫県・芦屋市からの補助を合わせ、約2億2千700万円の予算で抜本的な修理を施しました。
また、本館の修理完了後も、淀川製鋼所が約4千万円をかけて、周辺の植栽・防犯設備・見学用施設・家具什器等を整備し、一般公開するに至ったものです。