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更新日:2020年7月16日
南海トラフ(日本列島が位置する大陸のプレートの下に、海洋プレートのフィリピン海プレートが南側から年間数センチの割合で沈み込んでいる場所)で、発生するといわれている大地震です。
2019年時点で、南海トラフで発生するM8~9クラスの地震の確率を今後30年以内で70~80%程度としています。
詳しくは、内閣府「南海トラフ地震対策」(外部サイトへリンク)(別ウィンドウが開きます)もしくは気象庁「南海トラフ地震について」(外部サイトへリンク)(別ウィンドウが開きます)をご確認ください。
地球の表面は、10数枚のプレートという厚さ100kmほどの岩盤で覆われています。プレートには、大陸を載せている大陸プレート、海底にある海洋プレートがあり、大陸プレートの方が海洋プレートよりも軽くできています。それぞれのプレートは年に数センチの速度で移動し、プレートのぶつかり合うところに歪みが生じます。東南海・南海地震のようなプレート境界型地震は、この歪みが限界に達したときに発生すると考えられています。
平成24年8月29日に南海トラフ巨大地震に関する内閣府有識者会議において発表された第2次被害想定を受けて、兵庫県では兵庫県防災会議地震災害対策計画委員会にて検討し、平成25年12月24日に兵庫県独自の津波浸水想定図を発表しました。
1. 最大津波水位…3.7メートル(国想定:5メートル)
県想定は国のデータから防潮堤等の構造物や地形の一部を修正して用いているため、国想定とは差異が生じています。
2. 津波到達時間(津波高1メートル)…111分(国想定:111分)
3. 浸水面積…79ヘクタール(0.79平方キロメートル)
【条件】 ・防潮堤(河川堤防)は液状化により沈下。
津波が越流し、 防潮堤(河川堤防)は破壊される。
防潮門扉は開放された状態(自動閉鎖及び常時閉鎖しているものを除く)
詳細な浸水想定地域は兵庫県ホームページ(外部サイトへリンク)(別ウィンドウが開きます)にて公開されています。
兵庫県では、現行の兵庫県地域防災計画で想定している津波高を暫定的に2倍程度とし、その津波高と同じ標高の等高線警戒区域として示した「兵庫県津波被害警戒区域図(暫定)」と、防潮堤を超える高さや時間に応じ、流入する水量を計算し、浸水する面積を解析した「兵庫県津波浸水想定区域図(暫定)」を作成しています。
南海トラフの巨大地震に関する内閣府有識者会議において、平成24年3月31日の第1次報告(芦屋市 震度6弱、津波高3.6m)に続く詳細な被害想定結果(第2次想定)が平成24年8月29日に発表されました。
内閣府 南海トラフの巨大地震に関する津波高、浸水域、被害想定(外部サイトへリンク)(別ウィンドウが開きます)
1. 最大津波高…5メートル
※小数点以下切り上げによる数値であることに加え、推計単位を3月時の50メートルメッシュから今回10メートルメッシュで行なったことにより、前回の3.6メートルと比較して、海岸等のある一部地点の地形変形が反映されたことによる上昇等が考えられる。
2. 津波到達時間(津波高1メートル)…111分
3. 浸水面積…10ヘクタール(0.1平方キロメートル)以下の範囲
※詳細な浸水地域は示されていない。
4. 全壊棟数及び死者数…都道府県単位の数値のみ。
◎市町別の最大津波高の地点や浸水地域を検証する資料は無く、あくまでも最新知見に基づく国としての津波断層破壊モデルの最終形が示されたものであり、市町ごとの詳細な津波高や浸水想定区域図については、今後兵庫県がこのモデルに基づき独自のシミュレーションを実施し、公表される予定です。
前記のとおり、今回の発表を受けて、市として新たな見解や対策を示すには、想定条件や詳細項目について説明根拠が乏しいと捉えるものの、少なくとも平成23年10月に県から発表された、暫定的津波高2倍想定に基づく津波高及び浸水想定範囲内のものであると判断できます。
ただ、浸水面積や広域地図による浸水分布図からは、暫定的想定時と比較して浸水想定区域が激減している点等が見受けられることから、ともすれば、現在まで高まった住民等の津波災害への警戒心が薄れる可能性も懸念され、そのことは「想定に縛られない防災意識が必要」との東日本大震災の教訓から考察すると、望ましいこととはいえません。
以上のことから、本市としては、今後、兵庫県から公表される市町別の詳細な被害想定に基づき、避難計画・備蓄物資の検証等の具体的見直しを行なうこととしますが、それまでの間においても、これまで同様に手を緩めることなく、平成23年10月に県から発表された暫定的津波高2倍想定地域を対象とした、啓発・訓練・避難施設整備等のソフト対策を推進していくこととします。
下図のように東南海・南海地震、さらに東海地震は、これまでおよそ100~150年周期で繰り返し起きています。1854年の南海地震は、東海地震、東南海地震の同時発生から32時間後に発生しています。
これらの地震は、再び同時に起こる可能性も指摘されています。
地震が起きた年 | 死者・行方不明者 | 家屋全壊・半壊 | 家屋流失 | マグニチュード |
---|---|---|---|---|
1946年「南海地震」 |
1,330人 |
37,676戸(焼失含む) |
1,451戸 |
8.0 |
1944年「東南海地震」 |
1,223人 |
54,131戸 |
3,129戸 |
7.9 |
1854年「安政地震」 |
2,000~3,000人 |
約30,000戸(焼失含む) |
---- |
8.4 |
1707年「宝永地震」 |
20,000人以上 |
60,000戸 |
20,000戸 |
8.6 |
1605年「慶長地震」 |
2,357人以上 |
---- |
780戸 |
7.9から8.0 |
(内閣府 防災情報のページ)
朝5時発生のケース | 水門閉鎖不能時 | |
---|---|---|
死者数 |
約3,200~12,100人 |
+約1,400~3,200人 |
建物全壊棟数 |
約33万棟~36万棟 |
+1.6万棟 |
(内閣府 中央防災会議)