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更新日:2024年12月17日
市内では多くの事業者の皆さんが、屋外広告物を掲出しておられます。屋外広告物条例の施行以前から掲出し
ておられる事業者の皆さんを含め、より良い景観をつくるためにご協力くださっていることに心から感謝いた
します。景観や屋外広告物について事業者の皆さんの生の声をお届けするため、インタビューを行ないまし
た。第3回目は、西山町のそうさくてっぱん樹々の八重口様です。
阪急芦屋川駅から徒歩2分ほどにある
西山町のそうさくてっぱん樹々。
全席カウンターの落ち着いた店内では、
心地よい空間を作り出しています。
もともと東京でお店を出していたのですが、自然の中でお店をやりたいと思っていました。地元である芦屋に
帰って来た時に「やっぱり芦屋はいいなぁ」と思い、いつか芦屋でお店をしたいと思っていました。そして、
たまたまご縁があり、母親と一緒にお店をしたいという想いもあり、山や川の自然があり、芦屋川駅からのア
クセスも良いこの場所に決めました。
「まちの雰囲気を感じ取り、そのまちにふさわしい良いものを目指しました」
以前から、芦屋には自然が多いというイメージがあったので、その木や緑を意識して、お店の名前も「樹々」
としました。このまちにも自然を大切にする空気を感じたので、玄関先にもちょっとした花や緑を置いていま
す。芦屋というまちは、色合いも奇抜なものを使わないところだと思っています。僕はそういうところも好き
で、外観にも落ち着いた色合いを選び、看板や照明も奇抜なものではなく明るすぎないものを使っています。
そうすれば、芦屋というまちで、自信を持って自己
紹介できるかなと思っています。例えば、東京では
お客さんを呼ぶためにキラキラした店構えをしたこ
ともありますが、芦屋ではまったく考えませんでし
た。それが、芦屋のいいところではないですか。東
京には東京の、芦屋には芦屋のやり方があります。
その中でも、表現の自由はあると思いますが、その
まちの雰囲気を感じ取り、そのまちにふさわしい良いものを目指すと、この芦屋では必然的にそうなっていく
と思います。本当にいいものをつくりたいという気持ちをもっていれば、そのまちに貢献できるのではないか
と思い、いつもそこに近づけるよう僕自身心がけています。ただ、芦屋の鉄板焼き屋さんというと敷居が高く
見られることもあるので、できるだけアットホームでカジュアルな雰囲気を醸し出せるようにも意識していま
す。例えば、お店の中で使っている素材も、木の素材や暖色系を取り入れるようにして、繁華街とは違う雰囲
気を出すことを考えています。あと、飲食店なので、ルールを守っているお店でないと、安心できないと感じ
ませんか。それは食べ物のことだけではなく、お店のつくりそのものについても同じことだと思います。もち
ろん認識の違いにより、ルールから外れてしまうこともあるかもしれませんが、それを指摘された時には、す
ぐに修正することを心がけています。
「まちの人に大切にしてもらえたことで大変なことも乗り越えることができた」
この7年間は良い話ばかりではなくて、オープンして1~2年後にコロナ禍になりました。かなり大変でした
ね。でも、有り難いことに、応援してくれる方々がおられて、何とか乗り越えることができました。これか
らも、まちの人に大切にされるにはどうしたら良いのかを、考えていきたいという想いが強くなりました。
「芦屋は基本的に住宅街だと思うので、
ルールがある方が良いまちづくりができると思います」
芦屋市に看板の条例があることは知っていましたし、お店を出す時に、色とか数なども基準に合っているのか
を確かめたつもりです。条例があることは、商売の邪魔になるという考えもあるかもしれないですけど、でも
条例やルールがあって、市役所が方向性を示すことで、まちに合ったお店をつくることができ、まちに馴染ん
でいくことができるとも思っています。また、そのコンセプトに賛同できる人が集まることができるという側
面もあるという気がします。芦屋は基本的に住宅街だと思うので、ルールがある方がいいまちづくりができる
と思います。
「自分自身がまちのことを考え、好きになることが大事」
まちのルールを意識して、良い店構えをつくることは大切だと思いますけど、人を大切にすることも大切だと
思います。芦屋というまちが地域密着であることも大きいですけど、住宅地である芦屋でお店をやるには、地
域に愛されることは欠かせないと感じています。そのためには、上辺だけではなく、まず僕がそのエリアのこ
とを考え、好きになることはとても大切だと思います。その努力を続けると、店は良いまちの一部になること
ができます。
例えば、2人のお客さんに来てもらい、おいしいものを食べてもらって、2人を笑顔にできたら、その2人が今
度は他のだれかを幸せにすることができます。僕は、目の前の人を食べ物で幸せにすることを大事にします
が、この積み重ねが、良いまちなみをつくっていくことにつながるのではないでしょうか。
「広告物のルールを周知するためにSNSを活用してはどうか」
良いルールであっても、みんなが知らなければ、良いまちをつくることはできないと思います。今はSNSが
主流なので、さらに活用するのが良いのではないでしょうか。例えば、新規で飲食店を検討するところから、
オープンするまでの流れのドキュメンタリーのような動画をつくって、どのタイミングでどの基準の確認が必
要なのかをまとめて、SNSで発信するなどすれば、多くの人に浸透しそうな気がします。
あと、飲食店を出す人は必ずと言っていいほど、不動産屋と警察署、保健所に行きます。違う組織なので難し
いこともあると思いますが、可能なら連携をとっていただいて、出店を考える段階から看板の基準があること
をPRできたら効果があるかもしれないですね。一度出来上がった看板をつくり替えるのは大変ですし、看板
は建物の外観と合わせてデザインをするものなので、つくる時にルールを知っていたら、考えてくれる人も増
えるかもしれないです。