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更新日:2025年11月15日
ONE STEPpersでは、参加教員一人ひとりが抱く教育実践上の問いや関心を出発点に、年間を通じて自主的・協働的に学びを深めていく「プロジェクト研究」に取り組んでいます。
これは、ONE STEPpersの中核を成す活動のひとつであり、教員が自ら問いを立て、実践をおこない、その成果や課題を持ち寄って仲間と対話することを通じて、実践知を高めていくことを目的としています。
各プロジェクトは、学年・教科・校種を越えて複数の教員がチームを組み、研究を進めています。
ヴィッセル神戸様と楽天様と連携した新たな学びの場を創出するプロジェクトを進めています。
11月12日に、このプロジェクトに参加する精道小学校、山手小学校、打出浜小学校のメンバーでノエビアスタジアムにてヴィッセル神戸様と楽天様の担当者と打ち合わせをおこないました。
打ち合わせの中で生まれたアイデアには、スタジアムの使い方を考える活動や、教材作成、給食メニューの検討など、多岐にわたる提案がありました。いずれも、企業と学校、子どもたちが一緒になって悩み、話し合い、形にしていくという共同作業を大切にしています。
さまざまな立場や専門性を持つメンバーが集まって知恵を出し合う中で、これまで考えたことのないようなアイデアが生まれました。今後、どのような形になるのかは未定ですが、少しずつ具現化していくことを楽しみにしています。
このように、企業と連携した教育の取り組みを通じて、子どもたちの学びが広がり、教師と企業、そして地域全体で協力し合うことの重要性を再認識しています。

芦屋市立宮川小学校では、「芦屋川探究プロジェクト」が進行中です。このプロジェクトは、芦屋川の環境をテーマに、子どもたちが自然とのつながりを深めながら、学びを進めていく探究学習の一環として実施されています。
プロジェクトでは、子どもたちが実際に芦屋川に足を運び、自然の中で観察をおこないながら学びを深めています。川の生物を観察し、その特徴や生態を理解することをはじめ、環境問題や生態系の重要性についても考えています。例えば、川に住む生物を観察し、その生態や役割について調べ、環境保護の大切さを学んでいます。
打出浜小学校からもプロジェクトへの参加者があり、授業を参観し、子どもの学びに触れた後、実践的な意見交換を行っています。このように、異なる学校の教員同士が意見を交わしながら、学びを共有できる場となっています。
この探究学習を通じて、子どもたちは自然と触れ合い、学びの楽しさを実感しています。今後も、芦屋市では地域資源を活用した探究的な学びを進め、子どもたちの学びの幅を広げていきます。

潮見中学校の2年生では、国語・理科・数学の3教科を同時並行で進める自由進度学習の取り組みがスタートしました。このような実践例は、日本でもまだ珍しい取り組みとなっており、潮見中学校ではその先駆的な実施が注目されています。
生徒は自分のペースで学びながらも、異なる教科を同時に進めることができ、柔軟で多角的な学びの環境が提供されています。
また、生徒同士の協力や教員との対話も大切にされており、分からない時にはすぐに相談できる環境が整えられています。生徒たちは、互いに教え合い、学び合うことで、仲間との絆を深めながら学んでいます。
この自由進度学習の取り組みは、ただ単に「学ぶ」ことを超え、自分の興味にもとづいた学びを実現し、自己調整力を育む重要なステップとなっています。
生徒からも、「自分で調べたり確かめたりしながら学ぶのが楽しかった」「わからないことがあったときに、すぐに質問できて理解しやすかった」という反応が多く、取り組みに対する満足感とやりがいを感じている様子が伝わってきています。

潮見中学校の1年生では、UCC様と連携し、「認証コーヒーの普及」をテーマにした探究学習に取り組んでいます。このプロジェクトは、単なる授業の枠を超え、実際の企業課題に対して中学生がどのようにアプローチするかを考える機会となっています。
探究の焦点は、「環境に配慮した認証コーヒーをどう広めるか」という問いです。この問いに対して、潮見中学校の1年生は、実際にUCC様の担当者と連携しながら、課題解決に向けた提案をおこないます
授業では、実際にUCC様より提供していただいた商品を使いながら、パッケージデザインや価格設定、陳列方法について議論し、コーヒーの消費者に対するアピール方法を探りました。生徒たちは、コーヒー豆やパッケージに対する自分たちの意見を交換しながら、環境に優しい製品の魅力を広げるための方法を考えています。
さらに、実際にスーパーに足を運び、どのように認証コーヒーが陳列されているかを調査するなど、体験的な学びを通じて問題解決に取り組んでいます。これにより、生徒たちが「自分事」として課題に向き合う姿勢を育んでいます。

打出浜小学校3年生、大東保育所、宮川幼稚園が連携し、打出浜小学校敷地内にある「打出の森」を活用した探究的な学びのプロジェクトに取り組んでいます。
このプロジェクトは、子どもたちが自然とふれあいながら、「どうしたらもっとみんなにとって過ごしやすい場所になるか?」という視点で、身近な環境を見つめ直し、自分たちにできることを考える活動へと発展していきます。
令和7年度は、2学期以降、実際に「打出の森」の中でのフィールドワークやアイデアの提案などを予定しており、子どもたちの主体的な学びを大切に進めていきます。
また、本プロジェクトは、幼・保・小の連携を通じて、就学前から小学校への学びのつながりを意識した教育実践としても位置づけられており、関係機関との協働によって探究の幅がさらに広がることが期待されています。

宮川小学校の3年生では、「重さ」の単元を題材に、単元内自由進度学習の実践に取り組んでいます。
この取り組みは、宮川小学校の教員だけでなく、市内の他校で3年生を担任する教員や、自由進度学習に関心を持つ教員が参画し、協働的に計画・検討を進めているものです。
子ども一人ひとりの理解の進み具合や興味関心に応じて、学び方やペースを選択できるようにすることを目指しながら、「子どもの自由」と「教師の見取り」の両立を模索しています。
今後は、授業づくりだけでなく、単元全体の構成や評価の在り方についても継続的に検討していく予定です。

SEL(Social and Emotional Learning:社会性と情動の学習)は、自己理解、他者への共感、対人関係スキル、責任ある意思決定など、子どもたちがよりよく生きるために必要な「非認知能力」を育む教育的アプローチです。
近年、学力や進路の保障だけでなく、「安心できる人間関係づくり」や「自己の感情との向き合い方」といった視点からも、SELの重要性が国内外で高まっています。
芦屋市では、小学校から中学校まで校種を越えて複数の教員が参加し、学校を越えた横断的な連携のもとでSELの研究会を進めています。それぞれの学校での実践を持ち寄りながら、効果的なプログラム構成や実施方法について協議・検討を重ねています。
