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更新日:2015年1月28日
内容はH20年8月1日現在のものです。
建築物を建築する場合には、建築基準法などで、用途、構造などいろいろな基準が定められていますが、それらはみな一律の基準であり、その地域に応じた住みよい環境づくり、個性あるまちづくりをするためには必ずしも十分とは言えません。そこで、良好なまちづくりを行なうため「建築協定」という制度が設けられています。
芦屋市においては、「芦屋市住みよいまちづくり条例」等により、建築基準法などの及ばない部分についても一部対応していますが、よりきめ細かいところで環境保全等を考えていこうとすれば、地域の方々にも自分たちのまちについて考え、参加して頂くことが大切です。
建築協定制度は、住宅地としての環境または、商店街としての利便を高度に維持増進するなどのため、土地所有者等の全員の合意によって、建築基準法に決められた最低限の基準に加え、それ以上のきめ細かい基準を定めて、互いに守りあっていくことを約束する制度です。
また、開発者が1人で協定を結ぶことができる「1人協定」という制度もあり、新しく開発された市街地においても、あらかじめ環境を維持するための基準を設定することが開発者にも期待されています。
建築協定は、単なる申合せや任意の協定と違って、締結するときは芦屋市長に申請して認可を受ける必要があります。また、合意した当事者間だけでなく、協定参加者の土地等を後から購入し権利者となった人にも効力があります。
建築協定は、地域のよりよい環境を創っていくために、その地域の方々が全員の合意のもとに、まちづくりのための基準を定めてお互いに守りあっていくことを約束する制度です。
したがって、協定を結ぼうとする場合には、地域の方々がこの制度について十分理解していただくとともに、協定を作ろうとする機運を盛り上げていくことが必要となります。そのためには、勉強会や説明会を開催し、より良いまちづくりについて十分な話し合いをされることをお勧めします。
建築協定の呼びかけは、町内会や自治会などの集会を利用していくことも一つの方法です。
地域の方々のまちづくりや協定への意識を調べるために、アンケート調査を実施することもスムーズに協定を結ぶ上で大切なことです。
勉強会、説明会、アンケート調査をもとに、より良いまちづくりのための話し合いを重ねることで、住民の方々の意向が集約され、同時に建築協定締結を推進する組織ができあがってくるかと思われます。
地域の方々の意見が集約されれば、次に具体的に建築協定の内容を決めていきます。
建築基準法においては、以下のことについて定めた「建築協定書」を作成し、市長の認可を受けることとなっています。
協定の目的から考えると、ある程度まとまった規模の区域でなければ、その効果が期待できません。また、区域の方々が自ら協定を守り、運営していくという意識が一体となれる範囲を設定することも大切です。
協定区域とは、たとえば、道路、公園、河川、鉄道等で区画された地域、又は自治会組織の地域とすることなどが考えられます。
また、建築協定の区域に隣接する土地で、将来、建築協定区域となることを区域の方々が希望する土地を「建築協定隣接地」として定めることができます。この隣接地内において、その土地の所有者等が協定に加わろうとする場合には、市長に文書でその旨を意思表示すれば、加わることができることになっています。
建物に対する制限として、以下のことについて基準を決めることができます。
協定が成立するためには、区域の方々全員の合意が条件となりますので、その区域の実情に応じて、必要な制限を十分に検討していただくことが大切です。
新しく造成された住宅地においては、建物が立ち並び、「まち」としての骨格や景観がほぼ形成されるまでの期間を定め、既成市街地においては、一定件数の建替えや増改築の発生が見込まれる期間を一つの目安と考えることができます。また、社会情勢の変化への対応なども考慮しておく必要があります。
このため、期間は無期限ということではなく、一定の期間を定めその期間になった時点で、地域の方々で、再度協定の見直しをしていただくことが大切です。
なお、協定の有効期限については、10年間ぐらいが多く見受けられ、期限切れの時点で協定内容を変更する必要がなければ、更に10年間延長するという協定もあります。
建築協定は、区域の方々が結ぶ権利関係に係る契約の一種ですので、協定書のなかに、あらかじめ違反者に対する措置を決めておく必要があります。具体的には、協定委員会などが違反者に対して、工事停止や是正措置を請求することができることや、約束が履行されない場合には、裁判所に提訴して是正させることなどを決めます。
協定内容が決まると建築協定書を作成し、区域内の方々の合意を得る作業を行ないます。
建築協定が成立するためには、区域内の土地所有者等の全員の合意が必要で、建築協定認可申請書に、建築協定に合意した旨の書類(建築協定合意書として、土地所有者等が押印[印鑑登録したもの]したもの。)を添付していただく必要があります。
なお、権利関係を確認するために、土地及び建物の登記簿謄本と印鑑証明書も合わせて準備していただく必要があります。
土地所有者等とは、次の方々をいいます。
全員の合意が得られたら協定書を3部作成し、建築協定認可申請書(正・副・副:計3部)として市長に提出して協定の認可申請を行ないます。
認可を受け返却のあった1部を代表者が保管するとともに、その写しを協定者全員に配布します。
建築協定認可申請に必要な書類
注1 (4)は、建築協定の同意を求める際に、併せて、代表者として認める旨の書面として作成し、まとめて押印してもらうことをお薦めします。
注2 (7)、(8)は建築協定区域隣接地を定める場合に必要です。
注3 (9)のその他の市長が必要と認める図書として、以下のような図書が必要です。
これら以外の図書については、必要に応じて指示をします。また、印鑑証明書については、申請者の求めにより認可後に返却します。
建築協定は受付後、公告、縦覧及び公開による意見の聴取等を行なった後、市長の認可を受けて初めて成立し、その効力は、認可公告の日からとなります。
ただし、開発者等が行なった「一人協定」の場合の効力は、認可の日から3年以内に2以上の土地の所有者等が存在することとなった日からとなります。
建築協定の認可公告後、速やかに、協定書に基づく運営委員会の設置を行ない、協定の運営に当たってください。また、市との連絡調整にあたっていただく委員について、連絡先等を市へ報告いただくようお願いします。
協定区域内の土地が転売されたり、権利者の異動があった場合にも、建築協定の制限内容はそのまま継承され、新しい権利者になった人にも効力が及びます。
協定区域内で家を新築したり、増改築をする場合は、その計画が建築協定の内容に適合している必要があります。工事に着手したり、建物が完成してからトラブルとならないよう、あらかじめ運営委員会に建築計画を提出し、承認等を得た後に確認申請書を提出してください。また、建築確認申請がいらない工事であっても、建築協定に適合するかどうかの判断が必要な場合がありますので、注意が必要です。
協定の内容を変更する場合は、協定締結者全員の合意が必要です。また、廃止をする場合は、過半数の合意が必要です。