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更新日:2022年7月7日
帯状疱疹とは、子どものころにかかった水ぼうそう(水痘)の原因となった「水痘・帯状疱疹ウイルス」が引き起こす病気です。このウイルスの保有者であればだれでも帯状疱疹になる可能性があります。
子どものころの水ぼうそうが治った後も、ウイルスは長年にわたって体内に潜伏します。ふだんは免疫力によってウイルスの活動が抑えられているため、発症することはありません。しかし、病後、疲労、ストレス、加齢などによって免疫力が低下することでウイルスは活動しはじめ、帯状疱疹の発症に至ります。
50歳を超えると発症率が高くなりますが、若年層の方も発症の可能性があります。
体の左右どちらかの神経に沿って、痛みを伴う発疹と水ぶくれが多数集まった帯状の皮膚症状が生じます。症状の多くは上半身に現れ、顔面、特に目の周りに現れることもあります。
通常、皮膚症状に先行して痛みが生じはじめ、その後皮膚症状が現れると、ピリピリとさすような痛みになります。痛みは個人差がありますが、強い痛みとなる場合もあります。
帯状疱疹の発症する部位によって、様々な後遺症が残る場合があります。後遺症としてよく知られているものに、帯状疱疹後神経痛があります。帯状疱疹後神経痛とは、皮膚症状が治まった後も長期間にわたって続く痛みのことです。また、帯状疱疹が現れる部位によって、角膜炎、顔面神経麻痺、難聴等が引き起こされることがあります。
帯状疱疹の発疹や治療はできるだけ早期に開始することが大切です。
発症早期に治療を開始するほど高い効果が期待できます。治療を受けないまま放置すると、高熱等の全身症状や上記の後遺症が現れる場合があります。
治療では、水痘・帯状疱疹ウイルスの増殖を抑える「抗ウイルス薬」と、痛みや炎症の程度に応じて、「鎮痛剤」等が投与されることが一般的です。皮膚症状によっては「ぬり薬」が処方されることもあります。
体の片側にズキズキ、ピリピリした痛みを感じたり、その部位に発疹が現れたりするようであれば、早めに医療機関を受診してください。
帯状疱疹の予防には、日ごろの体調管理が重要です。
バランスのとれた食事、十分な睡眠、適度な運動等、免疫力が低下しないようにすることが大切です。
50歳以上の方を対象に2種類のワクチンがあります。予防接種は、発症を完全に防ぐものではありませんが、発症しても軽症ですみ、後遺症の予防につながるとされています。
接種回数:1回(皮下接種)
生ワクチンのため、明らかに免疫機能に異常のある疾患をお持ちの方や免疫を抑制する治療を受けている方は接種できません。
接種回数:2回(筋肉内接種)
1回目の接種から2か月以上の間隔をあけて接種します。
なお、帯状疱疹は法令に定められた定期予防接種の対象疾病ではないため、ワクチンを接種する場合は任意予防接種となります。接種費用は医療機関ごとに定められており、全額自己負担となります。
接種をご希望のかたは、医療機関へ直接ご相談ください。