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更新日:2024年12月31日
今回は「エバックハーネス、ピタゴール、バスケットストレッチャー」について紹介します。
聞き馴染みのない言葉ばかりかもしれませんが、
これら3つの資器材はすべて要救助者を救出する際に使用します。
要救助者の容態、災害の発生場所、現場の状況を考えて適した資器材を判断し、救出活動を行います。
それぞれの特徴について1つずつ見ていきましょう!
こちらはエバックハーネスです。
要救助者に装着して、ロープで吊り上げて救出する資器材です。
首周りに浮力のあるパッドが付けられており、腰部はメッシュになっています。
水は溜まることなくメッシュ素材から抜けていくため、
水難事故の現場でも使用することができます!
実際に装着するとこのようになります!
要救助者に服を着せるようなイメージで装着します。
最後に要救助者の体の前で3つのリングをまとめたら装着完了です。
こんなに簡単で大丈夫?と思う方がいるかもしれませんが、
運用荷重が205kgですので、大人から子供まで
安心して吊り上げることができます!
実際に吊り上げると座っているような状態になります!
体がしっかりと包まれ、目線が下に向きにくいため、
要救助者の不安感を軽減してくれます。
水難事故の現場だけではなく、高所にいる要救助者を低所に救出する現場や、
低所にいる要救助者を高所に引き上げる現場など、幅広く使用しています。
こちらはピタゴールです。
形はエバックハーネスと似ており、服を着るように装着して救出する資器材です。
運用荷重は15kg~150kgで、各ベルトのサイズ調整ができます。
要救助者の体格に合わせてサイズ調整することで、大人から子供まで使用可能です!
実際に吊り上げてみるとこのようになります。
また、各ベルトの調節により要救助者の姿勢を少しだけ起こすことができます。
要救助者の容態や、狭いマンホールから吊り上げて救出する時など、
災害現場の状況に合わせて調節します。
普段はバッグの中に収納しているピタゴールですが、
一緒にロープも入れて車両に積載しています。
要救助者を救出するにはロープが必ず必要になるため、
1秒でも速く救出活動ができるように、日頃から準備しておくことはとても大切です!
こちらのバスケットストレッチャーは、
要救助者が寝転んだ状態で体を固定し、救出することができます。
エバックハーネスと同じくメッシュ素材で水が溜まらないため、
水難事故の現場でも使用することができます。
今回紹介する資器材の中で最もサイズが大きいですが、
2つに分離してコンパクトになるため、
狭い場所でも持ち運びやすくなります。
実際に吊り上げるとこのようになります。
しっかりと体を固定することが可能で、救出が完了するまで水平の状態を維持できます。
メッシュ素材は風圧を受けにくいため、ヘリで吊り上げることもできます。
また、隊員が要救助者の横に付き、容態を観察しながら救出することも可能です。
今回は要救助者を救出する時に使用する資機材を紹介しました。
紹介した3つ以外にも様々な種類があり、
現場の状況と要救助者の体調、年齢、体形などに合った資器材を選択し、
救出活動を行います。