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更新日:2024年12月31日
火災や交通事故など、要救助者に危険が及んでいる救助事案が発生したとき、
救助工作車に特別救助隊員が乗車して出動します。
要救助者に及ぶ危険を排除し、安全な場所へ救出するために救助活動を行います。
救助工作車には救助活動をするために特別な装置が搭載されています。
今回は「ウインチ、クレーン、照明器具」について詳しく見ていきましょう!
ウインチは、車両の前後に内蔵されており、
ワイヤーを使用し、強い力で牽引(引っ張ること)することができます。
ワイヤーの長さは30mあり、コントローラーによる操作で、
使用するワイヤーの長さを調節します。
最大5トンの力でワイヤーを引き込むため、
トラックなどの大型車両も牽引できます。
交通救助訓練を実施している様子です。
事故車両に見立てた緑色の車両の右側面に、要救助者が挟まれているという想定訓練で、
救助工作車前方のウインチを使用した救出を試みている状況です。
救助工作車の機関員(車両を運転、操作する人)は、
事故車両の動かしたい方向などを考えて、
救助工作車の停車する位置を決めます。
ワイヤーを半分で折り返して、
ワイヤー先端のフックを救助工作車に取り付けた状態です。
折り返すことで必要なワイヤーの長さが2倍になり、設定に時間はかかりますが、
折り返したワイヤーの引き込みは約2倍の力を発揮します!
クレーンは、救助工作車の後方に搭載されています。
最大2,900kgの重量物を持ち上げることが可能で、
交通事故の現場では横転した車両を持ち上げたり、要救助者を直接吊り上げたり、
地震等の災害では重量物を吊り上げて移動させることができます。
小型移動式クレーンの資格を保有した特別救助隊員が操作をします。
救助工作車の両側面からアウトリガーが張り出しています。
アウトリガーは、クレーンを使用して重量物を吊り上げるときに、
救助工作車の横転を防いだり、タイヤの破裂を防ぐためのものです。
事故防止のためにもアウトリガーの使用は必須です!
クレーンは救助工作車の両側面に取り付けられた複数のレバーで操作をします。
クレーンの操作は洗練された技術が必要になるため、
訓練では障害物を設定したり、誘導員の手信号だけを見て操作するなどをして、
技術向上に努めています。
照明器具は、救助工作車の天井部分に搭載されており、
伸縮自在で回転するため、救助工作車の周辺を明るく照らします。
地上から約6mの高さまで伸ばすことが可能で、
夜間の災害時には、「安全、確実、迅速」な活動を行うためにも、
欠かせない装置の一つです。
リモコンによって照明器具を操作できます。
また、広い範囲を照らしたり、一か所を集中的に照らすことが可能で、
災害現場に合わせて使い分けています。
今回は、救助工作車に搭載されている「ウインチ、クレーン、照明器具」
を紹介しました。
あらゆる災害現場で使用する装置ですが、
操作には熟練の技が必要になります。
日々の点検や訓練を怠らず、いかなる現場でも最善を尽くして活動します。