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更新日:2024年8月9日
今回は、消火活動で欠かすことのできない「ホース」を紹介します。
消防士にとって消火活動の生命線となる「ホース」はどのような働きをするのでしょうか。
詳しく見ていきましょう!
ホースは消防車から火災現場に水を送る、とても大事な資器材です。
ホースの表面は丈夫な繊維を何本も折り合わせており、
引きずったりしても破れにくく耐久性に優れています!
通水したホースから漏水しないように、ホースの内側はゴムや合成樹脂で作られています。
1本の長さは20mで、遠くまで水を送りたいときはホースを繋げて使用します。
ホースの両端に付けられている金具は、左がオス金具、右がメス金具と呼びます。
並んでいる3つのホース。
それぞれに少し違いがあります。皆さんわかりますか??
正解はホースの太さです!
ホース先端のメス金具をよく見てみると、太さが違うことがわかります。
太さは3つ(左から40mm、50mm、65mm)に分かれており、
太いほど、通水する水の量も増え、大量の水を送ることができます。
それでは、太いホースだけでいいのでは!?と思われがちですが、
一番太い65mmホースの重さは約6kgで、水を通すことにより約65kgととても重たくなります。
狭い場所や住宅内での消火活動には不向きです。
そのため、細いホースを使用することにより、消火活動をスムーズに行えるのです。
特性を理解し、火災が起きている場所や状況に応じて使い分けています。
消防車はもちろんですが、消防署にも多くのホースが保管されています。
火災現場や訓練等で使用すると、ホースの中の水を完全に乾燥させてから収納します。
水が残っていると劣化につながるため、使用後のメンテナンスは欠かせません!
芦屋市消防本部には4つの消防署があります。
署所ごとに使用するホースを色分けており、
本署は赤色、高浜分署は青色、東山出張所は緑色、奥池分遣所はオレンジ色と色分けされています!
火災が発生すれば複数の消防車が出動し、ホースを何本も延長します。
全てのホースが同じ色だと、どこの部隊のホースか判別しにくいため、
一目で分かるように色分けされているのです♪
私たちが使用している「ホース」はいくつかの収納方法(巻き方)があります。
ただ単純に車両に載せているわけではなく、様々な現場に応じて1秒でも早く
延ばせるように工夫されています!
その中でも代表的な3つの巻き方を紹介します。
・二重巻き
ホースを真ん中で折り、端からぐるぐると巻いたものです。
肩に担いで搬送することができ、平坦な場所や下り坂で転がすようにして延ばします。
消防士が初めに習う基本の延ばし方です。
コンパクトになるため、主に車両や棚等の収納に適しています。
・島田巻き
ホースをジグザグに折りたたみ、重ねたものです。
普段はホースバッグに収納しており、二重巻きでは難しい階段や上り坂などで活躍します!
一方の金具をもって走り出すと、ホースは絡むことなく1直線に延長できます。
・狭所巻き
大きな輪を作るように、ぐるぐると巻いたものです。
こちらも普段はホースバッグに収納しており、狭い場所などで活躍します。
通水したときの様子です。
どうでしょうか?コンパクトになっていませんか?
火災現場では玄関前やマンションの廊下、ベランダなどでホースを展開します。
輪の中央からホースを延ばすことができます!
また、延ばしているときにホースが折れることも少なく、
管理しやすいのが特徴です。
・ホースバッグ
先ほどからホースバッグというワードが出てきていますが、
ホースや筒先をまとめて収納しているバッグのことです。
中には先ほど紹介した「島田巻き」「狭所巻き」のホースを収納しています。
1つのバッグにホースを2~3本収納し、
肩にかけたり、背負ったりして搬送します。
火災現場には、ホース以外にも資器材(はしご、救助ロープ、扉を破壊する資器材など)
を運ぶ必要がありますが、ホースバッグは両手が空くため、
一度に多くの資器材を運ぶことができます!
数あるホースの延ばし方や収納方法には、それぞれ意味があります。
1分1秒を争う火災現場で、最も早く火元に水を送る方法は何なのか。
全く同じ火災現場はありません。いくつもの経験と知識を駆使して最善を尽くしています。