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更新日:2023年1月10日
真冬の寒い時期は、あたたかいお風呂で一日の疲れを癒す。そんな方も多いのではないでしょうか?
ところが寒い季節の入浴には、体に起こるある変化が原因となって「ヒートショック」と呼ばれる特有の症状と事故を引き起こす危険性があります。
毎日のリラックスタイムを安全・快適にするために、冬季の入浴の危険性と対策を理解し、事故発生を未然に防ぎましょう。
寒い季節、暖房の効いている暖かいリビングから、外気で冷えた脱衣所や浴室に入ると、「寒い!」と感じますよね?そのとき実はあなたの体の中にも、ある変化が起こっています。
それは、寒冷による体の緊張とストレス反応による血圧の上昇です。
次に、その状態から温かいお風呂につかるとどうなるでしょう。
多くの方は大きなため息を吐きながら湯船につかり、全身の力が抜けるような心地よさを感じるのではないでしょうか。
すると次は対照的に、体の緊張がほぐれることで全身の血管が広がり、血圧が下降していきます。
短時間の血圧の上下変動によって、特に心臓や血管に負担がかかり、命に関わるような疾患を突然発症してしまうことがあります。
これを「ヒートショック」といいます。
普段特に持病のない方であっても起こり得る疾患です。
また、年齢を重ねるにつれ血管の柔軟性が低下するため、高齢者ではその発症リスクはさらに高まります。
【ヒートショックで発症する疾患の代表例】
高齢者の事故のうち「不慮の溺死及び溺水」による死亡者数は年々増加傾向にあり、これらの多くはご家庭や居住施設の「浴槽」における入浴中の事故となっています。
期間的には冬季の11月~3月に特に多く発生しており、年間約4千人もの方がこれらの事故が原因で亡くなっているのです。
また,年齢を重ねるにつれて、事故発生時の重症度も上がります。
入浴中の事故は持病がない場合や、体に前兆がない場合でも突然起こる可能性があります。
「いつも入っているお風呂だから大丈夫」と過信せず、体への見えない負担を普段から意識して対策することが大事です。
本人だけでなく同居する方も一緒に注意し、対策を行いましょう。