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更新日:2014年12月8日

地域福祉計画中間まとめ<計画の目標と基本方針・施策の展開2>

基本方針2:福祉サービスの充実

 

適切な福祉サービスを提供するためには、各種のアンケート調査や民生委員・児童委員等との連携により地域の福祉課題を把握するとともに、福祉サービス提供者とも協力しながら、福祉サービスの充実を図ることが必要です。

(1) 地域の福祉課題の把握

1)市民会議、市民意識調査でみる地域の現況と課題
平成17年度開催の市民会議において、芦屋のまちをよりよくするために必要な課題について、市民委員のみなさんから率直な意見をいただきました。

  • 地域づくりに対する市民意識を向上させ、活動実践者の発掘・育成をする
  • 生活弱者が暮らしやすいまちづくりを進める
  • 総合福祉センター等、活動や交流の拠点をつくる
  • 住民と行政が協力してまちづくりに取り組める仕組みをつくる
  • 自治会、コミスク、老人クラブ等、地域のグループや団体の横のネットワークをつくる
  • 行政職員の質を向上させる
  • 気軽に参加できる地域のコミュニケーションをつくる
  • 活動の担い手や参加者の固定化を解消する
  • 声掛け、あいさつから始まる近所づき合いを深める
  • 自治会組織の充実・連携を図る
  • みんなが気軽に交流できる機会や、そのための情報を充実させる

また、本年8月に実施した意識調査においてみられた地域に対する住民の意識は、おおむね「誰もが安心して暮らせるまちづくり」を望み、住民自身は「互いの生きかたを尊重し地域で孤立する人がないよう互いに思いやりの気持ちをもって生活する」ことが必要だと考えています。

2)各種アンケート調査等による福祉ニーズの把握
平成15年12月子育て支援に関するアンケート調査
平成17年2月高齢者に対するアンケート調査
平成18年8月障がい者(児)福祉に関するアンケート調査
個別計画の策定に伴い各種のニーズ調査を実施しています。

3)自治会、民生委員・児童委員、福祉推進委員等との連携
自治会、民生委員・児童委員、福祉推進委員等の地域や福祉の組織と連携をより一層強め地域の実情を把握します。

(2) サービス基盤の整備

1)高齢者福祉施設サービス・在宅サービスの基盤整備
高齢者が住み慣れた地域や居宅でサービスを受けられる在宅サービスの基盤整備を進め、地域密着型のサービスの提供を図ります。

2)総合的な介護予防の基盤整備
地域包括支援センターの整備を進め、高齢者の総合相談体制の充実を図ります。また、高齢者がよりいつまでもいきいきと地域に参加できるよう介護予防の充実に努めます。

3)地域における子どもの居場所づくりの基盤整備
市民意識調査でも「子どもの安全をみんなで守っていけるような地域づくり」が今後のまちづくりで大切にしていくべきことであると考える人が、約47%と半数近くあり、幼児や学童はもちろん中・高校生の子どもを地域で見守り育てる意識をもち、地域全体が子どもの居場所になるような地域づくりを目指します。

4)障がい福祉サービスの基盤整備
障がいのある人が地域で自立した生活が送れるよう基盤整備を進め、必要なサービスの提供を図ります。
住み慣れた地域で自立した生活を送るために、地域での生活や就労等の支援などの課題に対応したサービス提供の基盤整備を図ります。
また、地域で障がいのある人を支えるために、地域ネットワークの構築についても検討します。

5)NPO等への事業支援
福祉団体や住民団体、ボランティアグループ自身が事業化を図る場合などに様々な支援が必要であると考えます。福祉系NPOの事業支援なども考えるべき課題のひとつではないでしょうか。また、NPOの事業支援を進めるためには、同時に適正な福祉事業を行なえるものかどうかの公平な選定をするシステムも必要であると考えます。

(3) 地域(社会)資源の有効活用

1)寄附文化(寄附による社会貢献)
市民意識調査の結果を見ると、寄附による社会貢献をしてもよいと考えているかたが、回答者の中では約8割ありました。寄附の使われかたを明確にするなど、情報公開を徹底しながら善意による社会貢献の意識を活かし、福祉ファンドを検討することも考えられます。その場合課題となるのは、どのような福祉ファンドをつくるのかということはもちろん、ファンドの運営、その公平・中立な使われかたをいかに担保するかを考えていく必要があります。

2)スモールビジネスによる社会(福祉)貢献
障がいのある人や子育てで仕事をやめた人、高齢者などで働く意欲のある人たちが地域で活躍できる仕事(役割)を見つけ、いきいきと暮らせる場をつくりだす。そのような福祉のまちづくり就労の事業を公募することなども考えられます。就労を受け入れる事業者を探すこともですが、受入れ事業者のメリットをつくりだす仕組みも大切なことです。

3)空き店舗や余裕教室等地域資源の発掘
地域資源のひとつとして、空き店舗や学校の余裕教室などがあります。現在、コミスク等が地域組織として小学校や幼稚園などを中心に活動していますが、商工会や教育委員会と連携をとりながら、より一層このような活動を推進することが重要です。学校は、子どもたちにとって最もなじみの深い場所であり、地域と学校がより連携を深め、社会資源を地域に開放し、地域ぐるみで子どもたちを育てていく意識をもつことが必要です。 

(4) 福祉人材の育成

1)地域の福祉人材との連携の強化
地域には、自治会、老人クラブ、民生委員・児童委員、福祉推進委員など様々な人材が活動しています。これらの人たちとより連携を深めながら、援護を必要とする人たちが地域で孤立することを防いでいくことが必要です。

2)団塊の世代の地域への取り込み
2007年から、団塊の世代が定年を迎えます。産業界でも団塊の世代の高い技術力をどう継承するかが問題となっていますが、逆に様々な技能をもった人たちを地域に迎え入れることができれば、地域にとっては貴重な人材となり得ます。営業の手腕をもった人や財務の手腕をもった人、技術をもった人たちなど団塊の世代は人材の宝庫であるといえます。また、この世代が高齢期をいきいきと過ごせるよう、地域で活動を見つけるための講座なども必要だと考えます。

3)福祉人材の発掘
地域にいる様々なノウハウをもった人材を福祉活動に生かせるような取り組みを進めます。

基本方針3:福祉サービスの適切な利用の促進

福祉サービスを安心して選択・利用するためには、利用者とサービス提供者の対等な関係が築かれなければなりません。そのために、必要な情報が効果的に得られる仕組みの整備や、サービスへとつなぐ相談体制の充実、利用者の権利擁護の仕組みなどが必要です。

(1) 情報提供システムの整備

1)サービス提供者と利用者の橋渡し支援
民生委員・児童委員や福祉推進委員は福祉情報の提供者として地域で重要な役割を担っています。これら市民と行政のパイプ役に対して、研修会や説明会などの開催により最新の福祉情報を提供するよう取り組みます。

2)福祉情報の当事者に対するきめ細やかな提供
「障がい福祉のしおり」や「あしやの高齢者福祉と介護保険」、「子育てガイドブック」などによる当事者へのきめ細やかな情報提供、広報あしややホームページなどによる情報提供の充実を図ります。身体に障がいのある人にとって、インターネットは情報入手の重要な手段のひとつとなっており、その充実に努めます。

3)福祉情報の発信の工夫
必要とする人がほしい情報を容易に手に入れられるよう、易しい言葉を使った情報の発信を工夫する必要があります。また、広報や市のホームページのようなオフィシャルな情報発信だけではなく、口コミや地域の掲示板を利用したインフォーマルな情報発信についても工夫します。

4)メディアやインターネットを通じた情報提供の推進
広報あしや、新聞等のメディア、ホームページ等インターネットのような媒体など、様々な提供媒体を利用して効果的な情報提供に努めます。

(2) 相談体制の充実

1)地域包括支援センターを中心とした相談体制の充実
高齢者に対する相談体制については、地域包括支援センターの整備を順次進めながら充実を図っていきます。支援センターでは、介護予防ケアマネジメント事業、総合相談支援事業、権利擁護事業、包括的・継続的ケアマネジメント支援事業などを行ないます。

2)障がいのある人に対する相談窓口の充実
障がいのある人に対する相談窓口については、身体障がい者相談、知的障がい者相談が相談日を設けて福祉事務所内で行なわれているほか、相談員が県から委嘱を受けて地域での相談・助言を行なっています。また、精神障がい者相談は、芦屋メンタルサポートセンターにおいて週2日行なわれています。これらの相談窓口についても引き続き充実を図ります。

3)児童に対する相談体制の充実
学童期、思春期における様々な問題に対処するために、児童委員や関係機関と連携を深め、相談体制の充実を図ります。

4)総合相談体制の確保
高齢者や障がいのある人についての相談窓口のほか、児童に関する相談についてはこども課が窓口になって、母子・父子相談、家庭児童相談、子育て相談などを行なっています。今後は、福祉全般の相談窓口として、総合相談体制についても課題として検討します。

5)保健・医療・福祉の相談窓口の連携
総合的な介護予防の推進や、急性期の医療措置後の在宅生活を支えるための体制の整備を推進する必要があります。三師会(医師会・歯科医師会・薬剤師会)や芦屋病院、その他の医療機関などと互いに連携を図る仕組みをつくり、相談体制の充実を図ります。

(3) 権利擁護システムの整備

1)成年後見制度の利用支援(高齢者・障がい者等)
認知症や障がいなどで判断能力が十分でない場合において、本人に代わって家庭裁判所が決める法定後見人が財産管理や福祉サービスの契約などを行なう成年後見制度については、市民意識調査でも約57%のかたが「全く知らない、あるいは言葉は聞いたことはあるが制度の中身は知らない」と回答しており、制度についての普及・啓発を図る必要があります。

2)児童の権利擁護の仕組み
芦屋市要保護児童対策地域協議会において協議し、保護を必要とするすべての児童の権利擁護を図ります。

3)福祉サービス等利用援助事業の利用促進
認知症高齢者や障がいのため福祉サービスの契約や利用などを適切に行なうことが困難な人が、地域で安心して生活できるように、福祉サービスの利用手続や利用料の支払い、日常の金銭管理などの援助を行なう福祉サービス等利用援助事業の利用促進を図ります。

4)苦情への適切な対応
介護保険サービスや在宅福祉サービスについての苦情相談の窓口を整理し,体制の強化を図ります。

5)第三者評価の推進
福祉サービスの質を確保するために、事業者自らが行なう「自己評価」の他に、外部から評価をする「第三者評価」があります。事業者の基本情報の公開なども含めて、外部からの評価システムを推進していきます。

(4) 地域における総合的なケアシステムの展開

1)地域発信型ネットワークシステムの充実
現在、高齢者に対する相談体制については、地域包括支援センターの整備を順次進めながら充実を図っています。地域には高齢者だけが暮らしているわけではないので、実際には地域からは障がいのある人の相談や児童の相談などが地域課題としてあがってきています。今後は、地域の総合的な課題に対応するため、自治会等の地域住民や民生委員・児童委員等の福祉団体の活動との連携により、地域課題の把握や解決のための取り組みを進める地域発信型ネットワークの充実を検討する必要があります。

地域発信型ネットワークシステムのイメージ(高齢者システムから)

2)保健・医療・福祉と地域の連携
高齢になっても、障がいがあっても誰もがその人らしい自立した生活を地域で送るためには、保健・医療・福祉の連携の強化は欠かせないものです。各専門機関どうしの連携はもちろん、専門機関と地域住民・地域団体等の連携を強化し、一人ひとりがいきいきとした生活を送ることを支援する必要があります。

3)地域の課題を地域で解決する仕組みの展開
地域発信型ネットワークシステムも、保健・医療・福祉と地域の連携も、基本は「地域の課題を地域で解決する取り組み」です。地域住民や団体の主体的な福祉活動の促進なしにこの取り組みは進みません。また、地域の課題を住民それぞれが自身の問題でもあると意識することができれば、住民・事業者・行政が協働し、役割分担しながら地域課題を解決するよい関係を築くことができるといえます。 

基本方針4:人にやさしいまちづくりの促進


誰もが人間としての尊厳をもち、安心して暮らせる地域をつくるためには、都市基盤を整備していくとともに、福祉に対する理解や、住民が主体者としてまちづくりに参加していく意識の普及を図るなど、人にやさしいまちづくりを促進することが必要です。

(1) 社会参加の促進

1)一人ひとりのライフステージを豊かにするための支援
誰もが人生の色々なステージにおいて、様々な課題を経験します。学齢期の不登校や結婚・出産などによる離職・再就職の問題、障がいのある人にとっての結婚や就労の問題、一人暮らしの高齢者の引きこもりなど、人それぞれの課題が考えられますが、その様々なケースに合わせた支援が必要です。社会参加を促進するということは、個々人の問題を社会の課題としてとらえる視点であるといえます。

2)高齢者への支援
高齢者の社会参加を促進するため、地域と連携した閉じこもりの発見や防止が必要です。また、元気な高齢者の地域活動やボランティア活動への積極的参加は、高齢者の生きがい創出につながります。

3)障がいのある人への支援
障がいの程度や状態によって就労が難しい人も社会との接点を増やすための集いや交流の場を増やす取り組みが必要です。また、学校とも連携し、卒業後の進路についても支援に努めます。

4)子育て家庭への支援
密室育児で閉じこもりがちな親子の社会参加を促すために、児童委員と連携し親子の居場所づくりの充実に努めます。また、虐待の早期発見等のために、地域からの情報を関係機関につなげる取り組みに努めます。

5)生活困窮者への自立支援
生活保護世帯の自立支援に向けて、個別支援プログラムを導入し、様々な課題に対して必要な支援を実施します。

6)地域における社会的役割の創出(確認)
高齢者や障がいのある人、子育て中の家庭などは、従来の措置中心の福祉の概念ではサービスの受け手としての存在でしたが、課題を抱える対象者であっても、同時に活動の担い手である場合もあります。また、課題を抱える人のその課題を地域で解決するためには何が必要なのかといったことを考えた場合、考える機会を提供してくれたことそのものが、社会的に意義のあることだともいえます。すなわちその人の存在そのものが社会的な役割を担っているともいえるのです。

(2) 福祉文化の醸成

1)高齢者・障がい者等への意識と理解の促進
「高齢になっても、障がいがあっても・・・」という場合、常に意識しなければならないことは、障がいの有無や年齢、所得の多寡、住居の有無などの特定の観点で人をカテゴリー分けするのではなく、カテゴリー分けそのものをやめて「地域で暮らす誰もが」という意識の醸成が必要なことであると考えます。「地域でともに暮らす」という意識が深まれば高齢者・障がい者等への理解が深まり、やがて「高齢者・障がい者等」というカテゴリー分けそのものがなくなっていくと考えます。

2)緊急時・災害時の要援護者への支援システム
緊急時や災害時に援護を必要とする人に対する支援については、プライバシーや個人情報の保護に配慮して推進していかねばなりません。高齢者に対しては、民生委員・児童委員の協力を得ながら「緊急時の情報提供についての同意を得る」というかたちで進めています。今後は、障がいのある人についてどのような形で仕組みづくりをすればよいか検討します。

3)プライバシーへの配慮や個人情報の保護についての啓発
援護を必要とする人の情報を地域で共有することについては、プライバシーへの配慮や個人情報の保護について、住民の共通認識なしには取り組むことはできません。プライバシーへの配慮は必要ですが、行過ぎた個人情報の保護は福祉活動を足踏みさせることになりかねません。個人情報を悪用する者に対しては保護が必要ですが、「個人情報の自己管理の原則」、「当事者にとって利益となる情報は本人の許可なしでも福祉活動に提供できる」など様々な視点から考え、合意が形成された上で、「個人情報保護と福祉活動についての指針」なども必要ではないかと考えます。
例えば、認知症の高齢者を地域で見守る場合、その人に対する情報が差別や偏見につながらないよう、皆が共通認識をもたなくてはなりません。日中親が不在の家庭の子どもを見守る場合は、その情報そのものが子どもの安全を脅かすことにもなりかねません。そのようなケースごとの細かな配慮なしに情報を提供することの危険も認識した上で、地域で援護を必要とする人を見守ることが重要です。このような配慮をした上で、過度のプライバシー保護の弊害と逆に配慮不足の弊害についての、市民の合意形成が大切です。

4)地域で子どもを見守り育てる意識の普及
これからの社会を担う大切な子どもたちを育てるためには、家庭が最も重要な役割を果たすのだという認識の下に、地域でも子どもたちを見守り育てていくという意識が必要です。子育て家庭を孤立させないためにも、地域で子育ての意識を普及させ、子育て家庭を見守り応援していくことが大切です。

5)学校教育の中での福祉意識の普及
将来を担う子どもたちに福祉について考える機会を提供することはとても意義のあることです。各家庭の中で福祉について考えることが重要であることはもちろん、学校での福祉教育は、「共生」ということを子どもたちが学ぶ場として重要なものです。

6)地域の中での福祉意識の普及
家庭において、また学校において福祉の意識を普及することに加えて、地域においても一人ひとりが、福祉について考えるために、様々な機会や手段を通じて啓発をすることが重要です。講座やシンポジウムの企画など、福祉について考える機会の提供も必要です。

(3) 都市基盤の整備・充実

1)外出しやすいまちづくりの促進
誰もが社会参加するために、外出しやすいまちづくりの促進が必要です。例えば、トイレひとつにしても、障がいのある人にとっては外出の意欲を左右するほど重要なことです。トイレの機能や広さの充実はもとより、清潔なトイレがあるかないかで、外出を思いとどまる場合もあります。公共施設だけではなく、商業施設などにも協力をえて、外出しやすいまちづくりを促進することが大切です。

2)公共施設等のユニバーサルデザイン化の促進
交通バリアフリー法や福祉のまちづくり条例等に基づき、公共施設等のユニバーサルデザイン化の促進を図ります。また、交通バリアフリー基本構想を現在策定中であり、阪神芦屋駅・市役所周辺地区を重点地区に指定し、ユニバーサルデザインのまちづくりを進めていきます。

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こども福祉部福祉室地域福祉課地域福祉係

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ファクス番号:0797-38-2160

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