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更新日:2024年10月24日
今年度は残暑が長く、9月中旬になっても気温が30度を超える日が多くありました。
少しずつですが、秋の訪れを感じながら筆者は過ごしています。
涼しくなってくれば登山をされる方が増えてきます。
毎年この時期に、山間部での事故(遭難や怪我)を想定した訓練を行っています。
今回は山間部にて要救助者を救出する訓練を実施しましたので、お知らせします♪
芦屋市は六甲山系の登山ルートがいくつか存在します。
その中でも高座の滝という場所から登山するルートが有名で、多くの登山客が訪れます。
初心者の方でも登りやすく、道がわかりやすいのが人気の理由の1つです。
しかし、その反面、登山にあまり慣れていない方でも気軽に登山ができるため、
毎年事故が絶えません。
今回は地獄谷と呼ばれる付近で訓練を実施しました。
地獄谷は足場が悪く勾配がきつい場所が多数あるため、地獄谷と呼ばれており、
上級者向けのルートになっています。
いよいよ、訓練開始です。
隊員達は要救助者を救出するのに必要なロープや、
担架を携行して登山道を進みます。
履いている靴も、普段はつま先に鉄板が入っている安全靴ですが、
登山に適したトレッキングシューズで活動します。
今回の訓練想定は、要救助者が登山道から約20m滑落したため、
登山道まで引き上げるという想定でした。
要救助者を発見し、観察を行います。
救助隊員は救助技術だけでなく、要救助者の状態を判断するための救急の知識も必要です。
マルチな技術と知識が求められます!
要救助者を専用の担架に収容します。
毛布で要救助者を包み、体温が低下しないようにしています。
救出するのは20m先の上部。
勾配がきつい場所や高さ7mほどの岸壁を通過しないといけません。
救助隊員は要救助者とともにロープで吊られ救出します。
理由としては、要救助者を近くで継続して観察ができ、
担架が岩や樹木に引っかからないように操作をするためです。
また、救出中に石などが要救助者に当たらないようにヘルメットやゴーグルで保護します。
今回は登山道までの救出ですが、実際の現場活動であれば、
ヘリコプターによるピックアップ(ヘリコプターで吊り上げ、搬送すること)や、
要救助者を担架に収容したまま、搬送し、下山することもあります。
発生した場所や要救助者の様態によって適切な判断をします。
救出が完了し、無事に下山しました!
下山した後は、救助隊長から講評がありました。
訓練を通して良かった点や改善点を簡単に共有しました!
今回は実際の山間部で訓練ができる貴重な機会でした。
経験の少ない若手隊員にとっては現場活動の難しさを感じたことでしょう。
救助隊全員で更なるレベルアップを目指し、訓練に取り組みたいと思います。