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更新日:2023年6月10日
火災が起きたときに発生する「火」と「煙」。
火に近づけば、その高温によって体がやけどを負う危険があることは想像にたやすいでしょう。
対して、火と同時に発生する煙の危険性を皆さんはご存知でしょうか?
火災時に発生する煙の中には、人体にとって非常に有害な「一酸化炭素」が大量に含まれています。
自らの命を守るため、火災時の避難マスターしましょう!
モクモクと立ち昇る煙。その中に含まれる有毒ガスのひとつに「一酸化炭素」があります。
はたして、私たちの体にとってどのような危険があるのでしょうか?
私たちは呼吸によって常に体内に酸素を取り入れなければ生きていくことができません。
そんな私たちの体を流れる血液には、体中に酸素を運ぶという重要な役割があります。
ところが、呼吸によって濃度の高い一酸化炭素が体の中に吸入されてしまうと、一酸化炭素の作用によって瞬く間に血液が酸素を運べなくなってしまうのです。
生命活動に必要不可欠な酸素の不足を招いた結果、意識が遠のき、体の自由が奪われ、最悪の場合には命を落とす危険性もあるのです。
一酸化炭素を吸い込んだ結果、体にさまざまな症状が現れることを「一酸化炭素中毒」といいます。
吸い込んだ濃度と時間によって、出現する症状の大小が決まります。
高濃度の一酸化炭素を吸い込むと瞬く間に意識が遠のき、およそ1~2分で死にいたります。
症状が軽いからといって油断はできません。
【 濃度(%)】 【吸入時間と症状】
煙が水平方向に進むスピードは大人が歩くスピードよりも少し速いくらい、毎秒0.5~1mです。
垂直に進むスピードは大人が歩く速さの3~4倍の毎秒3~5m(駆け足の速さ)と非常に早く危険です。
落ち着いて素早く、的確に避難するのが重要です。
火災の煙は天井にたまり、行き場を失うと徐々に床の方に下がってきます。
火災の初期は床に近いところほど、比較的新鮮な空気が残っており,ある程度視界も確保されています。
有害な煙を吸い込まないようにハンカチやタオル、無ければ服の袖などで口と鼻を覆い、低い姿勢で避難しましょう。
非日常的な光景を目の当たりにすると、緊張感や焦り、恐怖などが一気に襲い掛かってきます。
さまざまな感情が交錯した結果、精神的なパニックに陥り、思わぬ被害の拡大につながるのです。
あらかじめ知識を身に付け、自分の命を守る準備をしておきましょう。
闇雲に逃げ回っているだけでは助かる命も助かりません。
知識のある人が声を発し、みんなを助かる道へと導くことも大切です。
下記の点を押さえておきましょう。
スーパーやホテルなどの建物でこのような表示を目にしたことはありませんか?
普段何気なく目にしている表示ですが、この表示は「誘導灯」と呼ばれ、火災の際にあなたが避難する方向を示してくれるとても大事な表示です。
①非常口や避難口を表す表示
②非常口や避難口までの経路を表す表示
現在のお住まいや勤務先、また、初めて訪れるような場所では、これらの表示を探してみてください。
いざというときにあなたの命を守る道しるべとなるでしょう。