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更新日:2020年2月27日
長期財政収支見込み(平成30年度~令和11年度)(令和2年2月作成)(PDF:279KB)(別ウィンドウが開きます)
令和2年2月に作成した長期財政収支見込みについて、その概要をご説明します。
なお、現段階で事業費や財源が明らかでない経費は含んでいません。
下の表は、令和3年度から令和11年度までの、市税などの一般財源額(歳入)と、その一般財源でまかなうべき経費(歳出)、歳入歳出差引額(マイナスの場合は収支不足額)と基金残高の見込みを示したものです。社会保障関係経費の増加に加え、阪神・淡路大震災により据え置いてきた公共施設の老朽化対策等が今後も必要となることから、令和11年度までの収支不足額の合計は104億円となる見込みです。この不足額は基金で補てんすることになります。
年度 | 歳入 | 歳出 | 歳入歳出差引 | 基金残高 |
---|---|---|---|---|
令和3年度 |
270億円 |
283億円 |
-13億円 |
82億円 |
令和4年度 |
270億円 |
289億円 |
-18億円 |
64億円 |
令和5年度 |
266億円 |
287億円 |
-21億円 |
43億円 |
令和6年度 |
283億円 |
298億円 |
-15億円 |
28億円 |
令和7年度 |
263億円 |
273億円 |
-11億円 |
18億円 |
令和8年度 |
263億円 |
272億円 |
-10億円 |
8億円 |
令和9年度 |
259億円 |
267億円 |
-8億円 |
0円 |
令和10年度 |
259億円 |
260億円 |
-1億円 |
-2億円 |
令和11年度 |
258億円 |
266億円 |
-7億円 |
-9億円 |
合計 |
― |
― |
-104億円 |
― |
(端数調整のため、歳入歳出差引及び合計が一致しない箇所があります。)
令和元年度から令和10年度の10年間の歳入及び歳出について、前回作成(平成31年2月)の収支見込と比べると以下の通り変化しています。
歳入全体では令和元年度から令和10年度の合計で2,693億円となり、前回作成の収支見込みに対して6億円増加しています。主な増減項目の10年間の合計額及び増減理由は次のとおりです。
市民税や固定資産税などの市が課税する税のことです。
固定資産税等の増加を見込んでいることなどから、約20億円増加しています。
国税や県税等のうち市町村に配分されるものです。
地方消費税交付金や株式等譲渡所得割交付金の見込みが前回作成時と比較して減少していることから、約15億円減少しています。普通交付税は、国が地方公共団体に代わって徴収し、地方公共団体の財政状況に応じて交付する税のことです。また、臨時財政対策債は、国全体で普通交付税の財源が足りないことから、普通交付税の不足を補うために特別に借入れることが認められる地方債です。償還額については後年度の普通交付税で措置されます。
普通交付税と臨時財政対策債は、令和元年度に不交付となり、令和2年度以降も不交付となる見込みです。
令和元年度に見直しを実施した使用料・手数料の改定による増加等により、約1億円増加しています。
歳出全体では令和元年度から令和10年度の合計で2,835億円となり、前回作成の収支見込みに対して37億円増加しています。主な増減項目の10年間の合計額及び増減理由は次のとおりです。
職員の給料・手当・共済費のほか、議員や各種委員の報酬のことです。
令和2年度以降の会計年度任用職員制度の開始に伴い、物件費等に計上している臨時的任用職員の賃金を人件費に移すことなどから、約20億円増加しています。
生活保護、児童福祉、老人福祉などの社会保障制度の一環として実施する給付費等のことです。
幼児教育・保育の無償化に伴い、利用者負担で賄っていた部分が一般財源負担の増加となる一方、児童扶養手当の令和2年度予算が減少したことなどから、約10億円減少しています。
個人や団体に対する補助金や負担金のことです。
直近(令和2年度)の予算に基づき、経常的な経費を下方修正したことなどにより、約9億円減少しています。特別会計への支出金のことです。
都市再開発事業特別会計への繰出金が増加したことなどから、約7億円増加しています。土木工事費や建設工事費のほか土地の購入費など、資産への投資に要する経費のことです。
都市再開発事業特別会計で実施するJR芦屋駅南地区市街地再開発事業について、土地の価格が上昇していることによる事業費の増加や、環境処理センター関連の施設整備費が増加したことなどから、約27億円増加しています。
市債残高は、平成27年度末に475億円まで減少しましたが、JR芦屋駅南地区市街地再開発事業や山手中学校・精道中学校の建替事業等の新たな借入が集中するため増加が続き、令和3年度には一時的に533億円まで上昇します。その後はなだらかに減少し、令和11年度には320億円となる見込みです。
公債費(償還額)についても、震災による借入がまだ多く残っていることや上記の新たな借入により、震災前の23億円と比べると依然として高い水準(40~50億円)となっています。
現状の収支見込みのまま何ら対策を講じなければ、基金残高がマイナスとなるおそれがあることから、そのような状況を回避するために、歳入確保(市税等の徴収率のさらなる向上や新たな財源の確保)や歳出抑制(公共施設の適正配置、事業の優先順位付けによる経常経費の抑制、効率的な組織体制の構築)の取り組みをより一層進めていきます。