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更新日:2025年3月5日
長期財政収支見込み(令和5年度~令和16年度)(令和7年2月作成)(PDF:396KB)(別ウィンドウが開きます)
令和7年2月に作成した長期財政収支見込みについて、その概要をご説明します。
なお、現段階で事業費や財源が明らかでない経費は含んでいません。
下の表は、令和8年度から令和16年度までの、市税などの一般財源額(歳入)と、その一般財源でまかなうべき経費(歳出)、歳入歳出差引額(マイナスの場合は収支不足額)と実質の基金残高(※)の見込みを示したものです。社会保障関係経費の増加に加え、道路や公園などのインフラ施設や公共施設の老朽化対策等が今後も必要となることから、令和16年度までの収支不足額の合計は123億円となる見込みです。この不足額は基金で補てんすることになります。
年度 | 歳入 | 歳出 | 歳入歳出差引 | 実質の基金残高(※) |
---|---|---|---|---|
令和8年度 |
294億円 |
320億円 |
-26億円 |
114億円 |
令和9年度 |
292億円 |
310億円 |
-19億円 |
96億円 |
令和10年度 |
292億円 |
307億円 |
-15億円 |
81億円 |
令和11年度 |
289億円 |
301億円 |
-12億円 |
69億円 |
令和12年度 |
288億円 |
296億円 |
-8億円 |
61億円 |
令和13年度 |
286億円 |
296億円 |
-9億円 |
52億円 |
令和14年度 |
282億円 |
297億円 |
-15億円 |
37億円 |
令和15年度 |
278億円 |
284億円 |
-6億円 |
32億円 |
令和16年度 |
279億円 |
292億円 |
-13億円 |
19億円 |
合計 |
― |
― |
-123億円 |
― |
(端数調整のため、歳入歳出差引及び合計が一致しない箇所があります。)
※基金残高と剰余金累計の合計が実質の基金残高となります。
長期財政収支見込の試算は、現時点の税制度・地方財政制度及び本市の財政運営をもとに行っています。
人口減少の本格化や前回の長期財政収支見込を踏まえ、将来にわたって持続可能な行財政運営を行なうため、令和3年度から「行財政改革」を実施しています。今回の長期財政収支見込では「行財政改革」の取り組みによる影響額を反映して作成しています。
下の表は、行財政改革の影響額と基金残高の推移を示したものです。
年度 |
歳入 (行財政改革影響額) |
歳出 (行財政改革影響額) |
計
(行財政改革影響額) |
実質の基金残高 (行財政改革影響額除く) |
実質の基金残高 |
---|---|---|---|---|---|
令和6年度 |
-20億円 |
5億円 |
-14億円 |
183億円 |
178億円 |
令和7年度 |
0 |
-4億円 |
-4億円 |
148億円 |
139億円 |
令和8年度 |
1億円 |
0 |
1億円 |
122億円 |
114億円 |
令和9年度 |
4億円 |
-2億円 |
2億円 |
102億円 |
96億円 |
令和10年度 |
10億円 |
-14億円 |
-4億円 |
92億円 |
81億円 |
令和11年度 |
4億円 |
-3億円 |
1億円 |
79億円 |
69億円 |
令和12年度 |
9億円 |
4億円 |
13億円 |
57億円 |
61億円 |
令和13年度 |
0 |
5億円 |
5億円 |
43億円 |
52億円 |
令和14年度 |
0 |
1億円 |
1億円 |
27億円 |
37億円 |
令和15年度 |
0 |
4億円 |
4億円 |
18億円 |
32億円 |
令和16年度 |
0 | 4億円 |
4億円 |
1億円 | 19億円 |
合計 |
10億円 |
-1億円 |
8億円 |
― |
― |
(端数調整のため、歳入歳出差引及び合計が一致しない箇所があります。)
(影響額については、正の値がプラスの効果、負の値はマイナスの効果となるものです。)
市債残高は、阪神・淡路大震災により平成13年度にはピークとなる1,119億円まで増えました。その後、借入抑制や積極的な繰り上げ償還を実施した結果、令和5年度末に458億円まで減少しました。令和5年度以降は、令和11年度まではなだらかに減少し、その後横ばいとなり、令和16年度末には265億円となる見込みです。
公債費(償還額)についても、震災による借入がまだ残っていることや上記の新たな借入により、震災前の23億円と比べると依然として高い水準(30~50億円台)となっています。
市の今後の財政状況については、過去に建設した公共施設や道路・橋梁等への投資、増え続ける社会保障関係経費などに対応するために、予算編成上は現在の基金を取り崩して運営する状況が続いていますが、決算においては収入を堅実に見込んでいることや入札差金などの影響もあり、基金の取崩しが少ない(又は基金の取崩しが不要となる)状況であるため、現状では基金が枯渇するような状況にはありません。
この長期財政収支見込みは出発点を令和7年度予算としているため、上記の説明から言えば、堅実に見積もった推計であると言えます。しかしながら、本市においては、現在実施中のJR芦屋駅南地区再開発事業や今後本格化する環境処理センター整備事業などの大規模な投資的事業が控えていることに加え、人口減少問題や社会経済情勢の変化及びそれに伴う市民ニーズが刻々と変わる中で、現時点では市が捕捉できていない支出もありうることから、予算編成ベースでの堅実に見積もった推計を行っているところです。
その上で、今回の令和16年度までの長期財政収支見込みでは、物価高騰や光熱費の増加も考慮し作成しており、基金残高が減少していく傾向が見えることから、今後も働き方改革などによる生産性の向上、市民サービスを考慮した上での民間事業者の活用、公共施設等のLED化・省エネ化による経常経費の削減、既存公共施設の今後のあり方の検討、未利用土地の有効活用・売却、国・県の補助事業を最大限活用することに加え、長期財政収支見込みを次年度以降も更新していくことにより、引き続き新行財政改革を進め、不断の努力を続けて安定的な財政運営を図っていきます。