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更新日:2014年12月5日

資料編【第1回研修会の記録(基調講演要旨)3】

第3章資料編の続き

第1回研修会の記録の続き

(3)地域福祉計画の特徴

1)市町村総合計画(マスタープラン)と個別福祉計画との中二階的存在

(吹き寄せ・吹き溜まり計画か積み上げ・上乗せ計画か)

2)保健・医療・福祉の統合から隣接施策との連携・融合

(住宅・交通・通信・労働・教育・文化など)
地域福祉計画の特徴の1つは、バラバラだったものを総合的な政策にすることを大きな目標にしていることです。残念ながら、福祉は福祉、医療は医療、保健は保健、教育は教育と、これまでバラバラだった。できるだけそれにつながりをつくっていこうということです。これは生活者である市民の立場に立たないとできません。行政は、専門に分かれている。予算の裏づけや法律、要綱などの根拠に基づいてやりますから、どうしても縦割りになってしまう。それを横につなぐのが市民の役割であり、それを反映しようというのが地域福祉計画だということをご理解願いたい。

3)市民参加・住民参画の計画策定…はみ出し・横出し計画

(市民活動・住民運動のテキスト、行動計画の色彩)
もう1つは、市民が参加すること。結局地域福祉計画というのは、私たちがやっている活動、これからやろうとする活動のテキストでもある。たとえば、宅老所やふれあいサロン、あるいは障がいのあるかたの作業所などは、これまであまり伸びなかった。そういうことも、ちゃんとやりましょうよと。全部行政が買い取ろうとしても、お金がない。だけど、水道代と電話代ぐらい出す。あとは自分たちでやる。お互いが、できることをやりましょうと、そういう特徴があります。

4)Plan-Do-See-Check(PDSC)のプロセスにおよぶ市民・住民参加

(立案、実施、評価、監視の総合的システム設計)

5)フローからストックの計画フレームづくり

(右肩上がりの補助金漬け行政から地域資産を活用した創出行政へ)
フローというのは、今流れているお金や皆さんの活動そのもの。それは必ずストックになっていく。資産・財産になります。資産・財産になったものをもう一度活用する。そういう循環をつくるということです。そのことを示そうというのが地域福祉計画だと思っていただきたい。
市民の持っているエネルギーや資産、アイディア、情報。そういうものを、もっと行政が活かしたらいいんじゃないかと。行政というのは明治時代から、リードするのは行政で、住民についてこさせるという発想でした。しかし、国が小さいときはいいのですが、これだけ世の中が複雑になってくると、行政は全部カバーできない。もう様々なことをやらなきゃいけないし、そのためには税金が高くなる。お金をケチればケチるほど、行政サービスは減る。サービスを増やすのもいいけれど、それでは負担が増えてしまう。その辺のバランスが難しい。でも、市民の中にも、専門知識やアイディアを持っている人がたくさんいる。その人たちを含めて、自分たちの地方自治や住民自治をつくろうという時代になっているのです。

6)エリア計画、コミュニティ計画の重視

(ニーズ・問題発見の名人から資源発見・サービス創出の達人へ)
特徴の最後は、エリア計画、コミュニティ計画。「ニーズ・問題発見の名人から資源発見・サービス創出の達人へ」と、ちょっと語呂合わせしてみました。反省を込めて言いますが、福祉をやる人は、私も含めて問題発見はうまいんです。「ここはあかん」と重箱の隅をつつくのは得意でした。でもね、それでは、問題は解決しない。これからは、「こういう問題があるけど、こういう資源や人材がいるから、こうすればちょっと変わるよ」という提案が必要なんです。

考えてみたら昔の自治はそうでした。みんながアイディアを出してたんです。みんながやれる範囲の中で福祉をやっていたんですね。それが、いつの間にか行政任せ・専門家任せになってしまった。それをもう1回取り戻して、「福祉における住民自治の復権」することが地域福祉計画の大きな目標です。

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