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更新日:2014年12月5日

資料編【第1回研修会の記録(基調講演要旨)5】

第3章資料編の続き

(5)公民協働における住民参加の推進方法

1)職員参加と住民としての職員

庁内体制の形成と住民団体の組織化

職員参加方式と行政職員の地域ボランティア化

専門職員、行政職員のリーチアウト

さて、最後のまとめです。住民参加について繰り返しお話ししましたが、住民参加が本当に実現するには、職員の参加が必要です。現場でどんな相談があって、どんなことで困っているかは、やはりその仕事に携わっている人がいちばん理解しているんです。問題点や課題、アイディアは、現場にいる人が持っているんですよ。そういう人の意見をちゃんと拾えるようにしないといけない。市民の活動と職員の人たちの知恵の両方がいるんです。それをうまくつなぎ合わせていくのが計画です。
職員は庁内会議をやっておられる。我々は市民の立場に立って、どこかで両者のカードをすり合わせることが大事ではないかと思います。職員参加の重要性は、大切な課題です。
また、職員の中には芦屋市民のかたもいれば、そうでないかたもいると思います。神戸市や大阪市の職員は、ほとんど市民じゃないですね。市民じゃないと、ふつうはサラリーマン化します。役所が「お勤め場所」になると、なかなか市民感覚が持てません。ある市で僕が「市民にばかり言わずに、職員さんも、ボランティアしなさい」と言ったら、えらく怒った人がいましたが、その人も、やはりよそから来てました。地元の人はそんなこと言いません。
宮崎県の都城市は、人口10万人くらいの町ですが、20年前から、職員が地域でボランティアをしないと課長にしないそうです。それでは他市からの優秀な人材が来ないんじゃないかと質問したら、「他市から採用した人は、地元に住んでもらう」そうです。すごいですね。
同じ宮崎県の延岡市は、旭化成がある町ですが、九州保健福祉大学という大学ができたんです。この学生さん全員に、4年だけでもいいから住民登録をしてもらい、その代わり、学割は7割引きなどの優遇をするらしいです。
行政もサラリーマン化すると、技術や能力を持っていても、本当に住民の目線でものを考えられるかというと、問題もある。だから、行政職員の地域ボランティア化、市民協働型職員なんです。福祉のことというのは、知っているようでいて、実はあまり知られていません。地域福祉計画をつくるのに、地域に入ったりNPOやボランティアの人と接してみて、いかに自分が市民を見てなかったかに気付くことも多いようです。この際だから、私たちがどんな暮らし方をしているのか、よく見てもらいましょうよ。

2)情報公開とIT(情報技術)化

情報公開の考え方、参加の前提

メディア・リテラシーの促進

情報処理(収集、加工、保存、提供)

個人情報の守秘義務と倫理綱領

それからなんといっても情報公開。やればやるほど手間と暇がかかりますが。もちろん今は、どんな会議でも傍聴OKですし、情報公開しないといけません。ただ、そういうおざなりな情報公開じゃなくて、本当に分かってもらえるように、いろんなアイディアを出していかないといけません。
都城市の情報公開はすごいですよ。市の予算書なんかは普通、細かい数字が並んでいて、よく分からない。でも、財政が厳しいことを分かってもらいたいので工夫して、グラフに描く。すると、どこで無駄遣いしてるかなど、よく分かるんです。そういう「伝えるための情報公開」でないと何の役にも立ちません。職員のかたにとっては、「誰がつくるのか」という話になると思いますが、皆さんの中で、「ホームページつくるのは得意よ」とか、そういう情報ボランティアも、ぜひ募りたいと思います。

3)行政職員、社協役職員の意識改革

公民協働の橋渡し役(触媒の役割)

新旧住民組織のテーブル(受け皿)づくり

定住型住民組織とテーマ展開型組織の連繋・融合

住民の問題解決力、資産・資力の引き出し

活動候補者の発見と確保

最後に、社協(社会福祉協議会)。地域福祉計画は、社会福祉法の107条で規定されていますが、そのすぐあと109条には、「社協は地域福祉の中核的な推進団体だ」と書いてあります。社協は、福祉分野の市民団体の総合的窓口ができる機関です。こんな組織はあまりないです。今日は芦屋の社協のかたもお見えと思いますが、皆さんの声を汲んでまとめ上げていただきたいと思います。
大事なことは、市民組織といってもこれだけ世の中が流動的に変わってくると、従来そこに住んでいる人だけでは、なかなか回らなくなってきてということです。働きに来る人も、勉強に来る人、学校に来る人もいるでしょう。そういう様々な立場の方も含めて、芦屋のまちを考えていきましょうということです。そういう組織づくり、関係づくりをしていかないといけない。
また、1番の基本は、「ずっと芦屋に住みたい」「ここにいたい」というのが理想ですが、たまたま短期間だけ住んだ人も、芦屋にホームステイさせてあげてるような感じで、「地域の大事さ」を勉強してもらう。そのことによって、定住している人のために尽くしてくれるのもいいと思います。「持ちつ持たれつ」です。こういうふうに、市民像を変えなきゃならない。「そこに住んでいる人だけが住民」というのでは、もう何もできないのです。
瀬戸内海に、大島という小さな過疎の島があります。ご多分に漏れず、若い人はどんどん大阪や東京へ行く。高齢化率が四十数パーセントで、年寄りばっかりの島です。だけど、ここはおもしろいことをやっています。空き家を、大阪や東京に住んでいる持ち主にお願いをして貸してもらうんです。これを改修して、宅老所やグループホームにしている。そして、その様子を写真やビデオに撮って、ふるさとビデオとして持ち主に送るんです。「あ、幼馴染の○○ちゃんが入ってるわ」と発見することもあるかもしれない。ビデオは「こんなことをやってます。お宅のおうちが役に立っています」と説明し、最後には「この事業は社協・地域のボランティアの協力で成り立っています。ご寄付をどうぞ」。そうすると、寄付がくるんです。本当に。過疎地で、主のいない家は廃屋になる。誰かがそこに住まないと、ガサガサと崩れていきます。しかし、この場合は、持ち主にとっては、多目的に使われていても財産そのものは残っているわけで、地域の人が使ってくれて自分の家が活かされている。このように、寄付だけでもいいから、気にかけてくれるのが住民。
そう考えると、そこに住んでいるということでの関わり方と、「高齢者のことをやりたい」「環境のことをやりたい」「子どもさんのことをやりたい」など、「私はこういう形で地域に関わっていきたい」というテーマでの関わりがあります。テーマでの関わりは、そこに住んでいなくてもできます。「芦屋のこと忘れないで。たまたま学生時代に過ごした芦屋を大事にして」といった関係づくりを、これから行政と市民が一緒になって進めていく。そういうことを描くのが、地域福祉計画ではないかと思います。時間の関係ではしょった部分もありますが、ご質問やご意見がありましたら、今日は私も最後まで残っていますので、何でも聞いていただけたらお答えしたいですし、またご意見も頂戴したいと思います。芦屋のことは、私も勉強したいと思っていますので、どうぞよろしくお願い致します。

お問い合わせ

こども福祉部福祉室地域福祉課地域福祉係

電話番号:0797-38-2153

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