更新日:2014年12月5日
芦屋市地域福祉市民会議各回の記録(第3回市民会議)
第2章 芦屋市地域福祉市民会議各回の記録の続き
3.第3回市民会議 -まちの課題を整理する-
(1)オリエンテーション
ワークショップ全体の流れと、当日の位置づけについて確認。あらためてワークショップの「ねらい」「すすめ方」「スケジュール」「心がまえ」等について確認した。
(2)ウォーミングアップとグループ分け
体を動かす簡単なゲームでウォーミングアップを行なった。グループで輪になり、全員の指がふれたままの状態でアルミ皿を地面に着地させる「UFOゲーム」は難しく、下におろそうとするほど皿は上にあがる。ファシリテーターから「みんなの願いや思いは同じはずでも、結果を出すためには知恵と工夫が必要。地域福祉活動も同じ」とコメントがあった。
(3)セッション ー 出された課題を整理し、共有しあう-
第2回会議で行なった即答フリップ方式全員参加型ディスカッションの回答用紙を質問項目毎にまとめたものを材料に、5つのグループに分かれ、分担してまちの課題を整理した。
整理の手順と方法は、次の通りである。
- 1)質問ごとに類似の内容のものを、カードの本意を確認して分類、束にする
- 2)分類したカードの束に簡単な文章で見出しをつける
- 3)まとめシートに見出しと補足説明を記載する
- 4)まとめシートをもとに、報告書に内容を記載する
作業に際しては、「カードの本意に忠実に整理する」こと、また作業は「みんなでやる」ことを心がけた。
課題の整理の後、第4回・第5回会議で解決のための方策を探るテーマとなる、質問8「よりよいまちにするために、もっとも必要なことは何だと思いますか?」の整理の結果が、担当グループから発表された。
それぞれの整理の結果は以下のとおりである。
なお、質問1「今の気分は?」、質問2「私、一見ですが、実はです」、質問5「自分のくらしにかかわることで、もっとも関心のあることは?」の3つは、時間の都合により整理は行なわなかった。
(まちの課題まとめシートの内容詳細は、資料編63pに掲載)
<図 まとめシートフォーマット(例)>
質問9-2 よりよいまちをつくっていくにあたって個人や地域に求められる役割は?
人まかせにしない!
- 地域の一員(市民)としての意識を持ち、自分が何ができるか、参加、協力を積極的に行ない、よりよいまちづくりのために努力する。
- 行政に関心を持つ。
<「まちの課題の整理」結果>
質問3-1 私のまちの好きなところ、なかなかいいなと思うところ
- ふるさと芦屋、無条件にすべて好き
- 便利、利便性が良い
- 環境、景観、景色がきれい、良い
- 緑が多い
- 人間関係が良い
- 生活環境が良い
- 自然に恵まれている
- まちがきれい、美しい
- 静かで落ち着いている
質問3-2 私のまちの嫌いなところ、ここはよくないなと思うところ
- 買い物、安い飲食店、駐車場等の面で生活に不便がある
- 公共機関、公共施設の利便性に地域差がある
- 自然が失われつつある
- 活気がなく、殺伐としている
- バリアフリーが整っていない
- 道路や公園でのマナーが悪い
- 地域でのコミュニケーションが希薄である
- 住んでいる人の気位が高く、とりすましている
- 車の騒音がやかましい
質問4 あなたはまちに、どのように関わっていますか?
- 日常生活の中でかかわりをもっている
- 行事に参加する
- 地域の団体役員として
- 当事者団体の一員として
- 仕事としてかかわっている
- ボランティアとして
質問6 私たちのまちや暮らし、昔と比べて変わったなぁと思うこと【現状】
- 女性の社会進出が増えた。若いお母さんが外で働くことが増えた
- 高齢者が増えた
- 車が増えた
- ライフスタイルが変わった
- 地元にとけ込んだ店、市場がなくなった
- 近所づきあいが減った
- 親子のコミュニケーションの希薄化
- 子どもの遊び方が変わった
- 町並みが変わった
- 若年層が増加した
- 近所との連帯感が強くなった
- 震災後治安が悪くなった
- 外国の人たちが増えてきた
- マンションが増えた
質問7 私たちのまちで、問題だと思うことは?【現状】
- 市民の声が市政に反映されていない
- ペットなど犬・猫の飼い方に問題がある
- ごみ捨てのマナーが悪い
- 家庭の機能が低下している
- 誰もが安心して住み続けられるまちではない
- 地域に関心がない
- 子どもの教育(しつけ)に無関心な人が多い
- 道路交差点がバリアフリーになっていない
- 総合的な福祉センターが芦屋にはない
- ワンルームマンションの住民と関係がもてない
- 人も地域も閉鎖的である
- 生活水準の格差が大きい
- 地域活動への参加意識が少ない
- 新旧住民の交流がない
- 地域のまちづくりを進めるための人と場所が生かされていない
- 同じ人が同じような企画をしていて、活動が広がらない
- 自己責任と自己決定ができていない
- 地域のコミュニケーションが少ない
質問8 よりよいまちにするために、もっとも必要なのは何だと思いますか?【課題】
- 行政職員の資質を向上させる
- 総合福祉センター等、活動や交流の拠点をつくる
- 住民と行政が協力してまちづくりに取り組める仕組みをつくる
- みんなが気軽に交流できる機会や、そのための情報を充実させる
- 活動の担い手や参加者の固定化を解消する
- 生活弱者が暮らしやすいまちづくりを進める
- 自治会、コミスク、老人クラブ等、地域のグループや団体の横のネットワークをつくる
- 気軽に参加できる地域のコミュニケーションをつくる
- 地域づくりに対する市民意識を向上させ、活動実践者の発掘・育成をする
- 声かけ、あいさつから始まる近所づきあいを深める
- 自治会組織の充実・連携を図る
質問9-1 よりよいまちをつくっていくにあたって行政に求められる役割は?【対策の方向性】
- 目標達成のための仕組みづくり
- 既存の市民活動、グループに対する支援
- 具体的な生活課題に対応する
- 行政内部での連携を強化する
- これから活動をしようとする市民に対する支援
- 施策、目標の設定
- 行政と民間の役割分担を明確にする
- 市民(住民)の声を聞く
質問9-2 よりよいまちをつくっていくにあたって個人や地域に求められる役割は?【対策の方向性】
- 近隣の人とのコミュニケーションを深める
- 人まかせにしない!
- 住民相互の連携
- 自分の周辺への気くばり、目くばり
質問10 よりよいまちにするために、あなた自身にできそうなこと(やってみようと思うこと)は何ですか?
- NPOの社会事業へ挑戦
- 自己啓発
- 障がいのある人も安全、安心して暮らせるまちづくりを進める
- 人の輪(ネットワーク)を広げていく
- ボランティア活動を進める
- あいさつ、声かけをする
(4)ふりかえり&わかちあい
第3回市民会議は、第2回で出されたまちの課題を整理することを目的に行なわれた。第2回で出し合ったカードをもとにKJ法で現状認識や課題、対策の方向性について整理した。
最後にふりかえりシートを用いて、1日の流れのふりかえりを行なった。「お互いの意見を尊重し合い、より深くまちの課題を考えることができた」といった意見が出された。
今回は、学識経験者の三毛氏も参加した。